ニュータイプの進路学習の試みです。簡単に言えば、「人生双六」です。もともとはリクルートの「キャリア ガイダンス」の1996年4月号に掲載されていた「GOOD LUCK GAME」を改良したものです。原作の製作監修は当時茨木大学の佃直毅氏と現筑波大学の渡辺三枝子氏です。原作をやってみて好評だったのですが、もう少し複雑にしたほうが面白いという声があり、イベントをいくつか付け加えました。
このゲームの面白いところは、人生の節目の出来事に対して、大切にした価値観と犠牲にした価値観を考えながら選択するところです。そして、人生のゴールで、自分はどんな価値観で生きてきたかを振り返ります。
みんなでワイワイガヤガヤ。楽しみながら自分の人生を考える。なんてすばらしい進路学習でしょう。と自画自賛。
今までにも授業で何回かしてきて、改良に改良を加えてきました。今回は、9クラス一斉のロングホームルームで実施しました。自分だけがするのでなく、他の先生にもしていただくためには、できるだけ分かりやすくする必要があります。そのため、教師用の指導案を作成しました。また、担任会で少しやってみてもらいました。
3 | ねらいを説明する。 | 1)自分のこれからの人生について考えてみる。 2)どんな問題が起こりうるかを知る。 3)その時に、自分がどんな道を、どんな価値観を大切にして、あるいは犠牲にして選択するか考えてみる。 |
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5 | グループ分けをする。 | 1)男女混合で5〜6班に分かれる。 2)机を6つ合わせて、をつくる。 3)「LIFE R.P.G.ボード」とサイコロを1つずつ、「LIFE R.P.G.の進め方」を1人1枚ずつ配布する。 |
1)掃除班でもよい。 3)サイコロはサイコロキャラメルを使 う。中身は、一番最初に幸福にゴールした生徒にやる。 |
5 | プリントを読みながら、LIFE R.P.G.の進め方を説明する。 |
1)サイコロの目で進むのではないことを確認しておく。 2)マスの説明をする。 3)価値観の説明をする。 4)価値観のスコアの付け方を説明する。 |
4)「free」の使い方に注意する。 |
25 | LIFE R.P.G.をする。 | 1)自分の駒を作らせる。 2)それぞれスタートラインに自分の駒を置かせる。 3)順番を決めさせる。 4)順番にゲームを進めさせる。 5)特に、太枠でどんな価値観を選択したかを共有させる。 6)全員がゴールすれば終わる。 7)最初に幸福なゴールをした人が、キャラメルをもらう。 |
1)小さなもので、消しゴムなどでよい。 2)自分が実際に希望しているスタートラインを選ばせる。 5)自分の駒の進め方だけでなく、他の人がどのように進めているかを見させる。 |
5 | まとめをさせる。 | 1)「価値観スコアシート」を集計させる。 2)スコアの結果を「LIFE R. P.G.プロフィール」の「チャー ト」を記入させる。 3)「人生の軌跡」と「人生の価値観」を書かせる。 4)プリントを回収する。 |
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生徒の声
▼楽しみながら、少し人生の勉強ができたと思います。これからの進路について考えていかなければならないなぁと思いました。
▼難しかったけど面白かった。みんなの人生が面白かった。途中で終わったけど、自分の人生の別れ道だし真面目に選んだ。
▼やり方がイマイチわからなかった。こんな簡単に人生が決まったらラクなのにナー。
▼最初は面白くないわと思っていたけど、後になってからはキャラメルが景品になってからはみんな必死でゴールを目指していた。思ってたよりよかった。
▼ビミョーにみんなで楽しくできた。
▼頑張っても休みばっかりなのでビミョーにムカついた。でも楽しかった。
▼面白かったけど、時々深刻になってきたり。
▼こんな人生になるのかなと思った。できればいい人生にしたいなぁ。
▼もし人生ゲームのような人生だったら、大変なことになる。
教師の感想
最初は戸惑っていたけれど、やり方が分かってくると熱心にやっていた。仲間でやるので人の人生や価値観も見れて面白かったと思う。
事前に予習してくださった先生もあり、非常に熱心に取り組んでいただけた。それが成功の第一の要因でした。やや分かりにくい部分があるので、説明をしようとすれば自分でやっていただくのが最善の方法です。
どのクラスも最初は戸惑っている生徒がいましたが、やり方が分かってくると楽しそうに、時間をオーバーしてやっていたということです。普段の3倍のエネルギー使いながら、職員室に帰って来られた時の顔は満足感に満ちていたのは、発案者として至福の喜びでした。
もう少しサイコロを使ったゲーム性のあるイベントを入れたほうがいいとか、休みを少なくした方かいいとか、アドバイスもいただき、本当に真剣に取り組んでいただいたことを実感しました。
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