映 画 の コ ー ナ ー
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おとなになった君の少年時代の勇気を
おとなになった君の少女の目の優しさを
薄れゆく記憶のなかで(1992年/日本映画)

★★★★★
 もう2年も前になるが、たまたま深夜に放映していたのを見たのが、いままでの邦画のイメージを一新するほどとなったこの作品。この映画を観てから繰り返し見ることで新たなる発見があることを知った。知る人ぞ知る名作!
 美しい長良川をバックに、高校生が出会ってから恋愛へと発展していく過程を丁寧に描いている。とくに中盤から後半の展開は、前半のディテールが大きく生かされ、改めてシナリオの構成の見事さと主役の二人の演技に素直に引かれてしまう。そしてバックを繰り返して流れるピアノ音楽の美しさ。
 岐阜市内にかかる忠節橋、長良川をゆく電車、体育館とプール、水車のある民芸風茶屋、肝試しのお寺、そして清滝....この映画の舞台となったところが今も当時のまま残っている。3回のロケ地訪問をしたが、そのなかで当時の話を直接聞くことも出来た。
 なぜか30歳代の男性にファンが多いのも興味深いところ。
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千と千尋の神隠し(2001年/日本映画)
★★★★☆

 宮崎駿監督の映像を一度スクリーンで見たいと思っていたが、この作品でようやく念願がかなった。すでに1900万人の観客動員数を突破。日本映画史上(また市場という面でも)記録に残る作品。
 どの画面をとってもすばらしいが、あの温泉(湯場)の建物は面白いものだった。きっとモチーフとなるものがあるのだろうが、昔の懐かしい雰囲気を十分に醸し出している。肉体労働はきつそうだが、ここで働いてみるのも何か面白そうなどと思ってしまった。
 さて登場人物のなかで気になったのは、顔なしの存在だろうか。優しいのかわがままなのかわからないが、千尋から教えられ、逆に癒されていく過程はいいものだった。
 こども向けかと思っていたが、年輩のご夫婦や営業マンの姿もあった。結構意味するところは深いのだが、子供のほうが素直に受け入れられる作品なのかもしれない。
 監督 篠田和幸  脚本 篠田和幸  撮影 高間賢治
 音楽 辻陽
 出演 菊地麻衣子 堀真樹 田中洋子 田中貫 
 監督・脚本・原作 宮崎駿
LOVE LETTER(1995年/日本映画)
 監督 岩井 俊二  脚本 岩井 俊二  
 撮影 篠田 昇    音楽 REMEDIOS
 出演 中山美穂 豊川悦司 酒井美紀 鈴木蘭々 

★★★★☆
 『四月物語』『打ち上げ花火、下からみるか?横からみるか?』を観て以来、岩井監督の映画には何か共通するものがあるのではないかと思っていたが、この作品にも同じ流れのようなものを感じた。それはひとことで言えば、懐かしい時代に返って、こころの中で無意識のうちに何か求めているようなそんな心を優しく包み込む映像や情景、そして登場人物だろうと思う。
 ストーリーは、序盤から中山美穂のひとり2役という点、また映画の舞台のひとつが神戸であるはずなのに、ほとんど降らないはずの神戸でたくさんの雪が積もっていたため、リアルさをもって実感するのに多少時間がかかったということだろうか。
 しかし中盤からの手紙のやりとりを交えた映像や、中学のふたりの同級生時代の姿は新鮮で美しかった。また図書館で貸し出す本が真実の究明(大げさか)につながっていくというのも見事だと思った。小樽に行く前に見ておくべきだったと後悔だった。ロケ地も映画とマッチし、こころときめく1本。
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「薄れゆく記憶のなかで」
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