序 章 学校教育相談の4つの分野



教師が学校でする学校教育相談

教育相談というと,不登校を思い浮かべる先生が多いようです。不登校生徒がいなければ関係ない,不登校生徒はカウンセラーに任せておけばいい。だから,私には教育相談は関係ない……。たしかに,そういう専門的な教育相談もあります。これはフツーの教師がするには難しい。ある程度の知識や研修,それに経験が必要ですし,時間もかかります。ましてや40人の生徒の担任ならばたいへん荷が重くなります。

それなら,教育相談は専門家に任せてしまえばいいのか?

最近の生徒を見ていると,元気に学校に来ているが,相手の気持を理解できない,人間関係がうまく結べない,心にどこか問題を抱えている生徒が急増しています。教育相談には,そうしたそれほど深くない悩みを持った生徒や,比較的健康な生徒を対象にするものもあります。これはフツーの教師もできます。いや,教師でしかできません。

教師は,毎日生徒と接しているので生徒の問題に気づきやすい。
教師は,抵抗なく生徒を呼んで話すことができる。
教師は,廊下や教室ででも,短時間ででも生徒と接することができる。
教師は,毎日生徒と接しているので生徒の変化を見続けることができる。
教師は,40人の生徒を相手にすることができる。
学校教育相談は,こうした教師の利点を生かしてします。

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