ピア・サポートのわーく 1

■ねらい。★留意点

5 1.前回のふりかえりをする。
 (1)ワークをまとめたプリントを配布する。
 (2)各自読ませる。                           
15 2.トラストサポートをする。
 ■言葉を使って支える前に、体を使って支えることを体験する。
 (1)5人組になる。
 (2)5人組の中で2人組を2つ作る。1人は観察している。
 (3)2人組の1人が、体を真っ直ぐにしたまま、後ろに倒れる。
 (4)もう1人は、両足を前後に開いて踏ん張り、両手を伸ばして、倒れてくる相手を支える。
 (5)次第に2人の距離を広くして、倒れる角度を大きくしていく。
  ★倒れる角度が大きいほど、2人の信頼関係が大きいことになる。
  ★角度が大きくなりすぎて、危険な状態にならないように注意する。
 (6)感想を話し合う。
 (7)適当にペアを変えて行う。
  ★人によって倒れる角度が違うことに気づかせる。
5 3.「ピア・サポートのわーく」のねらいを説明する。
 (1)表紙を配布する。
 (2)ねらいを読む。
20 Lesson1 ピア・サポートとは
4.ピアサポートとは何か、サポーターの適性を考える。
 ■サポーターとしての適性をチェックし、ピアサポートとは何かを考える。
 (1)「Work1 ピア・サポーター レベル・チェック」を配布する。
 (2)回答し、集計する。
 (3)「Work2 ピア・サポーター センス・チェック」を配布する。
 (4)回答し、集計する。
 (5)「Lecture ピアサポートとは」を配布する。
 (6)ピアサポートとその特徴を説明する。
 (7)「Work2 ピア・サポーター センス・チェック」の結果をピア・サポーターの適性によって説明する。
 (8)「Work1 ピア・サポーター レベル・チェック」の結果をピア・サポーターのレベルによって説明する。
15 5.コイン回し
 (1)2組に別れ、向かい合わせに一列に座る。
 (2)コインを持つ人を決める。
 (3)両手を合わせ、その中に百円玉を入れ、隣の人の合わせた両手に落としていく。
 (4)決めた人の所でコインを止め、後は回すふりをする。
 (5)両手を握り拳にして前に出す。
 (6)相手チームは、百円玉を持っていない人の拳を指名していく。
 (7)百円玉を持った人の拳を指名して時点で終る。
 (8)多くの拳を指名して空けさせたチームが勝ち。
 (9)裏表3回する。


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6.悩み事のとらえ方を考える。。
 ■事実か推測か、出来事か感情か願望か、悩み事のとらえ方について、自分と他者の比較をする。
 (1)「Work3 ホントのこと?」を配布する。
 (2)自分が事実として正しいと思うものを選ぶ。
 (3)5人組になる。
 (4)グループで話し合って、事実として正しいものを決める。
 (5)「Lecture 事実と推測」を配布する。
 (6)事実と推測について説明する。
 (7)「Work3 ホントのこと?」の正解とその理由を説明する。
 (8)「Work4 聴くポイントチェック」を配布する。
 (9)自分で注目するものを5つ選ぶ。
 (10)自分で事実と感情と願望を分別する。
 (11)グループで注目したものを交流し、分別する。
 (12)「Lecture 出来事と感情と願望」を配布する。
 (13)出来事と感情と願望について説明する。
 (14)「Work4 聴くポイントチェック」の結果と対照させて説明する。
5 7.ふりかえりシートを書かせる。
 ★何人か指名して、感想を言わせる。
 ★教師は一人ずつに反応し、プラスの言い換えによって、自尊感情を持たせるようにする。
 ★最後に教師も今日の授業について自己開示をする。
8.「Work5 私の悩みリスト」を配布し、次回までの宿題にする。

生徒の評価

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1.ピア・サポートの理解
2.ピア・サポーターの適性の理解
3.事実と推測の区別の理解
4.出来事と感情と願望の理解
5.今日の授業の満足度。

生徒の感想
1)事実って難しいものだと思った。
2)もっと人の気持ちを考えて話を聞かなければならないと思った。ワークでは感情の部分が聞けているけど、日頃は本当にできているのかなぁ。
3)人を信用するってどこまでだろうと思った。出来事と感情と願望と合わせて一つだと思った。
4)思いやりは高かったが、人の話を聴くのが低かったので、人の話はよく聞かなければならないと思った。
5)助けた人も利益を得て助けられた人も利益を得るというのが心に残った。
6)適性では思いやりが高く、そうかなぁと納得した。事実と推測では、文章から事実を見つけるのは難しいと思った。
7)事実と推測は、推理する面白さがあった。
8)ピア・サポートはあまり理解できなかった。事実と推測もあまり納得できなかった。
9)話の中で感情に重点を置く傾向があるのがわかった。友だちに相談する時、やっぱり一番伝わりにくいけど、一番聞いてもらいたいのは感情の部分だと思います。
10)友だちに相談されることはよくあるので、今回のポイントを生かして聞いて上げれば、今までよりもっと相手を理解してあげられる気がする。事実を探るのは、つい思い込みが出てしまう。もっと忠実に聴く必要がある。
11)人と話している時とか、上の空の時がまれにあるので、ちゃんと集中して聞こうと思った。
12)適性は自分でもよく分かっていた通りの結果だった。気持ちよく悩みを聴いてあげたくても、コロコロと意見を変えられたり、私の悩みを聴いてくれなかったりすると、ちょっと聴く気が失せてしまったりします。
13)自分の適性は自分が思っているよりも「感情を処理する」ができることがわかった。相手の悩みに共感し、理解することで、アドバイスにも大きな効果がある。

教師の感想
 いよいよピアサポートのわーく。ひとづくりのワーク全体のメインのワークだ。それだけに気合いが入って緊張して構えてしまう。今回はチェックシートが多かった。興味を持ってくれるがあまりし過ぎると飽きてしまう。また、個々の速さに差が出てくる。そこで、
いろいろと工夫が必要だった。挙手させて何人ぐらいいるか聞いてみたり、グループで話し合わせたり。この講座は座っているより体を動かす方が好きな子が多いので、アクティブなワークを混ぜる必要がある。今日は、1時間目に「トラスト・サポート」を入れた。よくある後傾を支えるワークだが、5人組にして誰が一番安心できるかなど工夫した。2時間目の初めは「コイン回し」を入れてみた。ピア・サポートとの直接の関連はないのだか、グループで協力することと、相手を観察することが接点か。とにかく、生徒の気持ちを引きつけなければ授業に集中しにくいので、このようなことも必要だろう。

参考文献
『独習実践カウンセリングワークブック』福山清蔵(日本・精神技術研究所)1992
『カウンセリング学習のためのグループワーク』福山清蔵(日本・精神技術研究所)1998
『ピア・カウンセリング入門』ヒューマックス編(オーエス出版社)2001
『ピアヘルパーハンドブック』日本教育カウンセラー協会編(図書文化)2001
『すぐ始められるピア・サポート指導案&シート集』菱田準子(ほんの森出版)2002
『ピア・サポートではじめる学校づくり中学校編』滝充(金子書房)2000



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