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オバハンからの気まぐれ通信
(2004年01月&02月)



■□■2004年02月27日(金)■□■
夜来の温かな雨に、大桑の木の新芽が一晩で4倍もの大きさに葉を広げた。我が家はレンガ造りの建物で、冬場は街路から家中が見えるようで落ちつかなかった。しかし、一晩で建物が隠れそうなくらいに伸びた大桑の木の葉と、後ろにようやく透けて見える建物を、思わず眺め返してしまった。生命力の溢れる木には、漢方薬の元となるモノが大いに含まれているのも、ムベなるかな…。日中気温は28℃、街路のセンターでは、透明な陽光を受けたレンギョウの黄色い花がまぶしい。

アメリカは対人地雷全廃を目指す条約に調印をしない方針とか。
いつでも、自国にとって不都合な条約には調印しないアメリカ、強ければどんなエゴも許されると考えているアメリカ。でも、こんな不条理が何時までも許されるわけもないと思いたい。
世界中にバラ撒かれた地雷は約6000万個と言われ、アフガニスターンとカンボジアに、それぞれ1000万個、アンゴラに900万個も敷設(あるいは空中から散布)されたといわれている。地雷は1個が3$。年間26000人が死傷。1個が何千万円、何億円もする大量破壊兵器に比べると、その殺傷効果は絶大だ。アメリカの軍産複合体のみではなく、ソ連も中国も、イスラエルも、フランスだって調印などはしたくはない筈だ。強ければ何でも許される世界の一庶民としては、何をなすべきなのか?

■□■2004年02月26日(水)■□■
今冬のイスラマバードは、マイナス気温になることもなく20数年ぶりに暖かかった。そのせいか、花も早くて素晴らしい春から一足飛びに緑濃い初夏を迎えつつある。2月というのに、イスラマでは雑木林の中でも梨の花が満開ではないか!ということは、とっくに杏や桃、アーモンドの花は終わっているということ?

急用が出来て、急遽ギルギットへ行くことになり、フライトの予約。普段なら菜種梅雨かと思う雨の季節が一ヶ月以上も早かったので、ここのところ天候は安定していて、生まれて初めて行きも帰りも飛行機に乗せて頂いた。機上から眺めても雪は少なく、来月もこのままの天候なら、今春は早々と中パ国境が開くかもしれないと思いつつ帰って来た。ギルギットでも例年より一ヶ月もはやくアーモンドの花が満開、杏の花も数日で満開になりそうな勢いで驚いた。
パーキスターンやアフガニスターンの山沿いでは年明けに結構な降雪をみたが、全体としては雪が少なく、今年も旱魃は免れまい。治安も悪く、選挙が出来るような状態にもないとなっては、アフガニスターンに明るい未来は当分訪れそうにはない。
イラクの潜在的な富裕さに比べると、アフガニスターンの将来は本当に暗い。アフガニスターンに必要なのは、NGOや国際援助団体による支援ではなく、何でも良いから「モノを生産できる体勢作り」にあると思う。支援活動ではなく、古タイヤからバケツやサンダルを作るのでも良いし、「何か」が生産できないと復興は遠い。

■□■2004年02月20日(金)■□■
日本も4月並みの陽気になったとTVでは報じているが、イスラマバードは初夏の陽射しで、ノンビリ庭でお茶も飲めなくなって来た。乾いた風とまぶしく輝くばかりの季節が、僅か1ヶ月足らずだと思うだけで春に対する愛しさは倍増する。
そして、いよいよ花爛漫、桃源郷フンザへの観光シーズンが開始。いつも言うが1年中、四季折々、カラコルム山麓の美しさは言葉に尽くせないし、オバハンの言葉足らずな日本語では、悔しいけれど表現しきれない。とにかく、来て見てもらうより判かってもらえないのが、残念だ。桃源郷フンザも確かに素晴らしい、表玄関のような美しさだ。しかし、オバハンにはしっとり落ちついたスカルドゥ、インダス河沿いの風景も捨て難い。
ところが、観光省は一昨年からガイドライセンスの取得基準を物凄く厳しくし始めた。取得資格は大学卒であること、銀行による保証金額が20万Rs必要、ガイドは毎年5000Rsの登録料を納めなければならないと。田舎では20万Rsもあれば、小さな家が一軒建つくらいの金額だというのに。
まともな学校もない北方地域の出身者は、10年生を出るのがやっとで、大学などは高嶺の花。特にスカルドゥ出身者には、こんな高いハードルをクリアーできるわけもなく、今後のトレッキングに支障が出そうだ。同じ北方地方の出身でもフンザ地方とスカルドゥ地方の人間の性格は大きく異なる。温和なチベット系のスカルドゥ出身者に比べると、中央アジア系の人間は猛々しい。そうした猛々しい(とオバハンには思える)人たちの多くが大学を出てガイドになる。あるいは山など見たこともない平野部の人間がガイドになる…のかと想像するだけで、オバハンはユーウツになる。

■□■2004年02月19日(木)■□■
イラク暫定内閣の労働・社会問題省がまとめたとするデーターが、本日の新聞に掲載されていた。
それによると、国民の7割が貧困、労働人口の2割は子供。さらには、1カ月の収入が35ドル以下の貧困層は、イラク全国で約800万人に達していると推計され、人口の3割強が貧困というわけだ。
またまたアフガニスターンやパーキスターンとの比較で申しわけないが、1ヶ月の収入が35ドル以下ということを基準に述べるのなら、アフガニスターンの貧困層は9割にも達するし、パーキスターンでも3割に達する。少なくとも報道では、イラクのデーターを述べるだけではなく、アフガニスターンを並べるとか、北朝鮮を並べるとかして公平を期して欲しい。貧しいイラクに対して人道支援のために、自衛隊を送らざるを得なかったとしたいのだろうが、それでは余りにもアンバランスな報道ではなかろうか!
また、「安定した収入が得られないため結婚を遅らせる男女が増えている一方、離婚も増えているという。社会の基盤となる家族の崩壊が進んでいる」とする報道だが、それはイラクに限らずアフガンでも結婚を遅らせる若者は多かった。
アメリカさまのお陰で、自由平等や民主主義というモノが持ち込まれ、素晴らしい社会??が実現されつつあるので、金銭を稼げない長老や人間の価値が下がり、目上を敬わない社会までが出現しつつあるのが現状だ…。

急激に初夏を迎えた…、身体がついて行けなくてクラクラする。

■□■2004年02月18日(水)■□■
アフガニスターンでの2004年の活動がいよいよ開始する。
国の将来を担う子どもたちへの教育、巡回医療による健康管理、緑化活動により大地の保水効果を高め、果実収穫による自活支援などなど、アフガニスターンが本格的な春を迎えるとともに、その活動も動き出す。

その活動を目前に、3月5日(金)午後〜3月22日(月)の午前中まで『アフガン難民を支える会−SORA』の活動報告のため、オバハンは日本に滞在する。予定は下記の通り。


3月05日 (金) 成田空港 着 12:55
06日 (土) 東京 『アフガニスタンは今?』 シニアワーク東京 14:00〜
07日 (日) 仙台市 『オバハンが見た アフガニスタン復興の裏表』 戦災復興記念館 13:30〜
08日 (月)
09日 (火)
10日 (水) 足利市 『アフガニスターン講演会』 足利工業大学 13:00〜
11日 (木) 岡山市 子ども交流会
福山市 『アフガニスターン活動報告会』 福山記念病院 18:30〜
12日 (金)
13日 (土) 東京 『督永忠子 春の活動報告会』 目黒中小企業センターホール 14:30〜
14日 (日) 旭川市 『アフガニスタン講演会』 15:00〜
15日 (月)
16日 (火) 川崎市 『アフガニスタン講演会』
17日 (水)
18日 (木)
19日 (金) 東京 『アフガニスタン講演会』 滝野川西ふれあい館 14:00〜
20日 (土) ワールド・ピース・ナウ 日比谷野音 13:00〜
21日 (日)
22日 (月) 成田空港 発 13:55

■□■2004年02月17日(火)■□■
サマーワで、またまた爆発事故??
事故かテロか?地元の警察発表では、ゲームセンターの反イスラーム的な営業に対する警告?とも言われているらしいが。自衛隊が行ってから次々に事故が起こっているのか、それとも、この常態をオランダ軍やアメリカが隠していたのか?
「サマーワは安全だ!」ってことじゃなかったの??
最近の報道を見ていると、自衛隊を含む日本人がイラクでテロや事故に巻き込まれるのを待っているかのようで、何やら薄ら寒い。

911同時多発テロで、パーキスターンまでが大揺れに揺れた時、逃げないオバハンたちに向かって、どれほど多くの電話やFAXがあったことか。中には家族のところへも電話をして「早くお母さんに逃げるように言いなさい!」という、有難いご心配も頂いた。別に使命感を感じてパーキスターンへ踏みとどまったのではなかったが、世間の皆様にはご心配を頂いた。
もしかしたら、今、オバハンたちが自衛隊に対して心配して「帰って来い」だの、「行くな」だのと騒ぐのは、それと似たようなものかもしれないと反省しつつ、しかし、少なくともオバハンたちは、憲法9条を侵してはいなかった…と、考えている。

アフガニスターンでは、タリバーンが60人余の自爆テロ候補者を手のうちにしているとして「テロ予告」を出している。先般のSORAカーブル事務所の近くで起こった自爆テロは、朝の通勤時間帯に自転車に乗った人が治安維持軍の車輌に近づいての、テロだという。そして、その想像がつくだけに、聞いているだけでも恐ろしい。
日本大使館は連続する襲撃事件に、治安維持軍の車輌を見かけたら、少なくとも300mは離れるようにとの通達を出している。しかし、治安維持軍から離れていることが安全だというのであれば、何のための治安維持軍なのか?
これからは、治安維持軍に続き、連合軍による技術指導や、その他モロモロの技術指導が始まる。さらには、6月の選挙に向けてアメリカは、アメリカにとって都合の良い政権を打ちたて、新たなる獲物に向かってフリーハンドとなるべく準備をしつつある。
次なる獲物が北朝鮮なのかどうかは、直ぐにわかることだろうが、なんとも忌まわしい大国だ。その大国の尻馬に乗る、小泉政権の軽挙妄動を戒められない国会議員たち、なんのための国会議員なのか!!

■□■2004年02月14日(土)■□■
バレンタインデー、老いも若きも「浮かれている」世の中、平和で結構なことだと、ヘソマガリめいた気分になっている。しかし、バレンタインデーだと浮かれている日本は、お寒い国としかいいようがない。事実、世情も気候も日本はまだまだ寒い。…というのに、イスラマバードの気温は早25℃、夜気が心地よく感じられるから、この2〜3日の気温上昇は凄い。動きは鈍いが部屋の壁にはヤモリまでがお出ましだ。ちょっと触ってからかってやろうかと思ったが、冬眠から覚めたばかりで、人間には慣れていないヤモリかも?と思って、驚かすのを止めた。

これまでの人生中、自民党というのに共感したり、一票を投じたことはただの一度もないオバハンだが、昨秋の総裁選を前に引退した野中広務の潔さが爽やかに感じられただけに、その野中氏と仲が良かった古賀元自民党幹事長にまで(いろいろな内実は別として)、「自衛隊派遣反対」に関する行動では、個人的な好感を抱いた。
何事にせよ「反骨の気概」ある人には、文句ナシに感動するのが単細胞オバハンの所以だ。このところ、古賀氏は自衛隊派遣反対に関して精力的だが、こうした反対の声を自民党内で上げるからこそ、値打ちもある。長いモノに巻かれてウカウカしているうちに、どんどん既成の事実が出来あがっている怖さに、どうして多くの人は気づかないのか?ここが、無気力、無関心な日本人のお寒いところか?
「日本が、いつか来た道に行ってしまう」と、反対の声を上げる自民党々員や、当事者である自衛官の中からもドンドン出て欲しい。
何?何?自衛官を辞めたら食えない??何処かの平和団体がきっと再就職先を捜してくれると、前向きになろう!!

■□■2004年02月11日(水)■□■
隣家の塀越しから、ぷっくり桃色にふくらんだアーモンドらしい花の蕾が…とのぞき見ていたら、たちまち開花。可愛い三色スミレの花も、ビロードのような艶めきを見せてそちこちに群れて咲き、冬の間は「移植はダメ!」と、庭師から止められていた庭木の移動もようやく出来た。漢字では魚ヘンに春と書く鰆がアラビア海からイスラマバードへも届いたし、文字通り春を実感している。
しかし、こうしたノンビリ気分とは裏腹に、イラクでの自衛隊の動向がとても気にかかる。オバハンが「きまぐれ」で書いているHPを見て、共感して下さる方々が、面白い記事を見つけたりして転送下さるので、座して待っていても知識はふくらみ、自衛隊の現地事情が(政府発表でない本音の部分が)一部ではあっても分かる?という便利さだ。かってのように大本営発表のみを鵜呑みにしないで、その気になれば世界中から事実を知ることが可能になった。反面、怖い世の中になったのも確かだと思う。

ということで、サマーワの自衛隊だが、当たり前のことながら、なかなか大変らしい。
何が大変か?早い話が自分たちで情報が取れない、確認出来ない大変さ…とでも表現したら良いのだろうか?このへんの機微はオバハンにも理解が出来る。元々が虎の子の二外交官が殺害された後には、アラビアの専門家がいない…と、外務省勤務の友人からも聞いてはいたし、日本人からみれば多面性のメンタリティーを持つ、かつ生き残り術に長けた複雑怪奇な、アラビア圏(ペルシアも含む)の人間を理解することなど、不可能に近い。その中で外交下手の日本人が何かをなそうというのだから、大変さはこれから徐々に身に沁み行くだろう。
一昨日だったかのニュースでは、自衛隊本隊がオランダ軍に守られることもなく、自力でクエートからサマーワに到着した…と、あたかも快挙のごとく放映していたが、現実には、ヤワな日本の自衛隊を保護するべく、オランダ軍やアメリカ軍が目立たないように、さらには部族民、警察によって2重3重の警護を受けていたと。
アメリカさんの思惑では、万が一にも自衛隊員が戦死したら、小泉政権がダメージを受けるからと、軍事アナリストの神浦元彰氏は鋭い指摘をしておられる。

日本軍事情報センター 神浦元彰(軍事アナリスト)
〜激動する世界の最新軍事情報を発信〜
http://www.kamiura.com/new.html

■□■2004年02月08日(日)■□■
自衛隊々員や、その家族約一万人が暮らすという、雪の旭川市がTV画面に映るようになって、だんだん黄色いハンカチが増えてきた。この自衛隊々員の無事を願う「黄色いハンカチ」。時間のある方は、益岡さんという方の意見に目を通して欲しい。

益岡 賢 http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/
2月7日の『整理しておくべきことの、いくつか』を参照

走輪装甲車、これも最近になって良く聞く単語だが、今度の派兵になってから始めて聞いた。足元にキャタピラーが着いていないだけで、どこからどんなふうに見ても外見は戦車だ。軽装甲車といい、走輪装甲車といい、日の丸の印を付けて意気揚揚(に見える)と、車列を乱さず走っているのを画面で見ていると、イラクの国民だけではなく、パーキスターンなどの周辺国の国民がどう見るか??
石破長官の「オランダ軍が襲撃されたら、武器を使わず応戦することを考えている」…とのコメントを読んで、物凄い事態に(派兵を決めた時からわかっていることとは言え)なって来た!この小泉政権は、物事をどこまで拡大解釈するのか!と、呆れる思いだ。
やはり今からでも撤退するべきだ!と、単細胞なオバハンは一人で頷くが、かの小泉にモノ申す人材はいないのか?

■□■2004年02月07日(土)■□■
ここのところパーキスターンの新聞は、トップで核技術漏洩事件を報じている。
日本でも報道されていることと思うが、またまたムシャラフ大統領は国の存亡に関わるような国難に面している。オバハンには被害妄想ではないかとも思えるほど、当地の人はいつも大国インドに脅威を感じている。
そのインドに対する、「抑止力」としての核を持つことが出来たのは、カーン博士のおかげだし、イスラーム国として核を持った最初の名誉ある国としてくれたのもカーン博士のおかげだというわけで、核技術を漏洩したにもかかわらず、カーン博士は国民の間で高い人気を保っている。
とにかく、このカーン博士の「核研究所」はパーキスターンの中でも、特別も特別、超特権プロジェクト。国からの予算は使い放題、にもかかわらず、国の査察さえも及ばない凄い聖域だったことは確か。その聖域は査察がないことを良いことに、研究費や海外からの何10万$、何100万$もする物品購入には、通常価格の2〜3倍の値段を出させ、その多くを着服していたとして大きく報道されたこともあり、ムシャラフ政権になった直後だった?かから、査察を望む声が大きくなっている(全面査察が入ったとは思われない)。
カーン博士の技術漏洩が、「個人的に金が目的」と言われても、そうだろうと思えるのは、その個人財産の凄さから…。
しかし、人間は日々食べる量も決まっているし、持って死ねるわけでもないし、そんなに使い切れないほどのお金を持ってどうしょうというのか?と、凡人のオバハンには理解出来ない。

パーキスターン各地(カラチやラホール)では、カーン博士への擁護のデモが盛んだ。警官隊は催涙弾を発射してデモの阻止に懸命。犠牲祭、カシミールディ、博士の擁護で国を挙げてのデモになって、またまた商店街は休み…。とにかく、この一件を持って、博士の人気が分かろうというものだ。

新聞では、新たな国難に際した苦顔のムシャラフ大統領へ謝罪をしているカーン博士の写真が載っているが、カーン博士の方が平然として見える。とりあえずカーン博士は研究所のアドヴァイザーという地位に降格となった。

■□■2004年02月06日(金)■□■
夜は1℃とまだまだ冷え込むが、昼間は20℃を越えるようになったイスラマバード。空気が澄んでいるせいで、マルガラ丘陵がすぐ近くに見えるだけではなく、稜線上の木や山肌までもがクッキリと見える。街の角やバザールの入り口では、「冬物セール」の横断幕が小気味良くハタハタ、ピラピラとはためき、紫外線たっぷりの陽射しが新芽を光らせ始めた。
夜も月の光り方が違って来たし、まったく春になったことをかみしめる。

昨日はカシミール・ディ、犠牲祭に続いての大型連休に勤め人は喜んでいるが、日銭商売の商店主たちは商売にならず、渋い顔をしている。カシミールの苦難を記念?した日に店でも開けて、若いムチャな連中に投石でもされたら…、また、皆と同じに足並みを揃えないと…と、言うワケで街には車も少なく、本当に静かだ。オバハンも静かな家の中で本と犬たちを相手に、そしてそれにも退屈すると大好きな台所へ入ってゴソゴソ、何を作ろうか?と贅沢な時間を過ごしている。

さてさて、ようやくウチの従業員たちまでもが、「鶏はアブナイ!食べるのを止めてください!」と言い出した。「オマエら、遅いワ!もう10日以上も前から新聞に載っていたヨ!」とにかく、鶏の値段が半額になったので、従業員の反対を嘲笑いながら、オバハンは美味しい鶏のつくねを何種類か作りおきをするつもり。あぁ…もっと安くならないかナァ。

■□■2004年02月04日(水)■□■
英米によるイラク攻撃の目的は、「大量破壊兵器を持つイラクからの脅威をなくし、平和をもたらす」ということだったのに、イラクに大量破壊兵器がないと判った現段階においても、なおも英米に追随する日本政府、いや変質狂とも思える小泉個人の政策?には言葉がない。
自衛隊の隊員たちが次々とイラクへ出発して行く、自衛隊の隊員たちも派遣熱気の渦中にいれば、自分の心を見る余裕さえもなかろうと思う。人道支援、復興支援のためにという「詭弁」に、何人の隊員が気が付いているのか?政府の決定に対して「反対!」の声を挙げることは難しかろう。戦争反対を唱えることで「国賊」と呼ばれた時代があった、そしてそれは既に死語となっていたかの感があったが、ここへ来て突如生き返ったようだ。

イラクは、1ヶ月余後には40℃にもなろうか。4月下旬には45℃、自然に抗するだけでも大変だと思う中へ、雪の舞う日本からサマーワへ行く隊員へ「行くな!行くな!日本憲法から見てもアナタたちには行く必要がない!」と心の中で大声をあげているオバハンだ。
そして、その自衛隊をサポートするために、外務省からは数人の職員が早くからサマーワへ送り込まれ、日本大使館分室として情報収集や周囲との交渉に当っているのを、私たち国民は知っていただろうか?自衛隊はオランダ軍に守られて活動をしているが、その外務省からの日本人職員たちにはさしたる護衛もなく、サマーワ市内にある、ごく普通の民家に住みくらしているというのを。

■□■2004年02月02日(月)■□■
写真付き6段記事。
第二次世界大戦以来はじめて、日本軍がイラクへ行く。
小泉首相は送り出す本隊に隊旗を与え、激励した。
パーキスターンに限らず、米英と協調歩調をとっていない海外での報道は、たぶん、こうした捉え方ではなかろうか?背筋が寒くなり、恐怖で悪寒が走る。

サウジアラビアなどでは、昨日が犠牲祭(イスラームの大祭。日本式にいうと元旦の気分)だったが、インダス河を境に東の地域は本日が大祭。夜明けとともに身体を浄め、新しい服に身をつつんでお祈りに向かう従業員たちの声も普段より少し高い。モスクでは早朝から導師の説法か?を流して、やはり何時もの朝とは異なる趣だ。梢の上を舞う鳥たちまでもが騒いでいるのが不思議といえば不思議。
そしてイスラマバードの住宅地のアチコチでは、犠牲になる家畜たちの悲しげな声が聞こえ、それを聞いてウチの犬共もやかましい。少し昔までは神への捧げものにするべき家畜の「首を掻き切る」神聖なる作業は、家長の仕事だったが、都会ではそうした作業を否む者が多くなり、今では屠殺をするための専門家が、家々を廻って来るようになった。オバハンの家では家長たるべき息子が日本へ行っているので、イスラーム教徒としての義務を手抜きしようとしているのだが…。

先日来、アメリカはオサマ・ビン・ラーディンを6ヶ月以内に捕らえると、大きく報じている。
それによると、既にタリバーンに10回以上接触、逮捕は確実??と。相変わらずバカバカしいとしか言いようがない。一般人が「タリバーン」たるものを知らないと思って、とにかくタリバーンという単語を使えば人は信用すると思うのか??報道するわけには行かないが、タリバーンの誰某とでも書けば、アチコチにたずねてから、ちょっとは信用するかも。
しかし、当地では昨年の夏ごろからオサマ・ビンは既に捕らえられ、アメリカへ送られたとの報道が一部ではあったし、そう考えている人も多い。ブッシュは自分の大統領選挙にむけ、有利なカードとして、オサマ・ビンの逮捕を使いたいのだろうか?

■□■2004年02月01日(日)■□■
東南アジアだけでなく、パーキスターンでも27日頃から鶏インフルエンザの発生が言われ出し、新聞でも大きく報道されてはいるが、誰〜もまだ騒いではいないようだ。「騒ぎ立てる心配はない」という記事も出ている。別ページには大きな穴を掘って、350万羽の殺した鶏を埋めている写真も載ってはいる。
「ネェ?!たくさんの死んだ鶏を全部チャ〜ンと埋めていると思う??」
…誰の答えも「埋めてない!埋めてない!」「キット商店に並んでいるし、皆も食べているヨ!」と。
「鶏に注射??人間にも予防注射がないというのに、鶏に?…」
パーキスターン人たちの笑うこと、笑うこと!周囲にいる日本人の中には、「ワァ!ウチの家の近くで生きたまま鶏を売っている、近づかないようにしなくては!」と騒いでいる人もいるにはいる。しかし、オバハンの家の前のマーケットにも鶏は生きたまま売られているし、売り物のアヒルや七面鳥も放し飼いだが、みんなも無関心。
仮に、鶏の病気がさらに、さらに大量発生したら、それらを捨てる前にオバハンは貰いに行こうかとさえ思っているくらいだ。インフルエンザが怖くて生きられるか?オバハンには鶏のインフルエンザや、狂牛病よりも幽霊やオバケの方が怖い。
世の中には無駄なものは一切ない、病気に対抗できる健康な心身を作ろう!

■□■2004年01月31日(土)■□■
友人から転送されてきた池澤夏樹さんのメルマガ、パンドラの時代005に「国益を考える」というのがあった。冒頭に「自衛隊がイラクに行きました。なぜイラクに日本の兵士が行くのか?殺されるかもしれない、殺すかもしれない、という情況になぜ彼らは送り込まれたのか?」と。そして「人道とか復興とか支援とか、その種の口当たりのよい言葉をぼくは信じません。人道ならば赤十字が行けばいいし、復興ならば建設会社が行けばいい。それを統括するには、現地の事情に詳しいNGOの人々がいる。戦争でないというのなら、軍隊が行く理由はない。」とも。
(パンドラの時代005http://www.impala.jp/pandora/index.html
池澤さんはここで「国益」ということについて記しておられる、オバハンもことを同じように考えつつ…。

昨日から事務所全体のインターネット用の回線が、24時間繋がったLANとかいうシステムになったようなので、今まで送受信が大問題だったメール環境も若干良くなった。特に昨年末からは送受信の半分がどこかへ飛んでしまうという有様で、不都合なこと山のごとしだったが、これでブツ切れの電話回線に悩むことなく、インターネット上のいろいろなモノを見に行けるようになった…。
正直に言うと、初めてインターネットを利用して遊ばせて頂いた。
まず、検索できる項目が山と並んでいるので、何?何??フ〜ン!ヘ〜ッ!?「探す」、ようし!それなら3回目の結婚じゃぁ!というので、「結婚」の項目をクリック。そして、しょっぱなから敗退!日本国内に住んでいる人だって…。
でも、まぁいいか…と、アンケートを進んで行くと、自己判断の項目。自分が積極的がどうか?と聞かれると、ウ〜ン…オバハンの性格は引っ込み思案だと思うし、買い物はキライなので深く考えず必要最低限のモノを迷わず買うから決断力があると思うし…。なぁんてことをしていたら、貴重な時間をロスしてしまった。
反省!

■□■2004年01月30日(金)■□■
またまた昨日から雨、カーブルも大雪とのことで電話の回線コンディションは最悪、電話は終日、まったくかからず非能率的なこと甚だしい。

『アフガニスターンで武器庫が爆発、米兵9人が亡くなった』と日本でも報道されている模様だが、アフガンのニュースはイラクのニュースに隠れて最近は本当に少ない。しかし、28日にもカーブル市内の南部『アフガン難民を支える会−SORA』事務所から近い、王宮通りではカナダ軍の車列に自爆テロの車が突っ込み、カナダ兵1人が亡くなっているし、パーキスターンとアフガニスターン国境沿いの山々では、アルカイダやタリバーン掃討と称して空爆が休むことなく続いている。いつも書いているように、タリバーンと称する人々は日々、イスラーム教を学ぶ中から際限もなく生まれて行くが、タリバーンの全員が外国軍やその組織されたものに対して害なすものではない。
むしろアメリカなどの外国軍が、アフガニスターンに対して理不尽な空爆や掃討作戦なるものを続けるから、彼らの一部はますます反発し、戦わざるを得ないのだ。この「鬼ごっこ」をアメリカ自体が生み出しているのは今や、誰が見ても自明だ。

■□■2004年01月27日(火)■□■
民主党の古賀氏が学歴詐称をしたとして、その進退が問われている。
もし議員を辞職すれば、4月に衆議院の補選と。変態オヤジ VS 学歴詐称者というのでは悲しいというか、寂しいというか、情けない対決だが、早々と参院選に出ないと決めた山拓が、古賀氏を追い落とすために仕組んだというか、あら捜しをした結果がこれだと…。
何々?与党側は、「嘘つきは泥棒の始まり!」とは、良くも言ってくれるじゃない!連日の自衛隊派遣に対する、小泉首相や石破長官などの「詭弁」は何なの??言葉の使い方ひとつでウソにはならないとしたら、何を言っても怖くはないということ??かって「武士に二言はない!」とした、人間としてのプライドある日本人は何処へいったのか?

山拓サマの毒気には、かってオバハンもあてられた。
僅か1時間の懇談で胸クソが悪くなり帰宅してからは、思い出すたびに不快で3日間も頭痛薬を飲んだ。そして、それをHPに書いてしまったら、一部の週刊誌や新聞にも転載された。単なる変態オヤジだけなら笑って??すむことも、与党幹事長としては許されない品性のなさ、暴言の数々だったから。

学歴については、パーキスターンでもかなり重要になりつつある。ここでは、まず大学を卒業していないと国会議員にはなれない。また、罪を犯したり、あるいは政敵などに嵌められ刑務所へでも入るようなことになれば、大卒と、そうでない者との待遇差は天国と地獄だと。天国側は個室でTVもあり、さらには台所もあって調理も自由、使用人にかしずかれることも可能なのに、地獄側は20畳くらいの部屋に40人くらいが押し込まれる雑居部屋、もちろん不潔極まりないと。
アフガニスターンのように、何人もの大臣サマが読み書きも出来ないとあっては、国の沽券にもかかわろうが、せめて読み書き算数が出来れば、日本で生きて行く上での支障はなかろうと思う。大学を出ているにこしたことはないが、出てなかったら何だというのか!!

■□■2004年01月24日(日)■□■
晴れた!晴れた!
それで早朝から、頼まれものの白菜100kgを捜しに雨上がりで泥濘のひどい野外大バザールを歩いて来た。イスラマバードの近郊はマイナス気温になることもなく、晴れさえすれば20度と快適な気温で、冬野菜がバザールには満載。しかし冬場の気温が−10度近くにも下がるカーブルにあっては、葉物野菜が少なくって、白菜を捜して届けて欲しいとの依頼…。久々のバザールでは、今までに栽培されていなかった外国野菜の水菜(京菜)が初めて姿を現し、単純なオバハンは大喜び。パーキスターンで捜しても見つからない野菜はゴボウ、ホクホクしたカボチャ、アスパラガス、三つ葉、春菊など。ただし、イスラマバードでは、カーブルとは反対に、酷暑の5月〜8月いっぱいは葉物野菜が殆ど出回らない。酷暑の夏が来るとオバハンは、カーブルからレタスや長ネギの運び屋に変身する。

英国のブレア首相は、イラクにおける「大量破壊兵器」の存在を、まだ信じ続けると。
最初から大量破壊兵器がないと分かっていても、政策上「アル」と言い続けなくてはならない立場だが、まったく政治家の多くは古今東西、鉄面皮そのもの。アメリカの大量破壊調査団の長が、破壊兵器の存在を否定しているが、科学者としての良心だろうか、よくぞ否定したものだ!エライ!凄い!根性モノ!神のご加護を!と、感嘆符を幾つ並べても足りない。
今までから謀略の限りを尽くして来たアメリカ、そしてイギリスのこと、時間をかけても大量破壊兵器を徐々に運び込み、「そうれ、見たか!やはり、あった!」と言い募るに違いない。そして機密保存の70年間?が過ぎ、現在に生きている人間が死に絶えるか、アルツハイマーでボケでも来た頃に真実が分かるというわけだろう。
イスラーム教もだが、キリスト教徒たちにも「告懺悔」のシステムがあるので、どんなに嘘をつこうが、罪を犯そうが「人間は弱く、いつ罪を犯すかわかりません、その時のために、今から許しを乞います!」などと、神に許しを乞えば良いと考えているのだろうか?親鸞上人も、「どんな罪を犯しても、念仏を唱えれば救われる」とおっしゃるが、罪を犯せば救われない、地獄へ行く覚悟も大切ではなかろうか!

■□■2004年01月23日(金)■□■
まだ1月の下旬というのに、3日間も連続で雨が静かに重く、時には音をたててしぶいている。朝は8時になっても暗く、夜明けはまだ?起きるのには早すぎる?と、時間を勘違いしそうな毎日。雲の範囲は広く厚く、ヨーロッパやイラクでも悪天のようだ。しかし当地では冬が終わる気配、春になりつつあるのは確実。

連日のようにイラク関係の報道が多い。
「現地サマーワでの治安は安定している」という論調だが、海外登山などと同じで、危険とは常に背中あわせの部分が多い。治安が安定しているのも「今のところは」という限定つきだし、滞在時間(日数)が長くなれば長くなるだけ危険度が増すという当たり前のことを、政府関係者の誰もが言わない。石破長官は「世界中、安全なところは何処にもない。東京でも女子中学生が襲われた…」などと、アホとしか思えない比喩を出していると、知り合い(新聞社の編集長)が嘆いてメールを寄越したが、まったく何をか言わんや…と言うよりも、恥というものをご存知ないらしい。

雨上がりのサマーワ、ユーフラテス河から引かれたのであろうか、街を縦貫する灌漑用水路の濁り水を前にして、イラクには安全な水がなく、住民の生活に支障をきたしていると。安全な水?あぁ!!なんたる贅沢?!!アフガニスターンには安全な水どころか、泥水さえもないというのに…。
ユニセフの世界子供白書2003年によると、改善された水源を利用する人の比率はイラク住民が85%、アフガンが13%だ。適切な衛生設備を利用する人はイラクが79%、アフガンが12%…。5歳未満児の死亡率は、イラクは世界から33番目、アフガンは4番目となっている。5歳未満児の発育阻害(中、重度)は、イラクが22%、アフガンは52%と。さらに言いつのるのなら、イラクはオバハンが長年住んでいるパーキスターンより裕福な国だ。

■□■2004年01月21日(水)■□■
霧雨のごとく静かなシトシト…降り、日一日と春めいている。
台所に2〜3日置いているだけで白菜には花がつくし、からし菜にも大ぶりな黄色の蕾。毎冬は、マイナス気温日が一週間はあるというイスラマバードなのに、今冬のところただの一度もマイナス気温にはなっていない。アフガニスターンでも、これまでのところ雪が少ないというから、旱魃から抜け切れていないのかもしれない。

今月16日〜21日の予定で、『世界社会フォーラム』というのが、インドのムンバイで開かれている。社会フォーラムは、21世紀最初の年、2001年に世界経済フォーラム(ダボス会議)に対抗し、グローバル化に反対するフォーラムとして出発した。今年は国外からの1万人を含め、計7万5000人が集まると予想されていた。本日はその最終日、アメリカ帝国主義のいろいろな事柄に対して反対する決議が多数出されたと、当地の新聞にも報道されている。もっとも敵国インドでの開催だっただけに、パーキスターン人の参加は極めて限定され、パーキスターン人に対しては、僅か6団体にしかビザが下りなかったとも報道されている。

日本からの世界社会フォーラムへの参加は、いままではきわめて限られたもだったというが、新しい発展をみせようとしているこの運動に、世界的に見ても発展している?日本の大衆運動が参加することは、大きな意味があるといわれているらしい。

ブッシュによる本年度の施政演説は、「国民を守るために、テロには先制攻撃で強い姿勢を示す」と。ブッシュから見たら、あるいは欧米から見たら「テロ攻撃」に見えることがらも、テロ攻撃側から見たら「我慢に我慢を重ね、これしか欧米に対抗する手段がないから」。そしてテロ側には彼らなりのキチンとした理由付けがあることを、欧米も日本政府も認めたくはないようだ。
昨日も書いたが中東のアルジャジーラTVだけではなく、当地の新聞も「日本は第二次世界大戦後より守って来た、憲法9条を初めて破り、イラクへ兵士を送った」と報道している。アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの連合軍の一員として、「戦闘部隊」としてしか見られていないようだ。
公明党の神崎代表は、サマーワへの視察でオランダ軍司令官に「嵌められ、安全だと思わされた」との情報が、一部のメルマガで飛び交っているのをご存知なのだろうか?日本政府から許認可を貰わなければならないTV局や、大新聞と異なり、911以降に見られるフリーの報道人による現地からのニュースは現場が見えるだけに、貴重だと思う。

■□■2004年01月20日(火)■□■
イスラームの大祭、今年の犠牲祭まで2週間、郊外には家畜が運ばれて来だした。家畜たちは牧草をいっぱい食べ、気候も良いところからコンディションは良さそうで美味しそう…。
日本では狂牛病だの、鶏インフルエンザだの、鯉ヘルペスだのとかしましい。発展途上国のパーキスターンなどにも、もしかすると、これら狂牛病などの病気があるのではないだろうか?と、勝手な推測をしている。それらは絶対にないとはいえないだろう。しかし、生まれた時から不衛生な環境で暮らし、雑菌に囲まれている当地の人間は病原菌にも強く、免疫や自然治癒力が日本人に比べても圧倒的に高いと思う。何よりも、やたらめったら薬に頼らないことから、日本のように新たな耐性菌との追いかけっこになっていないことが救いかもしれない。
鶏ウィルスなどは海外から持ち込まれた「菌」と推測されているというが、衛生的に暮らしすぎ抗菌グッズや薬に頼り過ぎる生活は、ホモサピエンスとしての能力低下をまねくだけではなかろうか?
花粉症などのアレルギーも、寄生虫がいなくなったことが原因だとも…?汚くて死んだ話しは聞かない!とにかく日本の清潔度は、オバハンには異常としか思えない。

自衛隊がイラク入りをした。
石破長官は連日のように「詭弁」を堂々と繰り返している。最近では石破長官が何をコメントするのかと楽しみなくらいだ…。とはいえ愚弄されていながら、一丸となって政府に当れず、手も足も出ない私たちも悪い!
自衛隊がイラク入りをしたことで、中東のTVアルジャジーラなどは「第2次世界大戦以降、初の政策の大転換をして海外に派兵(派遣ではない)をした!」と騒いでいる。
崇高な目的意識を持って、喜んでイラクへ行く自衛隊員もアルだろうが、命令一つで行かさたとの思いを持つ者にとってはかなわんと思う。かって95年代だったか?、セルビアで120人からのイギリス部隊が誘拐されたことがあった…。とにかく自衛隊員の上に人命にかかわるような事故がないよう、行かされた彼らのために祈っている。

■□■2004年01月17日(土)■□■
冬至から早くも1ヶ月になろうとしている。たった3〜4日間イスラマバードを留守にしていただけなのに、空気に温みが感じられる。しっとりとけぶる春雨のせいで、ブーゲンビリアなどの庭木が一段と成長。また小雨の合間に梢の上を舞う薄緑色のインコが羽虫を追うらしく、ツーイ、ツーイと軽やかに飛んでいるのが、食卓越しに眺められる。

昨日までは、雪の北方地域の中心地ギルギットで縫製教室や、識字教室の先生方と本年の打ち合わせをしていた。
生徒たちの作品はこの半年で、さらに目を見張るばかりの出来具合で、商店に並べても充分な見栄えになっていた。否、デザインも色の組み合わせもセンスが良く、服装に関心がまったくないオバハンですら「こりゃぁ、いいセン行っている…」と、感心してしまった。アフガニスターンの縫製教室では、まだまだ形ばかりに拘って、作品の裏にまでの気配りが出来ていない。それから思うと、ギルギットの縫製教室の作品はその数段上を行く。やはり、生徒たち自身の精神的な余裕のせいかもしれない。アフガニスターンでは、3ヶ月で初級コースの修了だが、ギルギットでは1年間という長い時間をかけて作業を習得しているので、その差も歴然と出ている。
今月末からはイスラームの大祭。この2ヶ月間で晴れ着を40枚余りも縫い上げ、6000Rsも稼いだの!と、頬の赤い修了生から報告を受けると、単純なオバハンは、もうそれだけで嬉しくてしょうがない。

国連の指導による、成人女性のための縫製・識字教室が、ギルギットには4つあったが、昨年に2教室が閉鎖され、今月はさらに2校が閉められると。お金だけを出してローカルスタッフに任せ切りでは、なかなか難しいものがある。が、オバハンもソロソロ、アフガニスターンへ行かなくては…。

■□■2004年01月11日(日)■□■
一日おきに晴れたり曇ったりで、きょうは快晴の日。マイナス気温にはならないが、それでもキーンと冷たく澄んだ朝の空気の爽やかさ、背の高いユーカリの樹の上に朝陽があたると、たちまち澄んだ大気に眩いばかりの息吹きが感じられ、「さぁ起きるぞ!」と気合が入る。なのに、今朝から何度も停電、気合が削がれることはなはだし。
年末から連日のように自衛隊のニュースだが、日本という国の不思議さは、国民の将来にとって物凄く大切な法案などが通りそうな時、物事を良〜く考えなくてはならない時、重要な事態の時に限って必ず、白装束集団のパナウエーブとか、SARSや狂牛病などの人心を煽り立てるような報道で、肝心要のことがボカされる。それが政府の報道機関に対する指導でなくて、何であろうか!!

おまけに昨日の習志野自衛隊演習所(というのかな?)における、石破防衛庁長官の演説、詭弁そのものではないか!!
「リスクを負ってでも、やらなければならないこともある。守らなければならないことがある。また世界中にいる困窮している人は、幸せになる権利を有している…」という意味合いだったので、確かにその通りだとオバハンも、その言葉にだけなら意義を申し立てない。
しかし、今回の自衛隊派遣に関しては、本当にそうだと思えないから、何もならないと解っていながらもパーキスターンから騒いでいる。そして石破長官の昨日のそれは、自衛隊々員を前にしての「詭弁」だとオバハンは断言する(とは言うものの小心者のオバハンは、もし勘違いなら申しわけないと思い、もう一度シッカリ確認しようと次ぎのニュースでは、ペンを用意して待機したが、海外向けのニュースだったのか、その後は放映されなかった…。海外向けと国内向けで「都合の良いこと」を使い分けているところが、民放でないTV局の親切というか巧妙なところだ。)何度も書いているが、イラクとアフガンの国力の差を直視したら、何故イラクへの派遣か??と、誰でも疑問に思うだろう。日本政府の言う人道支援が単に日米同盟のくびきから離れられない、国連活動の枠組みから外れていることが、詭弁を弄していることが解ると思う。(「気まぐれ通信」の12月半ばを参照のこと

知り合いから、「自衛隊の派兵規模や派兵日程が、報道される度にコロコロ変更になり、そのつど福田官房長官が訂正。自衛隊員は、変更の度に受け入れ先である外国の軍関係者に平謝りで連絡に追われているとのこと。こんなことでは、国際的な信用を失い誰からも相手にされなくなる…と危機感が強まっているらしいですが…。」とのメール。
自衛隊員にも生活がある、この不景気なご時世に自衛隊を辞めたら、たちまち生活に困るだろう。しかし、イラクへの派遣を拒否する人が10人ほどいて欲しい。海外の戦地へ派遣されても良いことを条件に、自衛隊隊員になったのではない!と、大きな声を出して欲しい。行きたくないから…と、ヒッソリ後ろめたい思いで辞めるのではなく、正々堂々と「声」を上げて欲しいと思う。
その人たちの再就職先を、「平和団体」が保証、あるいは雇うということで、10人も出てくれば…、世論に風を吹き込むことが出来るかもしれない。

■□■2004年01月09日(金)■□■
早々と週末の礼拝日がやって来た、晴れあがった空のしたにスイトピーがすくすく伸びる。郊外では菜の花が咲き出したし、晴れた日には一日毎に陽射しが春めいて来たような気もする。北海道や東北地方は大雪だというのに、こちらは後少しで庭木の植え替えが出来そうだ。

ブッシュに続いてブレイアー、そして今度はオランダの首相が電撃でイラク入り、サマーワを訪問。そして曰く「常に危険なサマーワで、困難な任務に励む兵士の皆さんに期待し感謝してる」と。首相の激励をTVで聞きながら、日本政府とオランダ政府では「危険と安全」の概念というか、受け止め方が違うのだと感嘆。サマーワに対する日本政府の受け止め方、調査結果は「安全」だったからこそ、小泉はサマーワへの自衛隊派遣を決めたのではないのか。「安全」を見極めて送ると、言明し続け、派遣決定したことを忘れてもらっては困る。
もっとも、派遣する自衛隊員への激励式では、そんなことを忘れたかのように堂々と力強く、「決して安全とは言えないサマーワへ行く皆さん…」と、式辞を述べていたから、日本語能力が高くないと、見うけた。
しかし、自衛隊員の「安全には万全の措置を講じている」というから、治安の悪いところで生活する日本人には、それを参考のために是非教えてもらいたいと思う。政府は過酷な訓練をしたから、あるいは十二分な注意を払って行くからと自信のほどを見せるが、だからといって事故が回避出来るものではない。

イラクへ行くメディアの訓練というのにも笑えた。
何でも、知らないよりは知っている方が良い。しかし、イラクへ行ってもアメリカ政府やアメリカのメディア追随、日本政府からもアメリカと同じ視点からの報道しか許されていないような日本のメディア取材なら、大金を使って現地取材をする必要などまったくない。CNNやBBCなどに任せて、そこからの垂れ流しで良いのではないか!
911以来、日本のメディアは、日本政府の対米従属の体制を支える方向に進んでいるが、この主体性をなくした急速な動きは何なのか?「本物のジャーナリストよ、出でよ!」」と、ド素人のオバハンが叫ぶ。

何度も言うが、今回の自衛隊派遣は、国連の活動にも認められていない。今までのPKO自衛隊海外派遣と根本的に異なるものだと、声を大きくして言う!自衛隊のイラク派遣反対!!

■□■2004年01月08日(木)■□■
1ヶ月ほど前からパソコンの調子が極悪、送信しても相手に届かず、頂くメールの多くも届かないというありさま。送信後に確認、『Sent』トレイにキッチリ入っているので安心!と思っていた…。しかし、それが何の安心にもならないことが最近ようやく判って来た。年末から年始にかけてたくさんのメールを頂いたことと思うが、頂いたメールには必ず(短くても)返信をしているので、オバハンからの返信がない時は、それはオバハンのPCが役立たずだと思って頂きたい!!
しかしPCに弱いオバハン、今後どう対処するべきか??

本日は久しぶりにトリプル・パンチ、連ちゃんでノックアウトされた!!
アフガニスターンでのローヤ・ジルガが終わったとはいえ、治安がイマイチの上、カーブルからパ国境までの陸路上には地雷が仕掛けられたらしい…と、聞いてしまえば、超怖がりのオバハンなどはもうカーブルまで走れない。知り合いの記者たちや専門家も本当か、ウソか確認が出来ないだけに要注意と騒ぐ。特に年末だったか、パ国境からジャララバードの間で地雷撤去団体の車が襲撃された…なんてニュースには、しばらくは走るのを止めようと思ったものだ。オバハンも事故防止のために細心の注意を払っている、しかし、事故は細心の注意にもかかわらず、起こる時は起こる。
そんなわけで、最近は観光客もなく静かな事務所でケイコさんや、6匹の犬たちを相手にノヘノヘ遊んでいるだけ。寒くて庭でノンビリ草木を愛でながらのコーヒーもかなわず、部屋にヤマのような本を持ち込み、連日読書三昧。全力疾走しているか、ひたすら読書にふけるか…どちらかしかないのがオバハンの生活だ。
しかし、ようやく知り合いから「相談事」が持ち込まれた!超お節介なオバハンの出番と張り切ったが、話し自体は「ガイドとねんごろになり、騙された!」と良くあることなので珍しくもない。ただ、パーキスターンの不景気を反映してか、もしかしたら観光会社ぐるみでの「結婚詐欺か??」と思えるもの。
言葉の通じない女性が日・パ旅行社に頼みたいと言ったにもかかわらず、ガイドは「日・パ旅行社のオーナーはレズだから、女性が1人で行くのはアブナイ、やられてしまう。その上、NGOの金を使い込んでいて当局から睨まれている。評判が凄く悪い会社だから行ってはダメ!」と。オバハンはサドマゾだけではなく、レズでもあったのか…。
大昔には若い女の子(といっても30歳くらいだが)が3人ほど出入りしていたら、こともあろうか在パ日本大使館の、超仕事をしないので有名な小役人から「売春斡旋」をしてるではないかと、アチコチ聴き回られた。仕事をしない人だったから、もしかしたら自分自身が恩恵に与かりたかっただけなのかもしれないが、まぁ、まったく言葉がない。

言っては悪いが、とにかく中年女性の一人旅は怖い!
オバハンも何度も巻き込まれ、痛い目にあった。以来、ウチではガイドの家庭破壊につながらないように、また若いガイドの一生を誤らせないようにと、仕事や調査などハッキリした目的がない一人旅の女性はお断りしている。
自分自身のことしか見えない、快楽を求めることしか知らない最近の多くの日本人には、自衛隊派遣の本当の意味するところも、貧富の差がますます強くなって行く日本の将来にも興味がないのだろう。今に、それらはすべて自分たちに振りかかって来るというのに…。

ふたつめは一人旅の女の子。パーキスターンに来て言葉も不自由ではないと(たぶん)自信があるのだろうか。でもオバハンなどから見れば隙だらけ。ご本人は男物のシャルワールを着て、男のようにショールを頭に巻きつけ男のつもりかもしれなないし、粋に装っているつもりかも。しかしバスの中でザックを切られ、帰国直前には引ったくりに遭ったと、短時間の旅行で二度も被害に遭ったことを聞いて、さもありなんと納得。男の側から見れば、ちょっと手を出してからかうか、困らしてビックリさせたいと思う女の子。ご本人がオバハンたちのお節介な注意にも「ハイ、ハイ、解っています…」と、超軽く受け流すだけなので、若さにも勝てないとノックアウトされた。オバハンは繊細なのだ!

三つめは夕方に、やはり中年女性。アンタら人生をなめるナ!…と、言いたい。

■□■2004年01月05日(月)■□■
曇天、時折は小雨で、終日夕暮れなみの暗さ。
1週間前の早朝、SORAスタッフへの指示と給料の支払を兼ねて、アフガン国境の町トルハムへ出かけた時も、「いつまでたっても夜が明けない?いったい何なの?」と、車の中で身体を横にしたまま、薄目をあけて車窓を眺めていたが、ついに7時半になり、インダス河とカーブル川の合流点で身体を起こすと、なんと視界が30mの濃霧。インダス河にかかる橋は濃霧につつまれ、今までに見たこともないような幻想的というか、SF的な映画の世界に取り込まれたようで恐怖感を覚えた…。前後左右上下が薄ボンヤリと浮かぶ中で、目の前の吊り橋アーチを空中浮遊でもするように、ソロソロ走る気持ちの悪さ。きょうも、きっと吊り橋は濃霧につつまれていることだろう。

予定では、本日のイスラマバードでの空港離発着は通常通りということであったが、南アジア国際会議の影響らしく今夜出発の東京への便は26時間遅れとか。会議中は連日のように、定期便の離発着は政府の指示で朝令暮改。この「朝令暮改」なるものは日本人には到底理解が出来ないらしく、非難ゴウゴウ。だからと言って一般国民が何とか出来ることでもない。日本のように消費者が最優先ではなく、すべて国家(政府)による強権発布が不思議ではない開発途上の国々だからこそ出来る。そして、そうした価値観で生きている国々や人々がいることを理解するべきだろう。「郷に入れば郷に従え」と何かの折には聞かされながら、何時までたっても自分の価値観を引きずって文句や不平不満を言ってもキリがないというものだ。南アジア国際会議、これから7年毎に廻りめぐってくることに留意して対応を考えなくては。

■□■2004年01月03日(土)■□■
昨夜の12時から大通りと、空港から会議場やホテルへの道路が全て封鎖された。
会議場から2km以内は全部がレッド・ゾーン。今朝は6時〜夜の11時まで空港も使用禁止。大通りに面したレッド・ゾーン地区内の事務所は休むようにと、政府からお達しがあったとかで、思わぬ連休に大喜びしている人々もいる。ウチはスタッフに休みの通達を出さなかったので、真面目なスタッフたち全員が来れるところまで乗合で来て、後は歩いて来たと。休みのつもりで本を自室に持ち込み間食いっぱいでゴロゴロ、ついに胃薬のお世話になるグータラなオバハン。

木曜日の国会で、ムシャラフが正式に大統領として2007年まで座につくことが承認された。承認選挙では1170議席中、賛成658、反対1、欠席336、棄権175ということで、上院と下院、パンジャーブ州、シンド州で過半数をみたものの、北西辺境州やバロチスターン州では25〜30%が賛成で、後は欠席や棄権が目立った…。
1999年の秋にクーデターで国家最高指導者に就任以来、数々の困難を綱渡りで回避して来たムシャラフ大統領だが、国民の支持率も今いちでオバハンには残念でならない。
言っては悪いが、アメリカさんのおっしゃる錦の御旗のような、民主主義を標榜して来た、今までの腐敗極まりない政府よりは余ほど良い。もっとも、真剣にビジネスをし、金を儲けようとしている息子などは「窮屈でしょうがない!」と嘆く。オバハンのようにビジネスには関係のない者は、腐敗した前政権よりは、幾ばくかでも規律のある現政権。そして自主独立の気概があるムシャラフが、パーキスターンを今しばらく率いてくれることを願っている。

■□■2004年01月01日(木)■□■
天窓をおおう斜めのガラスに雨が流れ、ガラスの外ではブーゲンビリアの垂れ下がった葉先から滴が落ちている。大玄関にかかるレンガのアーチの合間からは暗い空が覗き見られる正月。1年の初めとしてはまったく、ふさわしくない朝。
2004年新年、しかし元旦といえども、ここパーキスターンは平日で平常勤務。1月3日〜5日までイスラマバードでは、南アジア国際会議。正月テロもさることながら、インドからはバジパーイ首相も来パとあって、街は戒厳令なみの警戒になるらしい。会議場に近いオバハンの近所では、道路はすべて封鎖になるだろうと言われているので、3日分の食料品の買い込みなど、新年早々から心せわしい。