課題

船長の決断

あなたは船長です。
大阪湾を出航して太平洋を北行して、クナシリ島のあたりまで来ました。海は波浪なく、静かに航海しています。
ところが急に濃霧が発生し、視界が悪化し、レーダーに相手の船の影がうつった時、すでに避けることができる適切な時期を逃して衝突してしまいました。
あなたは、船長として直ちに適切な処置をとる必要があります。
項目の処置の中で、あなたが最も重要で素早く処置しなければならないことを「1」とし、順次10番までの順位をつけることです(同順位をつけないこと)。

A 船内に興奮を鎮めるように音楽を流す。
B 乗務員に救命艇を降下するように命令する。
C 各救命艇に釣道具を分配させる。
D 船医に医療品を持ち出させる。
E 船と運命を共にするために、体をしばるロープを用意させる。
F 衝突箇所に乗務員を配置し、事故の状況を把握確認させる。
G 船内に非常事態を通知する。
H 船体破損区画の水密戸(水が入ってくるのを防ぐバルブ)を閉鎖させる。
I 携帯無線機を搬出する準備をさせる。
J 近くを航行中の船にSOSを発信し、救助を求める。

正解

F=まず何が起こったかを、どんな状況かを把握する。
H=早急にできる応急措置をする。
G=全体を把握したところで非常事態を通知する。
B=脱出できる状態を作る。
J=SOSを発信する。
I=救命艇からも助けを求める。
D=応急手当をする。
E=ロープは船長が船と運命を共にするためのもので、船長の責任感である。
C=長い間の漂流は考えられないし、生魚を釣っても食べられない。
A=緊急事態が発生した時には騒音を考えると心を鎮めるどころではない。また、放送設備も動くかどうかわからない。 


感想

▼自分の思ったことをはっきり主張して、その意見に対する友達の意見が聞けて楽しかったし、みんなでワイワイ言いながら、ひとつのことを討論するのはすごく面白いなと思いました。でも私はホントに船が沈んだらオロオロするだけだと思う。
▼高校の普通の授業でこんなふうに話し合うなんて、ほとんど久しぶりでとても楽しかった。みんなと結構いろいろ考えたり、熱くなったりして、面白かった。またやりたいです。14点で高田屋嘉兵衛になれてうれしかった。
▼私たち班は結構差があったので、船は沈んでしまうだろう。よく考えたら船長というのは大変なものだなあと思った。優柔不断な人だったら絶対船長になるのは難しいと思うし、私ももう少し頭を働かせて、発言できるように努力したい。
▼なんか船長さんって大変ですね。自分を縛るロープなぁ、いらんやろう。皆で助かりましょうよ。音楽とか釣り道具とかいらないですね。書いてあるから、てっきり入れなアカンと思ってしまいました。生きるか死ぬかっていう状況では、それどころではないですね。ちょっと勉強になったかもしれない。
▼楽しいセッションでした。個人のすぐれた個性を垣間見るよい機会だった。人はそれぞれ違うということを改めて確認できた。自分のことを他人の人がどう思ってるかもわかってよかった。
▼みんなで話し合って、改めて考えてみると、自分が間違っていたことを発見できた。自分の意見だけでなく、皆の意見を聞いて、みなの意見をまとめるのは簡単じゃなかったけど、すごく楽しかったです。また機会があったらやってみたいです。
▼思ったよりみんなかなり熱くなったので楽しかった。この船のことは、タイタニックを思い出して考えていて、結果をみてだまされたと思った。嘉兵衛になれなくて残念です。
▼みんなの考えが自分とは全然違うのかなぁ、この人はこう思っているだなぁと自分の考えと比較できてすごく面白かったです。実際にはこの通りにいかないだろうけど、こういうことを考えるいい機会にもなったと思います。みんなで話し合って、ディスカッションすることも少ないので、とてもよかったです。またやってみたいです。
▼班で話し合ったときは、自分の判断の甘さに驚いた。やっぱり緊急事態に的確な判断を下すことがとても大変なことだと思った。だから、高田屋嘉兵衛は素晴らしい人だと思った。



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