<4> 
         
         
         散らかっているとは言ったが、リョーマは昨日必死になって部屋を片付けた。 
いつもは床に放り出しているゲームのソフトもきちんと棚にしまい、出しっぱなしだった服もクローゼットに突っ込んだ。掃除機だってかけた。 
タンスの上においてあるトロフィーなどは、そのまま無造作に置いておくことにした。その方が、急いで綺麗にしたのではなく、いつも通りの部屋だと思ってもらえる気がしたからだ。 
その部屋に入った途端、手塚はリョーマの背後で溜息を吐き、手にしていた着替えを床に放り投げた。 
ドキッと、リョーマの心臓が跳ねる。 
身体もビクリと揺れてしまった。 
(ちょっと、早まったかな……) 
いきなりこんな展開になるとは想像もしていなかったので、本音を言えば、心の準備がまったくできていない。 
手塚に対しては冷静に誘ってみせたものの、ベッドを前にして内心はとんでもなく舞い上がり、手も足も、実は先程から小さな震えが止まらない。 
(でも今さら引けないし……それに、これが最初で最後だし……) 
じっと、ベッドを見つめたまま立ち尽くすリョーマに、手塚がゆっくりと近づいてきた。 
お互いにバスタオルを腰に撒いただけの格好でいるため、いかにもこれから淫らなことをするのだという雰囲気に、リョーマは完全に気圧されていた。 
「越前」 
「…っ」 
名を呼ばれただけで、ビクンと、身体が派手に揺れてしまった。 
いつもの自分のように、普通に返事をしたいのに、声が出て来ない。 
リョーマのすぐ後ろに立った手塚は、クッと、小さく笑った。 
「そう緊張するな。さっきまでの勢いはどうした」 
「べ……つに……き、緊張とか、ないし…………ぁ…っ」 
手塚の温かな手が、リョーマの肩に乗る。 
リョーマは思わず身体を竦ませ、ギュッと目を閉じた。 
「……やはりやめると言うならやめる。……恋人だからといって、必ずSEXするとは限らない」 
柔らかく、諭すような手塚の声に、リョーマは少しだけ心の落ち着きを取り戻した。 
「……でも、今日しか……」 
呟くようにリョーマが言うと、手塚は溜息を吐いた。 
「…お前は、もう二度と手柄をたてないつもりか?」 
「え?」 
意外な言葉を聞いた気がして、リョーマは背後の手塚を振り返った。 
「きちんと仕事をして手柄をたてれば、それに応じた報酬はやるつもりだが?」 
「え……それって……その度に、コイビトみたいにデートしてくれるってこと?」 
とても嬉しい言葉を聞いてリョーマは瞳を輝かせる。そんなリョーマを見て、手塚はどこか困惑した表情になった。 
「……そんなことでいいなら、俺は構わないが…」 
「マジっ!?」 
「………ああ」 
「やった!」 
リョーマは思わず手塚に抱きついた。 
「ありがと、部長!約束っスよ、絶対、オレが手柄たてたら、その度にコイビトみたいにデートっスよ!」 
「…本当にそんなことでいいのか?」 
「うん!」 
嬉しくて嬉しくて、ギュウギュウと手塚に抱きついていると、リョーマの頭の上から小さな溜息が聞こえた。 
「ぁ……」 
自分のしていることに気づいたリョーマは、慌てて手塚から離れて数歩後ずさった。だが、後ずさったその先にベッドがあることを、すっかり忘れていた。 
「わ、わっ」 
さすがのリョーマも体勢を立て直すことが出来ずにベッドに背中から倒れ込む。 
「バカ、何をやってい……」 
呆れたように溜息を吐いてそう言いかけた手塚が、急に黙り込んだ。 
「え…なに、部長……?」 
「ぁ、いや…」 
何やら口籠り、手塚はリョーマに背を向けた。 
「早く服を着ろ。俺も…」 
手塚は先程放り投げた服を拾い上げ、さっさと下着とジーンズを身につけた。 
リョーマも小さく溜息を吐いてからゆっくりと身体を起こし、そうして自分の格好を見て、心臓が口から出そうなほど驚いた。 
「うわっ」 
思わずリョーマが声をあげると、手塚も驚いたように振り返った。 
「あ」 
慌ててリョーマがバスタオルで下半身を隠す。先程ベッドに倒れ込んだ弾みでタオルが全開し、手塚にすべてをさらしてしまっていたのだ。 
「ぶ、部長、見た?」 
「……男同士なんだ、気にすることもないだろう」 
「………」 
また手塚はリョーマに背を向け、リョーマが用意した南次郎のTシャツを手に取った。 
「…借りるぞ」 
「部長……やっぱ、オレじゃ、色気とか感じないよね」 
「え…」 
Tシャツを手にしたまま、手塚が振り返る。 
「……オレたちみたいな仕事ってさ、やっぱ、情報合戦だから、いろんな手段で情報をつかまないとならないんでしょ?」 
「あぁ……まあな」 
「べ、ベッドで聞き出すこととかも、そのうち…」 
「バカかっ」 
「!」 
突然大きな声で言葉を遮られ、リョーマはビクッと全身を強ばらせた。 
「確かに、そういう方法がないわけじゃない。過去にもそうやって重要機密を手にした先輩たちがいることを俺は知っているし、そういう方法を選んだ先輩たちのことを否定したりもしない。だがお前は、そういう方法を使うような仕事はしなくていい!」 
「ぶちょ…?」 
「だいたいお前くらいの歳のヤツにそんな仕事を回す方がどうかしている!」 
「でも、ソーユー趣味の相手だったら…」 
「……っ」 
手塚は手にしていたシャツを投げ捨てると、ズカズカとリョーマの傍に近づき、いきなりリョーマをベッドに押し倒した。 
「わっ、ぶちょ、なに…」 
「………」 
手塚は無言のままリョーマの両手を左手でひとまとめにしてベッドに縫い付け、右手でリョーマの下半身を覆っていたタオルを剥ぎ取った。 
「ちょっ…あっ!」 
手塚に性器を少し強く握り込まれ、リョーマは顔を顰める。 
「……仕事だったら、ここを好きでもないヤツに弄られてもいいということか?」 
「ぁ……やっ……」 
「ここだけじゃない、もっとえげつないことをされるんだぞ」 
「……や…痛、い…、ぶちょ…」 
本当はそんなに痛いわけではなかったが、リョーマの心は混乱し、瞳からは涙が零れた。 
小さな震えが手塚にも伝わったのか、手塚はゆっくりとリョーマを解放し、深い溜息を吐いた。 
「……こんなことをされるのは嫌だろう?」 
リョーマが小さく頷くと、そっと、髪を撫でられた。 
「……すまない、やり過ぎた」 
「………」 
優しく髪を梳かれ、そっと涙を拭われた。 
「お前はまだ、こんな、身体を使ったやり取りの方法など知らなくていい。いや、ずっと、知らなくていいんだ」 
「ぶちょう…」 
「やり直しだ。まだ恋人のように、というのは有効だろう?」 
「え…」 
手塚は、どこかぎこちなく、そっとリョーマに口づけた。 
(え…???) 
薄く開いていたリョーマの唇の隙間から、手塚の舌が入り込んできた。 
(うそ…) 
驚いてリョーマが目を見開くと、間近で手塚と目が合った。 
「……嫌か?」 
ほんの少しだけ唇を離して問われ、リョーアはぷるぷると首を横に振った。 
「だったら目は閉じていろ」 
そう言って手塚は、手でリョーマの目を覆ってしまった。 
再び手塚の唇が重なってくる。今度は、自分から少し唇を開いてみた。 
「ん……」 
最初は遠慮がちに舌先だけが絡まりあった。だが次第に手塚の舌が深く入り込んできて、リョーマの舌や歯列や口蓋を、優しく甘く撫で始めた。 
「ぁ……ん……っ」 
リョーマの目元を覆っていた手塚の手がするりと動き、頬を柔らかく撫でられた。そこから首筋、そして項へと滑り、グッと、抱き起こすように引き寄せられた。 
空いている方の手はリョーマの肩に触れ、徐々に降りて、胸の蕾に辿り着く。そこをゆっくり撫でられるとたまらなくなり、リョーマはギュッと手塚の首に抱きついた。 
「……」 
「……」 
項に回されていた手が肩まで回され、リョーマの身体が少し浮くほどさらに抱き寄せられる。 
(部長……) 
直に触れる手塚の肌は、とても熱いとリョーマは思った。 
唇はずっと深く重なり合ったまま、互いに飽くことなく相手の舌に自分の舌を絡めている。 
「んっ!」 
手塚の指先で胸の蕾が摘まみ上げられ、リョーマはぴくんと身体を揺らした。そのまま、蕾の先端に爪を立てられたり、少し強く引っ張られたりするたびに、リョーマの身体はビクビクと跳ねた。 
やがて蕾が解放され、それまで蕾を弄っていた手が滑り降りてリョーマの性器に触れた。 
「ぁ…っ」 
先程の少し乱暴な扱いをされた記憶が蘇り、リョーマの身体が微かに強ばる。 
そんなリョーマに、手塚が、少し唇を離して囁いた。 
「大丈夫だ。もうあんなひどいことはしない」 
「ぶちょ…?」 
「今は恋人だろう?」 
「うん……」 
リョーマが全身の強ばりを解き、すべてを手塚に預けるように微笑みながら目を閉じる。 
(大丈夫だ……怖くない……だってオレは、この人を絶対信じるって決めたんだ……) 
「越前……」 
再び手塚の唇が降りてきてリョーマの唇を優しく吸い上げ、リョーマの性器に触れていた手が柔らかく、淫らに動き始める。 
「ぁあ…ぁ……ぶちょ…っ」 
優しく甘く、袋ごと性器を揉み込まれ、リョーマの身体が熱を帯びる。 
「ぁ……ダメ……ぶちょ……あ……」 
「越前……」 
手塚の熱い吐息がリョーマの耳にかかる。 
「ぁ…やっ…」 
耳朶に軽く歯を立てられ、リョーマが首を竦める。すると今度は優しくねっとりと、熱い耳朶を舐められた。 
「あぁ……」 
リョーマの身体が、快感を感じて小さく震える。 
「…気持ちいいのか?」 
「うん……」 
手塚の問いかけに素直に頷くと、額に優しく口づけられた。 
「や…ぶちょ……」 
手塚の首筋に頬を擦り寄せ、クッと顎をあげて唇へのキスをねだる。 
「……」 
吐息を零すように手塚が小さく笑い、深く甘い口づけをたっぷりと贈られる。 
(ああ……すっごい……しあわせ……) 
本当の恋人のように口づけられ、抱き寄せられ、甘く淫らに身体中を弄られ、リョーマは幸せの絶頂へとゆっくり昇り詰めてゆく。 
「ぶちょ……手、離して……出そう……」 
「……」 
「ぁ…っ」 
手を離すどころか、手塚はさらにリョーマの先端に優しく刺激を加え始めた。 
「ぅ、あ……ダメ……手……離し…」 
手塚を汚すわけにはいかないと、必死に手を離すように懇願するが、手塚は一向に聞き入れてくれず、逆にリョーマをしっかりと胸に抱き込んだ。 
リョーマの鼻腔を、いつも手塚がつけているコロンとは違う香りがくすぐる。 
甘い甘い、手塚自身の体臭。 
「ぁ……は、あ…ぁ…ぶちょ…っ、…ぁ…ぁ…っ」 
「越前…」 
吐息混じりに囁く手塚の声が甘く掠れる。 
「ぶ…ちょ…っ」 
くちゅくちゅと淫猥な音が立ち、自分の先端から零れた蜜で手塚の手がすでに汚れてしまったことをリョーマは感じ取った。 
だがもう、自分の性器を扱く手塚の手を振り払うことは、リョーマには出来ない。 
「ぁ……あ……あ……イク……出ちゃうよ…もう、イっちゃう……っ」 
「あぁ……イっていい……たっぷり出してみせてくれ……」 
「そ、…な、……や、ぁ、あ……出、ちゃ……っ」 
手塚の手の動きがさらに加速し、的確にリョーマを追い上げてゆく。 
「ぅ、あ、ぁ、ぁ」 
リョーマの腰がヒクヒクと浮き上がり、痙攣し始める。もう絶頂の瞬間がすぐそこまで来ている。 
「ぶちょ…う………ぶちょ……っ」 
たまらずに手塚にしがみつくと、優しく頭を撫でられ、しっかりと抱き締めてもらえた。 
「あっ………ぅ、あぁぁ……っ」 
リョーマの腰がグッと突き出され、勢いよく熱液が迸った。 
「は、あ…っ、あ……っ、……ぁ……っ」 
何度か腰を振りながらリョーマがすべてを吐き出し終えると、濁液でびちゃびちゃになった腹を優しく撫でられた。 
「ぁ……」 
「……たくさん出たな」 
優しく耳元で囁かれ、そのまま耳の後ろや首筋、そして唇にもそっと口づけられた。 
「……ぁ……ぶちょ……」 
「ん?」 
「好き……」 
そう言って、力の入らない手で必死に手塚にしがみつくと、手塚もしっかりと抱き締め返してくれる。 
だが、手塚は何も言ってはくれなかった。 
ただ黙ってリョーマを抱き締め、時折髪に優しく口づけてくれるだけだった。 
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
昨夜はよく睡眠が摂れていなかったらしく、リョーマは手塚の手で射精させてもらったあと、手塚の腕の中でそのまま眠り込んでしまったようだった。 
目が覚めた時にはすでに日は沈みかけていて、手塚の姿はどこにもなかった。 
精液で汚れ、何も身につけていなかったはずの身体は、綺麗にされた状態で、手塚が着るはずだった南次郎の服を着せられていた。 
「部長……」 
ゆっくりと身体を起こし、ベッドを降りると、自分の机の上に書き置きを見つけた。 
         
『気持ち良さそうに寝ているので、このまま帰る。 
 鍵は制服のポケットから勝手に拝借した。 
 郵便受けに入れておくので、あとで回収しておくように』 
         
ノートを1頁分破ったような紙にそれだけ書かれており、リョーマは暫くその文字を見つめてから、小さく笑った。 
「もう少し、ゆっくりしていってくれればいいのに……」 
ボソッと呟いてから、改めて自分の格好に気づき、思わず頬を赤らめた。 
父のTシャツ以外は、何も身に着けていなかったのだ。 
「…なにこれ、なんかヤラシイカッコ」 
クスクスと笑い、深く溜息を吐いてから、部屋をぐるりと見回した。 
(ここに、部長が居たんだ……) 
今日一日、本当に恋人のように接してくれた手塚に、心から感謝の想いが込み上げる。 
(エッチなことまでしてくれて…) 
リョーマはふとゴミ箱を見遣り、そこに捨てられている丸まったティッシュの多さに頬を紅くした。 
「どんだけ溜めてたんだよ、オレ…」 
はぁ、とまた溜息を零し、髪を掻き上げた。 
(…………すっごい、気持ちよかった……) 
手塚の手の感触を思い浮かべ、そっと性器に触れる。ビクンと性器が揺れ、すぐに反応を始めてしまった。 
「……部長のバカ」 
手塚が触ったように手を動かしてみるが、感じる快感は比べようもない。 
「部長じゃなきゃ感じなくなっちゃったらどうしよう…」 
中途半端に熱を持つ自身をゆるゆると撫でるように扱き、リョーマは盛大に溜息を吐く。 
「ぁ……そっか……また部長にしてもらえるように、仕事を頑張ればいいんじゃん」 
手塚も、また手柄を立てたら今日のようにデートしてくれると約束してくれた。 
(そうしたら、次はもっと……) 
ドクンと性器が脈打ち、そこから甘い疼きが広がってゆく。 
「ぁ……は……っ」 
ベッドに腰掛け、手塚の手の感触を思い起こす。 
優しく、そっと、自分の表情を見つめながら、最初は探るように、手を動かしていた手塚。 
次第に手の動きは大胆になり、先端から溢れ始めた愛液を全体に塗り込めるようにして、扱かれた。 
「ぁ……っ」 
目を閉じれば自分の手が手塚の手に変わる。 
「ぶちょ…」 
『越前…』 
耳元で囁かれた甘く掠れた声も、遠くで聞こえたいやらしい粘着音も、鮮やかに蘇ってくる。 
(何やってんだろ、オレ…) 
理性の欠片が冷ややかに批判してくるが、どんどん身体に蘇ってくる『手塚の感触』は消えてはくれない。 
「ぁ……ぶちょ……ぶちょう……もっと……っ」 
息が弾む。 
身体が時折痙攣を始める。 
「ぶちょう……すき……ぶちょ……ぁ、イ、ク……っ」 
『越前……イっていいぞ』 
耳に残る手塚の声が、リョーマに甘く射精を促す。 
「ぁ、あぁ……っ、ん、ん……っ!」 
下腹が硬直し、熱い濁液が迸る。 
「ぶちょ……っ、ぁ、あっ」 
左手で絞り出すようにして幹を扱き、粘液を右手で受け止める。 
小刻みな痙攣を何度か繰り返し、やがて深く息を吐いてリョーマは顔を上げた。 
「………何やってんだよ」 
ゆっくり右手をかざし、広げた指の間に糸を引く粘液を見つめながら、リョーマは溜息を吐く。 
「も一回シャワー浴びよ」 
怠い身体でゆっくり立ち上がり、もう一度溜息を吐く。 
(……オレだけイカせて……部長は全然ソノ気にはならなかったのかな………ならなかったんだよな…) 
自分ばかりが翻弄されて、呆気なく昇天してしまったのがなんだか情けなくなってきた。 
こういった性的なことは確かに歳の差も関係してくるのだろうが、あれほどの余裕を見せるほど経験があるのかもしれないと思うと、今度はひどく切なくなってきた。 
「………部長のバカ」 
ティッシュボックスから乱暴に数枚引き出し、グイグイと右手の粘液を拭う。 
(オレも、もっと経験値を上げないと、部長に相手してもらえないかも…) 
いっそのこと、自分に言い寄ってきた桃城にいろいろ教わるのもいいかもしれないと思う。 
「そっか……桃城武なら……」 
(オレのこと好きみたいだし、誘ったら絶対に乗ってくるよな。何か情報も引き出せるかもしれないし……) 
一石二鳥で、なかなかのアイデアだと思えてくる。 
(最後までヤラせなきゃやいいんだ) 
格闘技のセンスも自分の方が上のようだから、とリョーマは小さく笑んだ。 
「部長はそんな容易くご褒美なんてくれないだろうし……オレが誰と何したって、べつに関係ないんだろうし……」 
口に出して言うとなお切なさが増すが、言葉にして言うことで、自分自身にも言い聞かせている。 
「明日……帰りとか、誘ってみようかな……」 
いきなり接近すれば何か勘ぐられそうなので、徐々に、距離を詰めていこうと思う。 
手塚には枕仕事のようなことはするなと言われたが、手塚の知らないところですれば問題ないだろう。 
(例のキョーハク状の件もあるし……部長から離れて様子を見てみるのにも、ちょうどいいかもね) 
手の中のティッシュを丸めてゴミ箱に放り込み、リョーマはもう一度、盛大に溜息を吐いた。 
         
         
         
         
         
         
        
        ※今回も敢えて「歳の差』という字を使っています※
         
        
         
         
        TO BE CONTINUED... 
         
 
        
 
        
         
         
         
20091202
        
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