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■ ■ 大場佳代の
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■ ■ 楽しくヒストリー 41
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■■ 今回は,「日中和平」を勉強します!
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三重:佳代,日本に最初に来たパンダの名前知っている?
佳代:確か,カンカンとランランだったと思うよ。
三重:ピンポン。何か,中国と国交を回復したときに来たらしいよ。
佳代:そうみたいね。私も聞いたことあるわ。
藤原:カンカンとランランはね・・・。
三重:あっ,先生,こんにちは。
藤原:1972年に出された『日中共同声明』によって国交を回復した後にや
って来たんだ。
三重:1972年ですか?戦争が終わったのが1945年なのに,何で,そんなに
時間がかかったのですか?
藤原:うん,その前に二つの中国について考えなければならない。
佳代:台湾ですね。
藤原:そう,前に,ちらっと言ったことがあったよね。戦後,中国では,
毛沢東の共産党が優位になり,1949年に中華人民共和国が成立した。
そして,国民党の蒋介石は,台湾に逃れ,中華民国を継続させた。
佳代:ハイ。
藤原:そして,サンフランシスコ講和会議のときには,中華民国を支持す
るアメリカと中華人民共和国を支持するイギリスとの間に調整がつ
かず,混乱を避けるために会議に招待されなかった。
三重:ハイ,それは前に勉強しました。
藤原:そして,日本は,アメリカの意向に従い,1952年に中華民国と日華
平和条約を結んだんだ。
佳代:つまり,日本は,最初,台湾政府の方を支持していたわけですね。
藤原:そういうこと。また,国際的にも,国際連合に加盟していたのは,
中華民国の方だった。
三重:へぇ〜,そうだったんですか。
藤原:うん,あの大きな本土の方ををさしおいて,小さな島国の台湾が中
国の代表みたいになっているのは不自然だよね。でも,当時は,そ
ういう状況だったんだ。ところが,1970年代になると,事態は急変
する。
三重:どんな風にですか?
藤原:まず,アメリカ大統領のニクソンの訪中計画が発表され,中華人民
共和国の国連加盟が認められた。
佳代:すると,二つの中国が,国連に入ったということですね。
藤原:うん,でも,そうなると中華民国の立場がなくなるよね。そこで,
中華民国は国連を脱退した。
佳代:なるほど,アメリカの態度によって流れが決まってくるわけですね。
藤原:まあ,そんなところだ。中華人民共和国は,社会主義の国だから,
本来,アメリカにとっては敵の国と言ってもいいわけだ。でも,こ
のころは,本来味方同士であるはずの,ソ連と中国の仲が悪くなっ
ていたんだ。
三重:なるほど,だから,中国とアメリカが近づいたということですね。
藤原:そんな感じだ。日本は,アメリカの意向に従って外交を進めること
が多いから,当然,中国との関係を修復する方向に行った。そして,
結んだのが『日中共同声明』だ。
三重:う〜ん,複雑ですねぇ・・・。
藤原:そうだね。米ソが対立し,中ソも対立するとなると,本当に複雑だ。
ただ,この声明では,国交を回復しただけで,平和条約にはいたら
なかった。
三重:どうしてですか?
藤原:それは,まだ,日中の間に対立している問題があったからだ。でも,
お互い妥協し,1978年には『日中平和友好条約』が結ばれることにな
る。
佳代:すると,この条約で,完全に仲直りしたということですね。
藤原:そうだね。まだまだ,いろいろ問題はあるみたいだけれども,一応,
完全な友好関係ができたと考えていい。
三重:台湾との関係はどうなったのですか?
藤原:それは『日中共同声明』が出た後,前に結んだ日華平和条約が破棄さ
れ,基本的に外交関係は断絶した。
佳代:つまり,現在,日本は,台湾を中国の一部として認識しているわけで
すね。
藤原:そういうこと。でも,昔は,国家として認識され,平和条約まで結ん
でいたぐらいだから,当然,一つの国家としての体をなしている。中
国が,台湾の独立に神経質になるのも分かるだろう。
三重:そうですね。なんとなく分かります。
藤原:先生が,子供のころは,逆に,中華人民共和国と国交がなく,あんな
に大きく,近い国なのに,なぜ仲良くしないのだろうと思ったものだ。
歴史的には,不幸な関係を持っているけど,今後とも仲良くしていき
たい国の一つだね。
佳代:そうですね。先生,今日はありがとうございました。
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□□ 今回の復習
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● 二つの中国
・中華人民共和国:共産党,指導者−毛沢東。
・中華民国(台湾):国民党,指導者−蒋介石。
● 日中和平への道
1952年 日華平和条約を結ぶ
1972年 日中共同声明を出す(田中角栄首相のとき)
1978年 日中平和友好条約を結ぶ(福田赳夫首相のとき)
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■ ■ 大場佳代の
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■ ■ 楽しくヒストリー 42
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■■ 今回は,「人類の特色」について勉強します!
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三重:佳代,今日からは,また元に戻って勉強するのね。
佳代:そうよ,でも,前にできなかったところをやるから,同じことは繰
り返さないつもり。
藤原:そうだね。前に勉強したところは,バックナンバーを見てもらえば
いいんだからね。
三重:あっ,先生,こんばんは。
藤原:とにかく,去年できなかったところを,これから埋めていくよ。ま
だ,6割ぐらいしかやってないからね。
三重:ハイ,お願いします。
藤原:それじゃあ,今日は,根本まで戻って人類の特色をやろう。
佳代:人類の特色ですか?
藤原:そう,人類が他の動物と違うところは何かということだ。
三重:例えば,言葉を使うとかですか?
藤原:うん,そういうことだ。
佳代:それなら知っています。火を使うことができるってことでしょ。
藤原:OK,その二つは重要だよね。他の動物も,動物なりに言葉を理解
しているらしいけれども,人類ほど明確に言葉を使っているものは
ないし,火をうまく使うことができない。
佳代:確かに,火は危険ですよね。でも,うまく使うと,これほど便利な
ものはありません。
藤原:それから,もう一つあるんだけれども知ってるかい?
三重:う〜ん,なんだろう・・・。
佳代:え〜と,もしかして,道具が作れるということですか?
藤原:そう,正解だ。よく考えてみると,人間って力も弱いし足も遅いよ
ね。
三重:ハイ,佳代は速いけど。
藤原:うん,確かに,佳代ちゃんは,人間としては速いだろう。でも,チ
ーターとか,他の足の速い動物に比べれば格段に遅いよね。
佳代:そうですね(笑)
藤原:つまり,人間は身体能力は意外に低いんだ。
佳代:だから,火や道具をうまく使って生きているんですね。
藤原:そういうこと。でないと,地球上に生き残ることもなかったかもし
れないね。
三重:すると,人類の特色は,道具や火,言葉を使用できるということで
すか?
藤原:そう,この3つは,他の動物と決定的に違う特色といっていい。そ
して,これらは,直立歩行と関係がある。
三重:えっ,そんなことと関係があるのですか?
藤原:うん,よく考えてみよう。三重ちゃんのうちには柴犬がいるよね。
三重:ハイ,かわいいですよ(^_^)。
藤原:確か,富士っていう名前だったよね。
三重:ええ,うちの親は,名前に地名をつけるのが好きで(苦笑)
藤原:その富士は,四足で歩くわけだろ。
三重:もちろんです。犬だけでなくネコもそうだし,たいていの動物はそ
うです。
藤原:そうすると,手を自由に使えないよね。
三重:あっ,そうですよね。手というよりも前足です。
藤原:何故,人間が道具を作れるようになったのかといえば,手を自由に
使えるからなんだ。
佳代:つまり,直立歩行ができるようになったから手が自由になったとい
うことですね。
藤原:そういうこと。これは大きいだろ。
三重:そうですね。
藤原:それに,直立することによって,脳が発達するようになった。
三重:えっ,何故ですか?
藤原:もし,富士の脳が大きくなったらどうなるの?
三重:脳が大きくなるということは,重くなるということですね・・・。
すると,首が痛くなります(笑)
藤原:そのとおり。あまり重いと耐えることができなくなる。でも,直立
ならどうだろう。
佳代:かなりの重みに耐えられますね。
藤原:そうなんだ。だから,脳が発達しやすくなり,他の動物よりずっと
多くの知恵を得られるようになったんだ。
佳代:なるほど,だから,言葉も使えるようになったんですね。
藤原:そういうこと。
三重:ふ〜ん,直立歩行って,そんなに大きな意味があったんですか。
藤原:うん,たまには,こういう話もいいだろう。
三重:ハイ,勉強になりました。
佳代:ということは,あんまり寝てばかりいてはダメということですね。
藤原:そうだね。寝るのも大切だけど,必要以上に寝ていると頭がよくな
らないよ。
三重:分かりました。少し控えます(汗)先生,今日はありがとうござい
ました。
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□□ 今回の復習
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● 人類の特色
・直立歩行による手の使用,頭脳の発達
・道具の使用,火の使用,言葉の使用
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■ ■ 大場佳代の
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■ ■ 楽しくヒストリー 43
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■■ 今回は,「ギリシア文明」について勉強します!
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三重:佳代,四大文明には,みんな大きな川があったよね。
佳代:そうね,エジプトにはナイル川,メソポタミアには,チグリスと
ユーフラテス川,インダス文明はインダス川,黄河文明には黄河。
三重:でも,ギリシアには大きな川がないわよ。
佳代:そういわれてみればそうね。あまり考えたことがないけど・・・。
三重:どうしてだろう?
藤原:それはね・・・。
三重:あっ,先生,いいところに来ました。
藤原:ギリシアは,全体が山がちの国だ。だから,大河がないんだ。
佳代:あっ,そう言えばそうですね。地図で見ると全体的に茶色っぽかっ
たような気がします。
藤原:そうなんだ。古くから文明が発達したからといって必ずしも大河が
あるとは限らないですよね。でも,そのために,四大文明とは違っ
た発達のしかたをしたんだ。
三重:どういうことですか?
藤原:うん,四大文明は,大河を治めるという大きなテーマがあったんだ。
だから,強力な指導者が必要だった。
佳代:つまり,王権が発達したということですか?
藤原:そのとおり。大河を治めるのは大事業だから,当然強い指導力が必
要とされる。それに対して,ギリシアでは,規模の小さい都市国家
が発達したんだ。
佳代:ポリスですね。
藤原:そう,ポリスだ。これはしっかり覚えておこうね。高校入試では,
このポリスが一番よく出るから。有名なポリスを知っているかい?
佳代:ハイ,アテネとかスパルタとか。
藤原:うん,その二つを知っていればいいだろう。特に,アテネは,ペル
シア戦争後,ギリシアの中心になる。
三重:今でも,ギリシアの首都です。
藤原:そうだね。このアテネは,市民の力が強く,直接民主制がしかれた
ことでも有名だ。
三重:みんなで政治をしたのですね。
藤原:うん,みんなといっても,18歳以上の男子に限られていた。
三重:女子はダメだったんですか。
藤原:そう,後,労働の中心だった奴隷もダメだ。だから,市民といって
も,今の感覚とはちょっと違うよ。
佳代:スパルタは,スパルタ教育という言葉が残っていますね。
藤原:そうなんだ。最近は,あまり使わないけど,先生が子供のころは,
よく使われていたね。厳しい教育の代名詞みたいなものだった。ス
パルタは,国を保つために厳しい軍国主義的な支配をしていたポリ
スだからね。
三重:ところで,先生,パルテノン神殿ってありましたよね。
藤原:うん,よく知っているね。
三重:ハイ,テレビで見たことがあるんです。
藤原:パルテノン神殿は,アテネにあるギリシア文化を代表する建物だね。
神殿というんだから,当然,神を祭ってある。
佳代:柱が少しふくらんでいるんですよね。
藤原:そう,ややふくらみをもつ柱のことをエンタシスと呼んでいる。こ
れは,日本の法隆寺にも影響を与えたといわれているんだ。
三重:えっ,法隆寺ですか!本当ですか!
藤原:そうなんだ。飛鳥文化は,国際文化。こんなに古い時代から,直接
ではないけれども影響を受けていたんだね。
三重:それは,ビックリしました。あのパルテノン神殿と法隆寺が・・・。
全然,イメージできません。
藤原:他にも,ギリシア文化といえば,哲学者のソクラテスとか文学者の
ホメロスなどを覚えておいてほしい。
佳代:そう言えば,オリンピックもギリシアで始まったんですよね。
藤原:うん,そうだね。ポリスの人たちは,4年ごとにオリンピアで行わ
れるゼウスの祭典に集まって競技会を開いていた。これが,オリン
ピックの起源だね。今行われている近代オリンピックも,第1回は
アテネで開かれたんだ。
佳代:分かりました。今年は,シドニーオリンピックの年ですが,はるか
昔のギリシアの祭典が,今にも伝わっているわけですね。
藤原:そういうこと。とにかく,ギリシアは,ヨーロッパ文化の源だから
機会があったら,写真などで眺めておくのもいいよ。
三重:分かりました。今日はありがとうございました。
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□□ 今回の復習
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● ギリシアの文明
・紀元前2000年ごろより・・・エーゲ文明がさかえる。
・紀元前8世紀ごろより・・・ポリス(都市国家)が出現する。
● ポリス(都市国家)
・中央にアゴラと呼ばれる広場→市民の民会や市場が開かれる。
● アテネの民主制
・18歳以上の男子市民が直接民主政治を行う。
● ギリシア文化
・学問:哲学(ソクラテス)
・文学:イリアス,オディッセイア(ホメロス)
・建築:パルテノン神殿(アテネ,アクロポリスの丘)
・宗教:オリンポス12神(主神:ゼウス)
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■ ■ 大場佳代の
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■ ■ 楽しくヒストリー 44
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■■ 今回は,「ヘレニズム文化」について勉強します!
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三重:ねぇ,佳代,ヘレニズムってどういう意味なの?
佳代:意味?う〜ん・・・。融合かな?
三重:融合?
佳代:よく分からないけど,ヘレニズムってギリシア文化とオリエント文
化が融合したものでしょ。
三重:そうかぁ,融合かぁ・・・。
藤原:融合という意味ではないよ。
三重:あっ,先生,こんばんは。
藤原:ヘレニズムっていうのはね『ギリシア風』という意味なんだ。
佳代:えっ,ギリシア風ですか?
藤原:そうなんだ。ギリシア語で,ギリシアのことをヘラスと言うんだ。
だから,ヘレニズムとは『ギリシア風』という意味。
佳代:なるほど,オリエントの文化がギリシア風になったと考えればいい
んですか?
藤原:ま,そんなところだろうね。でも,ヘレニズムといえば,佳代ちゃ
んが言ったように,ギリシア文化とオリエント文化が融合されたも
のと覚えておけばいいよ。
三重:分かりました。ところで先生,何で,ギリシアとオリエントの文化
が融合したのですか?
藤原:うん,三重ちゃんは,マケドニアの有名な大王を知っているかな?
三重:ハイ,アレクサンダー大王です。
藤原:そうだね。アレクサンドロス大王とも言うけど,そのアレクサンダ
ー大王が,東方遠征をはじめたんだ。
佳代:さんざん死なせたアレクサンダー!
藤原:そのとおり。さんざん死なせた,つまり,紀元前334年から遠征が始
まったんだ。そして,エジプトやペルシア,ついには,インダス川
の河口まで征服することになる。
三重:すごいですねぇ。
藤原:この遠征が,東西文化を融合したというわけだ。
三重:つまり,アレクサンダー大王の遠征が,ヘレニズム文化を生んだと
いうことですね。
藤原:そういうこと。
佳代:確か,ミロのビーナスは,ヘレニズム文化でしたよね。
藤原:うん,有名だよね。それから,数学で有名なユークリッドや,アル
キメデスの原理で有名なアルキメデスなども,ヘレニズムだ。
三重:結構有名な人がいるんですねぇ(^o^)。
藤原:そうだね。そして,この文化は,ローマ文化やイスラム文化などに
も受け継がれ,シルクロードを通じてインドや中国に伝わり,最後
に日本にまで伝わることになるんだ。
佳代:そう言えば,飛鳥文化は,ヘレニズム文化の影響を受けていました
ね。
藤原:うん,こんな昔の時代でも,間接的には影響を受けていた。今のよ
うに地球の裏まで簡単にいける時代じゃないけど,いいものは,ど
んどん伝わっていくんだね。
佳代:本当ですね。先生,今日はありがとうございました。
□□
□□ 今回の復習
□□
● ヘレニズム文化
・ギリシア文化とオリエント文化が融合したもの
・アレクサンダー大王の東方遠征が原因
・彫刻:ミロのビーナス
・数学:ユークリッド(幾何学)
・物理学:アルキメデス
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■ ■ 大場佳代の
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■ ■ 楽しくヒストリー 45
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■■ 今回は,「ローマ帝国」について勉強します!
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三重:佳代,ローマ帝国って,すごく大きかったのね。
佳代:そうね。領土が最大のときは,地中海の周辺は,全部ローマ!
三重:すごかったのねぇ。
藤原:そう,大帝国と言っていいよ。
三重:あっ,先生,こんばんは。
藤原:今日は,ローマかい?
佳代:ハイ,お願いします。
藤原:うん,ローマは,高校生になると,めちゃくちゃ詳しくやるけど,
中学生の段階では,本当に簡単にしかやらないんだ。
三重:簡単なところだけでいいです。
藤原:うん,分かったよ(苦笑)。ギリシアで都市国家が栄えていたこ
ろ,イタリア半島でも,多くの都市国家ができていたんだ。
三重:イタリアでもですか?
藤原:そう,そして,その中で勢力を持っていたのがローマだったとい
うこと。
三重:なるほど。
藤原:ローマは,最初,王政をしいていたんだけど,紀元前6世紀の末
ごろから,共和政が行われるようになった。そして,紀元前3世
紀ごろにはイタリア半島を統一したんだ。
佳代:今のイタリアと同じ感じですか?
藤原:そうだね。今のイタリアよりは,ちょっと小さいけど,だいたい
同じぐらいだと思っていいだろう。その後,地中海制覇に乗り出
していく。まずは,北アフリカのカルタゴを破った。
三重:あっ,アフリカも地中海沿岸なんですね。
藤原:もちろん。更に,東方のマケドニアやエジプトなどを滅ぼし,紀
元前1世紀には,地中海周辺を統一することになったんだ。
佳代:そう言えば,奴隷の反乱がありましたね。
藤原:うん,有名なスパルタクスの反乱だね。映画にもなったよ。ロー
マの人口が,約600万人のときに,奴隷が200万人にもいたという
ことだ。
三重:えっ,3分の1もいたんですか?
藤原:そうなんだ。長い間征服戦争を続け,征服地からたくさんの奴隷
を連れてきた。彼らは「物を言う道具」として徹底的に働かされ
たんだ。だから,反乱もしばしば起こった。その最大のものがス
パルタクスの反乱だ。
三重:「物言う道具」なんて,とんでもないですね(怒)。そんなこと
を言われたら,キレちゃいます。
藤原:そのとおり。キレちゃえば,反乱がおこる。なんとなく気持ちは
わかるだろ?
三重:ハイ,分かります。
藤原:そんな感じで大きくなってきたローマだけど,紀元前1世紀には,
3人の実力者による政治が始まる。
佳代:いわゆる三頭政治ですね。
藤原:うん,有名な,ユリウス・カエサル,つまりジュリアス・シーザ
ーの登場だ。
三重:えっ,ユリウス・カエサルってジュリアス・シーザーのことなん
ですか?
藤原:そう,カエサルの英語読みがシーザーだ。ところが,このシーザ
ーが,だんだん独裁政治を行うようになり,反対派によって暗殺
されることになる。
佳代:ブルータス,おまえもか!
藤原:よく知っているね。暗殺の首謀者に,自分が引き立てた部下の一
人のブルータスがいたことに気づき,言った言葉だと言われてい
る。舞台劇などの見せ場の一つだね。
佳代:そして,シーザーが死んだ後の混乱を鎮めたのがオクタビアヌス
ですね。
藤原:そう,そして,彼は,皇帝になりアウグストゥスの称号を与えら
れた。これがローマ帝国の始まりだ。
三重:なんだか,ややこしいですね。
藤原:うん,でも,今日勉強してきたことは,本当の簡単な流れだけで,
高校の世界史では,嫌というほど覚えることもあるよ。それに,
今日は話さなかったけど,有名なクレオパトラの話など,面白い
話もたくさんある。いずれ,このマガジンでも取り上げるよ。
三重:ハイ,分かりました。とりあえず,この辺でいいです(汗)
藤原:ローマの文化やキリスト教などは来週やろう。
佳代:分かりました。この辺は,いろいろなドラマがあるので,もっと
勉強したいと思います。先生,今日はありがとうございました。
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□□ 今回の復習
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● ローマ帝国建設までの変遷
・都市国家→王政→共和政(紀元前6世紀)→帝政(紀元前1世紀)
● 関連事項
・ポエニ戦争(紀元前264〜紀元前146) カルタゴとの戦い(3回)
・スパルタクスの乱(紀元前73〜紀元前71) 奴隷の反乱
・第1回三頭政治(紀元前60〜紀元前53)
三頭政治の3人の実力者は,ポンペイウス,クラッスス,カエサル。
・第2回三頭政治(紀元前43〜紀元前36)
カエサルの暗殺後の子息,遺将たち3名による寡頭政治。
オクタヴィアヌス,アントニウス,レピドゥスの3人
・オクタビアヌス皇帝へ(紀元前27年)
称号のアウグストゥスは,尊厳者の意味。
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