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☆マッケンジー・リーディング(その3)

「マッケンジーの娘」
著者:リンダ・ハワード / 訳:扇田モナ / 出版社:ハーレクイン


まだまだ続く『誇り高きマッケンジー家』の第三話は
末娘のメアリスが主人公。
なので、私が読んでいるこのボックスセットでは
第三話となっているが、時系列ではかなり後のほうの話になる。
(次の「マッケンジーの山」が両親のロマンスで、
時間的には最初となる)
原題は「マッケンジーのマジック」。

そろいもそろって猛者ぞろいの
五人の兄を持つ娘、メアリス。
その母と同じく、小柄できゃしゃな身体に、
鉄の意志を秘めているマッケンジー家の宝。

そのメアリスの恋の相手は、
マックこと、アレックス・マクニール。
他の兄弟たちと同じく、早い段階でマックが
人生のパートナーとなることを知るメアリスだが、
そういう勘に対する男女の違いという意味でも、
兄弟たちより本能的に悟ってしまうのが面白い。

ディック・フランシスのジョッキーシリーズを
髣髴とさせる、競走馬の世界が舞台である。
メアリスは、これまでにもよく馬好きであると強調されていた
だけに、リンダがどんな舞台を用意するのか期待していたが、
本格的な舞台立てはやはり、女王リンダならでは。
陰謀はメアリスの生命を危機に陥れ、
彼女にとって何より大切な馬も狙われる。
ちゃんと、馬の気持ちも描かれているのが、
馬とフランシスとリンダファンにはうれしい。

今回のロマンス、恒例の家族との引き合わせまで緊張する。
男ばかりの一族に生まれた大事な娘だけあって、
コミカルなスパイスを効かせてあった。

さて、次はいよいよ、ウルフとメアリー、
この野性味あふれる一族の基礎を築いた二人の物語である。

マーズ , 2002/08/14(Wednesday)  



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