コミュニケーションのわーく 2

■ねらい。★留意点

10 1.呼吸法をする。
 ★継続して、マスターさせる。
2.「Special Work リラクセーション1」をする。
■表情づくりの前に、緊張感を抜く練習をする。表情づくりがやや恥ずかしいワークを伴うので、少し変わったワークをして、雰囲気づくりをしておく。
10 3.前回の復習をする。
■非言語コミュニケーションをしたことを確認し、今回はその続きと、言語コミュニケーションをすることを伝える。
 (1)ワークをまとめたプリントを配布する。
 (2)各自読ませる。
  ★簡単に補足説明をする。
 3)ジャスチャーの例示を実演する。
  ★金山宣夫著『ノンバーバル事典』(研究社出版)の中から、親指と人指し指で顎をつかむ(考え込む)、親指の先を歯に当てる(困った)、手で頭を掻く(てれる)、手を首に当てる(困った)、手を胸に当てる(ホッとする、ドキドキする)、手のひらを上に向けて両腕を広げる(わからない)など。
15 4.「Work4 表情を読む」をする。
 ■非言語技法1のレクチャーの、表情について取り立てて考える。
 (1)「Work4 表情を読む」を配布する。
 (2)ワークシート1)をさせ、答え合わせをする。
  ★答えは、a【幸福】b【悲しみ】c【驚き】d【恐怖】e【怒り】f【嫌悪】である。
  ★いい表情から始め、似たような表情が続くように並べてある。
 (3)ワークシート2)をする。
  ★「Lecture 非言語技法2」の表を参考にして、教師が表情を作る。
  ★思い切って教師がやって見せることで、生徒もやる気になる。
  ★8回あるので、順番を決めておく。同じ表情を2回するものもある。6回にしてもよい。
  ★答え合わせをする。
 (4)それぞれの表情の特徴について質問する。              
15  (5)「Lecture 非言語技法2」を配布する。
 (6)プリントに従って、説明する。
  ★表情の重要性について理解させる。
  ★表情の各部分の特徴について説明する。
  ★眉、目、口が中心になっていることを理解させる。
  ★一つ一つ、教師が実演しながら説明する。
 (7)生徒に表情を作らせてみる。
  ★互いに確かめ合わせる。
 8)他の顔写真集を見せる。
 9)6つの表情を作り、デジカメに撮ることをテストの代わりにすることを伝える。
  ★ここで休憩する。                         




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「Lesson3 基本的聴き方技法」
■コミュニケーションは話し手のウエイトより、聴き手の姿勢が与える影響が大きい。聴き手がうまいと、話し手も気持ちよく話せて、よいコミュニケーションがとれる。ここでと、いろいろな聴き方を学ぶ。カウンセリングのかかわり技法に当たる部分である。このレッスンではロールプレイをするので、講座の人間関係がそこそこできている必要がある。過去3回の授業で、いい雰囲気が作れたと思う。
5.「Work5 聴き方トレーニング」をする。
 (1)「Work5 聴き方トレーニング」「コミュニケーション・チェックシート」を配布する。
 (2)ワークシートに沿って、やり方を説明する。
 (3)くじ引きで3人組を作り、適当な場所に移動する。
  ★ロールプレイなので、仲のよいもの同士の方がよいが、組に入れない生徒もいるかもしれないので配慮する。
 (4)1回目の話し手・聴き手・観察者を決めさせる。
  ★全員が、すべての役をすることを予告しておく。
 (5)第1R〜第4Rまでさせる。
  ★各ラウンドに入る前に、教師が説明する。必要があれば、デモンストレーションをする。
  ★タイムキーパーは教師がする。キッチンタイマーが便利。
  ★各ラウンドが終わった後、「コミュニケーション・チェックシート」に記入させる。
 (6)2回目、3回目をさせる。
10 6.「Lecture 基本的聴き方技法」を説明する。
■実習でしたことを、確認して、意識的にできるようにする。
 (1)「Lecture 基本的聴き方技法」を配布する。
 (2)プリントに従って、説明する。
  ★例を挙げながら、分かりやすく説明する。
  ★カウンセリングを意識せず、日常の会話レベルでの使い方を教える。
10 7.全体でふりかえりをする。
 ★全員に指名して、感想を言わせる。
 ★教師は一人ずつに反応し、プラスの言い換えによって、自尊感情を持たせるようにする。
 ★最後に教師も今日の授業について自己開示をする。
8.ふりかえりシートを書かせる。
 ★ふりかえりシートの記入と、全体のふりかえりは同時進行でもよい。

生徒の評価

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1.呼吸法やリラクセーションのマスター
2.表情についての理解
3.表情を読んだり作ったりできたか
4.基本的聴き方技法の理解
5.相手の話をうまく聴けたか
6.今日の授業の満足度

生徒の感想
1)聴き方トレーニングでは第1ラウンドで返事やうなずきをできないのはすごく苦しかった。第2〜4ラウンド聴き手の反応がよくなると、話す方もいい気持ちで話せた。相手にも気持ちが伝わっていた。
2)表情についてはプリントに書いてある通りりやるのが少しつらかった。普段意識していないことをやろうとすると思った通りになってくれなかった。表情を読んだりするのは少し難しいけれど何となく分かるものもあった。
3)表情の大切さを学んだ。今この人はどう思っているんだろうとか、大体8割ぐらいはわかります。もし人に表情というものがなかった相手が今どんな気分だのか分かったもんじゃないという点でやっぱり表情は大切だと思いました。
4)話し手聴き手のワークは、聴くのは簡単だけれど、話すのは相手の返答によって話つらくなる場合もあって難しかった。
5)聴き方トレーニングで、「黙ってうなずいたりせず」というのが難しかった。自然にうなずいてしまう。やっぱり、相づちとかをしてもらうと気持ちよく話せると思った。
6)話し手は聴き手がずっと黙って聞いていると本当に聞いているのかと思ってしまう。相づちや質問が入ると話の内容も見えてくるしお互いにとって良い話し手と聴き手になると思った。
7)聴き方トレーニングでは、ネタがないのに1日の出来事を話すのが難しかった。聴き手になったときはあまりうまく聴けてなかった。難しいと思いました。
8)相手の話を聴く時は、相手の目をしっかり見て、口で何と言ったらいいか分からないときは、自分の目でフォローして、アイコンタクトで乗り切ればいいと思った。
9)すごく話が盛り上がっていても顔がつまらなさそうだったりしたら、相手は不快感を与えるものだと思う。相づちの使う種類によって辛い場合もある。例えば「うん」ならいいけれど、「それで」とか「ふーん」とかは結構傷つくものだと思う。
10)僕はよく表情に出るタイプで「怒っているの」とか「なんで元気ないの」とかよく言われます。表情は言葉より大切じゃないかなと感じてきました。
11)話し手が盛り上がって話せるような話の聴き方がわかってよかった。聴き手は大事な役割だな、難しいんだなと思いました。
12)表情についてオーバーリアクションにしなくてはいけないので少し難しいと思った。表情は結構豊かだと思う。けれどオーバーは難しい。
13)普段ならとさにできる怒りや恐怖の表情を、いざ今やってみてといわれると恥ずかしい気持ちがあってできなかった。
14)聴き手はうなずくこともできないときが1番つらかった。案外質問とかはで返せる方が楽だ。
15)どうやら最近の日本の若者には表情が乏しくなってきているのかもしれない。無表情が多い気がする。もう一つ考えられるとしたら、だんだん表情の仕方が変化しているのではないか。どちらにしてもわかりづらくなっている。

教師の感想

 いよいよ言語コミュニケーション、ロールプレイです。このワーク全体のメインでもあります。講座が少人数で、意欲があり、いい雰囲気なので、Goです。1時間目に前回の続きをして、2時間目に新しい単元に入るのも、つながりが出来てGoodです。
 表情のワークは、実演する教師の問題が大きいです。普段から表情が豊かでないと難しいし、目鼻だちがはっきりしている顔だちの方がやりやすいです。でも、教師がそこまでやっているという意欲を見せるのには絶好のチャンスです。デジカメの宿題も思い切って言ってみましたが、案外スムーズに受け入れてくれました。
 言語コミュニケーションのワークは、途中で時間は配分を変えて、ラウンドが進むにつれて少しずつ長くしました。生徒の様子を見ながら、臨機応変にすることは必要です。どのグループも段々と慣れてきたように思います。
 先週よりは楽でしたが、生徒を動かしてやるのはエネルギーが入ります。こちらが、リラックスしながらも、瞬時に判断できる余裕と緊張感が必要です。

参考文献
Lesson1 コミュニケーションとは
『コーチングマネジメント』伊藤守(Discover)2002
『ピア・カウンセリング入門』ヒューマックス編(オーエス出版社)2001
Lesson2 非言語技法
『手にとるように心理学がわかる本』渋谷昌三(かんき出版)1999
『ピアヘルパーハンドブック』日本教育カウンセラー協会編(図書文化)2001
『人づきあいの技術』相川充(サイエンス社)2000
『表情分析入門』P.エリクマン/W.V.フリーセン著工藤力訳編(誠信書房)
『人と組織を育てるコミュニケーショントレーニング』諏訪茂樹(日本経団連出版)2000
Lesson3 基本的聴き方技法
『人と組織を育てるコミュニケーショントレーニング』諏訪茂樹(日本経団連出版)2000
『マイクロカウンセリング』アレン・E・アイビー著/福原真知子ほか訳編(川島書店)1985
『面接のプログラム学習』D.エバンス,M.ハーン,M.ウルマン,A.アイビー著/援助技術研究会訳(相川書房)1990
『カウンセリング技法入門』玉瀬耕治(教育出版)1998
『ピアヘルパーハンドブック』日本教育カウンセラー協会編(図書文化)2001
『人づきあいの技術』相川充(サイエンス社)2000
『コーチングマネジメント』伊藤守(Discover)2002
『プロカウンセラーの聞く技術』東山紘久(創元社)



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