住宅のコンセプトを考える 千葉県市川市-麻生英之建築設計事務所


TOP-PROFILE-WORKS1-WORKS2-MAIL-LINK-SITEMAP-blog

コストを下げるテクニック



 ローコストというコンセプトでも掲載しましたが、ローコストはコンセプトに成り得ると思います。
 その計画は基本的には設計から専門家といっしょに考えていくのがベストです。そうすることにより、ほんとに住みたい家が徐々にイメージがされ、現実化していくと思います。

 計画時に考えるローコスト計画10章とそれでもコストが追いつかない時に、見積が出た後で考えるローコスト計画5章を掲載します。

1. 形は単純にする

シンプルな外観が嫌いでなければ、平面的にも立体的にも単純な形にすることにより、コスト削減に繋がります。
 倉庫や納屋は単純な形にしてローコスト化していますが、そういった建物の中にもバランスの取れた美しい建物があります。
 倉庫のような建物に住みたいという人は少ないと思います。それを居心地のいい住宅の雰囲気にすることも合わせて考えなくてはなりません。

2. 小さくする

 当たり前のようなことですが、計画時に考える一番効果のある考え方です。
小さい家というコンセプト、大きい家というコンセプト参照)
同じ予算であれば面積、高さを抑えることにより建築で出来ることも広がります。

3. 水廻りは単純で短く

水廻りをかためるのはローコスト以外にも意味があると思います。
将来的なメンテを考え点検や改造がしやすいことを考えて配置することにより、ランニングコストもローコストになります。

4. 可能な限りワンルームにする

 廊下を減らしリビング中心のワンルームにすることにより、間仕切りや建具も減らすことが出来ます。子供が小さい頃は子供室もオープンスペースで考えることも出来ると思います。リビング、ダイニング、キッチンを分けるのではなく、キッチンを中心にしたファミリールームを大きく取るという考えも大賛成です。

5. 設備に頼り過ぎない家を考える

 現在の住宅のコストを圧迫しているのが年々進化する設備機器です。しかしこんなに設備を使用するようになってまだ100年もたっていません。少し前までは住宅設備機器といっても何のことかわからない人がたくさんいましたし、そんなちょっと前の住宅でも清楚に生活を営んでいたと思います。設備やモノに頼らない生活が出来る家を考えて見ましょう。
 西側に落葉樹を植える、夏には簾をかける、南北に風が通るように工夫した間取りにする、そんな昔ながらの工夫が現在の設備重視の住宅には欠けているように思います。


6. 職種をそろえる

 住宅を建てるときには、いろんな職人さんが仕事をします。この職人さんが少なくなればなるほどローコストになります。たとえば内壁をシナ合板張、珪藻土、ビニールクロスと変えていくと、職種も大工さん、左官屋さん、クロスやさんとそれぞれが施工するようになってしまいます。当然工期も延びていきます。

7. 収納計画を見直す

 造付の家具は置き家具よりもすっきりして空間を広く見せてくれる効果がありますが、高価です。ローコスト住宅を目指すのであれば、なんでも造付家具に頼るのは危険です。むしろウォークインクロゼットのような空間をつくり、自分達で収納の工夫をしたほうが、値段が下がります。
しかしそれ以前になるべく荷物を減らし収納も小さくするのが究極のローコストです。

8. 基本は尺単位で計画する

 メーターモジュールで計画すると廊下等が広くなったりするメリットがありますが、基本的に日本の建築資材は尺単位です。尺で合わないモジュールを使用すると値段が高くなってしまいます。

9. 土地の状況を見極めた計画をする

 土地にはいろんな状況があり、それを見極めてから計画することが結果的にローコストに繋がります。地盤が悪い地域であれば家自体の重さを軽くすることを考えることにより、基礎で掛かる予算を低減出来ます。
 前面道路がどんな状態か、近隣状況、気象状況、解体した住宅の状況、水害があるか、ライフラインの導入位置等は建築のコストに大きく関わってきます。

10. 近場の工務店でお願いする。

 住宅のような小さな現場は交通費とそこに行くまでの時間に対する労務費の割合が高くなります。工務店を探すときはやはり近くで定評のあるところから考えるべきです。


見積が出た後で考えるローコスト計画

1. DIYでやってみる

 器用、不器用はあると思いますが、自分で出来る事はやってみましょう。
現在はインターネットでもDIYの応援サイトがたくさんあります。自分の施工した部分は多少おかしくても愛着が湧いてきます。

2. 将来出来ることは、後回しにする

 お金が出来たら施工するという考え方もあります。
まだお子さんが小さいようであれば、子供室の内装や、エアコンは後日でもいいかもしれません。

3. 仕様を落とすのではなくやめる

仕様を少し落とした位では実際にはそれほど見積は下がりません。なくせるものは思い切ってなくしてしまいましょう。

4. インターネットを利用し、建材を支給品にする

 現在、ほとんどの建材がインターネットで購入出来ます。それは工務店の見積よりも安いものがほとんどです。もちろん搬入や取り付け、アフターサービス等考えなくてはなりません。
 現実的には工事の一番最後に取付る、備品関係がお勧めです。それ以外のものはかなり難しいです。

照明、インターホン等の電気製品
タオル掛け、紙巻き器等の設備金物
表札、ポスト等外構製品
上記のものは建築の工程ともそれほど左右されず、工務店もそれほどいやな顔をしないと思います。

5. 建築家や工務店におねがいする。

 メーカーや仕様を変えて安く出来ないか、倉庫にあまっている建材で出来ないか等やはり最後はプロの意見を出してもらいましょう。誠意あるプロは、施主が誠意を示せば、きっといい意見をだしてくれると思います。


TOP-PROFILE-WORKS1-WORKS2-MAIL-LINK-SITEMAP-blog
 サイト管理、運営  麻生英之建築設計事務所  千葉県市川市大野町1-451-9  TEL047-338-0682   
aso-ar@pat.hi-ho.ne.jp
住宅のコンセプトを考えるのサイトに掲載されている文章、写真の著作権・使用権は全て麻生英之建築設計事務所に属します。
無断引用・転載は固くお断り申し上げます。引用または転載をご希望の方は、必ずご相談下さい。