セルフリサーチのわーく 1

■ねらい。★留意点

10 1.「Special Work 呼吸法」をする。
 ■内省的なワークをするので、心を静め、集中力を増すためのウォーミングアップをする。
 (1)ワークシートとレクチャーシートを配布する。
 (2)ワークシートに沿ってやり方を説明する。
 (3)丹田の位置を確認する。
 (4)教師が実演する。
 (5)教師がカウントして一斉にさせる。
  ★ムードを作るために静かな音楽をかける。
 (6)生徒のペースでさせる。
 (7)適切なところでやめさせ、解除の動作をさせる。
 (8)レクチャーシートを使って呼吸法について説明する。
3 2.「セルフリサーチのわーく」のねらいを説明する。
 (1)表紙を配布する。
 (2)ねらいを読む。
15 3.「Lesson1 4つの窓」をする。
 ■自分について、私と他人の2つの視点から見ることを意識させる。
 (1)「Work1 あなたの4つの窓」を配布する。
 (2)ワークシートに従って1)〜3)をさせる。
   ★縦軸と横軸のとり方を混同しないように指示する。
   ★縦線(自分が知っている部分)は6つとも同じである。
   ★相手を思い浮かべる時に、いくつかの例示をしてやる。家族と友達を設定すると家族について考えられる。友達でも何人か設定するとつきあいの深さがわかる。
 (3)「Lecture ジョハリの窓」を配布する。
 (4)レクチャーシートを使って、4つの窓の意味を説明する。
   ★4つの窓の意味やそれぞれの窓の大きな場合を板書しながら説明する。
   ★それぞれの窓が大きい場合の図も板書しながら説明する。
   ★「開かれた窓」が広くなることが望ましく、そのためにどうすればいいかを中心に説明する。
 (5)ワークシートの4)を記入させる。
   ★自分が知っている部分の広さを確認させる。
   ★相手によって知られている部分の広さが違うことに気づかせる。
   ★自分を最も知っていてくれる人、自分が心を開いている人は誰かを確認させる。
15 4.「Lesson2 あなたの知っている窓」をする。
 ■自分が知っている部分を確認する。
 ★ワークシートをすることで、意識していなかった自分に気づくこともある。
 (1)「Work2 あなたのエゴグラムを描く」の質問用紙を配布する。
 (2)得点の基準を確認する。できるだけ「どちらでもない」を避けるとはっきりした傾向が出ることを説明しておく。
 (3)各自のペースで質問に答えさせる。
   ★机間巡視をして間違ったやり方をしている生徒に注意したり、質問を受けたり、簡単なコメントをする。
   ★あまり深く考えさせないで、直感的に答えさせる。
   ★できるだけ平易な言葉を使ったが、質問内容がわからないことがある。
   ★各自のペースですると進度の違いが大きくなる。読み上げてすると進度が揃うが、落ち着いてさせるために敢えてその方法をとらない。
 (4)列ごとに集計させる。
   ★ここで時間調整のため、休憩を入れる。
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 (5)グラフ用紙を配布する。
   ★男女で目盛が違うので注意させる。
 (6)「Lecture エゴグラム」を配布する。
   ★レクチャーシートを使って、自我状態の説明と、エゴグラムの読み方の説明をする。
   ★自我状態については「図表1」を活用する。自我状態には優劣はなく、それぞれ肯定的な側面と否定的な側面があることをしっかり理解させる。
  ★「図表2」は自我状態の説明が終わってから配布する方が、先の読めない楽しみがある。
  ★エゴグラムについては「図表2」を活用する。自分のエゴグラムがどのパターンに近いかを考えさせる。
 (7)「Work3 あなたのエゴグラムを読む」を配布する。
 (8)ワークシートに従って、1)〜4)を記入させる。
   ■1)はレクチャーを理解していると的確に特徴を見つけることができる。
   ★2)を書かせることによって、実際のエゴグラムと比較させ、3)4)を書くことができる。
   ★自我状態の変え方は、高い状態を下げるのではなく、低い状態を上げる方法を考えさせる。一般に「CP」と「NP」、「FC」と「AC」はセットになっていて、一方が上がれば他方は下がる。できそうな方法をチェックさせる。
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5.全体でふりかえりをする。
 ★全員に指名して、感想を言わせる。
 ★教師は一人ずつに反応し、プラスの言い換えによって、自尊感情を持たせるようにする。
 ★最後に教師も今日の授業について自己開示をする。
6.ふりかえりシートを書かせる。
 ★ふりかえりシートの記入と、全体のふりかえりは同時進行でもよい。

生徒の評価

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1.ジョハリの窓は理解できたか。 14
2.5つの自我状態は理解できたか。 14
3.自分のエゴグラムは理解できたか。
4.今日の授業の満足度は。 16

生徒の感想
▼4つの窓で、自分では自分のことを10わかっていると思っていたけれど、後半のエゴグラムをやってみて、データに出してみると自分では知らない部分の状態も出てきた。▼4つの窓は自分と他人の間がすごく大きく開いていたと思いました。これで自分をもっと表に出して他人との間を狭めたいと思いました。▼自分が思っている自分の性格とは違う一面が発見できてよかったと思います。よく人に「あんたは子供みたいだ」と言われます。僕も18歳になり、だんだん大人に近づいていくので、そのあたりを見つめ直していきたいと思います。▼こういういつもはしない心理状態や自分の性格などを調べるのも自分のことがわかるしいいなと思った。▼知らなかったというよりは、分かっているけど認めたくないところが浮き彫りになったっていう感じです。▼4つの窓をやって、家族より友達の方が自分のことを分かってくれていると思っていることがわかりました。これも私が思っているだけだけど、もっと家族の人に知ってほしいなぁと思いました。▼4つの窓は自分の親は自分のことをあまり分かっていないという結果が出たので、もっとしゃべったりして、自分のことを知ってもらおうと思いました。▼これからは自分を変えていき、何でもプラス思考にしていこうと思った。自分を変えられるチャンスだと思う。▼4つの窓を見て、自分の相手も知っている部分と、相手に隠している部分がほぼ半分ぐらいだったし。考えてみたら隠している部分がまだまだ多いなと思った。エゴグラムは上げるのも大変だけど下げるのも必要ということが分かった。下げるにはどうしたらいのだろう。下げる方が難しいように思う。▼今日の授業でまだまだ大人になっていないと感じた。エゴグラムで僕は控えめな性格だと分かったのでこれから頑張っていきたいと思います。▼自分のことはわかっていそうで何だか分かっていないし、分かっていてもそれを何となく否定していたことも分かった。▼4つの窓でお母さんを8にして自分も8にしたら、結果が自分も知っているし、他人にも知られているというふうな結果が出てきたから、やっぱり家族やなと思いました。今まで思っていたことはすぐに言わず、相手のこと先に考えてから話していたけれど、今度からは相手のことを考えつつも、思ったことは素直に言えるように頑張りたいです。▼エゴグラムもやってみて自分が想像していたものと違っていてびっくりした。というかやっぱりキャラを作っているのだと思う。自分は本当は静かなキャラだと思うけれど、人に流されやすいしこんなキャラになったんだと思う。どっちがいいかと言われると痛いけど、やっぱり作っていたとしても、今の自分で行こうと思う。だから本当に言いたいことを人に言おうと思った。▼Aという大人のタイプをもなかったら付き合いが悪いような気がするので、どんな場面やどんな状況にも対応できるようなエゴグラムも作っていきたい。▼自分のことは自分が一番知っているとよく言いますが、こうやって言葉や図に表してみると、違った自分が発見できるし、そしてわかってていたことも、再認識できてよかった。

教師の感想
 最初の授業なので、昨日の晩から非常に緊張していた。でも、今日、温かい生徒の反応に触れてとてもうれしかった。4つの窓は予想以上に反応があった。こうして自他の認知度を考えてみる機会はないようだ。家族と友達を比べている生徒がいて、家族の問題が浮き彫りになったことに気づいたようだ。複数の友達を上げた生徒も、つきあいの深浅に気づいたようだ。また、エゴグラムをやってみて、自分の知っている自分が案外小さいものだと気づいているのも素晴らしい。自分で隠そうとしている自分に気づいたことも素晴らしい。別のキャラを演じている自分に気づいて、しかも受け入れていこうとするのも凄いと思った。

参考文献
Lesson1 4つの窓
『ワークショップ心理学』藤本忠明ほか著(ナカニシヤ)1993
『ピア・カウンセリング入門』ヒューマックス編(オーエス出版社)2001
『カウンセリング技法入門』玉瀬耕治(教育出版)1998
Lesson2 あなたの知っている窓
『自分がわかる心理テストpart2』芦原睦(講談社ブルーバックス)1995
『あなたの心には五人の家族が住んでいる エゴグラム』芦原睦(扶桑社)1998
『交流分析とエゴグラム』新里里美ほか著(チーム医療)1986
『子どもの感性がすくすく育つイメージワーク』手塚郁恵・高尾威廣著(学事出版)1998



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