* 読書の周辺 *  
本をどこで買いますか。 (1) (2) (3) (4) (5) (6)

本をどこで買いますか?(その5)

(5)オークション−応用編その3−

オークションについての話が、
ずいぶん長くなってしまいました。

ある本を「相場」より高値で落札してしまった時、
どうしても気になることがありました。
どうしても納得が行かず、理解ができなかったので、
ネット上で、オークションでのトラブルの事例まで調べてみました。
私自身の体験がそのトラブルに当たるのかどうかは、
自分でもはっきりはわかりません。
あくまでもグレイゾーンなのですが、
私の探しているトラブルが見つかりました。

変だと思ったのは、
600円〜800円くらいが相場の本を、
1000円を超えても、なお激しく競り合った「相手の人」が
その後、複数出品されていた、どの本にも入札しなかった事でした。
あんなに相場を超えて入札してまでも、手に入れたかった本なら、
どうして、他の「同じ本」に入札してないのだろう?
どうして、その後も落札していないのだろう?
そういう思いでした。
あの時、オークション終了時間を相前後して、
同じ本が複数冊、出品されていたからです。
どうしてこんなにすっぱりと、その本を買うのを諦めたのだろうと、
すごく、不思議でした。
だから、しばらく、それらの本を誰が落札するのか観察してみました。
(執念深いといえば、執念深いのですが、
どうしても、「なぜ?」という疑問が消えません。
知りたいとなると、とことん調べて、
自分の納得のいく「答え」が欲しかったのです。)
私がモニタしていた間には、
「相手の人」が、その本を買った様子はありませんでした。

後で、いろいろと調べて知ったことですが、
オークションサイトには、「さくら」がいたり、
自作自演の「釣り上げ」という行為があるそうなのです。
一人で複数のIDを取って、自分で価格を釣り上げることも可能だし、
仲間うちで「さくら」をつくることも可能です。
あるいは、出品者とは無関係に、面白がって、
落札価格を「釣り上げ」ていく悪質な行為もあるそうです。
(時には、「釣り上げ」加減を間違えて、
自分で落札してしまうこともあるそうですが。)

本当のことは分かりません。
事実を確かめることもできません。
でも、私としては、この腑に落ちない経験は、
結果的には、「釣り上げ」といわれることに
近い行為のような気がしてなりません。


ただ、オークションにはいろいろと注意点があることが
このことでよく分かりました。
今までトラブルを知らなかったというだけで、
ネット上で調べてみると、
すぐに典型的なトラブル例がありました。
今のところ、落札後のトラブルはありませんが、
気をつけるべきこと、「こわい」ことはいっぱいあります。

たとえば。
気をつけてみると、
オークションの評価で「非常に悪い」という評価を
つけられている人も時々います。
(そういう時は、やはり、
たいがいお互いに「非常に悪い」と評価しあっていますが。)
そのトラブルの典型は、大きく2つあります。

○取引がルーズ
 典型中の典型。一番多いのではないでしょうか。
 ・メールの連絡や返事が遅い(あるいは、連絡や返事がない)。
 ・振り込みが遅い(あるいは、振り込みがない)。
 ・発送が遅い(あるいは、発送されない)。

○メールの書き方や内容が失礼・無礼
 お互いにメールを交わせば交わすほど、売り言葉に買い言葉で、
 溝が深まり、取引が悪化することも多いようです。

○商品の状態が良くない。
 これも主観的なことなので難しいようです。
 メールでの、泥仕合にもつながる主な要因の一つでもあります。


最後になりましたが、自衛の方法について。
オークションで自衛する方法はあるのでしょうか?

まずは、基本姿勢、心構えからいえば、
とりあえずは、物事を過信しないこと。
トラブルはいつでも起こりうるのです。
ネット上の取引では、つねに危機感が必要です。
あとは、嫌なことがあったり失敗してもあっさり割り切れること。

そして、オークション中は、
何よりも「冷静」であること。
決して、あせらない、あわてない、熱くならない。
基本的だけれど、一番大切なことです。

さらには、あとで後悔をしないように、
自分の上限を決め、できれば商品の相場を知っておくこと。
その上で、決断は瞬時にきっぱり、お金を惜しまないこと。

オークション後は、お互いに顔が見えないからこそ、
メールは丁寧に、言葉を惜しまず。
最後の最後、メールのやりとりで、
トラブルを招いてはどうしようもないです。

お互いの名前、住所を明かし、
先払いとなると、いろいろ不安ですが、
もう、ここから先は、相手を信用するしかありません。
できるだけ、プライベートな情報管理に気をつけ、
万が一、商品が送られてこないなどトラブルがあっても
感情的になってはいけません。
私個人としては、万が一、最悪のことが起きて、
泣き寝入りすることになっても、
あきらめきれる金額内と決めています。
(もちろん、法的な対抗手段もあるようですが。)
繰り返しになりますが、最悪のことが起きた時、
あきらめきれる範囲でしかオークションは利用しません。

私は、今のところオークションを便利に利用していますが、
それでも、あまり深入りしてはいけないと、自戒しています。

最後のオマケ編に続く。

シィアル , 2002/01/18(Friday)  



* 夢の図書館 *