キャラクター
キャラクター・総合
乾いた大地に生きる!

キャラクター・それぞれ
ゾラの人々
エルチのバレンタインデー

乾いた大地に生きる!


この作品で私が一番魅力を感じたのは、キャラクターである。見た目ではなく、生き方が。
あ、別に見た目が悪いっていうわけではなく。そりゃ主人公は三枚目だけど・・・(笑)、
まあそれはいいとして、生き方とは、作品中のシビリアンの生き方のこと。

イノセントが棲めなくなった厳しい環境の中でも生きていけるように
創られた人種だけあって、シビリアンは非常にたくましい。
ジロンは落ちてきた大型ミサイルを受け止めちゃうし
(もちろん、素手ではなくウォーカーギャリアに乗って、だが)、
エルチは洗脳から解けた直後も休む間もなくタンカを切って大暴れするし
(洗脳時の暴れっぷりもすごいが)、
ティンプやホーラは何度やられてもしぶとく生き残るし・・・
(あっさり死ぬ人もいるというのに・・・ギャグ担当キャラは得)。
最終的には体制を(Xポイントごと踏み潰して)破壊してしまうほどのパワーを持つ
シビリアンは、ひょっとしてたくましいを通り越して、恐ろしいかも(笑)。

肉体だけでなく、精神的にもタフである。
この作品は、あまり人が死んでないようで、実際は結構死んでいるのだが、
全体的に、そんなにしんみりムードにはなっていない気がする。
カタカムの葬式のシーン(41話)が良い例で、戦って死んだ(と思われているだけで
実は生きていたのだが)カタカムのために墓を立て、
その前で涙するアイアンギアーの人々が、いざ葬式が終わると
スイッチを切り替えたように「よーし終わった!」「肩こるのよねーこのポーズ」
「腹減ったな〜」・・・と、急に普段の態度に戻る(笑)。
もちろん彼らはカタカムの死を心から悲しんだことに違いはなく、流した涙も本物だが・・・
いつまでも悲しみに暮れるような生き方はしない、ということだろうか。
前向きと言うべきか、ドライと言うべきか・・・
アーサーや仲間達の死も、打倒イノセントのパワーにかえてしまったようだし、
両親を殺されたジロンも、仇討ちに燃えてがむしゃらに追っかけまくっている姿には
暗さはみじんもないし・・・シビリアン達は、悲壮感をひきずらず、
悲しみも乗り越えて前進できる人達なのであろう、たぶん。
ていうか、そのくらい強くないとゾラでは生き残れないのかもしれない。

シビリアンはイノセントに支配されてはいるが、踏みつけられてきたという印象はない。
主人公ジロンをはじめ全員が、自由に自分勝手に生きている。
あんなふうに生きたいなあ、と、なんだか憧れてしまう。
この世の中はゾラほど環境的に厳しくないので、あそこまでたくましくなる
必要は無い(っつーか、なれないって)とも思うが。
それでも、そう甘くはないこの世間の中で、弱い自分に気付いたりする時には
乾いた大地に生きるシビリアンのように、タフになりたい!!と思ってしまう私。




ゾラの人々

キャラクターそれぞれへの、思い入れ語りコーナー
特に自分の中で印象深かったキャラだけに絞ってしまいましたが、他のキャラも好きですよ(汗)。


ジロン=アモスエルチ=カーゴラグ=ウラロビエル
アーサー=ランクキッド=ホーラティンプ=シャローンビリン=ナダ


ジロン=アモス
土まんじゅうメロン=アモス等散々なあだ名をつけられた、見ため的にはカッコ良いとはとても言えない哀しき丸顔主人公(笑)。自分勝手ではあるが、目的に向かってひたすら突っ走りいつしか他人も自分のペースに巻き込んでしまう彼は、強い意志とたくましさを持つシビリアンの象徴と言える。しかし主人公なのに、成長したなあ・・・っていうところが見つからない気がするのだが(汗)。まあ、ラストで、一人出ていったエルチを追いかけて連れ戻したのは、偉かったかな?と思うが(でもラグの気持ちを考えるとちょっと・・・)。進歩のない単純なところが彼の魅力、とでも思うほかない(笑)。

エルチ=カーゴ
文化に憧れる、交易商のお嬢様。気が強くおてんばで、惚れっぽく、ヒステリー持ち・・・という、強烈な個性が魅力的なヒロイン。物語前半はラグと張り合ったり、無茶をしてアイアンギアーのクルー達とぶつかったり、とのびのび活躍していた彼女も物語中盤以降は悲劇のヒロイン道を進むはめに。よく考えるとエルチって父親は亡くすわ洗脳はされるわ失明までするわで、結構不幸な目に遭っている(涙)。しかし洗脳中もそのバイタリティー溢れる行動力は失われる事はなく(洗脳で狂暴な人格を植え付けられたせいではあるが、彼女自身の強気な性格も少しは影響してたのでは・・・?)、父の死もシビリアンらしいドライさで乗り越えていて悲壮感は背負わない。失明もその調子で乗り越えてくれるといいなあ(劇場版ではイノセントの技術で治るそーだが)。

序盤(洗脳前)、イノセント(っていうかビエル様)に憧れ自分もイノセントになりたいと思っていた彼女だが、その後洗脳によってイノセントの戦士になったので、一応夢(?)は叶ったことになるかもしれない。しかし、終盤(洗脳が解けた後)、自分を洗脳したドクターマネに向かって「シビリアンは十分に強いわ!それにあたしは、強くなくったっていい!このままでいいのよ!」を言うシーンがあったが、これはエルチが”自分はイノセントにならなくても、このままでいい”と悟ったってことになるのかな?あのセリフで、をを、成長したじゃんエルチ!!と感じてしまった私は、この作品の真の主役はエルチかも・・・と勝手に思っている(笑)。

ラグ=ウラロ
暴走族サンドラットのリーダー。男勝りで行動的で、一人でサンドラットをまとめているしっかり者。彼女なら、ゾラでも誰にも頼らず生きていける気がする・・・が、自分を女の子扱いしてくれる優しい男に弱かったりして、やっぱり誰かに頼りたい部分が心のどこかにあるような・・・。普段はつっぱっているが好きな人の前では素直になれる、みたいなとこが、女の子っぽい!もう一人のヒロインであるエルチとはケンカが絶えないが、そのかけあいが楽しかった(笑)。

ところで最終回、「ラグは強い娘だ・・・死にはしない」というジロンの(エルチを選んだことについての)セリフがあるが、これはちょっとないと思う。そりゃ死なないけどさあ誰だって失恋くらいじゃ・・・ラグにも弱い部分があるということをわかってやれよ〜ジロン!!と思わずにはいられない(笑)。

ビエル
イノセントの一級司政官。シビリアンの時代の到来を感知し、彼らの能力を試すためにいろいろやった、いわばこの物語を裏で動かした重要人物。シビリアンに対して、端から見るとけっこう酷いこと(エルチの洗脳計画とか)もしてるので冷酷な人にも見えてしまうが、人類再生という大いなる理想のためなので、しょーがない。この作品一番の功労者、というか苦労人かも・・・。ドームを追い出されて行き倒れかけた時に垣間見せた弱々しい面が、普段はりりしくてスマートな彼だけになんだかとても可愛いかった。「動くな、う、撃つぞ」とブルメに向かって銃を構えるも絶対撃てそうにない(実際ブルメは全然ひるんでなかった)ところも・・・(笑)。

アーサー=ランク
イノセントの最高権力者。王子様っぽい、美形キャラ。イノセントで一番偉い人なのだが実権はカシムが握っているので、本人はイノセントの悪事など何も知らず純真無垢そのものだった。ジロン達と会い全てを知らされてからは、打倒カシムとエルチの洗脳解除のために奮闘。短期間でやるべきことが多すぎて忙しかったからか「薄命の美形キャラ」という印象しか残らなかった気がする。個人的には、もっと天然ボケ(?)な魅力を発揮してほしかったかも・・・あ、ドラム缶詰めされたとこは可愛くてよかったけど(笑)。ところでどうでもいいことだが、実は私がザブを見る動機の一つ(割合にして一割程度だが)は彼だったりする・・・単に塩沢兼人氏ファンってだけなんだけど(笑)。

キッド=ホーラ
エルチの父に雇われていたブレーカー。主人の死後アイアンギアーを乗っ取ろうとするが失敗し、その後イノセントの仕掛人になる。最後までしぶとく生き残ってくれた、憎めない悪役のひとり。エルチに片想いしていて、敵になってもこだわりを捨て切れずプロポーズするところは、いとけなげ(涙)。しかし「あんたが俺に優しくしてくれて、3度3度うまい飯を作ってくれりゃ」って・・・はねっかえりのエルチがそんなしおらしい女の子なわけないって(汗)。つきあい長いはずなのにエルチの性格をわかってないのか、それとも彼の目にはそんなふうに映ってしまう、恋は盲目状態なのか?(笑)ちなみにエルチは16歳、ホーラは27歳と意外と年の差があったりするが、そんなこと気にせず(って別に気にしている様子はなかったけど)頑張れホーラ!!と思わず応援してしまう(笑)。

ティンプ=シャローン
運び屋どうしを争わせるため暗躍するイノセントの仕掛人。ジロンにイノセントの存在を気付かせることになる、重要人物。ジロンの仇討ち終了(実際は終わってないが)後は、ジロンを動かす原動力はさらわれたエルチになり、物語中のティンプの役割は実質終わったことになる。なので死んだふりをして逃げたまま物語から退場してもよさそうなものだが、その後復帰して最後まで活躍してくれた。さて、この復帰の理由は果たして、「復活を望むファンが大勢いた(?)」、「後半のシリアス気味展開をやわらげるため、ギャグ担当キャラ(?)補強の必要性があり、駆り出された(笑)」のどちらだろうか・・・?さすがに前者はないと思うが(笑)。

おまけに、ここでは書ききれなかったこだわりと思い入れが綴られていますので、興味のある方はどうぞ!・・・って誰もいないか(笑)。

ビリン=ナダ
反イノセント組織、ソルトのメンバーのひとり。脇役だが、個人的にかなりお気に入り。可愛いから(笑)。物語の中で特に何かの役割を果たしたわけでもなく、中心エピソードといえば姉キャローンとの再会くらいしかないが、彼女が出てるとなんとなく画面に華があるような感じがしたなあ(笑)。もちろん他のヒロイン達も可愛いけど、ビリンちゃんが一番正統派美少女だと思う!(←私見)結構気が強くて、ミーハーで、と、ごく普通(?)の女の子なのが、個性的なキャラが多いこの作品では逆に新鮮かも・・・。