雑木林のぬしの里山講座 
特別篇 メダカがね
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てっちくん ちは〜!と。 あれ? 珍しや。 お客さん?
ああ、てっちくん。 いらっしゃい。 んーと、紹介しとこうかな。 こちら、近所で塾をされてる雄介さん。
てっちくん え? 塾? いや…はは。 塾の先生てのはどうも苦手で、 こんちは。
雄介 どうも (特別出演 主さんと旧知の仲)
今ね、メダカの話をしていたんだよ。
てっちくん へ?メダカ? あの絶滅危惧種になってたやつ?
うん、あの時はちょっと驚いたね。
「メダカよ、おまえもか?」てなもんだ。
で、雄さんは、その時から動き始めて、いろいろ運動してるんだよ。
てっちくん でも、主さんは「虫」屋さんで「森」屋さんでしょ?
まあ、畑は違うけれど生き物を扱うのは同じでしょ。
それに彼とは旧い付き合いで、いつも意見交換やってるし…。
雄介 いやいや、こっちこそ色々教えてもらっているよ。
で、この方がうわさのてっちくん?
そう。
雄介 よろしく。
てっちくん うわさって、まあ、どうも、で、メダカがどうなったって?
雄介 簡単に説明すると、とうとう、河川改修や、耕地整理なんかでメダカの学校が廃校になってしまった。
で、いまなら間に合うから、なんとかしようってことなんだけれど。
てっちくん 人工的に増やして放流するの?
まあ、簡単にいえばそうなんだけれど…
そこに少々込み入った問題が浮かんできて。
雄介 うん。 行動の準備に入ったところで降って沸いたのが 、地元の養殖業者が盛んに養殖・放流するっていう話なんだ。
てっちくん みんな考えることは同じなんだねぇ。
ならいいんだけれど、その種が地元産でなかったんだよ。
てっちくん でも、メダカでしょ?だめなの?
雄介 うーん、まあ、見た目は変わらないからねぇ、でもねぇ、研究によると、日本のメダカは、大きく分けて2種類、細かく分けると十数型に遺伝子の型が分かれるらしい。
しかも、濃尾平野のメダカは、それらとも違う遺伝子を持っているらしいんだよね。
てっちくん あー、そういえば新聞でみたなー。
そうなると、他から持ってきたメダカを無秩序に放流すると困ったことになるんじゃないかってことでね。
てっちくん どんな?
遺伝子が交じる。下手をすると濃尾メダカの遺伝子が消滅する。
てっちくん と言ったって見た目は…?
変わらない。し、わからない。
てっちくん それって意味あるの?
雄介 わからない、もちろん、学問や研究にとっては大変な問題で、あらゆる可能性か消える恐れのあることなんだ、でも、そうじゃない人にとっては…。
そう、知らない人にとっては、知らないうちに知らないものが消えたって、最初から無いものと同じなんだよ。
てっちくん なんかきいているだけで頭が混乱してくる気が…。
何? いつも二人で、そんな話してるの?
まあね。 それで知らなければ、それで済んだ話なんだけれど…。知っちゃったからねぇ。
雄介 ん、知っちゃったんだよねぇ。
てっちくん なんか、知らなきゃよかったって口ぶりじゃん。
 雄介 まあねぇー。
雄介 知ってしまったんだから、何とかしなきゃねぇ。
とりあえず、市内にメダカ保護区を設置して、またね一部採捕したものを繁殖したりとかは、始めたんだけれど・・・
野外のものは、第三者の放流にたいして無防備だしね。
雄介 結局、残るのは個人で飼育しているものだけってことになるかもね。
そう、放流されてしまっては、もう終わりってことなんだよね。
てっちくん おわりメダカのおわりってか?
・・・すきま風が・・・。
てっちくん で、どうすんの?
雄介 まあ、正攻法は、一般の人たちに分かってもらう事しかないんだろうけれど。
それでは手遅れ。それに、われわれにはなんの権威もない、権威の無いものがやると、変人扱いされるだけ。
・・・神輿をかつぐか?
てっちくん メダカ祭りでもすんの?
違うの!権威のある人に前面に出てもらってなんとかするの!
雄介 ははは、いいコンビだね。
てっちくん 大変なんだねぇ。
雄介 それにね、今の人たちメダカの学校なんか実際に見たことのある人って少なくなっているんだね。その人達にとっては、メダカといえばヒメダカしか知らないってのが常識なんだろうね。
そんな人達にメダカの学校の復活とか、産地を含めた在来種のメダカの保護といっても、理解しにくいだろうね。
さて、てっちくん。 君もこれで知ってしまったんだからね、分かっているだろうね。
てっちくん な・な・なんか秘密結社みたいだね、小難しい話は、か・か・勘弁してね。
さいならー。
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