雑木林のぬしの里山講座 
その4 雑木林の生物多様性の維持
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てっちくん 主さん、天然わさび漬けありがとう
今年のはきいたねぇー、去年のつもりで口にいれたらツーンと、
思わず踊っちゃったい。
ははは…今年のは辛くなるようしてみたからね。
でも今年の春の山菜は、西ははやくて東が遅かったようでね。
魚もアマゴが少なくて、イワナが多かったり…
どうも去年の台風の影響でちょっと変だね。
山もあちこちで崩れていたし、道路も寸断されちゃって。
それに、今年は春から忙しくて、ゆっくり山にも行けやしない
なんか季節感がなくなっているなぁ。
てっちくん ありゃりゃ、今日は何かご機嫌斜めですねぇ。
こりゃ、さわらぬ神になんとかですか?
まっ、これはてっちくんには関係ないことですけどね。
てっちくん あー、やっぱり機嫌が悪いや。
はて…?  今日のテーマは何だったっけ?
てっちくん えーと、確か放置された雑木林の生物多様性の維持ってのじゃなかったっけ。
そうそう、よく憶えていたねー、えらい!
人の手が入らなくなった雑木林は、実生による植物量の増大によって地面に日が入らなくなる、すると低層の植物が生活できなくなり、それらを食卓とする昆虫が住めなくなる。 さらに、落ち葉の分解が進まなくなる。
雨が降っても下まで水が届かない。 すると、下層にぽっかりと空間ができて…。
でも、その空間には、外から中へ昆虫が入れなくなってしまうし大型の鳥なども侵入不能、てなわけで変化に乏しい生物相になってしまうんだ。
てっちくん 一気にまくしたてましたねぇ。
なんか小難しい用語がたくさんでてきましたねぇ。
(やっぱり機嫌が悪いんだ)
何ブツブツ言ってんの?
クワガタとりに行って知ってるでしょう、クワガタは森のどこにいる?
森の真ん中にはいないでしょう、林道沿いとか林縁に多いじゃん、
あれでイメージしてみてよ。
てっちくん ハァーイ、よくわかりました。
おや?今日は素直だねぇ。
この影響をもろに受けているのがギフチョウさんだね。
てっちくん ああ、女神様!!
何言ってんの?ギフチョウの食卓は、カンアオイなどの林床植物、成虫は早春の花の蜜だからこれも林床に日が差さないとなくなっちゃう。
てっちくん で、ギフチョウはいなくなってしまうんだ、マニアの乱獲ってのもあるけど、
それは、別の問題。 それよりも、人手がはいらなくなったことによる生活環境の悪化が大きな問題なんだよ。
てっちくん ふーん、結局は里山の雑木林はやっぱり人が手を入れ続けないとだめだってことか。
そうそう、万博予定地にオオタカがいるってんで、またまた問題になっているそうだけど。 あれはどうなの?
あれは、最初から分かってた事でしょう。
オオタカは、元々里山の雑木林にいるもんだからね、適当な雑木林には、オオタカがいるぐらい、当然のことなんだ。エサになる小動物も多いからね。いまさらって感じだよ。
要は、ここ2000年続いた生物環境がここ数十年で急に変化してしまった。 その主な原因は人間の経済活動なんだけど、「いつまでも 経済効率一辺倒でいいのかな?」って、一度立ち止まって考える時期だと思うよ、でないと今に強烈なしっぺ返しを食らう事にになるかもね。
てっちくん それは何?
水のことかなぁ。
てっちくん そういえば毎年水不足だ、洪水だって騒いでいるよね。
それはまた今度
てっちくん へいへい、(今日はきびしかったなぁ)
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