不 妊 問 題 に つ い て

一般に妊娠を希望してから、2年を経過して妊娠できない症状は不妊(症)とよばれ、現在においては各種の治療法が実施されています。しかし、公的な保険適用はなく多くの家庭が多大な費用捻出と戦っておられる現状があります。この項目においては、その不妊症(治療)についてご紹介しながら、「子供が欲しいけれど恵まれない」という切実な思いをお伝えしていきたいと思っています。残念ながら、不妊(治療)については、保険適用も無く(つまり厚生省の管轄外?)プライバシーの問題もあり、書物としても多く語られているわけではありません
どこまでお伝えすることが出来るか疑問の残るところです。又、この問題に対しての最終的な自分自身の”着地点”も明確ではありません。当面はお伝えすることに専念したいと思っています。徐々に改定していきます。

・1998年度に婚姻されたカップルは、約78万4500組です。
 そのうち、
約10%(約78000組)が不妊(不妊症)であると推測されています。

・現在、不妊治療中のカップルは、推計で約28万5千組であるといわれています。

・妊娠経験が一度もない不妊症を原発性不妊症、少なくとも1度は妊娠経験がある不妊症は続発性 不妊症と呼ばれています。

・不妊原因の男女比は、4(女性):4(男性):2(不明、男女の相性など)となっており、その原因は

女性の場合 排卵因子・排管因子・子宮因子・その他
男性の場合 精子を作る機能障害・精子の通管障害・その他

                                       などがあります。

・以前は、女性に原因があった場合が多かったのが、徐々に男性側に原因がある場合が多くなっているようです。

・対外受精が可能な医療施設は、この10年間に約3.6倍となり、計448ヶ所となっています。

現在、不妊治療はひろく医療行為として実施されているにもかかわらず、公的保険の適用も無くその治療費は、医療機関毎に定められています。
例えば、人工授精(AIH)は、3千円〜3万円/回、体外受精は15万円〜50万円/回、顕微受精では、さらにプラス5万円〜10万円と言われています。実際には、検査費用・薬代などが加えられ、1回あたり30万円〜100万円、平均すると約80万円が必要であると言われています。しかも、成功率は平均約20%であり、単純に成功するまで治療を続けたとすると、約500万円の費用がかかるといわれています。又、治療に専念する為にフルタイムの職を手放さざるを得ないなど目に見えない負担も多く圧し掛かっています。


不妊治療にはいくつかの問題点が考えられます。

@公的保険適用外であり、治療行為に基準が設けられていないこと。つまり、医師の判断により過剰な医療行為が法外な費用で行われる可能性があること。最悪の場合は、母体に影響を与える可能性があること。

A一般的なサラリーマンにとっては、大変高額で出産を望みながら希望がかなえられないこと。

B不妊治療に関する倫理的規範が確立されていない為、「純粋に自分たちの子供が欲しい!」と言う枠を超えて子供が産まれる可能性を残していること。


家庭の10%に問題があるって大きな社会問題であるとお感じになりませんか?

もちろん、上述のBの倫理的問題はクリアーしていく必要があります。しかし、現実に「手段は問わない!自らの愛の結晶が欲しい!」と切実に願っておられるカップルも多くあります。

現在厚生省は、
@成功率が低く、母体の安全確保の面で問題がある。

A不妊治療に伴う多胎妊娠への減数手術には倫理面での問題がある。

B非配偶者からの、精子・卵子の提供に社会的合意が得られていない。

C限られた医療費財源の効率的配分という観点から検討が必要。

                                 という理由から、保険適用には消極的です。

診療報酬の試算 日本産婦人科学会と日本母性保護婦人科医科が97年に試算しています。
体外受精を約26万円。人口授精を2万円として年間150億円の診療報酬が必要とのことです。


どうなんでしょうね?
これは厚生省が立ち入るべき問題ではないのでしょうか?
せめて、検査費用についてのみ負担とか回数を限定して公的支援すべきではなのでしょうか?

この問題については、大変プライベートな領域に踏み込むこととなります。しかしながら、大変重要な問題ではないかと感じています。
多くの方からご意見を頂戴したいと思っています。

下記に、実際に不妊治療と取り組んでおられる方からのメッセージをご紹介いたします。切実な思いをお感じ戴けるものと考えます。

                 お便り(1)(不妊治療について:男性/埼玉在住)
              
お便り(2)(不妊治療について:女性/中国地方在住)
              
お便り(3)(ママになりたくて:女性/福岡県在住)
              
お便り(4)(不妊治療について:女性/千葉県在)