学習会エクササイズ資料 01−0702   

プロジェクションワーク
気になる○○

■ねらい
思春期の子どもにとって,「自分とは何か」を理解するのは難しい。自分を何かに例えたり,何かを選んだりするのは,心を引かれるものがあるからである。本エクササイズは,連想をうまく使い,自分自身を見つめることがねらいである。
■背景となる理論・技法
自由連想法
 
 
■時間  60分
■場所  屋外
■ねらい 自己理解
■対象  小学校高学年〜大人

■準備
・なし
 
■内容
・戸外を自由に散歩し,気になったり,目に止まったりしたものを拾ってくる。
・4〜5人程度のグループになる。
・ものを説明する。「これは○○です。〜」
・ものを「私」に変えて説明する。「私は○○です。〜」
・説明して気づいたことを自由に語り合う。
 

■展開例

教師の指示(●)と子どもの反応・行動(☆)

ポイント

●秋がだいぶ深まってきましたね。今日は戸外でたっぷりと秋を感じるエクササイズをやってみましょう。
●今から30分間,この近辺を自由に散歩してください。そして,「これはいいなぁ」とか,「なんか気になるなぁ」というものを一つだけ拾ってきてください。  ☆一つだけなの?
●はーい,そろそろ時間です。集合場所に集まってください。
●それでは,4,5人のグループになりましょう。そして,グループの中で,自分の拾ってきたものを紹介しあいましょう。「これは松ぼっくりです。散歩で川を渡った橋の上に落ちていました。」というように紹介してください。なぜ拾ってきたのかなどの理由も加えながら,一人1分で紹介してくださいね。一人ずつ順番に終わったグループは拾ったものについての「井戸端会議」をしていていいですよ。
●全員紹介が終わりましたね。それでは,次に主語を拾ってきたものに変えて「私は松ぼっくりです。私は大きな松からつい最近,橋の上に落ちてきました。〜」というように,自分がそのものになったイメージで語ってみましょう。今から1分間,どんなふうに語るか,目を閉じて考えてください。はい,では,一人1分で語ってみましょう。
●さあ,どうでしたか。最初にものを紹介し,次に「私」を主語にして,そのもののイメージを語ったらどんな感じがしたでしょうか。グループで自由に語り合ってみましょう。
●自然の中にあった一つのものを選んで拾ってきたということは何か心惹かれる点があったからでしょう。心が惹かれるというのは,何かしら自分と共通する要素があるからだとも言われています。自分の一面,他人の一面を見つめ,お互いの新しい発見があったかもしれませんね。最後に自分の拾ってきたものをもう一度じっくり見つめてみてください。

 



























 



























 



●範囲を限定するか,数人の教師で見回るとよい。         
●生徒の実態によっては,教師が具体的に紹介の仕方を例示するとよい。


●自分がその拾ってきたものになりきって,その立場から話ができるようにイメージングの時間をゆっくりとる。
●イメージが浮かばない生徒にはヒントカードを用意してもよい。
・私は○○です。
・私は〜にいました。
・私は〜から来ました。



 































 
 
■エクササイズの由来と参考文献
・中野民雄『ワークショップ』に紹介されている「プロジェクションワーク」(p121)を参考。
 
 

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