[ 闘 病 記 E ]

    入 院  

  10月13日(火曜日)
今日は、新人戦です。そして彰の入院の日です。
彰は起きてからほとんど口を利きません。とにかく紹介状を取りに行き、入院先の病院へ10時までに行かねばと、あわただしく家を出ました。車中で
>「ねぇ、どの位入院すればいいの?」
>「わかんないけど、検査するから2週間位かな?」
そんなに短い訳はないと思いましたが、楽しみだったマンションへの引越しや新人戦を諦めていて失意のどん底にいる彰に何と答えていいのか解りませんでした。

  病院に着き、主治医のK先生にざっと今までの状態を話し、看護婦さんと病棟に向かいました。
>「何年生?」と看護婦さん。
>「中2です」
>「大きいね、入院するのは初めて? まぁ、半年以上は入院するようだから覚悟してね!監獄みたいなものだけど、た  まには家に帰れるから頑張って・・・・」
>「・・・・・・・・・」 私も彰も言葉もありません。

病棟に着くと、彰はすぐに骨髄の検査に入っていきました。そして、担当のT看護婦さんがみえました。
>「Tと申します。これからご家族の方も大変だと思いますが、私たちも出来るだけ力になりますので頑張りましょう。何でも言って下さい。」
とても可愛らしい、でも凛としていて素敵な看護婦さんでした。
>「先程の方が『半年以上は入院します』とおっしゃったのですが・・・・」
>「そうですね、結果が出ないと解りませんが、短くて半年くらいですかね。」
>「短くて半年ですか?」
>「はい、ここには学校もありますし、具合が悪い時はベッドまで先生が来てくれますので、そう言う意味では心配いりま  せんが、ここは小児病院なので小さい子だらけです。中学2年の男の子というと扱いが難しく、看護婦も接し方を考え  なくてはなりません。なるべく詳しい性格などを聞かせてもらって、早くここに慣れて仲良く出来るようにしたいと思っ  ています。」
私たちは、この先このT看護婦さんに本当に助けられました。

骨髄の検査は痛いと何かで読んだことがあったので心配していましたが、彰は弱音を吐けないのか平気な顔をしていました。
小さい頃は、泣き虫で怖がりで、どうなるのだろう?と心配しました。
それが、いつのまにかしっかりと大人になっていたのですね。
その後の入院生活でも本当に良く頑張りました。

ただ、さすがにこの日は初めての入院の夜。私たちが帰らなければならない時間になると、とても不安そうでした。
私も主人も先生のお話を聞いたり、入院の説明を受けたりとあわただしくて彰の気持ちを察しながらも、自分たちもこれからの事を考え不安で押し潰されそうで・・・・・・

この日を、いったいどう過したのか・・・・
もっと彰一郎の気持ちを思ってやれば良かったのではないかと胸が痛みます。


      
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