* 読書の周辺 *  
リンダ・ハワード (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)

☆マッケンジー・リーディング(その1)

「愛は命がけ」
著者:リンダ・ハワード / 訳:扇田モナ / 出版社:ハーレクイン


ボックスセットで2002年の春に予約販売で刊行されたものを
シィアルから借り受けて読んでいる。
リンダの代表作とも言えるシリーズの主役たち、
マッケンジーとはどんな一家だろうと思っていた。
『誇り高きマッケンジー家』とサブタイトルがついている。

このシリーズ最初の数ページを読むうちに、
鳥肌が立った。
マッケンジー家は、インディアンの血をひく一族だったのだ。
そう、リンダ・ハワードと同じように。
これがおもしろくならずして、どうなるというのか。

第一作は、シールの戦闘員であるゼイン・マッケンジーと
リビアで人質となったギリシャ在住の米大使の娘、
ベアリー・ラブジョイとの衝撃の出会いから
ハッピーエンドとその後までを描く。
ゼインはマッケンジー家の息子のひとり。
家長であるウルフの子どもたちのなかで、
一番頼もしいが、一番危険な仕事についているゼイン。

出版元はハーレクインではあるが、単発の作品と同じく、
リンダらしい細部のこだわりは、ロマンスファンならずとも
楽しめるはず。
ロマンスファンなら、例によって濃厚なラブシーンはともかく、
完璧ともいえるゼインのベアリーへの思いやりに
感動してしまうにちがいない。

そしてリンダの作品の特徴でもある、過去に傷ついた者もいる。
本書では、捨てられて路上で育った、
インディアンの血をひく少年チャンスが
マッケンジー家の養子となり、心を開いてゆく様子、
ゼインとの確執と和解もストーリーのひとつの柱となっている。

続編以降のマッケンジーシリーズでは、
この多才な経歴を持つ精力的な一族の伝説が余すところなく
語られるのだろうと期待している。

個人的には、かつて入れ込んでいたリビアの街が
出会いの舞台という設定がなつかしくもあった。
(現実に行ったことはもちろんないし、行くこともないだろう)

マーズ , 2002/08/02(Friday)  



* 夢の図書館 *