盛岡競馬場
(ORO PARK)
〔2日目〕
仙台のビジネスホテルできょうも早起き。7時の盛岡行き高速バスに乗るため、バスターミナルに向かうと、すでに窓口には行列が。盛岡のほかにも青森、八戸、秋田、山形、福島、いわき、新潟...と各方面へ路線があり、時刻表をみると盛岡・福島便は1時間おき、山形は30分ヘッドで発着している。 東北地方も九州とならぶ高速バス王国なのかもしれない。盛岡までは2時間半の道程、ふだんは車窓に目を凝らすぼくだが、このあたりは何度も通っているところなのでまた一眠り。。 盛岡駅で下車すると、今度は競馬場行きの無料バスが待っている。盛岡競馬場は1996年に郊外に移転したので、バスでさらに30分弱かかるのだ。
そういう予備知識があっても、初めて盛岡を訪れたときはほんとに驚いた。
到底、競馬場がそこにあるとは思えないような山の中なのである。くねくねと山道を走っていくと視界が突然ひらけて、そこに美しいスタンドがそびえ立っていた、あのときの興奮は忘れられない。
同じ”山の中”の競馬場でも、旭川は『フィールド・オブ・ドリームス』だったが、
ここ盛岡競馬場では、競馬好きのためのパラダイスがそこにあった、という第一印象を受けた。とにかく、競馬場全体がすごく美しい。自然にかこまれた環境はもちろん、場内全体が庭園のように整備され、ヨーロッパの競馬場をイメージしてつくった、というのもうなづける。スタンドに入ればこれがまた豪華。JRAのそれとくらべても全く引けをとるものではない。奮発して指定席を取れば、ゆったりとしたシートに身を沈め、ちょっとしたVIP気分(ちょっと大げさか)を味わうことができる。 こんなぜいたくして、目がつぶれるよ、岩手のひと。。
その素晴らしさにまったく圧倒されてしまう盛岡競馬場(愛称ORO PARK)であるが、注目すべきは設備面だけではない。馬のレベルでも、地方競馬をリードする存在になりつつある。そのあたりの事情は、下の”岩手競馬について”をどーぞ。 ただし、むちゃくちゃ長いです..
坂もある直線の長さは400m。コースも一級品だ。
さて、レースの前に腹ごしらえ。ここの名物は、屋台村にある”ジャンボ焼鳥”である。大きな串に、焼き鳥というよりはチキングリルと言った方がいいくらいのでっかい肉が3つ刺さり、¥300(2010年現在、\400)。屋台村には盛岡名物冷麺、じゃじゃ麺なども用意されている。
ただ残念なのは、これもなかなかの品揃えだった別棟のレストランが閉店してしまったこと。場内の緑を眺めながらゆっくり食事できて、悪くなかったのだが.. 人気だった指定席専用レストランでのランチバイキングも、いつの間にかやめてしまったようだ。せっかくの豪華設備だけに、ソフト面でのサービスが後退しないよう希望。
今日のメインレースは、盛岡自慢の芝コースを使った重賞『せきれい賞』。1着賞金700万というのは岩手ではあたり前だが、南関東を除く地方競馬では相当な高額だ。このあたりにも岩手のレベルの高さをうかがうことができる。早速予想にかかるが、芝コースということで、力関係の比較が難しい。競馬新聞で出走12頭の成績を見てみると、”芝の鬼”vs”ダートの一流馬”という図式であることがわかる。かつて、交流レースなどがまだ無く、中央競馬でダートが一枚下に見られていた頃は、芝で勝てない馬がダートに回る、というイメージがあったのも事実だが、それとは逆の現象がいまの盛岡に起こっているようだ。 ずいぶん迷った末、芝スペシャリストの馬から買ったのだが、結果はダート一流馬のワンツーフィニッシュ。。
勝ったのはメイセイユウシャ。メイセイオペラの弟である。
楽しかった2日間もおわり。盛岡駅から新幹線に乗れば、大宮までわずか2時間とちょっと。
さてさて、こんどは何を観に、どこまでいきましょうか。