[ 闘 病 記 C ]

検査から入院まで

  ついに順番となり、診察室に入りました。
彰一郎の最近の様子を説明しました。 先生のお顔はとても厳しく感じられました。
>「とにかく血液検査をしましょう。結果は1週間後に出ますので、それまでは安静にしていて下さい。そうですね、学校も休んでいた方が良いでしょう。」
彰一郎は4日後の新人戦の事で頭がいっぱいです。
>「13日にテニスの試合があるんです。どうしても出なければならないんですけど良いですか?」
>「それは、ちょっと無理でしょう。運動は止めて下さい。」と先生
>「ダメだよ!、それだけは絶対に出るよ。誰が何と言っても出るからね!」
私も「何とか、この試合だけには出させてやりたいのですけれど・・・・」と言うと先生は
>「お母さん、無理はさせない方が良いと思いますよ。大丈夫とは、とても言えませんね。」と言う返事でした。

診察室を出ると、ふて腐れた彰一郎は、
>「もう一度、試合だけには出ると言ってきてよ。練習は休むから、試合だけ出ると言ってきてよ!」
出してやりたい、あんなに練習したんだもの。

中学生のテニスはダブルスです。
彰一郎が出られなければ、相手の子は急に他の子とダブルスを組む訳にはいかず、レギュラーから外されてしまうのです。彰一郎は「マコ(相手の子)に悪いよ。絶対に出るよ。」と言い続けていました。
仕方なく、もう一度先生のところへ戻り
>「先生、どうしても火曜日の試合だけは出ると聞かないんです、やっぱり無理でしょうか?」
>「お母さんのお子さんだから何とも言えませんが、もう少し重大にお考えになった方が良いと思いますよ。とにかく血液  検査をしてきて下さい。身体の事を一番に考えて下さい。」
血液検査では試験管に次から次へと10本ほど血液を採ったでしょうか。あまりの多さに、また不安が募りました。

  今となっては、言い訳になってしまいますが、この頃は私自身もとても忙しかったのです。10月12日(月曜日)には、彰一郎も望んでいた新居(マンション)へ引越す事になっており、毎日引越しの準備に追われていたのです。

  10月12日(月曜日)
今日は引越しです。彰一郎は家に居てバタバタするよりは学校に行っている方が良いと思い、登校しました。
>「くれぐれも運動はダメよ!」と念を押しました。
>「帰りは新しい方のマンションに帰ってくるんだよね。チョー ラッキー」と、嬉しそうに出て行きました。

ようやく引越しも一段落した夕方の5時頃、電話が鳴りました。検査を受けた病院からでした。
>「何度か電話をしたのですが、通じませんでしたので・・・・」
引越しで電話の切り替え工事の為、かからなかったのです。
>「本当は、今日入院してほしかったのですが、もうこの時間ですので、明日○○小児病院へ入院して下さい。ベットの  手配は今日勝手にさせてもらいました。お子さんの病気は血液の重大な病気だと思われます。」
「血液の重大な病気?」
頭の中がグルグル回ります。 「どうしよう どうしよう 本当にどうしよう」
引越しの手伝いをしていてくれた友人は、私のただならぬ状態を察して慰めてくれますが・・・・・


      
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