観光案内2   


明神岬へ:岬へ登る一般道は、先端部にあります。岸沿いの小道を進み、
世間話をしている漁師さん達の脇を通り、船着き場の奥にある岩を穿った
小さなトンネルを潜り、入り江の養魚場を右に見て、紫陽花に囲まれた
坂道を登ります。
織作家への道は、館の取り壊しと共に閉ざされてしまったのか、それとも
いずれかの民家の横にひっそりと残っているのか、鬱蒼とした樹木の間からは、
その跡すら窺う事が出来ません。


岬の上で、明神岬に祭られている神社の説明看板を読んでいると、絞りの
手ぬぐいで頬被りをして、腰を屈めたお婆さんが、丸めたら自分が入りそうな
大きな籠を背負って、急な坂道を越えて行きました。
「八ツ墓村」のおりんさんかと思った。

岬の突端:さて、「蜘蛛館」はどのあたりに建っていたのでしょう。
岬の先端に行くには大きく分けて三方向あります。
まずは目の前の、四阿のある小広場に行ってみましょう。
「わぁ〜っ、太平洋だぁ〜っ」と、思いっきり先端まで駆け寄っ…てはいけません。
金網フェンスに注意書きがいくつも掛けられています。曰く。
「長年の侵食作用により 山肌がもろくなっています 身を乗り出しての展望は
○○ですのでしないで下さい 勝浦市」
(○○はたぶん「危険」の赤字が消えたもの)…ちょっと腰を引いて、さあどうぞ。

「わぁー、太平洋だぁ。」
眼下には、黒く平らな岩礁に、波が白く砕けています。




1998年08月



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