1.蒐集者 歌人・𠮷岡生夫(活動内容は草食獣・𠮷岡生夫の世界を御覧下さい)。 2.蒐集対象 集英社の古典俳文学大系の3『談林俳諧集一』と4『談林俳諧集二』を対象としています。 |
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一 | ゆめみ草 | 境海草(さかひぐさ) | 続境海草 | 生玉万句 |
西山 宗因千句 | 大坂(おほざか)独吟集 | 信徳十百韻(とつぴやくゐん) | 江戸俳諧 談林十百韻 | |
俳諧当世男(いまやうをとこ) | 天満(てんまん)千句 | 西鶴 俳諧大句数 | 蛇之助五百韻 | |
宗因七百韵 | 大坂壇林桜千句 | 俳諧 虎渓の橋 | 物種集 | |
二葉集 | 俳諧百韻 風鳶禅師語路句 | 俳諧 江戸蛇之鮓 | 投盃(なげさかづき) | |
俳諧 東日記 | ||||
二 | 蚊柱百句 | しぶうちわ | しぶ団返答 | 俳諧蒙求 |
俳諧中庸姿 | 俳諧破邪顕正 | 俳諧 破邪顕正返答 | 俳諧 破邪顕正返答之評判 | |
俳諧破邪顕正 評判之返答 | 俳諧 備前海月 | ふたつ盃 | 俳諧 是天道 | |
俳諧太平記 | 談林 功用群鑑 | 俳諧 物見車 | 俳諧特牛 | |
俳諧江戸通り町 | 江戸広小路 | 俳諧 板東太郎 | 阿蘭陀丸二番船 | |
雲喰ひ | 談林軒端の独活 | 洛陽集 | 松嶋眺望集 | |
大坂 辰歳旦惣寄 | 俳諧 難波曲(なにはぶり) | 仏兄七久留万(さとえななくるま) |
3.蒐集意図 17世紀後半、軌を一にして俳諧と狂歌の世界に起こった変化の一つに近代語の登場があります。快挙でした。俳諧の世界ではその革新性は談林の消滅とともに運命を同じくしますが、一方で狂歌人・鯛屋貞柳によって、その遺産が継承されていきます(貞柳と談林の関わりについては「狂歌と歌謡~鯛屋貞柳とその前後の時代~ 」で触れています)。 談林は蕉風に席を譲るわけですが、そこに一抹の疑念が生じます。 すなわち「何を詠うか」に人は関心を寄せるが、その基盤となる「何で詠うか」についての関心は極めて低いのではないか、ということてす。「何で」とは古代語と近代語という異なる言語大系のいずれに拠るかということです。 思い返すに万葉集は今でいうなら固有の文字を持たないわけですから話し言葉短歌もしくは言語体短歌でした。平仮名を手にした古今和歌集は今でいうなら現代語短歌(言文一致歌)です。いずれも当代の言葉によって詠われたものでした。 門外漢の印象ですが、言文二途の時代、芭蕉は軸足を古代語に移して芸術的完成を遂げたのではないか。近世の五句三十一音詩にたとえるならば狂歌から和歌に後退したのではないか。もちろん「何を詠うか」ではなく「何で詠うか」という意味においてです。 このような視点から眺めると談林俳諧が登場させた近代語の意義は永遠に色あせることがない、また色あせていないというべきでしょう。 4.凡例 ①名詞と代名詞は基本的に除外しています。 ②助動詞の「ぢゃ」等、すべてを蒐集していない例もあります。 ③音便については平安時代から見られるものの、和歌では稀、しかし狂歌では珍しくありません。談林俳諧では当たり前のように出てきますが、これも蒐集の対象から外しています。 ④近代語、もしくは古代語ではないという判断は『日本国語大辞典』の用例を参考にしました。助動詞「た」「う」などは随分と古い用例もあるようですが、実作者の主観で蒐集した面もあります。専門家の方のご指導ご教示をお待ちしています。 5.結論 5年や10年のスパンではなく、近代短歌や現代短歌といった枠組みでなく(ちなみに近代短歌の歴史はせいぜい4,50年でしょう)、三十一文字の発生から現在までを俯瞰するならば、現代短歌は近代語と兄弟の関係にある現代語で詠うのが当然という帰結になります。 季語と切れ字のある俳句も、基本的には同じでしょう。たとえば、 頬叩き女子駅伝の朝稽古 夕焼けて親水的に二人連れ 水脱いで春の真昼の河馬二トン 一月のアンパンマンの来る日和 弟はすぐぶらさがる夏の夕 鯔跳んで昼の火星が接近中 東風吹いてぶつかるぶつかるラガーたち 従順を拒む一頭夏の馬場 坪内稔典句集『ヤツとオレ』(角川書店)を読んだときの印象がそうでした。 歌人としての発言を求められるならば、 短歌変質論 私は尋ねたい いわゆる「文語体歌人」のあなたに なぜ古典文法なのか? 口語歌の万葉集から 平仮名が生まれ 言文一致の古今和歌集へ やがて時代は 古代語から近代語へ その過程である中世語の時代において 言文は二途に開かれ 明治大正昭和を経て 再び原点に回帰した -読み書き話す- ところで あなたの短歌は その変質した時代の五七五七七を良しとするのか? いわゆる「文語体歌人」のあなたに 私は尋ねたいのだ となります。 この現代につながる物語は西山宗因(俳諧)、半井卜養(狂歌)、豊蔵坊信海(狂歌)に始まりますが、ここでは隣の芝生で起きた宗因流(談林俳諧)に、その風の行方を見ていきたいと思います。 |
「狂歌大観」33人集 | 狂歌大観(参考篇)作品抄 | 「近世上方狂歌叢書」50人集 |
YouTube講座「𠮷岡生夫と巡る語句三十一音詩の世界」 | 日本語と五句三十一音詩 | 狂歌史年表 |
書名 | 該当句 | 頁と段 | 作者 | 備考 |
生玉万句 | 秋かぜをおき(聞)きやるかとて木やり(遣)して | 198中 | 重故 | 「やる」は助動詞。 |
馬蘭草似た物野干哉 | 200中 | 佐太 | 助動詞「た」の用例は古いが…。 | |
娑婆で見た弥次郎もきけほととぎす | 203上 | 不弁 | ||
宗因千句 | 立年のかしらもかたい翁かな | 208上 | 西山宗因 | |
花ちらす志賀の山風何とせう | 208中 | 助動詞「う」の用例も古いが…。 | ||
事とはん雨がふらふ(う)が降(ふる)まいが | 210上 | |||
給(食=たべ)酔(よう)た花見がへりのものがたり | 210中 | |||
此里のみの月ではあるまい | 211上 | |||
花の陰宿をかさずば出てい(去)なう | 211上 | 「出て」は基本形「でる」と判断。 | ||
あばら屋の不破の関守にくいやつ | 211下 | |||
ささやきていはばやたつた一ことは | 213上 | 副詞。古代語ではない。 | ||
見たにちがふ(う)た渋柿の陰 | 213中 | |||
果報は寝てやついた国の名 | 215上 | |||
いでさらば僧を吊(弔=とぶら)ひかたらふ(う)ぞ | 215中 | |||
鮒なますくふ(う)た同士の永日(ながきひ)に | 216中 | |||
関なりと月にかよふを通すまい | 218上 | 助動詞「まい」。古代語ではない。 | ||
前(さき)の夜たつた一夜ばかりか | 219上 | |||
とまつたとまつた鞠は霞に | 219上 | |||
させまいとかきやぶるなる際目論 | 220下 | 「まい」は助動詞、中世以降。 | ||
くれないか是非是非花を所望だぞ | 221上 | 「ない」「だ」は助動詞。 | ||
ぞつとした山路の里に出来分限(できぶげん) | 221上 | 「ぞつと」は副詞。「した」の「た」は助動詞。 | ||
やらんやらあだ名あだ浪立(たつ)た今 | 221中 | 「たつ」は連用形「たち」の促音便。 | ||
請取(うけとる)はわれ鍋たつた一(ひとつ)庵 | 221下 | 「唯」の音変化、中世以降。 | ||
折々にちよつと手かけの下心 | 223中 | 副詞「ちっと」の音変化、中世以降。 | ||
入(いる)々とはやきくやうな湯山(ゆのやま)に | 223下 | 助動詞「ようだ」の連体形。 | ||
ひよつと飛脚に心ざす秋 | 223下 | 副詞、中世以降。 | ||
若衆の喧嘩さへずにいられうか | 224上 | 「いられようか」の音変化。「いらりょうか」。 | ||
灸の針のとよはさうな皃 | 224中 | 助動詞「そうだ」の連体形。 | ||
たつた一筆をくる秋の夜 | 225上 | 副詞。古代語ではない。 | ||
ため息ほつと月の下臥(したぶし) | 226下 | 副詞、中世以降。 | ||
大坂独吟集 | ちりちりやちつた所が花の波 | 233中 | 幾音 | |
岩ねの床にだ(抱)いたかし(締)めたか | 234中 | |||
さてもさしでた洲崎嶋さき | 234下 | |||
わたしの舟を出さふ(う)出すまひ(い) | 235上 | 素玄 | 「まい」は助動詞、中世以降。 | |
いつく(食)たままぞよは(わ)る虫の音 | 235上 | |||
ぞつとするほどきれ[い]な小扈従(こごしやう) | 235中 | 形容動詞「きれいだ」の連体形。 | ||
浦切手上代風で有(ある)まひ(い)か | 237中 | 三昌 | ||
滝のしら波はやい句作り | 237中 | 形容詞 | ||
あそばした一字の夢やさますらん | 237下 | |||
蜻蛉(かげろふ)の命惜(おし)くば落(おち)ませい | 238上 | 助動詞「ます」の命令形、中世以降。 | ||
へ(ひ)よんな事する妹とせ(背)の山 | 238中 | 連体詞 | ||
お日待(ひまち)の更行(ふけゆく)空に湯のみたい | 238中 | |||
そもじつれない厂(かり)かへるとて | 238下 | 形容詞 | ||
芋の葉風只ぶりしやりと別れ様 | 240上 | 副詞 | ||
一条通り雪はすっきり | 240中 | 副詞 | ||
夕涼み草のいほり(庵)にふんぞりて | 240下 | 基本形「ふんぞる」、中世以後。 | ||
秋風にあふ(う)た時こそ縁ならめ | 241上 | |||
野ゝ(の)色もあかい頭巾やそよぐらん | 243下 | 鸖永(西鶴) | 形容詞 | |
たつたいま念仏講はおどろきて | 243下 | 名詞。「只今」の音変化、中世以後。 | ||
ながらへてあられうものか露の間も | 245上 | 由平 | 「あろうものか」 | |
はづいて来たぞ千代の古道 | 245中 | |||
露のしのはら(篠原)たてふ(う)とふせうと | 245中 | 「立とうと伏せようと」 | ||
あつかひ口もねぢた月影 | 245下 | |||
とかふ(う)申せば馬かさうと云(いふ) | 247上 | |||
鍔屋殿わざと呼ふ(う)だと御座らふ(う)か | 247上 | |||
ひごろのうらみ根はぬけました | 247上 | |||
いかいやつかいかくるゆ(湯)の山 | 247上 | 副詞「いかい(厳い)」。形容動詞「やつかい」。 | ||
味噌こし碁又まい(ゐ)らふ(う)か峯の坊 | 247上 | |||
穴蔵の沙汰もほつとり納りて | 247中 | 副詞 | ||
その手をとつてわかれうかいの | 248上 | 「別れよう」 | ||
言伝(ことづて)せうもの旅の行末 | 248上 | |||
もつてまい(ゐ)らふ(う)さかづきの影 | 248中 | |||
小蝶もともにとんだ作者の | 248下 | 動詞に連体詞を掛けたか。 | ||
はらますはあたまのくろい鼡すら | 248下 | |||
巾着しぶいたみねの松風 | 248下 | |||
月に影あたい(ひ)はこぎり申まひ(い) | 248下 | |||
ゆつくり千代をみつの浜松 | 249上 | 副詞 | ||
関路の鳥の銭はもどりじ(ぢ)や | 250上 | 未学 | 助動詞、「だ」。例が多いため随時省略。 | |
やりませうから尻馬に月をのせて | 250上 | |||
乞喰(こつじき)やわつぱさつぱと荻の声 | 250上 | 副詞。 | ||
あほ(は)うげな心の馬をつながせて | 250下 | 形容動詞、「げ」は接尾語。 | ||
いの字のついた国の東風々(こちかぜ) | 251上 | |||
天乙女(あまをとめ)まちつと先にけがついて | 251上 | 連語(日本国語大辞典)、副詞(デジタル大辞泉)。 | ||
あかい羽ごろも扨(さて)一かさね | 251上 | |||
たのふ(う)だ人は狂言のすき | 252中 | 悦春 | ||
あるときはちよこちよこばしり練供養 | 253中 | |||
茸狩のあるが中にも是見さい | 253下 | 連語、「さい」は助動詞「さる」の命令形「され」の音変化 。 | ||
三熱のひよろひよろと鳶鳴(なき)て | 254上 | 副詞 | ||
やらふ(う)やるまい此(この)家ざくら | 254下 | 重安 | 「まい」は助動詞。 | |
若後家の手代と中もよい世帯 | 254下 | 形容詞。 | ||
雨より詩作しつぽりとして | 255上 | 副詞。 | ||
信徳十百韻 | 前垂(まへだれ)そつとくど(口説)くめり | 263下 | 伊藤信徳 | 副詞。 |
しよろしよろ月をながす溝川 | 264中 | 副詞。 | ||
駕籠か(借)らふ(う)やよやと声のしてんげり | 264中 | |||
ひいよろと鳥鳴捨(なきすて)てゆく秋に | 265中 | 副詞。 | ||
あひまこま(合間小間)お針に来ますやとひ(雇)人 | 265中 | |||
あゝ若衆かなよいお(を)とこかな | 266上 | 形容詞。 | ||
清書(きよがき)をばらりと捨(すて)てはしり出(いで) | 266下 | 副詞。 | ||
見廻(みまはり)のためか(斯)うははよ(早)ようき(来)た | 266下 | |||
岩根まつしろ(真白)露ふ(更)けにけり | 267上 | 名詞、形容動詞。 | ||
おぼえたか月くらき夜の一刀(ひとかたな) | 267下 | |||
雪駄しやらしやら春ぞ来にける | 268下 | 副詞 | ||
見し(知)つたといふ声あなりぬめ(滑)り町 | 269上 | |||
よいぺゝを着てやよわやく者 | 270上 | 「よい」は形容詞、「わやく」は名詞・形容動詞。 | ||
しよんぼしよぼ月くらうして雨淋し | 270上 | 副詞。次の「しよぼ」で畳語法を援用、し音を活用した。 | ||
筧(かけひ)たらたらまさに長き夜 | 270上 | 副詞。 | ||
まつぱだか肘(ひぢ)を枕の夕涼み | 271中 | 名詞、形容動詞。 | ||
小家まばらに焼火(たきび)ちよろちよろ | 271下 | 副詞。 | ||
伊達にこそ裾野ひらしやら尼衣(あまごろも) | 272上 | 副詞、「びらしゃら」。 | ||
声さへふし(節)さへあつぱれもんたい | 272中 | ? | ||
春の雨何(なん)と亭坊(ていばう)淋しいか | 272下 | 形容詞。 | ||
暑さ残つて月遅いよな | 273中 | 形容詞。 | ||
わすれがたみの父によう似た | 274上 | |||
よい婿がね(預)よ三国一じ(ぢ)や | 275上 | 形容詞 | ||
ずゝ(数珠)をふつつりかゆ(ふ)る宗躰(しゆうたい) | 278中 | 副詞。 | ||
奥ものふかし釜しかけたか | 278下 | |||
彼岸まい(ゐ)りは若い後家よな | 278下 | 形容詞。 | ||
にく(憎)いやつ月の朝(あした)のそら礫(つぶて) | 279上 | 形容詞。 | ||
待(まち)まする京諸白を持(もた)せにて | 280上 | 助動詞。 | ||
福の神声めずらかに御ざつたぞ | 280下 | |||
よい男はたちばかりの親がゝり | 281上 | 形容詞。 | ||
わつさりと若やぐ水の竿釣瓶(さをつるべ) | 281上 | 副詞。 | ||
談林十百韻 | ふんぎつて樹下石上をめくら飛(とび) | 288中 | 一朝 | 「踏ん切る」、「踏み切る」の音変化。 |
要石なんぼほつてもぬけませぬ | 288下 | 松意 | 「なにほど」の音変化。 | |
鯰の骨を足にぐつすり | 288下 | 雪柴 | 副詞 | |
倹約を守(まもる)といつぱ手鼻にて | 289中 | 一鉄 | 「言っぱ」、「いふは」の「ふ」の促音化。 | |
淡雪の夕さびしき宿から(借)ふ(う) | 290上 | 松意 | ||
こはひ(い)夢見し露の世の中 | 295下 | 志斗 | 形容詞 | |
泪の滝の水くらはせう | 296上 | 松臼 | 「喰らわす」。 | |
かうしてどうして雪のむら消(ぎえ) | 296上 | 雪柴 | 副詞 | |
むこうからうつてかからば飛火野に | 296上 | 松意 | 名詞 | |
はるかあつちの人の世中 | 296中 | 一鉄 | 代名詞 | |
敵めを御鬮(みくじにまかせてくれう物) | 296下 | 志斗 | 助動詞「う」。 | |
心ざし起請の面にたつた今 | 298中 | 正友 | 名詞。「只今」の変化した語。 | |
天狗といつぱ鳥のさへづり | 298中 | 一朝 | 「言っぱ」、「いふは」の「ふ」の促音化。 | |
咲(さく)花のあるじをとへば又留主じ(ぢ)や | 298下 | 志斗 | 助動詞 | |
なすび畠の味な事見た | 300上 | 松意 | ||
そちがいさめいかにも聞えた虫の声 | 300上 | 松意 | ||
毛のはへ(え)た手のきりぎりす鳴(なく) | 300下 | 松意 | ||
そりやこそ見たか蛇柳の声 | 301上 | 松臼 | 「そりゃこそ」は感動詞。 | |
あの人にやらふ(う)やるまひ(い)姫萩を | 301中 | 雪柴 | ||
露むすぶ柿ふんどしもわかい時 | 302上 | 卜尺 | 形容詞 | |
岩根にじつと伊勢の三郎 | 302中 | 一朝 | 副詞 | |
ようこそきたれ萩の上風 | 302中 | 松臼 | 副詞 | |
落られまいぞ尋常に死ね | 302中 | 松意 | 「まい」は助動詞、「まじ」の口語形。 | |
ひつぱがれぬるあけぼのの空 | 302下 | 卜尺 | 「ひきはぐ(引剥)」の変化した語。 | |
鎌おつ取(とつ)てはしる柴人 | 303中 | 志斗 | 「押っ取る」(「おっ」は接頭語)。 | |
あら海の岸による波泪じ(ぢ)やもの | 303下 | 正友 | 助動詞。 | |
しやなしやなとしししに行けば乱髪 | 304上 | 松臼 | 副詞。「しし(尿)」は名詞。 | |
人らしき心もたずばもたせうぞ | 305上 | 正友 | 「う」は助動詞。 | |
世の中はへんてつ(褊綴)一衣(いちえ)かるい事 | 305上 | 一朝 | 「褊綴」は僧衣の一種。「かるい」は | |
別(わかれ)ばの酒寒いにま一つ | 305下 | 志斗 | 形容詞。 |