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☆「ふるさとの民話」創刊

12月5日にCD付きの「ふるさとの民話(全30巻)」が
創刊されるそうです。

新聞の広告欄を見ながら、ふと、 「東京こどもクラブ」
(レコードとテキストを毎月配本)のことを思い出しました。
五つか六つくらいの頃です。
当時はそんなにゆとりのある暮らしではなかったけれど、
毎月郵便で届く「東京こどもクラブ」は、
子供心にも贅沢で、そしてまた、ゆたかさをしみじみと感じられる
両親からの贈り物でした。
当時は、もちろん、レコードで、赤い小さなレコードプレーヤーで
歌やお話を聞いていました。
片面がお話で、もう一方が歌。
歌も楽しかったけれど、レコードと一緒に送られてくる お話の
テキストを読みながら、 まえだのおじさん(前田武彦さん)の
語るお話を聞くのが大好きでした。
大切なレコードではあったけれど、毎日、毎日繰り返し繰り返し
聞いていた ので、どのレコードもぼろぼろで、それでも高校生の
頃までは持っていたのですが、 その後の引っ越しで、どこかに
紛れてしまいました。
毎月送られてくるテキストも、専用にバインダーに綴じ、
物置の奥の方にしまわれていたのですが。
今では、どこにあるかもわかりません。

幼い頃、両親は共働きで、
祖母とも遠く離れた町で暮らしていたので、
有名な童話や民話は、「東京こどもクラブ」のレコードを聞いて育ちました。
とはいえ、あんなによく聞いていたのに、今では、
本で読んだのか、レコードで聞いたのか、もう区別はつかず、
「七つの星」のことくらいしか覚えていませんが。

子供にとって、物語は、人の温もりとともに、
両親や祖父母などの肉声で聞くのが一番いいのでしょうが、
「東京こどもクラブ」を経験した私にとっては、
「おはなし」がそばにある、ということが一番大切なように思います。
特に民話は、耳で聞くもの。
耳から独特のリズムを拾うものだと、そう思います。

だから、もうじき創刊の「ふるさとの民話」は、
幼い頃の「東京こどもクラブ」の追体験のようで、
とても楽しみです。
朗読も壇ふみさん、桂三枝さん、竹下景子さん、風間杜夫さん…と、
とても贅沢なCDです。

月二回の大人の「東京こどもクラブ」?
そう思っているのは、私だけですね。
(シィアル)
 



「語り伝えたいふるさとの民話」(全30巻・60話)CD付き
 第一回配本【中部地方(一)】「ゆきむすめ / かさじぞう」(語り:檀ふみ)
 発行:世界文化社
 毎月第1・第3木曜日発売
 
シィアル , 2002/12  


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