アグネス論争を読む

1.アグネス論争について概略を説明する。 本文 

  • アグネス擁護か批判かを問う。

中野翠「電気じかけのペーパームーン」  本文                    

1.生徒に音読させる。 

2.喫茶店に子どもを連れてくる母親に嫌悪感を抱く理由は。 

  • 喫茶店は大人の場所である。
  • そこに子どもを連れてくるのは間違っている。
3.アグネスに対する嫌悪感は何に対してか。 
  • アグネスがテレビ局に赤ん坊を連れてきたことに嫌悪感を抱く理由は。
  • 職場に託児所があればいいと発言したこと。
4.嫌悪感を抱いている理由は。 
  • テレビ局は大人の仕事場である。
  • そこに子どもを連れてくるのは間違っている。
  • アグネスの発言にきびしさがない。
 1)「きびしさ」とは何か。 
  • 自分の立場に置き換えて、思想の現実性や正当性を試すこと。
5.マスコミに対する疑問は何か。 
  • 彼女を働く女のリーダーに祭り上げていること。
6.このことから何をさとったのか。 
  • 子どもは絶対的正義であること。
7.ミニ感想を書かせる。 
 

林真理子「今夜も思い出し笑い」  本文

1.はじめ〜サインください、三人分 

2.「週刊朝日」の記事を確認する。 

  • 講演料一七〇万円、アグネス先生キタルで、学園緊張。響く『ひなげしの花』今日も総勢六人。
3.アグネスが悲しんだ理由は。 
  • いつも四人で六人は例外である。
  • 講演料も普通はもっと安し、公共の仕事はただ同然である。
4.私はこの文章を〜恐懼する必要があるのだろうか。 

5.アグネスの抗議に対する作者の意見は。 

  • 私はどこへ行くのも一人で行く。
  • 働くことは一人ですることだと思っているから。
  • 私は講演料も何分の一したもらっていない。
  • どうせたいしたことを喋れるわけでもないから。
6.彼女については〜おわり 

7.ジャーナリストとしてのスタンスがどのように揺れたのか。 

  • 文化人を気取るアグネスの本性を暴きたかった。
  • 抗議されると簡単に謝り媚びる。
  • 嫌悪の情を禁じえない。
8.『女子どもの正論』とは。 
  • 女子どもの=非常にラクチンで責任がない。
  • 正論=反論すれば平和や子どもや国際交流なレッテルを貼られる。
  • 文句のつけようもないキレイごと。
9.林真理子の論点をまとめる。 

 1)仕事に関する考え方 

 2)ジャーナリズムの姿勢 

 3)正論とは何か。 
 

 
 

アグネス・チャン「アグネス・バッシングなんかに負けない」  本文

1.はじめ〜準備を進めていたのです。 

2.子連れ出勤の動機。 

 ・自分の手で子どもを育てたい。
 ・母乳を与えたい。
3.その後の経過。 
 ・仕事先の人は理解してくれて歓迎してくれた。
 ・芸能界の先輩の注意。
 ・大学での講演記事。
4.なぜ急に〜がんばるつもりです。 

5.アグネス・バッシングの原因の一つは。 

 ・芸能人か文化人か身分不明であること。
6.アグネスの仕事について。
 ・自分の体験したことを、歌や話によって表現していくこと。
 ・世の中の苦しみを伝え、恵まれない人への愛を訴える。
 ・「愛」と「平和」=「女子どもの正論」
 ・心をこめてメッセージを送りつづけると味方が現れると信じている。
 ・人類のための正論は一つしかない。
7.アグネス・バッシング〜おわり 

8.もう一つの原因は。 

 ・子育て法
9.アグネスの子育てについて。
 ・子どもの一生にとって一番大切な一歳半までを一緒にいてやりたい。
 ・香港では、結婚して子供が生まれても働くのは当たり前。
 ・自分の子育てが百パーセント正しいとは思っていない。
 ・一つの実験として見てほしい。
10.アグネスの論点をまとめる。
 1)自分の立場
 2)仕事と子育て
 3)正論とは何か

林真理子「いい加減にしてよアグネス」  本文

1.はじめ〜もてはやすのだ。
2.アグネスはどんな人間か。
 ・善意と愛を信じる優しい女性。
 ・口当たりのいいスローガンで人々を祈伏しようとする。
    口当たりのいいスローガン=世界中の人はみんないい人で、コミュニケーションをもてば平和が来る。
 ・鈍感さ。
 ・「仕事先の人は理解して歓迎してくれた。」
 ・すべての人が他人の子供に愛情や好意を持ちはしない。
 ・迷惑、社会生活
 ・単純さ武器に宗教めいたことをしてしまう不思議さ。
4.私と中野さんが〜全く慣れていないのだ。 

5.アグネス批判のきっかけは。 

 ・アグネスが参議院で女性労働と育児について意見を述べた。 
 ・個人の趣味やタレントの子育てパフォーマンス 
   ↓ 
 ・公の判断に身をゆだねられる。 
 ・ものを書く、発言することは大きなリスクを負う。 
 ・議論の厳しさに慣れていない。 
6.「日本人ではないから」〜〜筋合いはないはずだ。 

7.日本人がアグネスに弱い理由。 

 1)「二重構造」とは。 

  ・日本人でない、芸能人。 
  ・まれに見る国際人。 
  
 2)「二つの世界」とは。 

  ・頭のいい社会意識にめざめた女性。 
  ・愛らしいタレント。 

 3)論文入賞後は。 

  ・世界平和を訴える知的タレントとして売り出す。 

 4)香港と日本で結婚式をした理由は。 

  ・二つの文化を手にした人 
  ・「国際人」というステータスを確立する。 
  ・日本人がいちばん弱い「国際人」という言葉を巧みに使う。 
  ・中国人として日本人の贖罪意識をつつく。 
  ・日本人として連帯を口にする。 

 5)「国際人」とは何か。 

  ・世界を駆け足でめぐって自分の都合のいいことだけをピックアップすること。 
  ・国籍をいくつも持つこと。 
  ・語学ができること。 
  ・日本においては「国際人」で商売になる。 
  ★真の国際人とは何か。 
  ★国際人の人種は。 

8.それからもうひとつ〜原稿となったわけである。 

9.子連れ出勤について 

  ・「中国では母親が子どもを職場につれてくるのは当たり前」 
  ・世の中には要求できることとできないことがある。 
  ・働く人間としての自負心が許さない。 
  ・「国際人」の言うことだから知的で革新的なイメージを持った。 

10.働く女について 

  ・働く女として被害者を装うのは卑怯である。 
  ・付き人やベビーシッターを連れて職場にお出ましになる。 
  ・夫に気をつかう必要がない。 
  ・世の中を変えろという訴える以上責任がある。 

11.最後に締めくくりを〜おわり 

12.アグネスの価値観について 
  ・私が出会った人はみんな礼儀正しかった。 
  ・ある日私がそこにいた時、こうだった。 
  ・個人の体験を普遍化した言い方をしてはいけない。 
 

 

上野千鶴子「働く女が失ってきたもの」  本文

1.生徒に音読させる。 

2.1)林の正論について 

   ・「子連れ出勤は、働く人間としての自負心が許さない」
   ・大へん冷静な正論                 ─┐
   ・プロの職業人としての正論              ├─ルールに従うことで利点を得る人たち
       ・職場で男と肩を並べてきた女の正論─┘
    ↓抑圧的な働き
      ・女たちは多くのものを失ってきた。
3.2)女たちの戦いについて 
  • ルールを無視し横紙破りを行うことによって言い分を通す。
4.3)アグネスの功績について 
  • 働く母親の背後には子どもがいる。
  • 子どもはほっておいては育たない。
  • 連れ歩いてでも面倒をを見るほかない。
5.真の敵について 
  • 高見の見物して喜んでいる。
  • 代理戦争の本当の相手。
  • 手ごわい敵。

中野翠「電気じかけのペーパームーン2」  本文

1.はじめ〜言葉は使えなくなると思う。 

2.1)2)林の正論と女たちの戦いについて 

  • アグネス批判は正しいが、女たちには損だから黙っていたほうがよい。
3.「私たちは」と「私は」の違いは。 
  • 私たち=女の代表として発言し、女の解放をめざして生きている。
  • 私  =女たちもいろいろだと思う。
4.3)の点に関しては〜おわり 

5.3)アグネスの功績について 

  • 働く母親の苦労はまともな人なら誰でも少なからず知っている。
  • 6.真の敵は男だについて
  • 何でもかんでも男と女の対立構図として描きたがる。
  • 女は弱者という神話を信じている。

竹内好美「『会社に託児所』を要求しない働く女の論理」  本文

1.はじめ〜大きなギャップを感じてしまう。 

2.アグネスの子連れ出勤に対する最初の感想は。 

  • やっぱり母親は赤ん坊とは一刻も離れがたいものである。
3.アグネス批判に反論しなかった理由の一つは。 

 1)林のヒステリックな論調に嫌気がさした。 

 2)働く女性にとってリアリティーのないテーマに終始した。 

  • 子連れ出勤は危険で、緊張と疲労が降りかかる。
4.もう一つ、〜結果しか得られないのだ。 

5.アグネス批判に反論しなかった理由のもう一つは。 

 3)母親の職場に子どもがいることは、父親が子育てを完全に拒否することになる。 

6.働く女性が、今しなければ〜おわり 

7.働く女性が今しなければならないことは。 

  • 家計も家事も育児も半分ずつ夫に要求すること。                                                                                                                    ↓                             
  • 女性は、もっと評価される働き手になる。
  • 男性は、厚みを持った生活人に生まれ変わる。
8.作者の立場は。 
  • アグネス不支持
  • 旧態依然の良妻賢母を演じているから。
  • 林批判男性社会おおける弱者を疎外するから。 



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