
1995年頃、公開当時の聖蹟桜ヶ丘駅周辺
ここでは、その「聖蹟桜ヶ丘」についての説明。また、耳すまの世界と、現実の聖蹟桜ヶ丘との比較をしていきます。
聖地巡礼や聖地移住にもお役立てください。
聖地巡礼おすすめスポットを、下の方に詳しく記載しております。⇒聖地巡礼のコツ聖蹟桜ヶ丘には、「耳をすませば」の場面が「そのまま実在」する場所がある。
すべてが実在するわけではありませんが、背景の一部に聖蹟桜ヶ丘の各処が使用されています。「劇中」と「実在する場所」との違いをリストにしてみました。
劇中の場所 | 比較 | 実在する場所 |
雫の住む団地 |
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雫の住む団地周辺は、聖蹟桜ヶ丘からバスでも行ける「愛宕団地」「東寺方団地」周辺がモデルのようです。 団地から見える給水塔などが実在します。駅からは少し離れています。 建物は「永山団地」に同じタイプがあります。 |
雫の通学する学校 |
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雫の行く学校は「東京都小金井市立小金井第一中学校」がモデルなようですが、詳しくはわかりません。 このHPでは紹介を割愛させて貰います。 通学路の一部は、この聖蹟桜ヶ丘周辺が使用されています。 |
雫の住む駅前 |
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雫の住む駅「向河原」は、どうやら現実の隣り駅「百草園」とは異なる模様です。 但し、劇中に登場する駅の看板のいくつかは、聖蹟桜ヶ丘にあります。 また、一部東小金井(スタジオジブリがある駅)の駅周辺の景色も使われている模様です。 |
雫の乗る電車 |
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東京にある、私鉄「京王線」がモデルです(劇中では京玉線)。 ただし劇中の車両(5000系)は、もう走っていません。 |
ムーンのおりた駅(杉の宮) |
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ここが京王線「聖蹟桜ヶ丘駅」となります。 ホーム、駅構内、改札口、ほぼそのままです。 |
駅前通り |
| 駅ビル(劇中では京玉デパート)や坂までの道が実在します。 |
図書館への登る坂 |
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駅から、丘の上まで続く「いろは坂通り」がモデルです。 ただし歩道の位置とか微妙に違います。 |
図書館 |
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残念ながら、ありません。 そこには「いろは坂桜公園」があります。 |
ムーンを追いかける丘の上の住宅街 |
| 桜ヶ丘周辺のあちこちをつなぎ合わせて劇中で使用しています。 |
地球屋前ロータリー |
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地球屋前のロータリーは実在します。 そこには小さな店が幾つか有り「丘の上に、こんなとこ会ったんだ」と思わせる場所です。 |
地球屋 |
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残念ながらありません。 |
学校から杉の宮に行く道 |
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それらしき道はあります。 劇中と同じく見晴らしはとても良いです。 |
杉村が告白した神社 |
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いろは坂を登りきった場所に、「金比羅宮」というのがあります。 そのまんまです。 |
らぴす・らずりの鉱脈 |
| ありません!ただし雫の空想~現実に戻ると言う場面の、雫が駆け下りる階段は、いろは坂にあります。 |
秘密の場所 |
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ラストの「秘密の場所」は、撮影された場所は「読売ランド鉄塔」ですが、実際の場所については不明です。 一時期、聖蹟桜ヶ丘いろは坂にある丘ともされていましたが、現在そこは立ち入り禁止となりました。 |
東京都多摩市にある、歴史と緑に囲まれた美しい街
「西東京、多摩の丘、たちならぶ白い家。ふるさとは、コンクリートロード。」耳をすませば関連のアルバム「地球屋にて」中で、月島雫役の本名陽子がこう朗読しています(詩は宮崎駿)。
この詩の通り、『聖蹟桜ヶ丘』は東京の西にあり、多摩の丘に囲まれた街です。
緑が多く静かな所で、とても過ごしやすい街でもあります。

聖蹟桜ヶ丘にあるアニメーションスタジオに、宮崎駿、近藤喜文が以前通勤していた。
この映画の舞台が聖蹟桜ヶ丘周辺であることは、「続・映画を旅する(映画のロケ地を紹介する本)」に一番詳しく書かれています。映画公開直後に本の著者がスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーにインタビューしており、「月島雫の町は確かに聖蹟桜ヶ丘がモデルです」「宮崎駿さんが多摩にあった日本アニメーション(聖蹟桜ヶ丘にある、アニメーションスタジオ)に勤めていた頃から親しく地のりのある町だったからです」と書かれています。
1973年から1979年の間、宮崎駿監督(当時32歳~38歳頃)は日本アニメーションに勤めていました。
また、近藤喜文監督も1978年から1980年(当時28歳~30歳頃)の間と、1986年から1987年(当時36歳~37歳頃)の間に、日本アニメーションに勤めております。
ちなみに、劇中ラストの日の出シーンも、宮崎監督が日本アニメーション時代の徹夜明けの朝、多摩丘陵の向こうに登る朝日を何回もみていた体験がヒントになっているそうです。
聖蹟桜ヶ丘は、宮崎監督、近藤監督にとっても、想い出深い街なのでしょう。

聖蹟桜ヶ丘にある「日本アニメーション」。世界名作劇場、ちびまる子ちゃんなど、数多くの作品を排出。
聖蹟桜ヶ丘に建てられたのは1975年とのことです。
日本アニメーションで宮崎駿、近藤喜文が携わった作品
・宮崎駿監督
「アルプスの少女ハイジ」(場面設定・画面構成(レイアウト))1974年
「フランダースの犬」(原画)1975年
「母をたずねて三千里」(場面設定)1976年
「未来少年コナン」(監督)1978年
「赤毛のアン」(キャラクターデザイン・作画監督)1979年
・近藤喜文監督
「未来少年コナン」(原画)1978年
「赤毛のアン」(キャラクターデザイン・作画監督)1979年
「愛の若草物語」(キャラクターデザイン・原画)1987年
宮崎駿、近藤喜文の夢が、「耳をすませば」になった。
お二人の出会は1971年ルパン三世 1st seriesの時で、近藤喜文さんは原画を担当していました。このルパン、当初あまりにも低視聴率だったためスタッフが改変することとなり、宮崎駿と高畑勲二人が演出として参加しました。
これがお二人の初めての出会いとなります。当時宮崎監督30歳、近藤監督21歳のことでした。
近藤監督は学生の頃、宮崎駿と高畑勲の作品「太陽の王子ホルスの大冒険」を見て、「こんな映画を作ってみたい」と心から感動したとのことで、この出会いは相当感激したでしょう。
そして宮崎駿、近藤喜文の二人は「パンダコパンダ(1972年)」でも一緒に仕事をされ、厚い信頼を得たそうです。
その後は別れつつまた一緒になりつつ、日本アニメーションやスタジオジブリで一緒に仕事をされました。
しかし残念ながら、近藤監督は1997年もののけ姫の作画監督を行った後、翌年の1998年1月、わずか47歳の若さで亡くなられました
宮崎監督は近藤監督の葬儀の時「僕は彼の才能をもっとも深く、正当に評価という自負を、今も持っています。」
「彼が20代、僕が30代の頃、机を並べて手を動かしながら、作りたいについて語りあったものでした。」
「時代の変化の中で形はかえてはいても、『耳をすませば』は、まぎれもなく20代と30代の僕等がいつか実現させたいと考えていた作品」と弔辞を読まれております。
さらに「もうひと仕事、一緒にやろうと持ち掛けて、例によってシブシブ引き受けた矢先の入院」と語っていました。
(参考出典・「アニメージュ1998年3月号」)
となりのトトロも、聖蹟桜ヶ丘がモデルだった!
さらに鈴木敏夫は「(聖蹟桜ヶ丘にある)桜ケ丘団地横の雑木林がヒントにトトロが作られている」と語っていますおそらく、聖蹟桜ヶ丘駅と日本アニメーションの通勤路上にあった、多摩東寺方緑地保全地域がそうかと思われます。
劇中の竹林あたりですね。たしかにトトロらしい景色(森、古い屋敷、蔵など)があります。
「となりのトトロ」「ぽんぽこ」「耳をすませば」はスタジオジブリの多摩三部作とも語っています。

多摩東寺方緑地保全地の写真です
聖蹟桜ヶ丘では月島雫役の本名陽子さんによる、イベントが毎年開催中!
映画公開時(1995年)、駅前の映画館(今は閉館)でも「耳をすまばせば」は公開しており、ポスターには「聖蹟桜ヶ丘駅周辺の風景が登場します」と書かれていました。翌年1996年、劇中にも登場した聖蹟桜ヶ丘の京王デパート(劇中では京玉)において、「耳をすませばの世界展」というイベントを行いました。
フイルム上映や、劇中の背景と実際の聖蹟の街との比較を、写真パネル展形式で行っていました。
当時の新聞折り込みチラシ クリックで拡大
そして2005年よりほぼ年に1度、本名陽子(雫役)さんが参加される「せいせきハートフルコンサート~耳をすませば~」が行われています!
(最近は「せいせきハートフルコンサート」という名称になりました。)

写真は、青春のポストや列車接近音開始の時のセレモニーで、真ん中にいるのが本名陽子さんです。
『耳をすませば』の舞台、聖蹟桜ヶ丘の聖地巡礼をしよう!
聖蹟桜ヶ丘聖地巡礼に役立つ情報をまとめました。まず初級編で、「駅前」「いろは坂」「公園(劇中図書館のある場所)」「神社」「ロータリー(劇中地球屋のある場所)」はいきましょう!■初級編(1~2時間コース まずはこちらをおすすめ)
・聖蹟桜ケ丘駅の列車接近メロディを鑑賞しましょう。カントリーロードです。上り下りで違います。・駅前(西口出口を出て左手)の青春のポストと、探索マップの看板を見てみましょう。
・京王ストア2階エレベーターホールにある、聖蹟桜ヶ丘散策マップを受け取り、3か所ある訪問記念スタンプを押していきましょう。
→このスタンプラリーで、神社やいろは坂、ロータリーまで簡単に行くことができます。



■中級編(半日コース さらに耳すまの世界に浸れるます)
・桜ケ丘4丁目の丘の上から聖蹟を眺める。学校帰りとかのモデルの場所です。住宅街なのでお静かに。・愛宕団地(雫の住む団地周辺)まで足を延ばす。バスの「桜92」で簡単に行けます。東寺方三丁目で降りてください。
■上級編(1日コース トトロやぽんぽこの世界も味わえる)
・駅から日本アニメーションまで歩く。宮崎、近藤監督が通勤した日々を想像して。トトロにも会えるかも。・永山団地(雫の住む建物)まで足を延ばす。ぽんぽこの聖地巡礼もできます。永山団地商店街をまず目指そう。
■最上級編(数年コース…)
・京王不動産に入り物件を探す。あとでいつでもじっくり聖蹟探索ができますよ…聖地巡礼のおともに、是非こちら地図をご利用ください!
聖地移住すれば、毎日が『耳をすませば』。
ついでに…聖蹟桜ケ丘は都心から電車で約30分で通勤、通学できることあり、比較的「聖地移住」がしやすい場所です。今までの経験を踏まえ、「聖地移住(賃貸編)」のコツを伝授いたします!
聖蹟以外にも、聖地移住を検討している方ぜひ参考にしてください!
・【最重要】必ず、聖地に近い場所に住むべし。
同じ駅だから少し離れても…と安易に住むと、かなりつまらなくなります。自分は諸事情で一度聖地から離れたとこに住みましたが、1年で元の聖地近くに引っ越しました。なんか違うんですよ。窓から聖地が見えるとさらにベスト。・劇中に出た場面を、通勤、通学路に選ぶべし。
毎日テンションが上がります。・物件、不動産まわりは徹底するべし。最初のインスピレーションも大切に。
自分、1件目は1発で「ああここだ!」という場所に出会えました。インスピレーション大事です。残念ながら建て壊しになり、次を探すのに苦労しました。いい物件がなければ徹底して歩き回って調べて不動産屋行きまくる聞きまくるのおすすめします。
ネットでなく、自分の足で歩いて探してください。 よさげな建物があれば、その不動産を調べ、訪ね、空き室がないか聞いてみてください。案外あります。
なにより聖地移住において、部屋探しに妥協は絶対にダメです。自分おかげでかなりのいい場所に住めました。
・建て壊しの際は不動産にしっかり相談&自分で物件探しをするべし。
もし住んでいる場所が立て壊される場合、不動産が次の物件を安く進めてきますが、正直あまりよくありません。ここでも足を使っていい場所をさがしましょう。礼金や引っ越し費用とかは出してくれます。・できれば最上階、かど部屋を選ぶべし。
気兼ねなく作品鑑賞ができます。・まわりの声(嫌味など)に影響されないようにするべし。
今は時代は変わり聖地移住に関しても寛大ですが、当時は結構嫌味を言われました。「もののけ姫始まったら、今度は屋久島に引っ越すのか笑」とか。もしそんな嫌味を聞いても惑わされず無視して、信念を貫きましょう。聖地生活は想像以上に素敵ですよ。・仕事、学業はしっかり行うべし。
末永く住んでいくためにも、仕事学業はしっかりしましょう。・近所の人には笑顔で接するべし。
同じ仲間とかに出会いたいですが、なかなか難しいです。まずはとにかく近所の人に笑顔で(怪しまれないように)接してください。そのうちきっといいことがおきます。・駅を出て川崎街道を横断した先の建物は大きく変わりました。公開時は2階建ての西友でした。
・特急の停車駅が変わりました。昔は新宿→明大前→調布→府中→聖蹟桜ケ丘でした。いまはいっぱい止まります。
京王線路線図
…そのほかはそんなに変わってないかな…
『耳をすませば』あらすじ
映画「耳をすませば」は1995年公開されたスタジオジブリの映画アニメ作品です。脚本、絵コンテは宮崎駿、監督は近藤喜文で製作されました。
(残念ながら、近藤監督は1998年の初め、病気で亡くなられました)
原作は、柊あおいさんの少女漫画で、集英社より単行本全1巻が発売中です。
ジブリ作品にしては珍しく「少女漫画」が原作となっており、地味で、大きな事件もない話ですが、
劇中に描かれる、登場人物達の持っている強い意志や、物事に一生懸命にとりくむ姿は、
見る人に強い印象を与え、「自分も何かやろう」と勇気づけさせてくれる作品となっています。
耳をすませばのあらすじを、簡単にいいますと…
舞台は現代。西東京、多摩の丘。どこにでもありそうな街で、 どこにでもいそうな女の子が主人公の物語。 本が好きな中学生の女の子が、「本」をきっかけに、 少々生意気な青年に出会います。 初めは、その青年のことを嫌っていましたが、 何度か会っていくうちに、青年の夢や生き方に惹かれ、 主人公も自分の道を探り始めようとします。 主人公は本が好きなので、自分でも本を書こうとしますが 初めの意気込みとは違い、なかなかうまく進みません。 さらに、高校進学と言う壁や、夢を現実にするための重みに、 悩み、落ち込み、自分のやっていることに自信を無くし始めます。 そんな時、周りの友人や両親、おじいさん、そして青年(彼氏)に支えられ、 主人公はゆっくりと、自分自身のあり方と、 これからの、道の進み方、歩き方を見つけ始めます。 しっかりと、前を見つめる瞳を持って、 耳をすませて、歩いていこうと… |
というお話です。
これだけ聞くと、なんか重苦しい話に聞こえますが、宮崎監督の脚本と、近藤監督の演出と、
書き込まれた背景美術で、見事なすばらしい作品に仕上がってます。
どこか懐かしく、何故か美しく。
自分が忘れかけていた「夢」というものを、思い出させてくれる作品です。
「自分が決めた道を、力強く、ゆっくりと進んで行こう!」
というコンセプトが、僕は非常に気に入ってます。
このHPの写真は、すべて管理人「こん!」が撮影しました。
テキストも含め、もし引用する場合は「引用元 耳をすませば通信」と書いていただけると幸いです