2002学習会講義資料バックナンバー 1 
「構成的グループエンカウンター(Structured
Group Encounter=SGE)とは何か」 担当;Ken
1 構成的グループエンカウンターの定義
○定義
「ふれあいと自己発見のための教育技法」
ふれあいとは、リレーション(Relation)づくりのこと。
リレーションとは、互いに相手の立場を尊重した肯定的な感情や否定的な感情交流ができる関係。
<ホンネとホンネの交流>
自分の知らなかった自分に気付く、他者の知らなかった自分を知ってもらう
<構成法と非構成法>・・・・教育の場にふさわしいのは構成法
<感情の教育>・・・・・・・サイコエジュケーション(心の教育)の内容のひとつ
2 エンカウンターの目的と効果
○エンカウンターの目的
「ふれあいと自己発見の促進」
○エンカウンターの効果
・人間関係を見直すきっかけづくり
・自己疎外感の払拭
・自己肯定感(自分を好きになる気持ち)の高揚
・肯定的な自己概念(わたしは○○である)の形成
3「グループで行う」理由
グループの三つの機能を生かすため。
@気づきや洞察の機会
A模倣の対象の存在
B欲求不満耐性が身に付く
4「構成」する理由
構成とは「枠を与える」ということである。
@エクササイズの枠
Aグループサイズの枠
B時間の枠
5 SGEの展開
(1)インストラクション・・・目的,やり方,留意点やコツについて説明すること。
(2)エクササイズ・・・・・・エクササイズとは心理面の発達を促すための課題。 感情体験を伴った気づき(覚知:awareness)を重視している。
エクササイズのねらいは例えば次のように分類される。
@自己理解・・・・・・・自己発見をきっかけにした自己洞察ができる。
A自己受容・・・・・・・自分にも短所や欠点があるが,そんな私にもけっこういいところがある。
B自己表現・主張・・・・自分の気持ちを上手に相手に伝えることができる。
C感受性の促進・・・・・他のメンバーどんな感情であるか,それを察知して行動できる。
D信頼体験・・・・・・・「あの人にさからったので,生きていけない」という生徒もいる。自分のことが嫌いという生徒も多い。自分を信頼する,他人を信頼するという経験も大切。
E役割遂行・・・・・・・エクササイズの中で,「インタビュー」など,聴く役割,話す役割を交代して行うなど。
(3)インターベンション(介入)・・・エクササイズを通して生徒自身の「気づき」の促進・拡大を図ったり生徒の心的外傷を防ぐ。
(4)シェアリング・・・・・・・・・エクササイズを通して,気づいたり,感じたりした,自分のことや他者のことをホンネで伝えあう。気づきや感情を明確化し,ねらいを定着させる働きを持っている。
6 指導上のポイント
○リーダーの自己開示
・メンバーが親近感を持てる。
・どんな風にやったらいいのか見通しを持てるようにする。
(人間関係の質に応じて,自己開示させていくことに注意。)
○グループを画一化しない
グループ全員がエクササイズに肯定的な感情を抱くことはありえない。
○参考文献
「エンカウンター」 國分康孝 誠信書房 1981
「エンカウンターで学級が変わる 中学校編」 國分康孝 監修 図書文化 1996
「エンカウンターで学級が変わる 中学校編 Part2」國分康孝 監修 図書文化1998
「エンカウンターで学級が変わる 中学校編 Part3」國分康孝 監修 図書文化1999
「エンカウンターこんなときこうする! 中学校編」 諸富祥彦 編 図書文化 2000
「エンカウンターで学級が変わる ショートエクササイズ集」 國分康孝 監修 図書文化1999
「エンカウンターで学級が変わる ショートエクササイズ集2」 國分康孝 監修 図書文化2001
「授業に生かすカウンセリング」國分康孝 大友秀人 誠信書房 2001
「エンカウンターとは何か」 國分康孝・國分久子・片野智治・岡田弘・加勇田修士・吉田隆江著
図書文化 2000
「エンカウンター スキルアップ」 ホンネで語る「リーダーブック」
國分康孝・吉田隆江・加勇田修士・大関健道・朝日朋子・國分久子編 図書文化 2001
「構成的グループ・エンカウンターの原理と進め方」國分康孝・片野智治 誠信書房 2001
