彰を病院から家へ連れて帰り、あわただしい時間が流れました。
いろいろな方達が集まてくださり、私も何をしたらいいのか、いったい何が起こったのか
今 思い出してもどうしていたのかよく思い出せません。
ただ友人達が手伝いに集まってくれ、私をなるべく彰一郎のそばに居させてくれました。
先生方や同級生、生前 彰を可愛がって下さった方々が次々に彰の顔を見に来て下さいました。
彰 あなたが帰りたがった我が家です
眠っている場合じゃないよ
まだ 間に合うから目を覚ましてごらん
お願いだから 冗談だって言って目を覚まして
心の中で 何度も問いかけました
お通夜の為、我が家に別れを告げて式場へ向かう途中で通い慣れた小学校や何とか戻してやりたかった中学校へ寄ってもらいました。
彰、お別れしましたか? あの子がつい半年前迄 あのテニスコ−トでテニスをしていたのかと思うと、胸が潰れる思いでした。
もう本当に二度と戻れないのです ここには・・・・
お通夜は、彰の涙なのか冷たい雨が降っていました。
でも、本当に大勢の方々がお別れに来て下さいました。
雨の中、3年生全員で音楽祭で歌った歌を歌って下さいました。
彰 聞こえますか 歌声が
こんなにみんなが淋しがっています
泣いています
あなたは みんなからこんなに愛されていました
何処かで見ていますか・・・・
その夜は式場に彰と主人と娘と4人、久しぶりの家族水入らずで眠りました。
告別式の日は昨夜の雨が嘘のように晴れました。
式場を出て火葬場へ向かう時 沿道へ子供達がずらりと並んで見送ってくれました。
この日は授業という事で彰のクラスの生徒だけ参列の予定だったのですが、みんながお別れに行きたいと言ってくれ、学校側の配慮で3年生のほとんどが式に出て下さいました。
その子達がずらりと長い列を作り、沿道へ立ってくれたのです。
彰 見える
みんなが最後のお別れをしてくれてるよ
手を振らなきゃね
あの中に帰りたいよね
今 眠りを覚ませば帰れるよ
母さんは 何をしてるんだろう
ねぇ これって本当だよね
この日から 朝起きると毎朝 思い知らされます
やっぱり夢じゃないんだと・・・・
それは 一年近くたった今も同じです。
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