埼玉スタジアム2002

(2002 6/6 カメルーンvsサウジアラビア)


世界の祭りだ!

 2002年5月1日、GWの谷間でのんびりムードの仕事場で、昼休みに雑談してた時のこと。
 「ワールドカップって、いつからだっけ?」
 「5月31日。 ..あ、もう”今月”だよ!」  これが、ぼくの”W杯モード”突入の瞬間だった。

 中旬には、チケット3次発売に見事当選、夢の舞台への参加が叶うこととなり
「もーいくつ寝ると..♪」と指折り数えて心待ち。 ところが、その後のチケット未着問題、
さらにぼくが応援するはずのカメルーンの、あの大遅刻騒動。
 ようやくチケットが届いたのは開幕直前、カメルーン代表はキャンプ地の中津江村と共に、
日本中の人気者になっていた。。

 そして、6月6日。

 すでに一週間前から「川平慈英状態」のぼく、12時に蕨駅でともだちと落ち合う。
中津江でエムボマがうどんを所望した、というエピソードにちなみ、なじみのそば屋「豊年屋」で
肉うどんを賞味、勇躍浦和へと向かった。すでに駅周辺には外国人の姿がちらほら、いつもの
ゲームデーとは違うムードが漂う。
 ここで私まこと、ともだちが調達してきた「カメルーンヤッケ」にチェンジ!
赤・黄色・緑のアフリカ三原色に全身をつつむと、さすがにちょっと恥ずかしいけど、なんといっても
ワールドカップに参加するんだもんね、これくらい気合い入れないと。

その甲斐あって? スタジアムへと向かう国際興業バスの中で、さっそく国際交流。日本語で話しか
けてきたその人は、留学生のサウジアラビアサポーターだった。互いの健闘を祈ってがっちり握手。


いきなりこんな出会いがあって、こころが踊らぬはずがない。周囲を見渡せば、バスから次々と降りてくる
人たち、みんなが期待感に満ちた顔をしている。これは、サッカーの「お祭り」なんだなあと、しみじみ思う。
なんだかスタジアムに入ってしまうのがもったいないような気持ちで、しばらく雑踏の広場にたたずんでいた。

 カテゴリー3、7000円也のチケットは、カメルーン側ゴール裏の席だった。
うわあ、雄大、といったらいいのだろうか、羽をひろげたようにそびえるメインスタンド、そしてそれに抱かれた
緑の芝生の美しさに、ぼくはしばし見とれた。
 サッカーを初めてみるらしい親子連れ、どっかの旅館から失敬した??ゆかたを羽織ったアイルランドサポ、
みんなが記念写真をパチリ。

 スタジアムはTVでみるよりも縦方向に大きな印象で、全体にフィールドに近く、これは観やすいな、と思う。
もっとも、サッカー専用といえこれだけ巨大になってしまうと、陸上競技場でトラックの内側に相当する部分は、
全体の約4分の1、16000席しかないそうだ。してみると、いま座っているゴール裏下段席は、その貴重な席の
ひとつということになる。

 

 キックオフ約1時間前、ついに『不屈のライオン』がピッチにその姿を現した。
彼らがダッシュをかけるだけで、湧き上がる拍手。まさに一挙手一投足、という感じで、観客全てが選手達の
動きに注目する。

真夏のような日差しもようやく傾きかけ、スタジアムには試合前の緊張感が漂い始めていた。


シュート練習をするエムボマ、後ろシェファー監督

つづく