大学時代の習作集

 のぶさんは、実は、大学時代、小説家志望でした。京都教育大学教育学部国文学科でしたが、心の中では文学部でした。
 国文学科の仲間を誘って、「宿酔(ふつかよい)」、「浪曼」「文学以前」という同人雑誌を作りました。
仲間といっても4、5人で、かろうじてカストリ(3号で終わる)にはなりませんでしたが、いずれも短命でした。
また、公民科の教師を目指す第一社会学科の友達の「無為の会」という雑誌にも参加しました。
さらに、他の大学生が作っていた『文苑』という同人雑誌の同人にもなりました。
 大学時代、傾倒した作家は高橋和巳でした。
当時は、すでに亡くなっていましたが、その真摯な生き方に憧れました。
そして、その小説の凄さに、僕など到底及ばないと、小説家を断念しました。
しかし、その情念は消しがたく、ここにこうして復刻しました。
読み返してみると、無骨で下手くその極みであり、
人に見ていただくのは恥ずかしいのですが、
青春の道標として公開することにしました。
お時間があれば、お読みいただければ幸いです。


小説

高校3年

この一瞬にすべてを 1974.1
 卒業文集に書いた処女作


1回生


不幸への旅 1975.2
  恵まれすぎた幸福に劣等感を抱き、不幸を求めてドヤ街へ旅に出る信介、しかし、そこで見たものは。

ろめんでんしゃ 1975.2
  ある夜の路面電車の中での不思議なショートストーリー。

2回生

恒久分離  1975.4
  目の前で突然恋人を失った武志、その空虚を埋めるものを捜し求める。そして、辿り着いたのは。

展覧会の絵 1975.7
  一人の女と一枚の絵が、二人の男を結びつける。

さんしきすみれ 1975.9
  美しいものは、どこまで分解しても美しいままなのか。

赤い絶望 1975.11
  男は女を思い通りになるように征服しようとする。しかし、いったん思い通りになると飽きてしまう。

3回生

自由への誘(いざな)い 1976.1
 自分が自由であることは人も自由である。そこで生まれるものは地獄でしかない。

われらの時代  1976.7
  遅れて生まれてきたわれらは、もう一度戦後の廃墟から、理想的な世界を再構築したいと切望している。書き下ろし、超観念的長編小説。


赤い絶望(改訂) 1976.11
 前作を同人雑誌ように書き換えた。相変わらず独りよがり。


空しい時間 1976.12
  彼女とともに時間を過ごしながらその空しさを感じてしまう。


4回生

平凡 1977.4
  評論「零からの出発」を実存的小説に仕立てたちょっと秀作。

透明な眼 1977.7
 すべてのものが見通せてしまう眼を持てば、幸せか。

新・不幸への旅 1977.11
  前作同様、幸せすぎる現在に劣等感を抱く主人公が旅に出る話だが、今回は父親との葛藤もテーマになっている。しかし、未完に終わっている。


評論・エッセイ

3回生

愛は罪なりや〜「人間失格」における一考察〜 1976.5

悲しめる石 1976.9

逆説の時代 1976.9

零からの出発 1976.12

戦後文学研究序説 1977.2

4回生

野間宏小論 1977.4

椎名麟三論〜戦前から『永遠なる序章』まで〜 1977.4 

椎名麟三論(梗概) 1977.10

愛の詩 1977.11



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