少女が小さなミミクロウサギを
抱いています.
この子はウサギを抱くのが
初めてのようです.
ですから掌の中で, じっとしている
子ウサギを驚かさないように,
自分も体をピクリとも動かさないで,
カタマッているのです.
 
ないしょ話をしてるかと思えば
ペイントの筆を振りまわしている
イタズラッ子のテデイベア達.
 
	布用の絵具を使うと, 布に描くのは とても簡単ですし, 短かい時間で
	手早く描くことが出来ます. 
	何しろ サンドペーパーをかけることも, ベースを塗ることも, そして
	仕上げのニス塗りも必要ないのですから..
	もちろん, いつも使っているペイントに ファブリック用メディウムを
	混ぜて描くことも出来ます. メーカーによって 様々なファブリック用
	メディウムがあります. メディウムを使うと, アイロンをかけて 定着
	させる必要があることと, ファブリック専用ペイントより 少し厚みが
	出ることを除けば ほとんど同じように扱うことが出来ます. 
	絵具の種類にも よりますし, ファブリックの テクニックも 様々です.
	私は あっさりした描き方が好きですから, ファブリック用ブラッシを
	使って, ひっかくようにして色をのせ, ピグマのブラッシュで 輪郭を
	とっています. 
	この描き方は動きが出ます. いつも しっかり, きちんと描くことだけ
	考えればいい訳でも なさそうです. 動きの一瞬をとらえた絵, 今にも
	動き出しそうな絵が描けたらいいなと思います.

	キャンバスバッグとペンケースに描いたのは野ウサギの子供です.
	最初は実物通り, 淡い褐色で描く積りでした. でも 下地の色に対する
	映りの良さを考えると, 白の方が効果的でした.
	シェードにも地色を利用しました. つまりシェード をつけたい所では
	のせる白を薄くして地色を透かせ, シェードの役目をさせたのです.
	ハイライトでは白を濃くのせてあります.ファブリックの色が濃い時に
	この方法は とても簡単で効果的です.

	ピエロを描く時は, 夜の野原を思い浮べていました.
	三日月が出ていて, ウサギが はねまわり, 寝ているピエロの白塗りの
	顔や手が浮び上る....
	ウサギがピエロに話しかけます. 
	"ねえ, ねえ, 起きて!笛を吹いて, いっしょに踊ろうよ."
	そうです. これはオトギの世界です. オトギの世界描く時に ウサギの
	本当の色は...などと考える必要も ないでしょう. オトギの世界や
	ぬいぐるみの世界では, 色は何でもいいのです. 想像の世界で ウサギ
	は月の近くまで はねまわり, テディベア達は いたずらの限りを つく
	します.
戻る    前 page    次 page