■水曜日〜終わりのあいさつ〜■
さっ久々のご本社サマ。電車を乗り継ぎ、送迎バスへと乗り込む。
「おやっ 珍しい人が乗ってくるねぇ 今日はどうしたの?!」
めざとく、バスの運転手のオジサンにつかまる。が、イチバン最初に話すわけにも行かないので、 とりあえず、笑ってごまかす。このオジサンけっこう曲者で、情報屋さんなのだ。
まえに所属してた部署のオジサンを見つけ、隣に座り込む。
「どーしたの? あれぇ あいさつ?」
めざとく、菓子折りの袋を(だってデカイんだもん)指差し、小声でつぶやく。
「実はね・・・かくかくしかじかで・・・クビだってさ・・・以下略」
「そりゃひでぇや〜」
さすがのオジサンもビックリしたらしい。そりゃそーだーよー。驚いて当然。さ〜みんなにいっといてね〜
バスを降りる時、またまた運ちゃんにつかまる。ワタシはわざとサイゴに降りようとしてたので、 「クビになった」と説明してあげる。「あとで部屋に来なよ! コーヒーでも入れてあげるからさあ」 まっやさしいこと。(ワタシには以前からやさしかったけどね)話が詳しく聞きたいらしい。いくらでも話して あげるさっ。
バスをあとにして、ひとまず総務へ。おめあての人事部長はまだ来ていない。「クビ」ということを 知ってるヒトは少ないから、まずは仲良しのオネエサマガタからつかまえて、このいきさつを説明 してこなくてはならない。みぃんなワタシが珍しいのか寄ってくる寄ってくる・・・ 黒山の人だかりになってしまった。
まとめてしゃべっちゃえ! とゆーことで、機関銃のように話しまくる。 特に最近リストラが始まっているから、ターゲットにされやすい年配のオネエサマガタは熱心に聞いて らっしゃる。明日はわが身だもんね。
そーこーするうちにそろそろ始業時間になったので、人事部長を求めて、再び総務へ。
着たばかりと見えて、なんだか忙しそうなので、じっと座って待ってやった。目の前に座っているワタシに 気づいてもくれない。30分も経って、ようやく気づいてくれた。
「あ〜来てたの」
おいおいソレはないでしょ、アータ。アータが今日来いっていうから、来てやったのに。 なんてヤツだ。
「ちょっと待っててネ」
なんでも今日は退職者が何人も居るらしく、なんだかてんてこ舞いしてるらしい。 知ったこっちゃないけど。ええええ、待ちますとも。
なんだかんだでやっとワタシの番。
「んじゃ、先週の話しの通り、雇用打ち切りとします。いまから、解雇手当を計算してくるので その間、退職後の保険の話しとか聞いといてください。」
おいおい計算してないんかい。来ること知ってるクセに。用意しとけよ〜。 まぁしゃーない。そして、総務のぺえぺえにバトンタッチ。
「えっと、きこさんは、会社都合になりますから・・・職安にあとで郵送する書類を持って行ってください。・・・以下略」
かったるい説明を聞いて、(ホントかったるいヤツなんだなコレが)人事部長サマを待った。
やっと来た。
「コレだけの金額になりましたから、確認してください。」
お〜現金でくれるとは知らなかった。計算書はないけれど、まっ30日分はありそーなので、 1枚2枚・・・と数えてハンコを押してやった。
「じゃコレで終わりですから、あとはあいさつにでも行ってください。」
も〜アッサリ。 なんだかコイツにはナニも話さないほうがよさそうだ。どーせウラで全部話はまわってるだろーから。
こーなったら、アイサツついでにしゃべくりまくらなきゃ。とゆーことで、部長様だろうが、平社員だろうが、 パートのおばちゃんだろーが、お世話になったヒトには全て「クビ」になった全容を説明してまわった。 おかげで、何度同じことをしゃべったことか。午前中いっぱいかかってしまった。
おお!!忘れてた。バスの運ちゃん。運ちゃん詰め所に行き、コーヒーをごちそうになる。 実はここに来るまでに、すでに沢山コーヒーをごちそうされていて、もういらないのだが、 断るわけにもいかず、飲み干してしまった。運ちゃんも「送迎バス廃止」とゆう話しが 出てきているので、とても他人事とは思えないらしい。 人事部長を抜かしたら、みーんなとーってもあったかだった。
会社ってこんなもんなのね〜
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