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本をどこで買いますか?(その4)

(4)オークション−応用編その2−

オークションに参加したことのある方なら、
もしかしたら一度は同じような経験をしたことが
あるかもしれません。あるいは、いつかは、
同じ体験に出くわすかもしれません。
今思えば、
オークションに参加する上での、
当然の心構えなのでしょうが、
勢いだけで踏み込んだ、オークションサイト。
失敗するまでは、何が「こわい」のか、
全然、気が付きませんでした。


さて。何がこわいかというと、
何よりこわいのは「熱くなること」(笑)
冷静さを失うことが、
オークションでは一番こわいこと、危険なことです。
少なくとも、冷静さを失ってしまうと、
損をすることだけは、確かです。

私がオークションサイトを利用しているのは、
どこにも見つからなかった「本」を探すためです。
ものが「本」という小さなものなので、
どちらかというと、リスクはそれほどは大きくないでしょう。
オークション中に、
どんなにヒートアップしてしまっても、
まあ、金額はしれています。

とはいっても、今現在、手に入れるチャンスを待っている本は、
人気があるのか、「投機的(!)」な価値があるのか、
すぐに落札価格が5000円を超えてしまいます。
最初から最低落札価格を1万円以上に設定して
オークションに出品している方もいます。
だから、はじめは500円くらいでスタートした本も、
「相場」が5000円以上だと知っている人が多いのか、
あっという間に、3000円、4000円と、
手の届かないところまで競り上がっていきます。
古本屋さんでは見かけないペーパーバックですが、
このオークションサイトには、週に1冊くらいの割で
結構、頻繁に出品されています。
供給が多いのに、すぐに落札価格が高騰してしまうので、
なかなか手に入れることができません。
人気のある本で、さらに(というか、だからというか)
相場がかなり高値なので、「投機的(大げさですが)」に
買おうとしている人の動きが一段落するまで、
手に入れることはできないだろうと、今は、あきらめています。
おまけに、実際、いくら出しても絶対に読みたいという、
熱烈にHeavyなファンもついているようですし。
とにかく、この手の本で、ついつい熱くなってしまうと、
「たかだか」古本一冊に、どれほどつぎ込むことになるか。
私にとっては、とても「こわい」本です。
今は、じっと、沈静化するのを待っています。


つまり、オークションに参加するには、
「冷静」であることが大切です。
それから、できるだけ「相場」を知っていることも
必要だと思います。
どうしても読みたい本であっても、
必要以上に高値で買うことはないのですから。


そして、私の失敗はというと、
その両方がなかったことに尽きます。
600円くらいで落札できそうな本が、
オークション終了まであと少しという時に、
他に入札者があらわれ、たった5分程度の間に、
倍以上に競り上がっていきました。
当時その本は複数オークションに出品されていて、
どれもが600円前後の価格で、
複数の落札希望者も、それぞれ「棲み分け」ていて、
ずっと無風状態でした。
確実に落札できると思っていたので、
ものすごくあわてました。
とにかく時間がないので、考える余裕もなく、
どんどんと競り合いました。
やっと、競り勝ってオークションが終わった時には、
もともとの倍以上の落札価格になっていました。
だんだん落ち着いてくるにつれて、
しまったという思いが強くなってきたのは当然でしょう。
なぜなら、その本は複数出品されているので、
この後のオークションを待てば、
600円前後で落札することができたのです。
実際、そうでした。
ちょっと気になることがあったので、
しばらく、同じ本の落札状況を観察したのですが、
だいたい600円〜800円前後での落札でした。
あのとき、冷静に引くことができたら、
わざわざ相場より高く買うこともなかったのにと、
初めて後悔しました。

本ぐらいの事だから、少々熱くなって、
高めに買ってしまったとしても、
この程度ですむのですが。
もっと、大きいもの、金額の張るものだと、
性格的に(焦っていながらも、競り合っている時の高揚感を思うと)
オークションは「危険」だなあと、しみじみと反省したのです。


でも本当に、オークションは「こわいかも…」と、
そう思ったのは、どうしても気になることが
あったからなのです。

本当に「こわい」ことへ、あと一回続く。

シィアル , 2002/01/17(Thursday)  



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