[ 闘 病 記 D ]

検査から入院まで

  そんなところへ、彰一郎が帰って来たのです。私が泣いていたので、彰が変に思っては大変と、引越しの手伝いに来ていた私の母が、ファミリーレストランへそのまま彰を連れ出してくれました。
泣いてはいられないのです。私がしっかりしなければ。
明日は、あの子が待ちに待った新人戦です。しかも楽しみにしていた新居に今日越してきたばかり、明日から入院しろなんて、どう説得すればいいのでしょう。
引越し荷物の中から入院の準備もしなくてはなりません。

まず、学校の先生にお会いして事情の説明と明日の新人戦の事、これからの相談をしました。
その後、家に帰っていた彰一郎に話をしました。
>「彰、明日 ○○小児病院へ入院する事になったの。」
>「明日?何言ってるの、明日は新人戦だよ。バカ言ってないでよ!」
>「バカ言ってないよ。 お母さんだって、そんな事言いたくないよ。でも、どうしても明日入院する事になったから・・・・   テニスはいつでも出来るけど、体はひとつなんだから言う事をを聞いて!聞かないって言っても無駄よ、もぅ学校にも  話してきちゃったから。」
>「ふざけるなよ!勝手な事言うなよ。マコはどうなるんだよ、ダブルスなんだよ、マコも出られなくなっちゃうんだよ。」>「部活の先生がちゃんとして下さるって。大丈夫だって。」
>「何が大丈夫なんだよ。全然大丈夫じゃない、何も解ってないじゃないかよ! じゃあ、何の病気なんだよ、いったい   何なんだよ!」
>「病気の事はちゃんと検査しないと解らないよ。その為に入院するんだから。」
かなり、やり合いました。怒ったり、なだめたり・・・

主人が帰って来たので、入院の事を告げ、入院準備の買い物に行きましたが、帰ってから夕飯のことをすっかり忘れていて
>「彰、何が食べたい?外に食べに行く?」と聞くと
>「何も食べたくない、何でもいいよ。」
>「じゃあ、外に出るのは疲れちゃうだろうから、お弁当でも買ってこようか?彰は、から揚げ弁当だもんね。」
から揚げ弁当は彰の大好物でした。

入院してからも週1回の持込み弁当(この小児病院では決められた日以外は食物の持込みが禁止されている)の日も、よく「から揚げを持って来て」と言ってましたっけ・・・・

不安だったのでしょうか?主人と3人一緒に買いに出ました。
その日、それからは新人戦のことも、入院したくないと言う事も1度も口にしませんでした。
床についても、私と主人と母はなかなか寝つけず、かと言ってお互い話をする事も出来ず、寝ているのか、寝ていないのか、長く辛い夜を過ごしました。


      
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