雑木林のぬしの里山講座 
〈はじまり・はじまり〉
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てっちくん、「里山」ってしってます?
てっちくん いろんな木や草が生えていて、夏なんかカブトムシやクワガタムシなんかいてちょっとジャングルのような気分で探検なんかしたりして。
それって雑木林のことじゃないのかい?
てっちくん えっ? 「里山」って雑木林の事じゃないの?一緒だと思うけどなあ。
うーん、本当はちょっとちがうんだよね、まあ今は「里山」も雑木林も一緒にしてしまっている人が多いんだけれど、でも、それがいろいろ問題を含んでいるんだ。それにね、今では、完全に機能している「里山」ってほとんど日本には残っていないんだよ、・・雑木林は、増えてるけどね。
てっちくん でも、雑木林って生物多様性ってことからすれば、豊かな場所だって聞いた事があるけど、だったら雑木林でも増えるのはいい事じゃん。
うーん、でもね、今増え続けているのは、「里山」が維持出来なくなって放置された「山」が雑木林化しているものなんだよ。
つまり、人の手から放れて、自然化しているのが今の雑木林。

てっちくん でも、自然が増えていいじゃん。
それは、それでいいと言う人もいるけれど、今まで人の手が加わって維持されてきた植生が変化することが必ずしも、良いとは言えないんだ。
 たとえば、下生えの植物なんて地表に日光が入らなければ消滅してしまうし、長い間には、その地方の気候的優先種の極相林に変わっていくんだよ。
 ちょっと難しい言葉が続いたけれど、その地域に合った植物だけが育ってしまう事さ。この地方(東海地方から西の暖流系照葉樹林帯)の極相林の雰囲気は、鎮守の森をみるとわかるけど、ああいう森になってしまうんだよ。
てっちくん へぇー、でも鎮守の森っていうと、昼間でも暗くて気味わるい感じがするね。じゃあ、今の雑木林があんなふうになったらどうなるの?
うん、森の地面に太陽の光がとどかなくなり、落ち葉が少なくなると、腐葉土が作られなくなって植物の種類が少なくなっていく、そして食物がなくなった動物、この場合昆虫が中心だけれど、動物(昆虫)の種類が変わっていくんだよ。
てっちくん ということは…虫がすくなくなるの?
数そのものは、変わらないかもしらないけれど、種類は、確実に少なくなるだろうね。ただ、外から見た様子は今までと変わらないかもね。
 つまり、生物多様性は、森の周辺では保たれるけれど、森の中心は、少ない種類の植物が一面、といっても目にみえるのは、大きな木の幹ばかりで、少ない日光でも耐えられるアオキやヤツデの類が少し残っているだけ、なんてことになるかもね。
てっちくん ふーん、なんかつまらないような気がするけど、でもそんな森あまり見た事ないね。
そうだね、さっきも言ったけれど、古い神社の鎮守の森がその雰囲気を残しているけど…それも最近は、宅地化の波に洗われて公園化してしまってわからなくなったのが多いからね。
 今でも、その雰囲気を味わうのなら、熱田神宮とか、伊勢神宮へいくと味わえるかな。
てっちくん なんか、神々しくてけおされてしまいそうだね。
まあ、そのために鎮守の森は残されて来たんだけど、今や風前の灯火になってしまっているのは残念だね。
てっちくん あれ? ということは、里山というのは自然林とは違うのかい?
うーん、実際には、極相林を切り開いて、そのまま放置しておくと数十年で雑木林ができるのだから、ちょっと違うね。ま、そのように出来上がる森林を二次林と言うのだけれど、この二次林に手を加え続けていって、必要な樹木を適材適所に配置して育てていくのが、いわゆる「里山」なんだね。
てっちくん はーん、てことは、人が手を加え続けているのが「里山」で人の手が入らなくなったのが、雑木林って事かい?じゃあ「里山」って、畑をたがやすように、山を作っていくんだね
そうだね。 そう考えるとわかりやすいかもね。
てっちくん じゃあその「畑」では、どんな作物が収穫できるの?
それは、次回のお楽しみということで、今回はここまで。

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