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■  ■ 大場佳代の            
□■■□                  
■  ■     楽しくヒストリー 21   
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■■
■■ 今回は,ルネサンスを勉強します。
■■

三重:ねぇ,佳代,この前,十字軍の遠征の失敗で,ヨーロッパに新しい
   動きが起こったって言っていたよね。
佳代:そうよ。ルネサンスとか宗教改革とか。
三重:えっ,それってどんな風に関係あるの?
佳代:たぶん,ローマ教皇の力が衰えたからじゃないかな。
三重:えっ,どうして?宗教改革は分かるような気がするけど,ルネサン
   スは?
佳代:う〜ん,そうねぇ,それまでは,キリスト教中心,つまり神が中心
   の考え方で世の中が動いていたんじゃない?だから,人間性重視の
   ルネサンス運動が起こったんだと思うよ。
三重:つまり,それまでは,いろいろ窮屈な社会だったってこと?
藤原:そうだよ,すごく窮屈な社会だったんだ。
三重:あっ,先生,またまたいいところに来ました。
藤原:結構,難しい話をしているみたいだね。
三重:ハイ,三重も高級な話ができるようになりました(*^_^*)
藤原:それはいいことだね。歴史は,背景や流れが分かってくると,もっ
   ともっと面白くなるよ。そして,自然に覚えられるから,忘れない。
佳代:そうですね,丸暗記したものはすぐに忘れてしまいます(^^)/
藤原:そういうものだね。だから,先生はいつも勉強は楽しくっていうこ
   とを強調しているんだ。
三重:楽して,覚えられて,忘れない。いいことだらけですね。
藤原:そういうこと。ゲーム感覚でいいんだよ。中学生は,まだまだお勉
   強の段階だからね。
佳代:お勉強?
藤原:うん,まだ,本当の学問に入っていないってこと。基本的なことを
   広く浅く学びながら,考え方を身に付ける。そういう段階だ。
三重:へぇ〜,それじゃあ,楽しくいきましょう(^^)!
藤原:うん,いこう(笑)。まずは,十字軍の前の社会を簡単に説明する
   と,封建社会で教会の力が強かった。
佳代:日本の封建社会と同じですか?
藤原:う〜ん,それは難しい問題だね。かなり違う。でも,基本的には,
   同じようなものと考えてよい。
三重:えっ,先生,どっちなんですか。
藤原:つまり,土地をなかだちとした主従関係という基本的な部分は同じ
   だっていうこと。形態はかなり異なるけれども,それは,高校に行
   ってからでいいだろう。大切なのは,十字軍以前のヨーロッパは,
   窮屈な領国単位で自給自足するような社会であったということだ。
三重:あまり人間的ではありませんね。
藤原:そうなんだ。しかも,領地の中央には,教会が建っていて,権威が
   あった。だから,宗教色も強く,あまり,人間性のない暗黒の生活
   を送っていたんだ。
三重:ストレスがたまりますねぇ。
藤原:そうだね。君達ではとても耐えられないよ(笑)
佳代:それが,十字軍の失敗で,教会の力が弱くなったんで,人間性を重
   んじるルネサンス運動が起こったわけですね。
藤原:そういうこと。ルネサンスとはもともとラテン語で「再生」を意味
   する言葉からできたんだ。文芸復興と約している。
三重:すると,まったく新しくできた文化ということではないのですね。
藤原:うん,簡単に言うと,古典古代と呼ばれるギリシア・ローマの文化
   を復興させようという動きを言うんだ。
三重:なるほど,だんだん分かってきました。どうも,ルネサンスという
   と当時の最新文化のような気がしてしまいますが,違うんですね。
藤原:そうだね。もちろん,当時の人にとっては新鮮な文化だろうけれど
   も,古代に戻ることで新鮮になることもあるんだね。
佳代:そういえば,古い歌が妙に新鮮に感じることがあります。
藤原:まあ,そんな感じだと思えばいい。ところで,ルネサンスが起こっ
   た理由として,教会の衰えのほかにもう一つある。
三重:えっ,何ですか。
藤原:うん,都市の発達だ。
三重:そんなことが関係あるんですか?
藤原:まずは,十字軍の遠征で,多くの人たちが動くわけだから,当然潤
   う商人も出てくるよね。
三重:ハイ。
藤原:簡単に言えば,お金持ちが増えるということだ。
三重:それと,ルネサンスがどう関係してくるんですか?
藤原:分かりやすく言えば,スポンサーの問題だ。
佳代:あっ,分かりました。芸術には金がかかるからスポンサーが必要な
   わけですね。
藤原:そういうことだ。都市の支配者達がスポンサーになった。特に,フ
   ィレンツェのメジチ家が,多くの学者や芸術家のスポンサーになっ
   たんだ。
三重:なるほど,そういうことだったんですか。
藤原:最後に,代表的な人物をまとめておこう。それじゃあ,佳代ちゃん,
   文学の代表的な作品である「神曲」を書いた人は?
佳代:ダンテです。
藤原:正解,これはよく出るねぇ。次に,三重,「モナ=リザ」や「最後
   の晩餐」などを書いた万能の天才は?
三重:ハイ,レオナルド=ダ=ビンチです。
藤原:OK,いいねえ。それから,彫刻の代表作「ダビデ像」を作った人
   は?
佳代:ミケランジェロです。
藤原:うん,よろしい。後は,天体望遠鏡を利用して地動説を立証した有
   名なガリレオ=ガリレイなどを覚えておけばいい。
三重:わぁ,すごく覚えることが少なくていいですねぇ(^_^;σ
藤原:うん,後は,14世紀にイタリアの都市から始まったことをしっかり
   覚えておこう。
佳代:分かりました。それにしても,ルネサンスって響きのいい言葉です
   ねぇ。
藤原:うん,何かわくわくする感じを持った言葉だね。それじゃあ,今日
   はこの辺にしよう。
佳代:ハイ,ありがとうございました。

□□
□□ 今回の復習
□□

● ルネサンス(文芸復興)

 ・古代ギリシア・ローマ文化を復興させようという運動

 ・14世紀イタリアで始まる(中心都市はフィレンツェ)

● 代表的作品

 ・文学:「神曲」ダンテ

 ・絵画:「モナ=リザ」「最後の晩餐」レオナルド=ダ=ビンチ

 ・彫刻:「ダビデ像」ミケランジェロ

● 科学−ガリレオ=ガリレイが,天体望遠鏡を実用化し地動説を立証。


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 22   
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■■
■■ 今回は,三大発明と宗教改革を勉強します。
■■

三重:佳代,新しいプリンター買ったよ。
佳代:いいねえ,三重は。私なんか4年前のを使ってるのよ。
三重:すっごく速くてきれい。印刷は,何回でもできるから,佳代の作っ
   た年表を,ぐちゅぐちゅにしながら覚えているのよ。
佳代:印刷できるって,本当に便利ねぇ。
藤原:そうだね。印刷によって社会は大きく変わったよねぇ。
三重:あっ,先生,今日は,まだ勉強していません(>_<)
藤原:うん,でも,プリンターの話が出たから,ちょうどいい話がある。
三重:といいますと。
佳代:分かった,グーテンベルクでしょう。
藤原:そうなんだ。今,勉強しているヨーロッパの新しい動きの話で,三
   大発明といわれているもの。
三重:えーと,何でしたっけ?
藤原:佳代ちゃん,言ってごらん。
佳代:ハイ,まずは,火薬。そして,羅針盤に,今話題になっていた印刷,
   グーテンベルクが発明した活版印刷です。
藤原:そうだね。いずれも発明というよりは改良といったほうがいいかも
   しれないけれども,この3つが以後の社会に大きな影響を及ぼすこ
   とになるんだ。
三重:先生,羅針盤は,この後の大航海時代に大いに役に立ったことは分
   かるのですが,火薬と活版印刷はよくわかりません。
藤原:うん,火薬は,戦争のやり方を変えてしまう。日本でも,鉄砲が伝
   来してから戦の方法が変わっただろ,あれと同じだ。
佳代:騎士が没落したのですよね。
藤原:そうなんだ。封建社会では,高い地位を占めていた騎士も,火薬の
   導入で存在意義が薄れ,没落を早めたんだ。
三重:なるほど,そういうことですか。では,活版印刷は?
藤原:うん,象徴的な出来事がある。それが,ルターの宗教改革だ。
三重:えっ,宗教改革と活版印刷が関係あるのですか?
藤原:そうなんだ。でも,まずその前に,ルターの宗教改革についてまと
   めてみよう。
佳代:以後,否(いな)とルターの改革。
藤原:そうだね,ルターの宗教改革は,1517年におきた。何について否と
   言ったのかな?
佳代:ハイ,免罪符の販売です。
藤原:そうだったね。ローマ教皇が,セント=ピーター寺院を作るとき,
   資金を集めるために免罪符を売り出した。それに対してルターが待
   ったをかけたのだ。
三重:それは知っています。宗教界も腐敗していたんですよね。
藤原:うん,ドイツの神学者だったルターは,95か条の意見書を出して,
   信仰のよりどころは聖書だけだと主張したのだ。
佳代:あっ,分かりました。聖書に関係があるのですね。
藤原:正解。
三重:えっ,えっ,どういうこと?
佳代:活版印刷が発明されたので,聖書を大量に印刷できたということよ。
三重:あっ,そうか,それで,印刷と関係あったのね(*^_^*)
藤原:実を言うと聖書は,当時は,ラテン語で書かれていて,読める人が
   本当に少なかったんだ。それを,ルターがドイツ語に訳し,大量に
   印刷されたというわけだ。
佳代:もし,印刷ができなければ,それほど普及しなかったかもしれない
   ですね。
藤原:そうだね,今は,家でも,きれいな印刷物を作ることができる時代
   だけれども,先生が子供のころは,印刷物を作るなんて個人のレベ
   ルではできることではなかった,そういう意味では,いい時代だね。
三重:ルターは分かりました。もう一人,カルビンがいましたね。
藤原:うん,カルビン,あるいはカルバン,どちらでもいいけれども,ル
   ターとカルビンは,区別して覚えておこう。
三重:どんな風に?
藤原:ルターは,さっき言ったことでいいだろう。カルビンは,フランス
   人で,主にスイスで活動したことと,勤労と蓄財のすすめを説いた
   こと。その辺を覚えておけば大丈夫。
佳代:分かりました。
藤原:それから,ルター派やカルビン派は,ローマ教皇の支配を受けない
   新教と呼ばれたことも覚えておこう。
佳代:プロテスタントですね。
藤原:そう,抗議する人という意味だ。それに対して,これまでのカトリ
   ック教徒を旧教と呼んで区別する。
佳代:カトリックの方も,反省したのでしたね。
藤原:そのとおり。反省して作ったのが,イエズス会だ。
三重:フランシスコ=ザビエルですね。
藤原:おう,よく知っているね。
三重:そのぐらいは知ってます>^_^<。顔だって知ってます。
藤原:そうだね。一度見たら忘れられない顔だ。そのザビエルとロヨラが
   作ったのがイエズス会だ。
佳代:日本にも来ましたね。
三重:先生,何であんなに遠いポルトガルからわざわざ日本にまで来たの
   ですか?
藤原:これも,宗教改革と関係があるんだ。
三重:どんな風にですか?
藤原:簡単に言うと,反省したとはいえ,ヨーロッパでは新教が強くなっ
   ていった。やはり,布教はしづらいよね。
佳代:そうですねぇ。アジアや日本では,ルターの宗教改革なんて知りま
   せん。
藤原:そういうこと。悪い言い方で言うと,キリスト教の堕落を知らない
   人たちの方が布教しやすかったということ。それが,航海術の発達
   と結びついて,世界中に広げていったんだ。
三重:ふ〜ん,そういう事情もあったんですか。もし,宗教改革が起こら
   なかったら,日本に来なかったかもしれないんですね。
藤原:そうだね。いずれは,来ることになるだろうけれども,時期は,ず
   っと遅くなったかもしれない。
佳代:ということは,ルターが日本史を変えたと言ってもいいぐらいです
   ね。
藤原:間接的にね。
佳代:分かりました。今日はありがとうございました。

□□
□□ 今回の復習
□□

● 三大発明

  ・火薬−東方から伝わったものを改良。戦いの方法が変わる。
  
  ・羅針盤−中国で使われているものを改良。地理上の発見に役立った。
  
  ・活版印刷術−ドイツのグーテンベルクが金属活字印刷をはじめる。

● 宗教改革

  ・ルター(ドイツ人)信仰のよりどころは聖書だけと説く。

  ・カルビン(フランス人)勤労と蓄財を説く。スイス中心に活動。

  ・イエズス会−ロヨラ,ザビエルが作る。旧教の反省。海外布教。


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 23  
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■■
■■ 今回は,ヨーロッパ人の海外進出を勉強します。
■■

三重:ねえ,佳代,アメリカってコロンブスが発見したんでしょう。
佳代:そうよ。
三重:だったら,何故,アメリカって言うの?
佳代:う〜ん,そう言えばそうねぇ。
藤原:それはね,やはり,アメリカを探検したアメリゴ=ベスブッチという
   人の名前にちなんでいるんだよ。
三重:あっ,先生,こんばんは。そんな人いたんですか?
藤原:まぁ,中学生では特に勉強しないけれども,主に南アメリカを探検し
   たイタリア人だ。
佳代:へえ〜,はじめて聞きました。
藤原:今日は,新航路の発見あたりかい?
三重:ハイ,そのつもりです。
藤原:それじゃあ,がんばろうね。まず,今,出てきたコロンブスだ。
佳代:意欲に燃えるコロンブス!
藤原:さすが佳代ちゃん,何でも知っているね。コロンブスは,意欲に,つ
   まり,1492年にアメリカの西インド諸島に達したんだったね。
佳代:インドと勘違いしていたんですよね。
藤原:そう,コロンブスは,スペインのイザベラ女王の援助を受けて西へ向
   かった。西へ行けばインドにいけると思ってね。
三重:どうして,西へ行ったんですか?
藤原:うん,もともと,アジアは東にあって貿易もしていたんだけれども,
   不都合が多かったんだ。
三重:不都合というと?
藤原:うん,東方貿易は,イタリア商人とアラビア商人が独占していて,さ
   らに西アジアにオスマントルコという国があって,領内を通る商品に
   高い税金をかけていたんだ。
佳代:つまり,お金がかかりすぎるということですね。
藤原:簡単に言うとそういうことだ。君達だって,有料道路ばっかりだった
   ら考えるだろ。
三重:そうです。うちの親なんかケチだから,めったに高速道路を使いませ
   ん(^o^)。
藤原:まあ,そんなものだと思っていい。つまり,お金がかかるのに嫌気が
   差して,新しい道を見つけようとしたということだ。
佳代:その中心の国がスペインとポルトガルなんですね。
藤原:そういうこと。そして,スペインは西回り,ポルトガルは東回りの航
   路を見つけようとしたんだ。
三重:アレ,先生,今,東はお金がかかるって言ったじゃないですか。
藤原:うん,従来の道はそうだ。でも,東でも新しい道はあるんじゃないか
   な。
佳代:三重,アフリカの南を回るのよ。
三重:あっ,そうか,東は東でも,違う道を探すってことですね(*^_^*)。
藤原:そういうこと。そこで,覚えておきたいのが,インド航路を発見した
   バスコ=ダ=ガマだ。
三重:ガマですか?ブスだのガマだのって,あまりいい名前じゃありません
   ねぇ(^_^)/
藤原:まぁ,名前のことはおいておこう。佳代ちゃんもいることだし。
佳代:何ですか,先生(怒)!!
藤原:まぁ,とにかく,このバスコ=ダ=ガマは,現在の南アフリカ共和国
   の喜望峰を回ってインドにたどり着いた。これが,1498年。そして,
   もう一人,超有名な人がいたね。
佳代:ハイ,マゼランです。世界一周をしました。
藤原:そう,マゼランは,まず,南西に向かい,南アメリカの南端を回って,
   フィリピンに到達した。
三重:すごいですねぇ。
藤原:うん,この時代だから,こんな大航海は,本当に危険だったんだけれ
   ども,前に勉強した羅針盤が役に立ったんだ。
三重:あっ,思い出しました。三大発明の一つですね。
藤原:そう,確か,前回勉強したね。そんなこともあって,このような大航
   海が行われたのだけれども,やはり,いろいろ危険は多かった。
佳代:確か,マゼランは,フィリピンで殺されたのでは?
藤原:おう,よく知っているね。原住民とトラブルを起こし,殺されたと言
   われている。もっとも違う説もあるけれども。
三重:それじゃあ,マゼランは,世界一周をしなかったのですか?
藤原:う〜ん,難しい問題だね。確かに,この航海ではしなかったことにな
   る。だから,マゼラン一行の世界一周とかかれる場合が多いんだ。で
   も,マゼラン個人で言えば,東回りで,この地点に来ていたので,世
   界一周をしたいえる。
三重:なるほど,個人通算では,世界一周を成し遂げているということです
   ね。
藤原:そういうこと。とにかく,この航海は,出発したのが,1519年で,帰
   ってきたのが,1522年のことだった。
佳代:日本では,戦国時代ですね。
藤原:そう,まだ,織田信長も出てこない,戦国大名が各地でしのぎを削っ
   ていたころだ。でも,後で日本にもやって来たよね。
三重:それにしても,遠いところから来たものですね。
藤原:うん,確かに,ポルトガルから日本に来るのに,当時は,2年以上か
   かったと言われている。だから,簡単には来ることはできない。
三重:そういえば,先生,前に地理で,マカオを勉強しました。
藤原:おう,覚えていたね。マカオは,今年中国に返還されるんだけれども,
   実は,この頃,ポルトガルがアジアの根拠地の一つとして手に入れた
   ところなんだ。
佳代:すると,いろいろな国が,アジアに根拠地を持っていたということで
   すか?
藤原:そういうこと。簡単に並べてみると,ポルトガルが,今言ったマカオ
   のほかに,インドのゴア,マレー半島のマラッカなど。また,少し遅
   れるけれどもオランダが,今のインドネシア,ジャワのバタビア中心。
   イギリスは,インド。そんな感じだ。
佳代:スペインはどうなんですか?
藤原:スペインは,アジアというよりも,メキシコのアズティック帝国や,
   ペルーのインカ帝国などを滅ぼし,やりたい放題だった。アジアでは,
   フィリピンに進出した。
佳代:そういえば,フィリピンってフィリップ王子の名前からとった国名だ
   と聞いたことがあります。
藤原:そういうこと。混乱するといけないから,この辺にしておくけれども,
   この時代,ヨーロッパが,アジアやアメリカに進出し,植民地支配に
   つながっていくということを覚えておこう。
佳代:ハイ,分かりました。後の世界に大きな影響を与えた時代だったんで
   すね。
藤原:いいことばかりでないのは,後の歴史を見れば分かるけれども,本当
   の意味での世界史が生まれたのは,この時代だということだね。
三重:分かりました。今日はありがとうございました。
 
□□
□□ 今回の復習
□□

● 新大陸の発見−コロンブス(1492年)

● インド航路の発見−バスコ=ダ=ガマ(1498年)

● 世界一周−マゼラン一行(1519年〜1522年)

● ヨーロッパ諸国の海外進出

 ・ポルトガル:インドのゴア,マレー半島のマラッカ,中国のマカオ。

 ・スペイン:メキシコ,南アメリカ,フィリピン。

 ・オランダ:ジャワのバタビア。

 ・イギリス:インド。北アメリカ。


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 24  
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■■
■■ 今回は,天下統一への道を勉強します。
■■

三重:佳代,歴史って本当に恐ろしいのね。
佳代:えっ,何のこと?
三重:鉄砲よ。だって,漂流していた船がたまたま種子島についたわけ
   でしょ。
佳代:確かにそうね,別に鉄砲を売りつけに来たわけじゃないし。
三重:もし,来なければ日本の歴史は変わっていたわけでしょ。
佳代:うん,でも,歴史を勉強していると,そんな場面の連続よ。
藤原:だから,歴史は面白いんだよ。
三重:あっ,先生,こんばんは。
藤原:今日は,天下統一のあたりかな?
三重:そうです,お願いします。
藤原:今話題になっていた鉄砲だけれども,たまたまやってきた中国船
   に,たまたまポルトガル人が乗っていた。
佳代:えっ,中国船なんですか?
藤原:そう,中国船だ。そのポルトガル人が日本にやってきた最初のヨ
   ーロッパ人ということになるわけだけれども,彼は,鉄砲を持っ
   ていた。
佳代:それに興味を示したのが,種子島時堯なんですね。
藤原:そうなんだ。この若きお殿様は,興味を示し,今のお金でだいた
   い一丁2000万円ものお金を出して,二丁購入した。
三重:えっ,すると4000万円も出したんですか!わたしは,ただでもら
   ったと思っていました。
藤原:そうだね。ただでもらえればいいけれども,現実は,そんなに甘
   いものではない(^^)。そして,鉄砲は,以後,四散する。
佳代:以後,四散。1543年ということですね。
藤原:そう,そして,数年後に,フランシスコ=ザビエルが鹿児島にや
   ってきてキリスト教を伝える。
佳代:以後,よく広まるキリスト教。
三重:以後,よく?1549年ってこと?
佳代:そうよ。そして,この辺から,天下統一への道が加速されていく
   ことになるのよ。
藤原:そうだね。この辺が,日本史の中でも一番人気のあるところだ。
   本当に面白いところだね。でも,あまり詳しくやっていると,時
   間がいくらあっても足りないから,興味のある人は,ホームペー
   ジで勉強してね。
三重:ハイ,分かりました。先生,それじゃあ,信長を。
藤原:うん,信長は,佳代ちゃんが詳しいので,いろいろ聞きながらや
   っていこう。
佳代:ハイ,任せてください(^_^)。
藤原:まずは,織田信長の全国デビューだ。
佳代:桶狭間の戦いですね。
藤原:そう,それまでは,尾張の一大名にすぎなかった信長が,駿河の
   大大名今川義元を破った。
佳代:確か,信長の方は,2〜3000。義元の方は,2万以上と言われてい
   ます。
藤原:そうだね。数字は,いろいろ説はあるけれども,まあ,だいたい,
   10倍の兵力差をひっくり返した,日本史史上最もドラマティック
   な戦いといわれている。
三重:つまり,この戦いで,信長がブレイクしたということですね。
藤原:そう,そして,信長は,急速に伸びていくんだ。
佳代:その後,足利義昭たてて15代将軍にし,京都に入りました。
藤原:これで,信長が全国統一の先頭に立ったわけだね。しかし,その
   義昭を追放することになる。いつのことだっけ?
佳代:ハイ,涙の年です。以後,涙涙の足利義昭。
三重:それって,1573年のこと?
佳代:そうよ。本当に,義昭が涙を流して,京を追放されたのが目に浮
   かぶようだわ。そして,この年が室町幕府の滅亡の年ということ
   になるのよ。
藤原:そうだね。信長の話題は尽きないけれども,大きな流れで言えば,
   桶狭間でデビューして,義昭を奉じて京都に入り,その義昭を追
   放する。そして,試験にも良く出る有名な鉄砲を有効に使った戦
   いある。
佳代:長篠の戦ですね。
藤原:そう,甲斐の武田勝頼を破った戦いだけれども,最近の入試問題
   にこの長篠の戦の合戦図がよく出るんだ。
三重:ハイ,見たことがあります。たくさんの鉄砲隊が鉄砲を構えてい
   るやつですね。
藤原:そう,これは,しっかり覚えておいてね。そして,琵琶湖の南岸
   に安土城を築き,ここを全国支配の拠点としたんだ。
三重:琵琶湖の南岸ですか?
藤原:そうなんだ。これも,最近,地図の問題などで出るから,よく覚
   えておこう。そして,最後は,志,半ばにして本能寺の変に倒れ
   るわけだけれども,信長の功績として,大切なことがある。
三重:何ですか?
藤原:うん,楽市・楽座だ。これは,メチャ,よく出るよ(^_^)/
佳代:座の特権を廃止したんですよね。
三重:座って何?
佳代:簡単に言えば,同業者の組合よ。
藤原:そう,組合が強ければ,新しい商人が入りにくい。そこで,信長
   は,誰でも自由に商売ができるようにしたんだ。それと同時に,
   関所の廃止。これも大切だね。
三重:どうしてですか?
藤原:関所を通るときにお金を取られるんだ。これも,高速道路を乗る
   ときのことを考えるとわかりやすい。
三重:あっ,インターチェンジでお金を取られますね。
藤原:そう,だから,関所は,そのインターチェンジみたいなものと考
   えると分かりやすいんじゃないかな。通るたびに金を取られたら
   たまらないし,その分,商品も高くなる。
佳代:すると,信長という人は,商業に理解のあった人なのですね。
藤原:そう,商業を保護した。この点でも,有能な人物だということが
   分かる。更に,有名な比叡山の焼き打ちだ。
佳代:これが,信長の評判を悪くしていますね。
藤原:うん,でも,これは,一種の宗教改革と言えるかもしれないよ。
   その辺は,あまり言い過ぎることはできないけれども,先生は,
   信長は,古いものを破壊し,新しいものを建設するという姿勢か
   ら,統一事業の妨げにもなっている仏教勢力を弾圧したと考えて
   いる。
佳代:逆にキリスト教を保護しましたね。
藤原:うん,これもしっかり覚えておこう。後の秀吉や家康は,禁止し
   ているからね。ただ,これも,仏教勢力に対抗させるために,保
   護したのであって,決して,信長がキリスト教徒であったわけで
   はない。もちろん,貿易には強い興味があったけれども。
佳代:南蛮貿易ですね。
藤原:そう,信長は,このスペインやポルトガル人との貿易である南蛮
   貿易の大切さを知っていた。だから,キリスト教を保護したとも
   言える。
三重:でも,最後は本当にあっけなかったですね。
藤原:そう,本能寺の変については,佳代ちゃんのホームページで研究
   しているから興味のある人は是非見てね。とにかく,信頼してい
   た家臣の明智光秀に襲われ,最期を遂げた。これも,以後の日本
   史に大きな影響を与える出来事だったね。
佳代:ハイ,分かりました。信長は,日本史の中でも最も人気のある人
   物の一人ですから,わたしもずっと研究していきたいと思います。
藤原:がんばってね。

□□
□□ 今回の復習
□□

● 鉄砲の伝来(1543年)ポルトガル人が種子島で伝える。

● キリスト教の伝来(1549年)ザビエルが鹿児島へやってきて伝える。

● 織田信長の天下統一事業

  ・桶狭間の戦い(1560年)今川義元を破る。

  ・信長の入京(1568年)足利義昭を奉じる。

  ・室町幕府の滅亡(1573年)足利義昭を追放。

  ・長篠の戦い(1575年)家康と連合し武田勝頼を破る。

  ・安土城に本拠を移す(1576年)琵琶湖の南岸。

  ・本能寺の変に倒れる(1582年)家臣の明智光秀に叛かれる。

● 信長の政策

  ・楽市・楽座−座の特権を廃止し,商売を自由にすることができる
         ようにした。

  ・関所の廃止−交通の往来を自由にした。

  ・仏教の弾圧−比叡山の焼き打ちなど。

  ・キリスト教の保護


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 25 
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■■
■■ 
■■

   今回は,豊臣秀吉の政治を勉強します。

■■
■■ それでは,勉強に入ります!
■■

三重:ねえ,佳代,豊臣秀吉って本当に偉い人だったの?
佳代:そうよ,でも,生まれは,貧しい農民だったわ。
三重:どうして,そんなに偉くなれたのかなぁ?
佳代:う〜ん,よく分からないけれども,実力じゃない?下剋上の時代だ
   から。
三重:それにしても変ねぇ。もともと高い身分の生まれじゃないの?
佳代:どうして,そう思うの?
三重:だって,有名な人が家来になったんでしょ。
佳代:ああ,竹中半兵衛のこと?
三重:そうそう,学校の先生が言っていた。それから,野武士たち。
佳代:蜂須賀小六ね。
三重:あっ,そう,何とか小六って人。偉くなってからならともかく,ま
   だ,下っ端の頃に,家来になったって聞いたわ。何か変じゃない?
佳代:そう言われてみるとそうねぇ。。。
藤原:秀吉は,たぶん,貧しい農民の生まれだよ。
三重:あっ,先生,いいところに来ました。
藤原:今日は,随分,難しいことを勉強しているんだねぇ。
三重:いえ,先生,たまたま学校の先生が言ったことを思い出しただけで。
藤原:今日は,秀吉の勉強をするんだね。
三重:ハイ,お願いします。
藤原:まず,身分の話だけれども,たまたま知り合いの人から面白い話を
   聞いたことがある。
佳代:何ですか?
藤原:うん,秀吉って,エピソードが多いよね。立身出世の。
佳代:そうですね。ぞうり取りの話など有名です。
藤原:つまり,エピソードで彩られた人間は,出自が低いということだ。
   もし,もともと身分が高いのならば,出生に関する話が一つもあれ
   ばいい訳だからね。
佳代:なるほど,ことさら出世物語が語られるということは,生まれは,
   あまり高貴でないという証拠なのですね。
藤原:そういうこと。出自の高貴な人は,血統を宣伝するし,出自の低い
   人はエピソードを宣伝する。その話を聞いて,妙に納得したのを覚
   えている。
三重:分かりました。それで先生,秀吉で覚えることといえば何ですか。
藤原:うん,信長の後をついで天下を統一したことは周知のとおりだけれ
   ども,その辺は,長くなるから,秀吉の政治について考えてみよう。
三重:知ってます,太閤検地とか,刀狩とか。。。
藤原:そう,その二つは,ものすごく大切だ。まず,検地からいこう。そ
   もそも検地って何なんだろう。
三重:えっ,何でしょう(汗)。。。
佳代:土地を調べるってことでしょ。検地というんだから。
藤原:簡単に言えば,そういうことだね。秀吉は,農民を確実に支配する
   ために,土地を調べなおしたんだ。そして,耕地ごとに耕作者を決
   め,年貢納入者としたんだ。
佳代:つまり,税金を取るために土地を調べ直したんですね。
藤原:そうなんだ。そして,年貢納入者を記録した。これが検地帳だ。
三重:なるほど,分かったような気がします。
藤原:更に秀吉は,米の収穫量を石高で表した。
佳代:例の何万石とかいうやつですね。
藤原:そう,そして,刀狩。
三重:これは,分かりやすいです。農民や僧侶から,武器を取り上げまし
   た。
藤原:そうだね。理由は?
三重:は〜い,一揆を防ぐためで〜す(^o^)vvv。
藤原:OK。そして,この二つの政策により,農民と武士を分離した。
佳代:兵農分離ですね。
藤原:そう,武士が農民を支配する形が出来上がったといっていい。これ
   が江戸時代の身分制のもとにもなっているんだよ。そして。
三重:そして?
藤原:うん,刀狩に関して,覚えてもらいたいことがある。
三重:何ですか?
藤原:佳代ちゃん,刀狩令が出たのは何年だっけ?
佳代:はい,1588年です。
藤原:そうだね,よく覚えているね。実は,同じ年にヨーロッパで大きな
   事件が起きているんだ。
佳代:大きな事件?
藤原:そう,イギリスがスペインの無敵艦隊を破るという大事件だ。
佳代:あっ,思い出しました。エリザベス女王ですね。
藤原:そう,これは,刀狩の資料などと一緒によく出る問題だから,必ず
   覚えておいてね。
三重:分かりました。それから,秀吉といえば,キリスト教を禁止しまし
   たね。
藤原:うん,江戸時代みたいに徹底はしなかったけれどもね。禁教令を出
   したり,宣教師の国外退去などを命じた。
佳代:なぜ,徹底しなかったのですか。
藤原:それはね,貿易を奨励していたからだ。いずれにせよ,本格的な弾
   圧は江戸時代になってからだね。最後に,朝鮮出兵をやろう。
佳代:文禄の役と慶長の役ですね。
三重:佳代,よく覚えているね。
佳代:まあね(^_^)v。でも,自然に覚えているだけよ。
三重:うらやましい。
藤原:そうだね。自然に覚えるのが一番だ。そして,このころの朝鮮の王
   朝名は?
佳代:李氏朝鮮です。
藤原:正解。これも,最近よく出ているからね。
三重:それにしても,朝鮮の人にとっては迷惑だったでしょうねぇ。
佳代:そうよ。前にテレビで,韓国人が嫌いな日本人の中に,しっかり秀
   吉が入っていたわ。
藤原:秀吉の汚点と言ってもいいだろうね。でも,秀吉自身が死んでしま
   い。出兵は中止。結果的に豊臣家の滅亡につながっていくんだ。
三重:分かりました。貧しい農民から天下を取り,最後に没落していく。
   本当に秀吉って,すごい人生だったんですね。
藤原:そうだね。後,秀吉の頃の桃山文化をやりたいけど,今日は,時間
   がないから,佳代ちゃん,まとめておいてね。
佳代:分かりました。任せてください\(^o^)/。

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□□ 今回の復習
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● 豊臣秀吉の天下統一

 ・1582年 本能寺の変で織田信長が倒れる。

 ・1582年 山崎の戦いで,明智光秀を倒す。

 ・1583年 賤ヶ岳の戦いで,柴田勝家を倒す。

 ・1583年 大阪城を築いて本拠地とする。

 ・1585年 関白に任じられる。

 ・1586年 太政大臣になり,豊臣の姓を受ける。

 ・1590年 北条氏を滅ぼし,全国統一をする。

 ・1598年 63歳で死ぬ。

● 秀吉の政治

 ・1582年 検地を行う。

 ・1588年 刀狩令を出す。

 ・1587年 禁教令を出す。

 ・1592年 文禄の役(1回目の朝鮮出兵)

 ・1597年 慶長の役(2回目の朝鮮出兵)

● 桃山文化−信長・秀吉の頃の文化。はなやかで雄大な文化。

 ・建築:大阪城,姫路城,聚楽第など。

 ・障壁画:狩野永徳,狩野山楽など。

 ・茶の湯:千利休→茶道として大成。

 ・歌舞伎踊り:出雲の阿国(いずものおくに)


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