鳥取県とその周辺の安全・楽ちんな港内フィールドでチヌを釣る!

のんびり紀州釣りを楽しむ『チヌどぼん会



















※海況情報リンク









(1)私が紀州釣りにハマってしまった理由

●濁りに興奮して集まってくるチヌの習性、餌取りに邪魔されず刺し餌を着底させやすいダンゴの威力、合理的だとは思いませんか?私も技術屋の端くれ、この合理性にたまらなく魅力を感じます

●無理して危険なテトラポッドに乗ったり、荒磯を攻めたりしなくても、安全な港の内向きでそこそこの釣果があります。ただし、サイズをあまり気にしなければ(...とはいうものの、二重の防波堤に囲まれた港内奥の突堤で、45cmを超すチヌが釣れることってそんなに珍しくないです)

●折りたたみイスに座って釣りができるので、腰痛持ちの小生にはまことにありがたい。ただし、ダンゴを握るのに手のひらが疲れ、投げるのに腕が疲れるので、慣れるまではちょっとシンドイ

●「晴釣」の名の通り、晴れた穏やかな日にしか釣行しないナマケモノなので、凪の日でもそこそこ釣れる紀州釣りは打ってつけなんですね。底が丸見えの澄んだ浅場でデカチヌが食いつく!紀州釣りの驚異的な得意技です

●朝早くから出かけなくてすみ、夜釣りの必要もありません(夜釣りはイマイチです)。まさに楽釣りです

●楽釣りとはいえ、結構ダンゴを投げ返すのは忙しいんですね。餌取りやいろいろな外道も適当に退屈を紛らわせてくれます。気が短く飽きっぽい小生には、これもぴったりというところです


(2)仕掛け

●シンプル仕掛け

 紀州釣りはダンゴ釣りの一種、仕掛けはいたって簡単です。あれこれこだわる人もいますが、晴釣流は右図の通りです。
 ウキのオモリ負荷に対応したオモリは、道糸やハリスに付けるのが普通ですが、その点で晴釣流の場合は、そのオモリをウキに直結してラインにオモリを付けずフリーにする工夫をしています。ダンゴがバラケて(愛好者用語で『割れて』)、水中に出てきた刺し餌が少しでも自然な動きをすれば...という発想です。刺し餌が浮きやすいので、チヌのタナが底ではないときに自然とタナを探れる利点もあります

●ウキ

 ウキは、適度に重いものが投げたダンゴといっしょに飛んで行きやすく、便利です。あまり軽すぎると勢い(慣性力)が弱く、また風に流されやすいためうまく飛びません。風が強くて棒ウキがうまく飛んでいかないときは、重い円錐ウキを使う手もあります。また、視認性が良く目が疲れにくいウキがおすすめです

【 晴釣流おすすめウキ 】

メインで使用:『武勇伝 静波 1号(タカミヤ)』→画像はこちら

@鮮やかな蛍光色が水面に顔を出し視認性が優れている
A浮力がやや強めで、少し風波がきついときでもアタリが取りやすい
B本体が少し重め、トップも短かめなので、強風時に煽られにくく飛ばしやすい。アタリも見やすいが、さらにトップの根元部分約2cmを黒く塗装して、前アタリを取りやすく改良している

逆光時に使用:改良『スリムちぬDX 1号(キザクラ)』→画像はこちら

@視認性に優れた長寸・太めのトップ全体に黒の塗装を施して、逆光のときの視認性を格段に向上させた
A浮力が弱く細身なのでアタリは鋭敏(晴釣流のチヌ釣法ではウキの感度にはあまりこだわらないが...)
B軽く長寸なので、強風・逆風時には風に煽られ飛ばしにくい


●竿

 竿は、普通の外ガイド磯竿やチヌ専用竿でOK。ただし、雨の日や向かい風の強い日は、外ガイド竿では糸絡みしやすく扱いが難しいので、糸絡みしにくいインターラインタイプの竿が使いやすいです(ダンゴの飛距離は落ちますが)。
 高価ですが、近年楕円形の斜めガイドを装着した外ガイド竿が開発され、糸絡みが劇的に軽減されています。中級クラスの竿にも徐々に装着されるようになってきていて、もうインターラインタイプは用済みかも...という印象です

【晴釣流おすすめ外ガイド竿】

★ガイド改良『ホリデー磯1.5号 4.5m』(シマノ)→改良の詳細はこちら

@防波堤釣りで、足元に障害物がほとんどない場合には短い竿が軽くて扱いやすい。大物がかかっても難なくやり取りでき、大ボラの、あのタフで厄介な強い引きもさばきやすい

Aさらに、穂先が張りのある中空構造なので、柔軟なソリッド構造に比べて竿先に道糸が絡みにくい利点がある(その分竿先でアタリが取りにくい)。さらに糸絡み対策として、穂先ガイドを斜めガイド(IMガイド)に交換すれば申し分ない

★『大島08号 5.3m』(ダイワ)→画像はこちら

@No.1節の全部(トップガイドは除く)とNo.2節の先端部に楕円形の斜めガイドを採用していながらリーズナブルな価格(2万円余りで購入)。糸絡みの煩わしさが軽減されている。足元の海面上に障害物が出ている釣座で使用

A胴調子でフニャフニャのチヌ専用竿とは違って、どちらかといえば先調子で張りが適度に強く、海底の障害物からチヌを強引に遠ざけることが簡単になった。ただ、その分ハリスは太めに設定する必要があり、晴釣流としては1.5号(メイン)〜1.75号を常用している

Bアタリで合わせたときの、チヌのハリ掛かりした手応えや、その後のやり取りでのチヌの首振りの手応えが明瞭に伝わってくる。そのドキドキ、ワクワク感がなんとも楽しい

C穂先が細くて鋭敏なため、ウキが速い潮流でシモってしまうときに竿先でアタリを取りやすい


●ハリスとハリ

 ハリスとハリについては、ハリス1.5号、チヌ専用ハリ3号を基本としています。これで50cmオーバーの『トシナシ』チヌに十分対応できます。
 底釣りであるダンゴ釣りでは、ハリのチモトから50cmくらいまでのハリスの部分がフグの噛み付きなどで傷みやすく、小まめにチェックして早めに取り替えることが肝要です。ハリス切れのバラシは、ポイントにいるチヌをすべて退散させてしまうことが多いので、特に気を配りたいものです。
 ハリは、ハリ先が微妙に曲がっていないか、指の腹にハリ先をあて常に確認しながら使用します。肉眼では確認出来ないので、感触が頼りです。指の腹に軽く刺して刺さりやすさをチェックしたり、ハリ先の周りをハリ先方向になでてみて引っかかりの感触がないか(あればハリ先が曲がってしまっている)を点検します。大きなボラをスレで掛けたときは、ハリ先の部分だけが魚体に食い込んでいることが多く、ハリ先が外側に曲がってしまうことが多々あります

【 晴釣流おすすめハリス・ハリ 】

★ハリス:『トルネードKONG 1.5号 / 1.75号』 (サンライン)
★ハリ :『黒チヌ3号』(オーナー)


(3)釣り方のコツ

●ダンゴのバラケ加減が釣果に直結

 釣り方のコツは、刺し餌を包むダンゴの水加減と握り加減、ウキ下のこまめな調節に尽きると思います。特にダンゴの水加減と握り加減は、投入後のバラケやすさを左右する重要なポイントで、釣果に直結します。バラケが速すぎても遅すぎても良い結果が期待できません。着底後、1〜2分見当でダンゴが割れ、ダンゴ内の刺しエサが外に出るように調節しています

●ダンゴ用集魚材

 ダンゴ用集魚材は、市販の専用集魚材(たとえば「マルキュー波止ダンゴチヌ」)で一応間に合います。
 自作ダンゴでやれば、砂などの配合を変えることによりバラケの調節や沈むスピードを好みに調節しやすく、エサ代も安上がりになるかもしれません。参考までに、晴釣流の基本レシピを下表に示しています。これはあくまで基本配合であり、いろいろ少しずつ新しい工夫を加えながら楽しんでいます。
 ちなみに、2015年夏から試行錯誤している次のシンプルレシピ(アンコ仕込み)が、釣果の数的にかなり手応えがあったので、この成果も引き出しのひとつに加えてみてはいかがでしょう

シンプルレシピ(アンコ仕込み)

 下表の【夏・秋 基本】のレシピでオキアミの配合を省いた単純なレシピ。オキアミを混ぜ込まない代わりに、少量のオキアミを刺し餌といっしょにダンゴの中心に包み込むやり方になる(”アンコ仕込み”)。主な効果・利点をまとめると、

@フグにハリスを傷つけられたり、噛み切られることが格段に少なくなった(なぜかフグの口角にハリがかりしやすくなり、ハリを飲み込まれることなく釣り上げられるようになった)

A少量オキアミをアンコ仕込みすると、ダンゴの割れが早まる。そのため、ダンゴを投げるとき空中分解しないよう硬く握っても、水中で割れにくくて困るといったようなことがなくなった。この割れやすさは、エサ取りが少ないときなどにも好都合のはず

Bダンゴにオキアミを砕いて混合する元の【夏・秋 基本】レシピに比べて、釣果が劣るかというと、そのような印象はなかった

Cオキアミを砕く煩わしい手間が省け、準備が楽になった

Dただ問題点として、アンコ仕込みを始めてから?、ウキが見えにくくなるくらいの夕まずめ時になるとチヌの反応がしだいに遠のいてしまう、そんなケースが多くなった気がする。まずめ時になったら、アンコ仕込みをやめて元のオキアミ混ぜ込み方式に戻すほうが良いのかもしれない(こんな試行錯誤が、まさに釣りの醍醐味^^v)

晴釣流自作ダンゴ餌基本レシピ
季節 レシピ
【半日分(4−5時間)】
刺し餌
【夏・秋 基本】 ヌカ : 1.5kg
マルキュー・チヌパワー(徳用袋) : 1袋
砂 : 1.5kg
オキアミ(ボイル):1kg
オキアミ
丸サナギ

※このレシピのアレンジ例は→こちら


●ダンゴの大きさと刺しエサ

 ダンゴの大きさは直径5〜6cm、刺し餌は基本的にオキアミ又は丸サナギです。オキアミは、経験上生でもボイルでも釣果はほとんど変わらないようです。エサ取りに強い(気がする)ボイルを使うことがほとんどです。オールシーズン使用でき、万能エサなのでマダイ、カサゴ、キジハタ、キス、ヒラメ、大アジなどうれしい外道が釣れる楽しみもあります。
 丸サナギは、エサ取りがきついときに有効ですが、うれしい外道が釣れないのがイマイチなところ。盛夏に有効で、ただ不思議なことに、チヌがオキアミでは釣れるのに丸サナギにはまったく反応しないこともある(悩)

●ウキ下

 ウキ下は重要です。ウキ下は、ダンゴが着底したときウキが10〜20cm水中にシモる程度に調節するか(底トントン釣り〜ウカセ釣り)、または逆に水深よりもウキ下を1ヒロ程度長くし、刺しエサを底に這わせる方法(ハワセ釣り)もあります。時々刻々変化する潮流の速さや満ち引き、チヌの回遊するタナに合わせウキ下を調節します。
 経験的には、ハワセ釣りのほうがエサ取りに強く、釣果のサイズも数も優るような気がします。特に、小アジの猛攻回避には、ハワセ釣りにするだけで効果てきめんです。また初夏〜真夏の季節では、海底にアマモがまだ繁茂しているので、そのようなポイントで釣るときは、ウキ下をトントンまたはウカセ(アマモの背丈の半分くらいに底を切る)に調節して刺しエサを浮かせてみると、突然チヌが釣れ出すことが多いです

●アタリの見分け方

 アタリは一様ではなく、結構スリルがありますが、共通しているのは「前アタリ」があること。チヌの「二段引き」といわれるゆえんです。ウキの微妙な動きの変化が、ウキを消し込む本アタリの直前にあり、慣れれば意識していなくても前アタリがわかるようになります。実は、この前アタリのドキドキ感がこの釣りの醍醐味だという釣り師が多いです。
 ウカセ釣りで、ウキがシモったまましばらく浮いてこなかったり、さらに深く沈んでいくような動きを見せたらこれもアタリです。ウキが少しでもおかしな動きを見せたら要注意です。また、突然刺し餌がエサ取りに取られなくなったら、良型のチヌ様がお出ましになった可能性大です
 本アタリのウキの消し込みが来たら、焦らずに一呼吸待って合わせます。ダンゴ釣りの場合、経験的には、アワセが早すぎるよりも遅すぎる方がむしろ確実のような気がしますね

●ときには”誘い”も

 ダンゴ釣りだから”誘い”は不要かというと、そうではありません。着底したダンゴが『割れる』直前直後に、積極的に誘ってみましょう。誘いのあと一呼吸おいてパクッとくることがあります。タイミングがむずかしくやや高度な技術ですが、うまくいけばまことに痛快です!


(3)釣り場の選び方



 ダンゴが着底するので根がかりがやっかいです。したがって、ハワセ釣りの場合砂底のポイントがベスト。根がかりしやすいときは、オモリをラインに付けずにウキに直接取り付け、刺しエサが底付近で浮きやすくすると根がかりしにくくなります。
 ダンゴ釣りは、ポイントをつくる釣法です。潮流の速いところは、せっかくの撒き餌がすぐに流されてしまいポイントづくりに適さないようです。また、海が荒れて底の粒砂が舞い上がってひどく濁っているようなときは釣果が芳しくありません。
 逆光でウキが見にくいとか、向かい風が強くダンゴが投げにくいとかは、ストレスがたまるばかりで楽しくありません。時間帯が午前か午後か、その日の風の向きや強さはどうかなどによって釣り場を変えるのがよく、状況に応じて選べるマイポイントを数カ所用意しておけば万全です

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