書架新風(下半期)

井上久美子歌集『マザーリーフ』(本阿弥書店)
・冬晴れの住宅展示場の空そろり飛び立つあかい風船
・注文書渡して春待つ身となればランラン、ランドセル子が高らかに
・水音をたてて金魚は寄ってくるマンママンマのマの形して
・朝練のブラスバンド部校庭へロングトーンをひびかせており
・八歳はわれには聞かず〈ニュース7〉体育すわりで見入ってしまう

遠藤由季歌集『鳥語の文法』(短歌研究社)
・おにぎりとペヤングソース焼きそばの昼食ののち読書する社長
・常磐線日暮里経由で帰る夜かつての最寄り駅を見おろす
・指と指触れて生れたる静電気ふゆぞらをゆく蝶となりにき
・タッチ・アンド・ゴー次々と人間が改札機より旅立ちゆけり
・低き山どの窓からも遠く見え車両短き奈良線はゆく



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狂歌を五句三十一音詩史に回収する 狂歌逍遙録   YouTube講座「吉岡生夫と巡る五句三十一音詩の旅」   兵庫県高等学校文芸部の皆さん 熱いエールを送ります  


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