おもちゃチューンライブレビュー

 

Sharaでのオリカンオーディションライブレポート

この日、オリカン主催でオーディションライブってのが
あって、早速うかがったわけです。
対バンバンドのレッドミラージュさんがオリカンの偉い方と念入りに打ち合せ。
バクチクみたいな頭に、鋲付き革手袋の気合入った人が、ネクタイ眼鏡七三分けの方と、YOSHIKI系の黒ドレスで長髪の男性と三人で話されているのが印象的でした。

2000年2月17日(木)、四谷フォーバレーにて
あっきー先生率いる姉弟ユニット、Sorella Cucila(ソレッラクチラ)のLive レビュー

たまには更新しないとやばいんで、更新しますね。ソレッラクチラのレビューなんですけど、あっきー先生がボーカルであっきー先生の弟さんがギター。

小沢健二さんのファーストアルバムのギュインギュイン歪んだ音がシンセじゃなくてエレキギターだって分かったのが、弟からパチってきたエレキをエフェクター(MU80)につないで音出してからなんですね。それまで、ギターであんな音が出るなんて知らなかったし、ギュインギュイン鳴ってるのさえ聞こえてなかった(恥)のですが、調度そういう感じの多少サイケな歪んだギターをあっきー先生の弟さんが弾かれてました。

「TECHNO PLANS 12」
2月12日(土) OPEN 18:00 START 18:30
場所 秋葉原CLUB GOODMAN
出演 DORF、4U、FU MIDI SYSTEM、花綵の舞台、おもちゃチューン

たけさんの高校時代の友人さんにお会いしました。「学生時代から変わってない」というコメントが、だろうなと説得力ありました。

ロックの肉体表現ってのについて考えさせられましたね。デザインフェスタ行った時もそうだったのですが、クオリティーの高い音が出てる打ち込み音を無人で垂れ流してるブースより、クオリティー低くても人が居て生演奏してる方が人が集まってくるんですね。人はそこに音楽でなくコミュニケーションを求めて集まってくるわけです。そうなった時にどんなメッセージ=歌詞を伝えるのか、その人=ルックスが伝えた時、そのメッセージは説得力があるのか?ってのが、打ち込みになることで余計に要求されるという状態ですね。

9月9日Sahaにてライブ!

私は残念な事に遅刻をしてしまい。たけさんの新バンド「ぱすてるCorp.」を観れなかったのですが、みれた方で、このHPご覧の方・・ほとんど居ないと思いますが、ライブレビューください!

今回はオリカンhttp://www.orikan.comさん(ネット上でのアマチュアミュージシャンの育成と音源の公開、人気投票をやってるHPですね)主催のライブだったのですが、5バンドの競演で遅刻のため私が観れたのは2バンドのみ、ミットランドさんとSPAREMITE(スペアマイト)さんのライブなのですが、

2バンドともギタリストの方のクオリティーが非常に高く、少々驚きました。だって以前オリカンさん主催のライブで「これがいまうちの一押しの子」と言われ、みせられたポスターは「水商売の女の子が服脱ぎました」みたいな奴で、「ああ、そう」としか思わなかったし、たけさんの対バンバンドはビジュアル系だし、HPの音はプチプチ音切れて音質悪いし、最悪だったのですが、少しづつHPで音を聴く環境が整ってきてるって感じでしょうか。

ミットランドさんはドラム・ベース・リードギター・ボーカル兼リズムギターの4人構成で、自ら「普段着ロック」とおっしゃられるように服も歌詞も普段着、薄汚れたTシャツと汚いチノパン。音はアメリカの土着的なアコースティックギターサウンドで、ウエストコーストに、なるのかどうか分からないけど、新しくもなく古くもなく普遍的なギターを聴かせてくれてました。

ちょっと思ったのが、服も真っ白なTシャツでなく、あえて普段着ている薄汚れたTシャツ。歌詞も特別なことがなにも起きない・・・仕事して働いて家に帰ってきて寝る・・・みたいな、ごく普通の日常を歌い、音もアメリカンではあるんだけどどこか土着的で洗練されていないやや肉体労働者よりの日常で、そのShow Upされてなさ加減が、良く言えばリアル、悪く言えばダサい。良いのか悪いのかが微妙な感じで成り立ってましたね。

有名なバンドで言うと、ホフディランよりはかっこいい、真心ブラザーズ辺りに近いのかなぁ。ひょっとすると、ブルーススプリングスティーンに近いかもしれない。アメリカンな音で肉体労働者の日常を歌ってるって部分で。なんか週末町田で路上演奏されているらしいので、もしよろしければ探してみてください。って感じで。

スペアマイトさんはですね。ミットランドさんの演奏中、明らかに次出演するバンドのメンバーだと分かる集団、おそろいのオレンジのつなぎを着た人達が居て、そのうちの1人の方がオレンジのサングラスをかけてて、明らかにHideさんのコスプレなんですね。「やだなぁ、またビジュアル系かよ」と思ったのですが、ギター持ったらやったらめったら上手い。アレは納得です。

ライブの頭にオリカンの偉いさんがマイクを持って「いまうちの一押しだ」としきりに説明。「人気投票で一位になった」「スカイパーフェクTVでライブをやる」「ラジオにも出る」「アメリカからも声がかかった」まあ、オリカンさんの熱の入れようは分かるのですが、客席に背中向けてしゃべるのは、どうかと思いました。

SPAREMITE(スペアマイト)さんのメンバーは男性4人女性2人計6人。キーボード・コーラス兼ボーカルが女性で、MC兼ボーカル兼ギター、リードギター、ベース・ドラムが男性。全員そろいのオレンジのつなぎなのですが、女性は全員上までオレンジの服を着ずに腰に服のそでを巻いて上半身は白のTシャツ。MC担当の男性はつなぎの上から迷彩色のピタTを着て、ボーカルであることファッションで主張。リードギタリストはもちろんアクセントにオレンジのサングラスでギタリストHideのイメージを演出。と、そろいの服を着ながらもアクセントのつけ方も工夫され、非常に上手い演出。

MC・・といってもラップでなく、曲間のトーク担当の男性なのですが、もろプロのお笑い芸人のしゃべりなんですね。あの甲高い噺家口調は、1ヶ月やそこらお笑いを研究したところで、出来るもんじゃないです。しかも、ライブの始まりと終わりがラジオの構成になっていて、バンドでジングルを生演奏し、そのジングルに合わせてしゃべり、トークで笑いをとって客席を盛り上げてから(その間ジングルの生演奏はずっと続いてる)、演奏を止めずにトークに合わせてジャストのタイミングで曲に入る。あのShow UPのされ方は完璧にプロですね。自分達のラジオ番組を持つことを前提に練習してますよ、あれ。

ここまでだったら、よくある作られたアイドルバンドです。トークや司会の出来る人間をメインボーカルに持ってきて、全員でそろいの服着せて、ジングルの生演奏とトークのバックで循環コードの演奏。オレンジ色のつなぎはポリシクスか、有頂天か、でなけりゃダウンタウンブギブギバンドのパクリで、そうそうデビューしてすぐの頃の紳助竜介もあんな服着てたわ。安いわりに見栄えの良い服ってぇーと、似たようなのになるんだよなって話ですが、ギタリストがすごいんです。

ミットランドの演奏が終わって、スペアマイトのセッティングが始まったとき、ギターで試し弾きする音が、チョーキングで象の鳴き声(あの、パォーーーンってヤツね)や、イルカの鳴き声と、お遊び系、もしくは声帯模写系のギターを軽ぅーーくカマスんです。スティーヴ・ヴァイじゃん?なにコレ?とか思いながら、かなり正確な音声模写にマジビビリました。

一曲目始まると、かなりポップなハウリング音出てるんですよ。ハウリングを聴かせるバンドと言うとハードコアパンクかグランジ、もしくはメタル辺りをイメージしますが、そんなのよりもっとポップな、美しいハウリング音が出てるんですよ。しかもその音階が微妙に移行していく。これ、たぶんこうじゃないかなぁという話なのですが、ハウリングの音声模写じゃないかと。「いやいや、あれは本物のハウリング音だよ」とか「テープで録った音を流してるだけだよ」とか言われるかもしれないですが、おそらく演奏してますね。あのハウリングはすげぇー。まじで、あの音を出すギターの教則ビデオ欲しい。使ってるエフェクター(たぶんワウ)教えて欲しい。

他にも聴き所はいっぱいあったと思うんですけど、ハウリングの音声模写にマジビビって、それどころじゃなかったですね。すげぇーー音出してんなぁ。世の中にはすげぇー奴ってのが居るんだなぁ。ちゅう感じで。

今日、スタンスパンクスのライブのビラを渋谷で見ました。

「デザイン・フェスタ」にてライブ!
11/13(土)東京ビッグサイト西
デザインフェスタでのライブ。

会場が近づくに連れて
野外ライブをやってるバンドの音が
だんだん大きく聞えてくる。
ブルーハーツ!
聴いた瞬間誰もが思い出すこの音。
オリジナル曲をやっているのだが
余りにもブルーハーツに似すぎている。
少なくともHigh-Lowsより
ブルーハーツに似ている。
客席の女の子も
「ブルーハーツ?」
「オリジナルらしいよ」
「ブルーハーツ違うの?」
「ブルーハーツそっくりやん」
とブルーハーツを連呼するぐらいに
似ている。そしてカッコイイ。
でも、特定のバンドに似すぎているのは
アマチュアで人気を得るには手っ取り早いが
プロには絶対に行けない。
おもちゃチューンのライブが無ければ
その場でずっと聴いていたいが
そうもいかない。バンド名のみの
チェックして、その場を立つ。
バンド名は「スタンス パンクス」
名が体を表している。

野外会場から中に入り、
おもちゃチューンのイベント会場を探す。
ファッションショースペース
会場はスケージュールが押しており
おもちゃの前のイベントが終わる時刻も
おもちゃチューンのライブが始まる時刻も
約10分ほど遅れている。

やっと始まったその場所にはスタンドマイクが3台に
みるねさんとたけさんが二人。
しかし、たけさんのピカチュー姿は
こわいぐらいに似合っている。
バンド名の説明やメンバー紹介
マイクスタンドが3台なのに
ナゼ2人しか居ないのかといった
説明をみるねさんがマイクで始める。
たどたどしいなりに一生懸命なMC。

こういう場でバンド名や次回ライブの予定を
告知出来る出来ないの差は大きい。
歌は上手かったけどMCを一切やらなかった
もしくは出来なかったなっちゃんとは
この辺が違うのだと思う。

曲が始まってまず思ったのが
たけさんの生演奏。
もちろん打ち込みテクノなんだけど
パートの一部をたけさんが
当て振りでなく生でキーボードを叩いてる。
しかも右手でかなり細かく
コードを刻んでるんですね。

オケを全パートシンセで作れる以上
どのパートを生演奏にするかは
たけさん次第なんですけど。
普通、ギタリストでもキーボーディストでも
リードの部分を弾きたいわけですよ。
間奏時にソロかソロに近い形で
メロディーを奏でたい。
それが普通です。
でもたけさんの場合、リードは機械に任せて
自分はリズム隊に撤してるんですよ。
これが邦楽の精神なんです。
私はたけさんのこういう所に邦楽魂を感じるんですよ。

最初にシンセが出来た時に
白人・黒人系の方ってのは
シンセの刻むリズムの正確さに
感動してシンセをリズムボックスと
名付けたんですね。

でも、日本人とか黄色系の人ってのは
シンセの音色の新しさに感動したけど
シンセのリズムは非人間的だと感じたんです。
だから、日本のテクノやアイドルポップスってのは
リードをシンセにまかせても、
リズムは人間が刻んでいた。

シンセが出てきた時
外国のミュージシャンはこういう風に感じたんですね。
「正確なリズムを刻むための練習なんて
非人間的な練習をする必要がなくなった。
そういう反復的で機械的な動きは機械に任せて
人間はメロディーやリードを奏でるという
人間的で創造的な作業だけに専念すれば良いんだ」

でも、日本は違ったんですよ。
「リズムは人間が奏でた方が
人間的だ」と。

リズムを重要視するラップやレゲエ
なんかでも、
向こうの人たちはリズムボックスを
多用してるのに
日本だと例えば元X-Japanのhideなんかも
リードがシンセでリズムが人間という
録音方式をとってたりするんですね。

話がズレちゃったし、
洋楽/邦楽という
単純な二項対立に収まりきらない例も
(LIOっていうあまりにも邦楽的な洋楽もあるし)
いっぱいあるんだけど
たけさんが
機械にリズムを刻ませなかった。
そこに言いようの無い感動を覚えました。

しかも、たけさん左手で
スローなリードを奏でてる。
それも単音。

ひょっとすると、
バンドスコアなんかによくある譜面を
右手ギター、左手ベースに分けて
弾いてない?
リズムギターがコードを小刻みに刻んで
ベースが白玉で音圧を出してるという
でも、ベースは単音だから弾けるとして
ギターは6音同時に平気で音出すし
上から下まで2オクターブとかあるし
普通弾けないんだけど
出来る範囲でギター音出してるとか
・・・考えすぎなのかなぁ。

でも、普通、クラッシック&ポピュラーピアノ系
ヤマハエレクトーン教室出身の
ニューミュージックの人達
なんかは右手単音メロディーで
左手和音=コードなんだけど
あえて逆に弾いちゃう意味とか
流れ考えると左右の手に
ギター&ベースを振ったとしか思えん。

そうこうしてるうちに
みるねさんはステージで踊ったり
客席に掛け込んで
仰向けに倒れて寝込んだかと思うと
ジュース飲んで起き上がってまたステージへ
とパフォーマンスは続いている。

たけさんの話によると
このあいだのクリスマスライブの時と
四谷フォーバレーのライブ時
(両方ともぷろぴの〜る時代)では
同じオケを使ったという話なのですが

聴いてる側としては
クリスマスライブは高音ピコピコの
ニューウェイブで
四谷フォーバレーは重低音ズンズンの
ヘヴィロックな感じ、
原宿のデザインフェスタ会場だと
大音量を出しちゃイケナイ都合上
アンビエントな感じになるとか
会場ごとのミキサーや機材によって
かなり音の印象って変わるんですね。

今回の場合、
照明もミキサーも
全体に明るくニューミュージックな仕上がりで
昔のサイズ(Phy’sだっけ?)を
観てるような感覚に陥った。

おもちゃチューンってなんかこう、
ピコピコしてピカチューが居て
絵的にも音的にも
子供の頃みたファンタジーの世界
デパートの屋上で見た
ゴレンジャーショーだったり
遊園地で握手してもらった
ミッキー&ミニーマウスだったり、
駄菓子屋で集めた
仮面ライダーカードだったり、
ガチャガチャに入ってる
スーパーボールだったり
そういう子供だましに見られがちな中で
最高級品と思えたんだけど

ニューミュージック=20〜30代の
女性向のファンタジーの世界、
ティファニーの三連リングだったり
シャネル直営のブランドショップだったり
金髪のウエイターがメニューを持ってくる
イタリア料理店だったり
という中で
カラフルな赤や緑のシロップがかかった
最高級かき氷を出されたような
銀座のブランドショップの店内で
大好きなロボコンのガチャガチャを
見つけたとき思わず
「安ぽい」と感じてしまうような
微妙に何かこう複雑な
心境ってのはありました。
デザインフェスタオフィス

第1回ゲリラライブ
時:1999年11月3日(祝)16時から
場所:東京原宿デザインフェスタオフィス裏

行ってきました。遅刻したけど。原宿人多いし、デザインフェスタ場所わかんないし、道行く人に聞いてもTVで特集組まれてるわりに、みんな知らないし、そら地図の一つもないと迷うわあれ。で、行ったら行ったでお客さんは自分以外は二人のみ。と思ったらその二人はデザインフェスタのバイトの方でデザインフェスタを紹介するHPの画像と音(ようするに今回のライブ)を撮ってる最中。取りあえず話し掛けて、フライヤー配ってたら、外人さん3名加わってきたので、一応ビラを渡して、あと、近くでお好み焼き食ってた女子高生五人組にもビラを渡して、下手クソなナンパかましてきました。

外人さんが3名。日本語上手いんで日本人だと思って話し掛けたら違ったらしくて、一人はフランス、二人アメリカという構成。なんでも慶応大学出身らしくて、日本語しか話せない私は知ってる外国の固有名詞(ジェネレーションX・マックジョブ等)を並べるぐらいしか出来なかったのですが、「好きなミュージシャンはバート・バカラック」と言われて「ピーター・バラカン」と間違えるほどの天然入ってました。帰りにジャニス(レンタルCD屋)立ち寄ってバート・バカラックを調べたら、カーペンターズの「クロス・トゥ・ユー/邦題:遥かなる影」の作曲者でした。他に好きなミュージシャンで「トム・ウェイツ」と言われて、QJのニュージャーナリズム特集に出てた?ローリングストーンズ誌のライター?とか、変な天然ボケ入って日本語の会話すらまともに出来てなかったです私。

帰りには「ジャニス」に寄って、ジミヘンとオレンジジュースとジェフ・ベックとアルバート・アイラーと嶺川貴子借りて、店員さんに「フライヤー置いてって良いですか?」と聞くと「あのカゴの中だったら好きな所に置いてかまわないよ」と言われたので、ジャニス1&2におもちゃチューンさんのフライヤー置いてきました。前回、ベスト含めて2枚しかなかったLIOが急激に増えていたのがすごかったです。借りる人いるんだ・・。神保町ヴィクトリアの七階に行ったときには観てやって下さい。

8/5 グルーヴバトルの感想ですが、短く言うと
1、たけさんがルックス的にむちゃむちゃカッコイイ。
2、音色の選択はあまり上手く行ってなかったような気がします。特に始めのドラムの音。

ステージ上のたけさんの表情ですが、自分が記憶している中では、TSC=東京シンガーソングライターズクラブのクリスマスミニライブの時のキーボードの当て振りの時が、一番暗い表情で、嫌々やっているぽっかったのですが、今回のライブはいままでで一番良い表情をされていて、自信・貫禄がみなぎってる様に見えました。特に、グルーヴバトル時の表情は、客席全体を見回して、「余裕だぜ」って表情でプレイしてる姿がものすごくカッコよく見えました(内心ナーバスというのは意外でした)。

たけさんの表情でいうと、当て振りのときというのは、結構暗い表情の時が多くて、そういうパフォーマンス目当てのお客さん(例えば木棚ですね)相手にするのってヤダなって表情で(自分で勝手に想像しているわけですが)されていて、ギターやキーボードを演奏されている時はうつむいて、自分の手元ばかり見ているので、客としてはたけさんの表情を正面から見ることが出来ないですし、目が合う事もない。今回のライブ、特にグルーヴバトル時は客席全体を眺めて、堂々とプレイしててマジでカッコ良かったです。

音に関しては、音色の部分でちょっと不満はありました。一番始めのドラムの音が変に間延びして軽い感じでしたので・・あと、ラストでたけさんが次の曲に行く閉めに入ってて、みるねさんの着替えが終わってなくてアタフタしたとことか・・はまあ、たけさんの可愛い部分が出ててこれもお愛嬌だなと。

グルーヴバトルの音は、座って静かに聴くよりは、立って踊るための音のように感じたのですが、誰も踊りそうで踊らなくて、自分としても立ちたかったのですが、立つと、テーブルやイスがあるし、テーブルを倒しそうだし、でも、もろダンスミュージックなのに座って聴くのもなぁ・・。という辺りで。

どんなバンドのライブでもお客さんの参加をうながす曲ってのは盛り上がるんですね。XのX飛びとか、グローブだとライブの最後にやるウイ・アー・ザ・ワンの大合唱とか、でも、前回たけさんが対バンしたブライト・オール・スターズ(四谷フォーバレーでマンスリーライブとかして、結構メイン張ってたりする)の場合、ブライトのファンクラブの人=サクラを大量に入れて、一般の客にステージ上から「皆さん全員立ってください。この曲のここで、掛け声を入れてください。他は手拍子をお願いします。」とか言って、強制させ、かつ、客の参加をうながさない曲は普通にロックしてるのに、客参加の奴だけ手拍子や掛け声を入れやすく配慮したのか、にしきのあきらみたいなダサい音で・・・と、客参加の失敗例も見てるわけです。でも、グルーヴバトルは、たけさんが客席を眺めながら目があった人にジェスチャーで(ミキサーさんにボーカルマイクのボリューム上げるよう指示したようなしぐさで)立つよううな
がせば、ひょっとするとカッコイイ状態になるかな・・・と思いました。でも、踊るスペース無いんですよねフォーバレーは・・。

8/5 リバー・ライズ・マインド/ぷろぴの〜る/ブルーウイング/アンブレラの順で行なわれたこの日のライブ。リバーライズマインドは結構セミプロレベルまで来てて、関西では700〜800人規模のライブをする予定とか。池袋サンシャインのキャンペーンソングにも選ばれて、そこで五日間のイベントとか、来年は九州でもお祭りイベントに参加など、プロではないけど素人でもないというポジションの人達で、音楽的にはスピッツ・キロロ・ルクプル系ですね。雰囲気的にル・クプルが一番近いかな。ギター二人(一人は時々キーボード)と女性ボーカル。お客さんもかなり入っている(席が無くて半分以上の人が立ち見)。感想としては、自分にはあまり興味の持てないジャンルで、よく分らんのだけど、完成度は高い、けれどインパクトは無い。インパクトに関して言うとギターを聞かせるコーナーがあって、2本のアコースティックギターが非常にきれいに響いているのだが、聞いたことも無い様なフレーズ、あり得ない音ってのは無くて、まあ、きれいだけど普通だなって感じで。ボーカルもかわいいルックスの女の子で、MCも上手いし、告知もできるし、両サイドにアコースティックギター、真ん中にイスに座った可愛い女の子、ピンスポットが女の子にあたって、

「今日は、みなさんに言わなくてはいけない事があります。」

客席から「えーー何ぃー、どーしたのー」と声。

「それは・・・(で。また、ためる)私は昨日でまた一つお姉さんになってしまいました。」

サイドのギターの人が「おめでとう!」で、

本人「この年で祝われても嬉しくないよ」

ってなベタなトークと、マニアには、たまんねぇー「おねぇさん」って響き。70年代フォークのあの雰囲気ってすごい好きだし、サムシングエルスよりMC上手いなってのもあるし、でも、歌に入って「好き」「愛してる」「離れたくない」「さよなら」ってな歌詞では突き抜けないと思う。個人的には嫌いだけどニューミュージック系の歌詞ってのは感情を言葉にせずに、その感情が浮かんで来るような情景・シチュエイションを描くわけで・・で、資料探すがニューミュージック嫌いなんで資料が手元に無い・・例えば「夢工場」の「君を飛ばした午後」の場合・・って誰も知らねぇーなたぶん。おにゃん子クラブの男の子版で後藤次利作曲の・・って脱線しすぎ。「夏の日差しに抱かれた/君の写真眺めていたのさ/何故か淋し気な笑顔/いま初めて気付くフリをする」ってな感じの歌詞である特定の感情が起きるような状況を作っていくわけです。これ、そのものずばりで「君と僕とのすれ違いが切ないぜ」なんて歌詞にしちゃうとOUTなわけで、感情をそのまま羅列した様な歌詞じゃインパクトがちょっと。ギターの聴かせどころとしては、向かって右サイドの人がエレキで弾いてるのはカッコ良かった。ギターポップっぽいエレキに、左サイドの人がアコースティックギターで合わせてて、主役はエレキだけど、実はバックサポートのアコースティックギターが引き立て役やってっから上手く聴こえんだぜ!って感じが出てた。このバンドに関しては、おもちゃの公式HPで、たけさんの日記にも出てくるので要チェック!辛口のたけさんのコメントが読める。

リバーライズマインドLIVE情報(9/9 大阪ビッグキャットPM7:00〜  11/5〜7池袋サンシャインシティー「ウインターリゾート」イベント)


次のぷろぴの〜る。「出囃子でぷろぴの〜るからおもちゃチューンに名前が変わった事を告げ、メンバー紹介等をする」とたけさんから聞いていて、楽しみにしていたのだが、その出囃子、すげーカッコイイ音なんだけど、肝心の説明がボーコーダー入りまくりで聞き取れない。トランス・ビジョン・バンプ思い出しつつ、日本語に聞えないボーコーダーが終わるとぷろぴ改めおもちゃが出現。イントロが鳴り響き、みるねさんが登場。シャズナ張りの衣装もイカしてる。バックトラックに合わせてポーズをとるみるねさん、会場から歓声が起こる。が、ここが客席的には最大の盛り上がりだった。歌を歌い始めると、声が全然入ってない。たけさんはあわてて、向かいのミキサーに手を上げてボーカルのボリュームを上げるようゼスチャーで指示。多少ボリュームは上がるが、ボーカルの発声に強弱が付き過ぎて、もしくは絞った声が多すぎて、歌詞がまったく聞き取れない。動きやパフォーマンス(コンビニの袋からパンを取り出してかじる、客席にパンを投げる)が派手な分、その動きの意味を説明する歌詞が聞き取れないのは大きなストレスに成る。入場時に配られたパンフには、物語の説明が色々と書かれてはいるのだが、舞台のパフォーマンスとどうしても上手く結びつかない。音主体といってた割には、かなり演劇的で、サイレント映画を観ているよう(最近のサイレントはバックミュージックがついている)。歌詞を全部聞き取れる様にするか、歌詞ナシで動きだけでストーリーが分かるようにするかしないとかなりつらい。ネットで知り合った人が、じゃあ、ぷろぴのライブ行ってみるわっつって来てくれたりもあるんやけど、今回はマジでゴメン!こんなつもりじゃなかってんっ感情が沸いてくる。他の対バンバンドが今回すごく完成度の高い人達ばっかりだっただけに、おもちゃチューンの未熟さが目立つんだけど、インパクトとか可能性みたいなのは、なんだかんだ言っても、あったりする訳で。たけさんの音も、みるねさんの踊りも完成しまくってて、あとは歌詞さえ聞えたらってとこなんですけど。そう、最後のBIRTHDAY TUNEのサビは歌詞が客席に届いていて・・しかもマイク通さない生声・・そこはそれなりに盛り上がってたからなぁ。音を聴いてない人のために音楽的に近いのはどの辺かってぇーと、たけさんの作るバックトラックは、かつてのニューウエイヴ的なものからビッグビート=ケミカルブラザーズ的な方に行ってますが、これもちゃんと消化するとTWINS的な音になるような気がします・・何せたけさんですから。ボーカルのみるねさんは、歌う時はさねよしいさこ、セリフっぽいとこは、中島みゆきってことでしょうか?優しいファンタジックな発声と、キツイ感じのちょっとヒステリックでかつ和風な発声(朱雀の娘)を使い分けてました。おもちゃチューンの後のブルーウイングは女性ボーカルのハードロック、アンブレラは80年代初期の松田聖子って感じで。(以下パンフより無断引用)

おひろめ曲1,太っちょパンダのパン屋さん 2.ホラー256 3.LIGHT SONIC 4.しゃぼん玉使いのでし 5.マグネットゲーム 6.グルーヴバトル 7.朱雀の娘 8.BIRTHDAY TUNE


1/28 アトレ側でない方の出口と聞いて、向かった四谷フォーバレーですが、アトレと線路をへだてた方へ行ったのですが大はずれで、アトレと線路をへだてない同じ側の出口で高さが違う方へ出るべきだったんですね。アトレが地下だとすると一段高い方の出口へ出て、でも四谷フォーバレーがわからずにすぐ近くの交番で道聞きました。行ったら行ったで対バンは打ち込み系から程遠いし、結果打ち込み系という情報から行なった客層予想はずれるし・・ちなみにぷろぴの前のカーミスはフォーク系、Bright starsは一応ロック・・・なのかな?なんかリズム隊の打ち込み+ギターって組み合わせが多かったですね。お客さんは、自分のひいきのバンドだけ見て帰る人と始めから終わりまで見る人が混じってて、音楽と関係無くイチャついてるアベックとか、何故そこにいるのかよく分からない背広姿の人とか、でも基本的には出演バンドの友人関係の人達が占めてて、仕事を早く切り上げてきたとかいう話をしてましたね。年齢層は二十代半ばから後半、学生演劇観に来る客と同じような客層で黒系の服着た人多し。Bright starsは私設ファンクラブみたいなのを二十人ほど引き連れてのライブで、今回のトリを飾ってました。会場前にはデモテープ千二百円、ファンクラブ入会千円、入るときにわたされるアンケート用紙もBrightに関することばかり聞いてるので、今回の主催者はこの人達なんだなという感じで。会場に入るとき予約してあったので前売りの値段で千五百円のはずなのですが、ドリンク代込みで二千円と言われて、しかもそのドリンクってどこで注文するのか最後まで分からずじまい・・DJブースじゃ頼めないし、外のチケット売り場でもそういう雰囲気じゃないし、でもみんな外からドリンク持ってくるからたぶんここなんだろうなと思いつつ外出ると「俺もう、すげー緊張してて当て振りだけだって分かってんのに手ぇ震えちゃってさぁ」「みんな俺を観に来てるわけじゃないのは分かるよ。俺の名前じゃ客は来ない。俺だってバックに徹しようとしてるんだ。でもさぁ、あいつのやり方ってのはいつも」なんて熱い討論してるから「すいません。オレンジエード一つ」とか言えなくてさぁ・・初めての客にはちょっとつらかったですね。

肝心のぷろぴのライブですが、前回のクリスマスライブやデモテープの音と比べると、ピコピコキラキラ感が減って、重低音のボディーソニックズンズン感が増えてました。ライブが始まると直立不動で歌うなっちゃんと動物の着ぐるみ(全身)を着たたけさんがいて、客席は不思議そうな顔したお客さんが大多数で、何が始まったのか皆さん理解できてないご様子・・と、一部切れかけてる男性が数人。ひょっとするとこのHP観てもっと正統派の可愛いアイドルが出てるとでも思ってきたのでしょうか?二曲目の半ば頃に男性グループが1組と、三人組みの女性に(自分のすぐ隣の席にいた人なのでこのセリフを言った男性がかなりの怒り口調で発音したのをじかに聞いたのですが)「帰ろう」と言って出ていった男性が1組。なんで帰るのが二曲目の最中なのかってのを考えると、アイドルアイドルしたものを期待すると、一曲目なんのMCも無く歌から入ったとしても一曲目と二曲目との間に自己紹介のMCが入るのが普通なわけで、それが無かったってのか、もしくは二曲目の「アイドルDEシエスタ」のサビで「私アイドルに成れるかな」ってフレーズのとこで、女性客の方は意外と皆さんうなずいてられたのですが、男性客の方が「なに言ってんだコイツ」って顔されてましたね、皆さん。あと、女性客の中で所々リズムをとって聴いてられる方が約ニ名。ぷろぴの前のカーミスの時もそうだったのですが、基本的にはお客さんは静かにイスに座って、無反応。ステージの上も客いじりやMCをせず淡々と曲を進めるし、客席も最前列でいちゃつくアベックがいたり、イスの背もたれに寄りかかって疲れ果てた自分を表現してる背広の人がいたり、ステージと客席の相互不干渉が気になったのですが、一度バックステージに消えたたけさんが、着ぐるみから半ズボン+幼稚園帽で登場した時は客席の女性から笑いが起きました(この時も男性客からの反応は無し)。個人的にはたけさんがキーボードからエレキギターに持ち替えて演奏を始めたとき、ギターの音がしなくてあわててステージ上のミキサーの方へ駆け寄るんだけどMIDIの演奏はもう勝手に進んでいて、MIDIを止めようとMIDIに駆け寄ろうとしつつ、でも、いまミキサーの前に駆け寄ったのだから先にミキサーを調節して・・でも、演奏を止めないとギターのチューニングが・・とステージ上でオロオロして、でも歌は確実に進行していくって辺りなどは、かなりオイシイ笑い所だったと思うのですが(憂歌団の人達が似たようなネタやってますね。曲のイントロが終わってボーカルの木村さんが歌い出そうとするとイントロが続いて、休憩して水を飲もうとするとすぐに曲が始まって、あわてて歌い出すとすぐに間奏に行くというネタ)、みんなあまり笑ってなかったような・・つうか俺がそのときステージに集中して客席見て無かっただけで声にならない笑いは生まれてたのかもしれんけど。

他にも在った笑い所としては座ってシンセを弾いてたたけさんが、自分が座っていたイスをなっちゃんのとこへ持っていってなっちゃんを座らせる。で、自分はバックステージで着替え。一曲終わって、たけさんが出てきて一発目の(そしてライブ中唯一の)セリフが「イス貸して!」・・いや、出てきたときの衣装だけでもうすでに笑いは生まれていたのですが、こんな内輪なネタを客席に聞こえるような声で言われた日にはもう、わたしゃ長いすの上転げまわって笑いましたよ。ただ、客席が本当の意味でぷろぴのーるになじんだのは最後の曲「TWINS」ですね。そこで使われている音から、道具から、パフォーマンスまで、確実にふざけてる。それまで、「真剣にやってるぷろぴのーるを笑っちゃ失礼だろ!」という真面目な空気が客席に在ってなかなか笑いまで行かなかったものが、ここでやっと解き放たれて男女問わず笑ってましたね。それまでステージなんて関係なく、お互いをみつめ合っていたアベックまでステージ指差して笑ってましたから。個人的に残念だったのは、ぷろぴのーるの趣旨(俺の勘違いで、たけさんの考えてるのとはじぇんじぇん違うと思うけど)をみんなが理解して客席とステージが一体になれたのに、みんなで笑ってほほえましい一体感が生まれたのに、そこでライブが終わってしまう。TWINSで初めてみんなステージ上のパフォーマンスに反応するようになったのに、それが最初で最後というのが非常に残念で、こういうTWINSな状態がもっと早く訪れたら、もっと長く維持できたらと贅沢を望んでしまいます。

1.キャタピラ
2.アイドルDEシエスタ
3.かけおち物語
4.フルーツマジック
5.すてご道
6.ヴィーグル
7.ラビリンス
8.ざくろちゃん
9.TWINS

前売り1500円  電脳音楽工房090‐1439‐6165まで

ざくろちゃん聴き所としてはイントロから歌い出しにかけてのシンセの美しさでしょう。こういう懐かしい唱歌っぽい音というのはオリエンタリズム=異国情緒を売りにして世界進出するシンセ奏者、坂本龍一・喜多郎等に多いパターンですが、たけさんも負けてません「たま」もびっくりの懐かしサウンド、戦後の焼け野原を模した横浜のラーメン博物館に似合いそうな夕焼けの音楽、そこから突然ドラムが入ってきて元気ないつものぷろぴの〜るになるのですが、それでも「いちば」「ざくろ」などという古風な単語を織り交ぜつつバーチャルなノスタルジーを醸し出しています。女の子をざくろという果物に例えたこの歌に、何故こんなノスタルジックなイントロ&出だしが与えられたのか。「りんごの唄」などを連想させるこのクラシカルなイントロは終戦直後の日本をイメージさせるように出来てるわけです。終戦直後の日本、貧しく食料も無く、子供を多く抱えた家族などはいまよりも暮らし振りが良くなるならと自分の可愛い娘をお金持ちの家に女中として売ったりあずけたりしていたわけです。親にしてみれば多くの子供を抱えてこのままでは子供達を食わせて行けない、裕福な家にあずけられた方が今よりも少しはましな生活ができるだろうと子供の事を考えて親としてのやさしさから子供を売りに出すのですが、売られる子供にとってはやっぱりそれなりにつらいことなわけで。そのようなシチュエイションをイントロで用意しといて、ざくろというあだ名で呼ばれる女の子が「あなたの市場に売られたい」と歌っている。涙なしでは聴けない歌ではありませんか。・・というようなもっともらしい解説書いて後でたけさんに叱られるんだな俺は(笑)。

かけおち物語曲解説ですが、歌の世界観は「風のリグレットby飯野賢治」的な世界で、カラオケで言うと「パーティーを抜け出そうby篠原涼子&忌野清四郎」。一次会みんなと飲みに行って、二次会二人していつのまにか消えちゃうアベック向けのカラオケソング。二人っきりのカラオケBOXか、ラブホテルでのカラオケで歌ってちょーだいってラインを狙って作ってますね。そのねらいを見ぬけなかった私が会社の一次会で「パーティーを抜け出そう」を歌って周囲の反感を買った事があった(笑)のですが、まあ、大学の合宿で夜に二人きりで星を観に行ったり花火をしたりするときには他の連中にバレないように上手くやらないと周囲の嫉妬ってのも結構うざいからさ・・先週のざくろちゃんもそうなのですが、ぷろぴの歌詞って意外と古風というか古いというか「かけおち」「落ち葉炊き」なんて70年代のフォークもしくはラブコメ(「さよなら三角」とか今の若い子知らねぇーだろうな)のテーマなわけで、それをいま風に解釈すると一次会を切り上げて二人っきりで二次会に突入だぜ!って感じなんだろうな、きっと。

ただ、この歌詞を19才のなっちゃんが書いて歌うことの意味を考えると、ここで言う「かけおち」ってのは歌手になるため親元を離れてボーカルスクールに通うなっちゃんの姿そのものなわけで、もちろん一緒に駆け落ちをする相手はたけさん。で、目覚し時計をかけ忘れた日に置き手紙一つで出て行った彼、(故郷のみんなが自分を忘れてしまう頃に)トランク一つで実家に帰り、もう一人の私と目が合うの・・なんて辺りはなっちゃんの運命を示しているようでちょっとジーンときちゃいますね。B級アイドルが田舎に帰るときってのは例えそれが芳賀ゆいの生みの親伊集院光に「こんな番組事務所の圧力でつぶしてやる」と言い放った田中陽子でもちょっと哀しい物がありますから、やっぱねぇ・・いまザ・グッバイのメンバーはどうしてるんだろう?とか岡田有希子の親衛隊長は今でもちゃんと生きてるだろうか?とかふと思い起こす瞬間胸がキュンと痛みますからね。自分もそうなっちゃうんじゃないかというなっちゃんの不安や焦燥感がこの曲の中に見え隠れしてますね。P.S.ぷろぴインタビューでも書いてるように私としてはなっちゃんの声はこの曲の物が一番好きで、無理なく声が出てるって気がします。

アイドルDEシェスタこの曲、ライブでお客さんの反応がもろに割れたんですね。怒って帰った男性数名と共感のまなざしで見ていた女性数名。正直自分も始めはタイトルと歌詞を見て拒絶反応起こりました。大体、シェスタってなんなんだシェスタって(怒)!そりゃオシャレな単語だと思うしそういう名前のブティックやイタリア料理店、カフェテラスなんてよく見かけるしカッコイイと思うけど、でも意味がよく分からん。意味のわからんオシャレな横文字を並べて歌う今の若者文化、特に渋谷系とか言ってる奴!日本語でしゃべれ日本語で(笑)!トレンドにビビットなティーンのポップイコンとか言ってる奴、おまえら全員和服着ろ和服、でなけりゃ明日から日本語しゃべんな、本当は英語しゃべれないくせに訳のわからんカタカナ並べやがって・・自分も始めはそう思った。で、取りあえず辞書を引いてシェスタの意味を調べた。こんなのは「ブリリアントな午後by田中康夫」以来の経験だ。辞書に載ってたシェスタの意味は「昼休み」。要するにその程度の意味だ。「アイドルで昼休み」・・なんのこっちゃいな。

アイドルと言われる人達の年齢というのはだいたい16から22・3。大人でも子供でもない時期をアイドルとして過ごすわけで、それというのは午前でも午後でもないシェスタを日当りの良い学校の屋上で過ごすようなそういう状態なわけで。午前でも午後でもないような昼休みをアイドルとして過ごすってときのアイドルってのは別にTVや芸能界のアイドルに限らずクラスのアイドルとか、バスケ部のアイドルとか、そういう誰にでもアイドルに成れる時期ってのがあって、で、「私もアイドルになれるかな」と歌ってるわけだ。そこで、「分かる分かるそういう気持ち」って反応と「なに言ってんだコイツ」って反感と両極端に分かれて、比較的女性の方に共感を呼んだようです。「私もアイドルになれるかな」って気持ちは、姉貴の化粧品を勝手に使って初めてお化粧をしたときの気持ちであったり、はじめて男の子とデートする前日の洋服選びの気分であったりを端的に表現していたのですが、どうもこの辺り男性には理解されなかったようで。バックの演奏がまた少女趣味な音になってるのもその一因かも。

フルーツマジックこれは歌詞をそのまま引用するのが一番分かりやすいと思うのでBGMとは別に2番からの引用ですがちょっと引用してみます。「オカッパのあの子はいつになくハッピー 急いでもないのに走るの そんなあの子にラズベリィー 疲れた体にラズベリィー」と「ハッピー」と「ラズベリィー」で脚韻を踏んでしかも、ラズベリィという果物の名前が意味もなく唐突に出てくるわけで、あまりにも50年代な歌詞に笑ってしまったのですが。

最近だとミスチルなんかもよく脚韻を踏みますが、脚韻を踏むのはおもに洋楽のポップスで、英語の辞書の場合後ろから引く脚韻辞典ってのがあって、ポール=マッカートニーなんかはよくそれを開いて作詞をするそうですが、そういう流れを踏まえつつ、恋をする男の子や女の子を食べ物に例える「僕の可愛いマシュマロちゃん」とか「ロリポップ」とか「ジェリービーンズの片思い」とかフィフティーズ(50’sのアメリカンポップス)バリバリのノリですよね。果物とのからみがやたら多い松田聖子のアメリカ進出プロモーションビデオなんかもそういう流れに乗っかってるわけで。50年代というのはポップスの初めて生まれた年で、それ以前は音楽を記録する手段として楽譜とオルゴールはあってもまだレコードってのは普及してなくて、50年代になって初めて10代20代の若者が恋愛という場面に音楽を取り入れて行くわけで、そうすると音楽会社のほうもティーンエジャー向けの音楽を作っていくわけで、チャックベリーが「三角関数に基礎解析/学校の先生は偉大なことを教えてくれる/チャイムが鳴って授業が終わった/さあみんな遊びに行こう」と歌い出したのもこの時期で、チャックベリー自身「自分のことではなく、ティーンエジャーのことを考えて歌を作った」と言ってるように大人の職業作家が、子供の気持ちに返って子供のために歌を作るってのを始めた時期です。この時期の「ロリポップ」なんて曲も元祖CMソングですし、ポップスという産業システムが生まれたその時代その空気をぷろぴの〜るはこの曲の中に取り入れてるわけです。これはある意味「自分達は大人の職業作家なんだ」という自覚から発せられた音楽なのだと感じられます。

音的なことを書くと、最新のリズムというかモーニング娘。的なラップの流れを踏まえつつ、ぷろぴの〜るのイメージをちょっと突き崩してみましたってとこにいますね。

キャタピラバックトラックのリズム隊のカントリーっぽさが、ある種の上品さを与えてる曲です。イントロからサビ・間奏、どこを取ってもぷろぴの王道行ってますね。ライブでもTWINSの次ぐらいに盛り上がってる曲です。歌詞的には、結構こじ付け的な解釈をする自分でも今回だけはキツイです。ポイントポイントが聞き取れないのと、グラスホッパー・パヒューム・ニヒリズムといった横文字が前後の文脈とほとんど関係なく出てくる辺りが苦しめられます。一例を引用すると「星空はこんぺいとうの様に甘く/モミの木の植木鉢にたわわに実らせたのに/パウダーシュガーにしたのはシュールなキャタピラ/生卵を割ったのもシュールなキャタピラ」こんな曲選んだ番組スタッフ!これは俺らに対する嫌味か?嫌がらせか?俺にこの曲をどうしろというのだ?!(参考:えびす温泉)とブチ切れ寸前ですが、まあ、全体を通していかにもぷろぴの〜るだぜってのが全快です。

すてご道端的に言って唱歌です。アイドルが唱歌を歌うってパターンは制服向上委員会(SKI)やチェキ子なんかにあるパターンですが、金出してまで聴きたくねぇーなってのが本音です。自分でCDや音楽雑誌を買ったりカラオケに行ったりしない・出来ない年齢層の子供をトレーニングなしでメディアに出そうとすると学校の音楽の時間に歌う唱歌ぐらいしか歌えないというのはよくあるパターンで。ただそういう唱歌でも、一個だけ例外があって、日向大介さんが作って松たか子さんが歌った「あした春が来たら」って奴だけは例外的に衝撃を受けました。まず聴いた瞬間ものすごくアカデミックな(音大出身者の)音だってのが分かるんですね。バンド出身の人がジャムセッションしながら作った音でない事だけは確かだと。しかも当時の時代の流行とはまったく関係のないとこで作った音が、チャートの上位に入って有線でもガンガンに流れている。小室系のダンスミュージックやビジュアル系ロックバンド全盛の中で、突然唱歌。西洋文化の輸入に躍起になっていた明治時代に西洋文化の一種として入ってきた和製クラッシック=唱歌=滝廉太郎の流れを汲みつつ少しも古さを感じさせない日向大介さんの音と、江戸時代から伝わる大衆芸能=歌舞伎という古い伝統の中で育ちつつ少しも古さを感じさせない松たか子さんのイメージがもろにオーバーラップしたのですが、それだけでは凡百もある唱歌系アイドルの音とどこが違うのか上手く説明がつかない。例えば、他の唱歌系のアイドルはグループでみんな同じ服を着て、みんな同じパートをみんな同じ声で歌うというもろ小学校の音楽の授業の再現なのに、もう一方の方は一人で私服で歌っているとか、そういった何らかの説明が要るのではないかと。音として聴いたときに何が一番違うかというと一つのフレーズが何度も繰り返されながら少しずつズレて行くというミニマリズムの手法がとられているということなんですね。繰り返しとズレの中でグルーヴ感が発生するという手法は、デトロイトテクノ経由でケン・イシイさんや、現代音楽経由で坂本龍一さんなどがよく使われる手法でこういうやり方を使うことで、唱歌という一見古い枠内に入つつも古さを感じさせないことが出来るわけで。音大出身の理論バリバリの人(日向さんやあっきー先生など)が唱歌というフィールドの中でミニマルな曲を作るというそういう「あした春が来たら」的なポジションにこの曲はあるわけです。

インナーチャイルド'98ぷろぴのーるの永遠のテーマ子供を扱った曲で、「集まれ子供達、みんなで回って踊ろう!」と歌ってるのですが、ここで言う子供ってのはどっちかと言うと年齢と言うより子供心の方ですね。老いも若きも、パパもママも、踊れ踊れ踊れなどと歌っているわけですから。そんな訳でタイトルも「インナーチャイルド'98」内側の子供、私達の中にある子供心って感じでメロディーからリズムまで、子供心あふれる楽しい曲に仕上がってます。

「MAMA!」がPANICだんご3兄弟と同じ「みんなの歌」「おかあさんといっしょ」系列の曲。いま流行りの童謡系統の音ですね。宇田多ヒカル風に言うと「童謡系」です。「とも」さんや「なっちゃん」に比べると普通の歌詞が多いCHAKOさんらしく、炊事・洗濯の水の泡と苦労が水の泡って常套句を掛けてるぐらいで、ああ、こういう真面目な冗談を言う人なんだなって感じです。絵的には「奥様は魔女」辺りをイメージしてもらうと良いのでは。今回、曲のサイズが小さいので一番をほぼ丸ごと載せてみました。

曲紹介(コメント:たけ)

ラビリンス・・・(作詞:なっちゃん 作曲:たけ)
                    スカっぽいビートの曲がやりたくなって創った曲。
                    色々重ねていったらこんな感じ(スカっぽくなくなって)
                    になってしまった。しかし一部にマニアが・・・

ざくろちゃん・・・(作詞:とも 作曲:たけ)
                      一部に熱烈なマニアがいる初期「ぷろぴ」の代表曲。
         作曲者本人はアッという間に創ってしまった為、
         全然思い入れが無いのも特徴(笑)
         ボーカルが辞めてしまったため「ざくろちゃん」の意味も
         今となっては謎。
         今回収録はえびす温泉とリズムを差し替えた別バージョン。

TWINS・・・(作詞:なっちゃん 作曲:たけ)
       現在のテクノビートを使って遊べないかと考えて創った曲。
       出来上がってみるとイマイチ現在のビートとは違う気が・・・
       現在ライブの最後にやっていて「とりあえず」盛り上がる曲。
       ライブで飛び道具が出てくるのも特徴(笑)

かけおち物語・・・(作詞:なっちゃん 作曲:あっきー先生)
           あっきー先生参加第2弾。隠れた名曲と言う声も・・・。
           同業(音楽をやっている人間)からウケが良い曲。

愛のロールプレイング・・・(作詞:とも 作曲:たけ)
             「とも」に会ったとき「こんな曲がやりたい」
             と言う「プロトタイプ」として創った曲。
             全てこの曲から始まった・・・

フルーツマジック・・・(作詞:なっちゃん 作曲:あっきー先生)

キャタピラ・・・(作詞/作曲:なっちゃん)

アイドルDEシェスタ・・・(作詞:なっちゃん 作曲:たけ)

すてご道・・・(作詞:なっちゃん 作曲:あっきー先生)

インナーチャイルド'98・・・(作詞/作曲:あっきー先生)〜未発表曲〜

「MAMA!」がPAINC・・・(作詞:CHAKO 作曲:たけ)

ちょっと一休み・・・(作詞:CHAKO 作曲:たけ)

さくら〜Mistery MIX〜・・・(作詞:CHAKO 作曲:たけ)

眠らない眠れない〜Lo−Level MIX〜・・・(作詞:CHAKO 作曲:たけ)

ちょっとコメントbyたけ:B面の「さくら」「眠らない眠れない」は殆ど未発表に近い曲です。「さくら」は活動休止寸前に作った曲、「眠れない眠らない」はメロディが難しかったためボーカルが余り歌いたがらなかったので殆ど出番がなかったという曲です。この当時は曲作りに結構時間をかけていたので音もオリジナル中心でした。
「さくら」「眠らない眠れない」のMIXは前のことなんで何故こんな事をしたかは今となっては謎です。

←戻る