[ 闘 病 記 H−5 ]

    交 換 日 記  

 11月16日 (彰)
一週間も早く外泊出来てチョ〜ラッキ〜だった。
今日は学校へも行きました。 作文みたいなもの書いたョ。
やっぱり家はいいなぁ〜  早く治して、チョコ(愛犬)と遊びたい。 今日は、とっても良い気分です。
来週も帰れるといいなぁ〜 また外泊めざしてガンバリマス。


 11月17日 (母)
外泊出来てよかったね! 母さんも電話があった時はビックリ。
でもチョット食べ過ぎでは・・・ お腹、大丈夫かナ? 心配です。
母さんの仕事は、チョットこの頃大変でグロッキ−気味です。仕事の人達がもめていて、人間関係は
難しいですね。 今度、相談にのってね  テヘ (^^ゞ   (どっちが親ダァ──── )
では、お風呂に入ります。


11月18日 (彰)
原文より

 



 11月20日 (母)
今週も外泊出来るみたいで良かったね。 いっぱい栄養をとって、頑張って来週も帰ってこようョ!
12月8日から又治療に入るけど、チャント頑張ればクリスマスには帰れるかもネ
よく食べて(病院の食事)よく眠って、歩ける時は歩いて体力をつけて、よく勉強して早く良くなろう

彰の状態は だいぶ良さそうです。
お正月に外泊する前に主治医のK先生が彰に病気の事、お話して下さるそうです(お母さんも一緒
かな・・)
良い方向へ進んでいるので気を緩めず、風邪を引いたりしないで頑張ろう。
彰が良い気分だと、お母さんも良い気分です。
とにかく今は これでいい 早く良くなって普通でいいから     平和に暮らしたいね
その日が楽しみだョ────   But 高校へは行って下さい  チャント勉強して、目標の高校へ
入って下さい   頑張れ!  欲深 ─── い母より

外泊が出来るようになり、病院生活にも慣れ学校へ通えるようにもなったので彰もすっかり明るく
なり元の彰に戻りつつありました。それにつれて日記を書く事も少なくなり「書いた?」と聞いても
「書いてない 忙しかった」と答える事が多くなりました。
私自身も、病状の安定している彰に安心し始め 少しづつ「白血病」という病名にも慣れてきてしま
っていたようです 慣れとは不思議なものです。 1歩病院の中へ入ると、白血病の子供達ばかりな
ので違和感が少なくなり その生活が普通で、特別大変な事だと思わなくなっていきます。

そんな時、突然同じ病室の今迄接していた子供が亡くなってしまうという辛い悲しい別れが
ありました。 (彰一郎には、他の病院へ転院したと言ってありました)そして現実の厳しさを見せつ
けられるのです。それでもまた少し時間がたつと何故か勝手に自分の子は大丈夫という変な自信が
生まれてきて、普通の生活に戻っていきます。 今 考えると本当に特殊な生活だったと思います。
とにかく10月まで。10月の退院迄 頑張らなくちゃ。
早く10月になってほしい、トイレに張ったカレンダ−に1日の終わりに×印を付ける時 やっと、また
1日、10月に近づいたと、カレンダ−を見つめていました。 今 思うと何と愚かな事だったのでしょう・・
彰の運命は誰にも止める事が出来ないまま坂道を下っていったのでした。


      
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