カモミールの蜂蜜
 

五月の緑と花の彩りあふれる花壇を廻って、
一面に咲きこぼれる可憐な姿のカモミール。
これこれ、ずっとこれがやりたかったんです。
白い細かな花弁とこんもりと丸い黄色の芯、
柔らかい羽の形の緑の葉、心休まる林檎の香。

小さな花弁がまつげを開くように、
毎日毎日新しい花が咲き、
日に日に黄色いボタンのような芯が
盛り上がってきて卵型になったら摘み時です。

普通ハーブはいくら花が可愛いくても
葉を良い状態で収穫する為に開花は避けるものですし、
花を収穫するものでも多くは香りを失うのを怖れて
蕾のうちに収穫してしまいますが、
カモミ−ルに限っては花が開いてから成熟するまで
長く花の姿を楽しめて、言う事ありませんね。

毎日摘み頃の花を探して、茎をつけないように
花を首から摘んで、さっそくいただきましょう。
理想の収穫時は朝露の乾いた時分だそうです。

カモミールのお茶のいれかたは
「かみつれのお茶会」の項を御覧下さい。

今回はお手軽な「カモミールの蜂蜜」の御紹介です。
 
 

  *カモミールの蜂蜜*
 

カモミールの蜂蜜といっても蜜蜂にカモミールの
蜜だけをを集めさせるのは至難の技なので、
蜂蜜にジャーマンカモミールの花を漬け込んで
香りを移します。
蜂蜜には、蓮華やアカシア、クローバー、オレンジ、
ミモザなど、それぞれ蜜を集めたもとの花の香りも
持っていますが、そこにカモミールの林檎のような香りが移ると、
こっくり重い蜜の香りがメロンのような
華やかな香りに変身します。
朝のトーストやスコーンにつけたり、紅茶の甘味に。
生の花は日持ちがしないので、
二日くらいで食べきるくらいに少しずつ作りましょう。
 

  *作り方*
 

ジャーマンカモミールの花をガラスの器に入れ、
花が浸るくらいに蜂蜜を注ぎます。
すぐ食べるときは花を軽くつぶして、花ごといただきます。
翌日まで漬けておくときはときどき混ぜて。
ガラス越しに見ていると、カモミールのエキスが蜂蜜に
溶け出して、さらさらになった層が出来ているのが観察できます。

同じ頃に咲いている小さな淡ピンクのタイムの花も
蜂蜜にはよく合って、カモミールと一緒に混ぜると
味に深みが出て見た目も可愛いですが、
タイムだけの場合はやっぱり香りの華やかさで
カモミールに勝てませんね。

取り出した花に熱湯をちょっぴり注ぐと
おいしいハニーカモミールティー。
 

  *おまけの化粧水*
 

蜂蜜を食べてしまったあとの空き容器に
清潔なミネラルウォーターを少し注いでゆすぐと
良い香りの保湿化粧水ができます。
濃いままの蜂蜜はべたべたして肌がかぶれるので、
かならず水でさらさらに薄めて肌に付けて下さい。
 

フレッシュが手に入らない時期には
ドライカモミールでも作れます。
ドライは成分が濃縮されているので、お茶と同じく
量を控えめに。

葉っぱの香るローマンカモミールの花は
薬効が高いですが、そのぶん薬のような苦味もあるので、
風邪の治療の時以外はジャーマンカモミールの花を
使ったほうが食べやすいものが出来ます。



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