サンクスギビングデイ通信


「感謝祭」、サンクスギビングデイは毎年十一月の第四木曜日。
  
 この日から週末を含めた四日間は日本のお盆休みのような
アメリカ国民大移動があります。
アメリカ中の学校、会社はもちろんお休み。
それどころかほとんどのお店も閉ってしまうので、
その前にアメリカ中の家庭はめいっぱい食べる物を買い込みます。


史を学ぶ
ぜ、十一月の第四木曜日なのか?



カウントダウンサンクスギビングデイ

ハロウィンの大騒ぎが終わり、十一月になると各グロッサリーストアの
食肉コー ナーにはごろりごろりと冷凍のターキーの塊が並びます。
それぞれ5kg〜10kg、 一家の大黒柱のお父さんやお祖父さんたちが
真剣なまなざしで肉を持ち上げて重さ をはかり、転がして形を吟味し、
おうち用の主役のターキーを選んでゆきます。  ターキーのほかに野菜、
缶詰め、お菓子の材料、そのほか一年中で一番沢山ごち そうを食べる
日の為に、めいっぱい食料品を買い込んで、準備完了!  
十一月の第四水曜日の午後からは、勤め人達が大急ぎで職場を
後にします。 その晩のインターステーツ(高速道路)は全米中で
大渋滞、皆徹夜になっても故郷 を目指します。  
そして当日の朝、お母さんは朝の六時に、下拵えしておいたターキーを
オーブン にいれます。
テーブルの準備をしながら六時間、焼き上がるとちょうどお昼です。
なんとしてでも孝行息子、孝行娘達はこのお昼までには実家にたどり
着かねばなり ません。
さあ!サンクスギビングディナーの始まりです。
(ディナーは正餐の事なので昼でもごちそうはディナーといいます。)  
こんがり焼き上がったターキーを切り分けるのは、一家の主の役目。
長いカ−ビングナイフを使って、しっとり焼けた肉を削いで皆に
振る舞います。
ターキーには黄色い塩味のグレービー、またはルビー色の甘い
クランベリーソースを かけて頂きます。 ターキーのおなかにたっぷり
つめこんだスタッフィング(細かくして味付けした野 菜、パン、ライスなど)は、
肉汁が滲みておいしい付け合わせになります。鳥一羽 ですが一石二鳥。  
そして、サンクスギビングデイといえばパンプキン!
ハロウィンのカボチャ提灯は食べられない種類ですが、秋になって出回る
カボチャ はオレンジ色でほくほくして、とてもおいしい種類です。
ナツメグ、シナモン、それにジンジャーをおもいっきり効かせた
パンプキンパイは、 サンクスギビングデイになくてはならない甘い主役です。
そのほかそれぞれの家庭での定番プティングやケーキ、飲み物にフルーツ、
あふれる程のごちそうを囲んで、家族一同が食べ物を与えて下さった
神様に感謝を捧げる、 これはそういう、祝日なのです。




ノーサンクスギビングデイ  

私は以前、何の準備もなくサンクスギビングホリデイにワシントンD.C.に
観光に 行った事があります。皆田舎に帰って、すいているだろうと思って。
そしたら、恐ろしい事に。
町中のレストラン、ファーストフード、コンビニ、
はてはホテルのコーヒーショッ プに至るまで、ことごとく閉っていたのです。
飢えて死ぬ〜、と呻く連れに、私は最終手段を提案しました。 
  「今日はサンクスギビングデイだから、教会でホームレスの人達に
ターキーを振る 舞ってくれるはずです!」
ああ。私達には神の御加護すら無いのでしょうか。
結局、唯一開いていたドラッグストアを見つけてハムの缶詰めとパンを買い、
ホテ ルの部屋でサンドウィッチを作って飢えをしのぎました。
店が閉っていたのは当日一日だけで、
翌日からは都会のバラエティに富んだ食事に ありつけましたが、
徹底していたなあ。皆食料を買い込んでいるわけですよね。
死ぬかと思った。



お天気猫やTOP * 季節の扉