五条川左岸(生田橋下流)の希少樹(コゴメヤナギ)に関する要望書


西春町長 上野政夫 殿

平成12年7月25日
大口自然塾           江口 昌宏
                       小牧エコロジー運動市民の会       
代表幹事 旭  賢司
桜の里        世話人 石川 正美
雑木林             服部 徹雄
リリオの会       代表 今枝  久


 去る6月23日 県河川工事事務所五条川出張所より、毛虫の駆除に関する質問を受けて現地を調査したところ、発見された当該樹木に関して、その希少性に鑑みて、その保護・保全の必要性を認め、ここに要望いたします。

1. 樹種  コゴメヤナギ(小米柳・小米楊)
  日本固有種 雌雄異株
  分布: 東北地方南部〜近畿地方
  特徴: 葉は小さく、裏側が白い、樹皮は古くなると縦に裂ける。
最大樹高20mになるが、稀である。
木質は粗でやわらかく、食害する昆虫も多い。
若い枝は多量の樹液をだすため、樹液を好む虫が多く集まる。
水没に強く、堤防護岸に向く。
日本の柳では最大種。

註記  尾張地方での確認は、犬山地内・橋瓜グランド周辺のものに次いで2例目
(リリオの会 宮田・雑木林 服部による)
今回発見された木は、目通り 60p・幹回り約2m・樹高10〜15m(推定)のもの2本目通り30cm樹高5〜7m(推定)が2本に分かれたもの1本である。

2. 現況
五条川左岸、生田橋下流150m付近の水際に3本(4本)が固まって生えている。
周囲20m以内には他の樹木はなく、孤立している。
上部に一部枯死部分があるが樹勢は極めて健康である。

現在、本樹に対し、食害となすアメリカシロヒトリ幼虫(毛虫)が、周辺住宅に侵入する害を与えているが、それ故に伐採の危機にある。
この件に関し、県河川工事事務所五条川出張所に対し、毛虫の被害極限対策及び、樹木保護策について提案を行なった。



3. 保護策
@ 町指定保護樹とする
A さし木による遺伝子保存
B 他地への移殖

@は理想的ではあるが、近い将来の堤防改修の際にも現地保存を行なう努力を期待する。

Aは現地保存を諦め、伐採時に苗をとり、各地に配布する。
遺伝子保存に有効ではあるが、現地の景観は大きく変化する。
尚、周辺住民は、伐採は望んでおらず、現在の景観を残しつつ、毛虫の被害を減少させることを望んでいる。

B これほどの大木を移動するのでは現実的ではない。
費用・用地・効果とも困難である。

 私たちは、本件に関して、大きな関心を寄せています。
 大木は、その存在がすでに歴史であり、文化的・自然史的遺産であると考えます。
 少なくとも50年、株としては、おそらく150年以上の年月を経てきた樹木を一時の感情によって失うことの無意味さをご理解いただき、よろしく保護・保全についてご検討いただきたいと思います。

 尚、本件に関わる質問等は全て雑木林・服部(0587−38−2420)が担当いたします。

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