つながりのわーく(2)

さまざまな人間関係のパターンやタイプを考える。
 
1.「さまざまな人間関係」を配布する。
2.対人関係のパターンを説明し、空欄を埋めさせる。
 1)人と人との間には、互いの気持ちとそれに伴う行動によって、さまざまな関係が生まる。
 2)「自分が相手を(に)どうするか」を、「支配」「服従」、「親愛」「嫌悪」で分類する。

 3)右半分が好ましい関係、左半分が好ましくない関係。
 4)上は自分が中心に相手を動かす関係、下は相手を中心が自分が動かされる関係。
 5)右上は、「愛する」は好ましい気持ちから生まれるほぼ対等な関係、
      「励ます」は自分の方が少し安定した立場での関係、
      「助ける」は相手が求めていることを補う自分の方にかなり余裕のある関係、
      「指導する」は相手のことを考えながらも自分の方がはっきりと上の立場になる関係、
      「命令する」になると自分が相手を上から一方的に支配する関係。
 6)右下は、「愛する」気持ちを基本にしている。
      「合わせる」は自分のことも考えながら相手のことに気づかう関係、
      「信じる」は相手に頼る気持ちが少し多くなる関係、
      「尊敬する」は相手の存在がかなり大きな関係、
      「従う」は相手に一方的に服従する関係。
 7)左上は、「嫌う」は好ましくない気持ちから生まれるほぼ対等な関係、
      「自慢する」は相手を見下して自分の方が優れていると思う関係、
      「断わる」は相手の要求を拒否できるぐらい自分の方が立場が強い関係、
      「罰する」は相手を処分する立場にある関係。
 8)左下は、「嫌う」気持ちを基本にしている。
      「避ける」は自分の力ではどうすることもできないが相手と顔を合わさないことですますことのできる関係、
      「疑う」は相手に対する嫌な気持ちがもう少し強い関係、
      「不満がある」はさらに強くて何とかしたいという気持ちの強い関係。
3.親のタイプを説明し、空欄を埋めさせる。交流分析で説明する。
1) 理解型 子どもの話をよく聞き、理解し、適切な判断や指示をしてくれる。A 
2) 友達型 友達のように何でも話したり、行動したりする。FC
3) 厳格型 しつけや決まりが厳しく、守らないと強く叱る。CP
4) 干渉型 小さなことまで心配し、いちいち口出しをする。CP 
5) 服従型 子どもをあまやかし、どんな要求でも無条件で実現してくれる。AC 
6) 放任型 子どもに関心が薄く、ほったらかしにしている。FC
7) 虐待型 子どもを拒否して、精神的や肉体的な暴力をふるう。CP
4.友だちのタイプを説明し、空欄を埋めさせる。交流分析で説明する。
1) 相談型 悩みを打ち明けたり、勉強や進学など個人的な相談をしたりする。 CP
2) 援助型 勉強などを教えてもらったりして助けてもらう。NP        
3) 情報型 必要な情報を交換し合う。A
4) 遊戯型 楽しく遊び,愉快に時を過ごす。FC
5) 作業型 同じグループで仕事をしているが、他ではつきあわない。A

自分の人間関係をふり返り、マップを作る。

 
1.「わたしのネットワーク」を配布する。
2.例図を見ながら、書き方を説明する。
 1)真ん中に、「わたし」と書いて、○で囲む。
 2)人間関係があるグループを大きな点線で、「わたし」の周りに配置する。
  ex:家族・クラス・クラブ・中学の友人・先生・親類・近所の人など
 3)そのグループに属している人で、あなたが気になる人を書いて、囲む。
  ・よい関係の人だけでなく悪い関係の人も書く。
  ・家族は続柄(ex:父・母・兄・妹など)、その他の人で名前を書きにくい場合はイニシャル   や自分に分かる記号で書く。
  ・囲みの大きさや形は、その人にふさわしいイメージ(ex:○□△☆など)にする。
 4)その人の関係を「対人関係のパターン」から選ぶ。いくつ選んでもよい。
 5)「あなた」とその人を、次の線で結ぶ。
    良好な強い関係(二重線)  険悪な強い関係(反対矢印) 普通の関係(普通線) 弱い関係(点線)
 6)分かる範囲で、自分以外の人と人も、5の線で結ぶ。
3.マップを書かせる。
4.ふりかえりシートを配布して書かせる。


生徒の感想
 
1)自分の人間関係を見直すことができておもしろかったし、改めて気づいたこともあった。自分の性格がよく分かるなぁと思った。▼2)自分と相手との関係を考えるのが面白かった。人によって様々な関係が生まれていることに気づきました。関係のパターンの分け方はなるほどという感じでした。▼3)人のことなんて一言で言い表すのは難しいと思いました。自分が人にどう思われているか無性に気になりました。▼4)人間関係ついて考えてみて、自分って何なんやろ?って思いました。自分がポジティブに考えすぎてよい関係と思っているだけちゃうかなとか考えました。人間関係って一生付いてくるものだから、これからいろいろ勉強するのが楽しみです。▼5)相手との関係を考えるのは難しい。相手が自分をどう思っているのかわからないのでいちいち図に自信が持てなかった。▼6)ふり返ってみると、見つかるものもあって良かったと思う。この種類がすべてではないけど、だいたい分別できたし、関係ってすごいなぁと思った。▼7)対人関係を分類するのは面白かったです。でも実際に表を書いてみると、その人にしっくりくるものがなくてしょせんは他人が考えたものだなぁと思った。▼8)思い切って書けない感じがした。こういうのは心の中にしまっておくのが一番だと思います。▼9)これは見せれません。友だちが多いと思っていたけど、こうやってグループに分けると案外狭いと思いました。もっと人間関係を広めたい。あとその人との関係を一言でかくというのは難しいと思いました。▼10)私はあんまり嫌う人がないけど、信愛する人もかなり少ないかもしれない。けっこう自分の方が相手に服従していると思った。▼11)思わぬところで私が人に思ってることに気づいた。同じ組織のなかでもそれぞれに対して思っていることが違うのかなぁって改めて実感できた。▼12)今日は対人関係のパターンや親のタイプや友だちは何型なんやろと考えていたのが少しおかしかった。▼13)自分と他人の関係とか考えてみると面白かった。どっちの立場が上なんやろうとか思ったりしてけっこう頭を使った。▼14)心の中ではあいまいだった関係が、書くことによって明確になった部分があった。こういうのも面白いなぁと思った。▼15)人間関係を考えるとあまり強い関係って呼べる人が少ないことにと付いた。自分が心を許す人は少ないんだと知った。
10
理解ができたか
興味が持てたか
役に立ちそうか

教師の感想
 
 考えてみると非常にキワドイわーくでした。自分の人間関係が赤裸々になる。それを気づきとしポジティブに改善してくれるなら吉、気にして落ち込むなら凶。授業の雰囲気をなごやかなものにしないと、危険です。自分がどう思っているのかと同時に、人は自分をどう見ているのかの方が気になる。しかも、確かめることができない問題だけにより深みにはまってしまう。それでも、考えてほしい課題ではあります。今後のフォローが大切になります。 



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