2)言い換え技法

生徒の話の中で重要であると思われる部分について,教師が自分自身の言葉で言い換えます。言い換えが生徒の言ったことと一致しているかどうか確かめるために,「……のかなぁ」「……と言い換えてもいい?」「……という感じ?」「私には……のように感じられるんだけど」のような表現をして,生徒の反応を見ます。一致している場合は,生徒は理解してもらえたと思って信頼が厚くなり,その言葉によって自分をより明確にとらえることができます。一致していない場合は,修正しながら続けます。また,生徒が適切な言葉がなく言いよどんでいる時にピッタリする言葉で表現すると,一層効果的になります。しかし,多用すると教師が主導権を握ってしまうので注意が必要です。

生徒の考えの部分を言い換えると,意味探索になります。同じ出来事や言葉でも個人によってその意味は異なってきます。意味を確かめることによって,自分の価値観に気づかせることができます。考えの言い換えは教師の解釈を示すことにもなります。一致しているか確かめることによって,今後の面接の軌道を修正していきます。

感情を表す部分を言い換えると,感情探索になります。言語によって表現された部分だけでなく,非言語的な表現も観察して,的確な言葉で表現することもあります。

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3)ミラクル・クエスチョン

問題が解決したり目標が達成した状態を想像して,現在の状況や行動との違い,生徒が何をしているか,誰が気づいてどのように言うかについて,詳しく具体的に話させます。「もし,奇跡が起こって,すべての問題か解決していたとしたら,あなたはどのようにしてそのことがわかるでしょう」という形で質問します。これによって,具体的な行動レベルの目標を設定することができます。【→193】

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4)スケーリング・クエスチョン

様々な事柄を数値に置き換えて表現させます。「あなたがこうあってほしいという状態を10,これまでで最悪だった状態を0とします。今あなたはどこにいますか」「前回の状態は4だったけど,今回はいくつぐらいですか」「あと2上がったら,どんなことが起こりますか」という形で質問します。これによって,抽象的な目標を具体的にとらえることができます。数値の大きさよりもその差や変化が重要です。【→193】

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