あ と が き
益田君の見た「薬屋」の謎はこれでおしまい。
長々とおつきあいいただき有難うございました。
蛇足。この数年後、日本国内で採取した放線菌から、梅澤濱夫博士が強力な
新型抗生物質「カナマイシン」を発見します。(名前に菌採取地がついていますね。)
もちろん土壌細菌から作られるのは抗生物質ばかりではありませんが、
例の「伊豆の物件」との絡みもあるし。
さて、「宝」の正解者は「土中の細菌を抽出して創薬」とお答え頂いた「狛犬」さん!
勝手ながら薬屋の名前に借用させていただきました。あまりにもお名前が
ぴったりすぎるので変なキャラになりましたがお許し下さい。
(「免疫抑制剤」いいですねえ。魍魎以上に変なモノが創れそう。
「筑波の土」ってところもいかにも霊験ありそうで。)
ところで私(ナルシア)の実体験というのは何か、といいますと実は、
…朝靄の中もくもくと土を掘る謎の人々を「目撃」したのではなくて、
…「見られた」側だったのです。
そうです、私が「薬屋」のひとりです。
あああっ、逃げないで。これももう「昔の事」だから。
本人達にはれっきとした理由があって真剣にやっている事でも、事情を知らない
人から見たら相当「妙」な事ってありますよねえ。
(研究室の皆で遊びに行ったりすると、旅先で早朝こっそり試料採取をしては審査
グループの「おみやげ」にするのです。そーとー怪しい集団でした。)
自分達の事を京極堂達の年代設定に無理に合わせているうちに、
やたら話が長くなってしまいました。延々と説明ばかりで申し訳ない。
戦時中、帝国陸軍がペニシリン開発に力を入れていたのは本当ですが、それ以降の
「スクリーニングプロジェクト」は私のでっちあげです。でっちあげついでに京極堂の
研究所時代のオリジナルストーリーまで思い付いてしまったので、
お嫌でなければまたそのうち「神の薬屋〜番外編」を…うーん、どうしよう、
やっぱりやめとこうかなあ。
なお、この話に出て来る実在した団体及び架空の個人名は、私(ナルシア)が勝手
に使わせて頂いたものですのです、御了承下さい。
1998年11年
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