ピア・サポートのわーく 2

■ねらい。★留意点

5 1.前回のふりかえりをする。
 (1)ワークをまとめたプリントを配布する。
 (2)各自読ませる。                           

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Lesson2 ピア・サポートのプロセス
2.ピア・サポートのプロセスを説明する。
 ■前回、ピア・サポートについての概要を学習した。今回は、実際に仲間同士で紙上サポートをしていく。
 (1)「Lecture ピア・サポートのプロセス」を配布する。
 (2)1)〜5)の順序と内容を説明する。
  ★1)「問題をつかむ」段階で、前回の事実と推測、出来事と感情の分別が、2)「ゴールを決める」の段階で、願望を分別が生きてくる。

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3.紙上ビア・サポートをする。
 (1)相談できる、したい者同士5人組を作らせる。
  ■できるだけ信頼関係のある者をでグループを作りたい。
  ★5人にならない時は、話し合いで調整させる。
 (2)前回の宿題の「Work5 あなたの悩みリスト」を出させる。
 (3)「Work6 紙上相談シート」を配布する。
 (4)「Work5 あなたの悩みリスト」の中から、このメンバーなら相談してもよいものを選ばせ、さらに具体的に書かせる。
 (5)さらに、その悩み事に関する自分の感情や願望を書かせる。
 (6)シートを右隣の人に渡す。
 (7)受け取ったシートの悩みについて、質問事項を書く。
 (8)これをシートがメンバー全員に回るまで繰り返す。
 (9)自分のシートが返って来たら、質問に答える。
 (10)シートを右隣の人に渡す。
 (11)受け取ったシートの悩み事について、自分なりの解決策を書く。
 (12)これをシートがメンバー全員に回るまで繰り返す。
 (13)自分のシートが返って来たら、それぞれの解決策を参考にしながら、できそうな解決策を書く。
 (14)相談した感想を書く。
  ★適当なところで休憩を入れる。
  ★時間があれば、メンバーを変えてもう一度違う悩みでする。

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Lesson3 問題をつかむ
4.感情反映技法を学習する。
 ■ロールプレイで悩み事の感情部分に触れるための技法を学習する。
 (1)「Work7 感情を受け止める」を配布する。
 (2)一問ずつ読みながら、回答させ、挙手で分布を確認しながら、正解の解説 をしていく。
 (3)「Lecture 積極的聴き方技法」を配布する。
 (4)感情反映技法と支持技法を説明する。
 (5)「Work8 感情を言い換える」を配布する。
 (6)宿題にすることを指示する。
10 8.ふりかえりシートを書かせる。
 ★最後に教師も今日の授業について自己開示をする。

生徒の評価

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1.自分の悩みを理解できたか
2.自分の悩みを受け止めてもらえたか
3.人の悩みを受け止められたか
4.感情反映技法の理解
5.今日の授業の満足度。

生徒の感想
1)自分自身の悩みをみんなに打ち明けて、みんなの考えやアドバイスをもらうことができて、気分も楽になってうれしかった。それに、みんなの悩みを考えてアドバイスするのは難しかったけど、人の悩みをこんな形で考えたのは初めてだったし、真剣に考えることができた。
2)自分の悩みの解決策を探してもらうのは難しいけど、いいアドバイスをもらえてよかったし、他の人の悩みを考えるのは少し楽しかった。
3)自分の悩みをみんなに真剣に考えてもらって、自分もみんなのを考えて、こういう機会はあんまりないと思う。サポーターの答は、どれも「なるほどな」と思うものばかりだった。それで気づくことがたくさんあった。
4)悩みは色々あって、人それぞれの意見をもって返事も色々あるんだなぁと思った。一つの悩みに答がこんなにあるのだから、解決方法は必ずあるような気がする。
5)自分の悩みをみんなに解決してもらってうれしかった。
6)人の悩みを受け止めてあげるのは難しいと思った。いいアドバイスも難しいと思った。
7)人の悩みを聞いて、自分にとっては悩みにならないことや、自分と似た悩みの人がいて、
やっぱり人によって感覚が違うなぁと思った。
8)悩みを打ち明けてよかった。自信が持ててうれしかった。
9)人の悩みを聴くのも色々なことを考えながらしていかなければならないと思った。
10)今日は日頃の自分の悩みを授業でみんなにのってもらってすごく楽になった。みんなが悩んでいることが自分にも当てはまったり。自分の悩みが相手に当てはまったり、共通していた悩みだったから、やっぱり今の世代って悩みが本当に似ている。みんなが真剣に悩んで解決策を出してくれたのはうれしかった。
11)自分の悩みを客観的にとらえることができた。人の意見は自分の考えと違っていて楽しく相談できた。感情をとらえるのは難しい。何が言いたいかを考えると難しかった。
12)人それぞれ色々な悩みがあると思った。自分の悩みを聴いてもらって、色々な反応があわてすごく楽しかったです。

教師の感想
 実にピア・サポートだった。グループ分けは、生徒に任せると男女別になった。やはり同性の方が相談しやすいらしい。問題にもよるが、相談できる範囲が広がるのだろう。恋愛の相談なんて、よほど親しくなければ異性にはしにくい。男子2グループ、女子1グループができた。男子のグループはそれほど深刻な悩みがなく、深刻であっても案外軽いアドバイスに終わったようである。しかし、女子は実にじっくりと書いていた。どの子もどの子も欄一杯に書いていた。雰囲気も真剣そのものだった。ふだん、こんな機会はないらしい。その意味でも、やってよかった。ピアというだけあって、同年代は体験も悩みも似ているので、相談しやすく、アドバイスもしやすいようだ。ぼくらのように年が離れてしまえば聴けない話もある。その意味でも、ピアは大きな意味がある。ワークシートに、サポーターからの質問を入れて、本人に答えさせたのもよかった。いま一つ具体性のない悩みもそれによってぐっと具体的になる。
 感情反映技法の答とその解説は難しい。僕が問題を作って僕が解説するのだから、どうしても思い込みが強くなる。人間の感情に対する反応だから、もっと多様なはずだか、強引に説明してしまう。まずいなぁ。押しつけてしまっている。こんなふうにも考えられる程度で抑えてくれたいいのだが、相手を尊重するカウンセリング系の授業で押しツケはいけません。

参考文献
『すぐ始められるピア・サポート指導案&シート集』菱田準子(ほんの森出版)2002
『ピア・カウンセリング入門』ヒューマックス編(オーエス出版社)2001
『ピアヘルパーハンドブック』日本教育カウンセラー協会編(図書文化)2001
『独習入門カウンセリングワークブック』福山清蔵(日本・精神技術研究所)1986
『カウンセリング技法入門』玉瀬耕治(教育出版)1998
『面接のプログラム学習』D.エバンス、M.ハーン他著/援助技術研究会訳(相川書房)1990
『マイクロカウンセリング』アレン・E・アイビィ著/福原真知子他訳(川島書店)1985



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