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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 16   
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■■
■■ 今回は,将軍足利義満を勉強します。
■■

三重:ねえ,佳代,金閣寺って誰が作ったんでしょう。
佳代:足利義満。
三重:ブー,大工さんで〜す(^^)
佳代:三重,つまらないこと言わないでよ。だいたい,金閣寺って言っちゃダメなの
   よ。
三重:えっ,どうして。
佳代:正確には鹿苑寺金閣。金閣寺は通称だから気安く言ってはダメ。
藤原:そうだね。うるさい先生だったら金閣寺はバツ。
三重:あっ,先生。
藤原:まあ,金閣寺という有名な小説もあるぐらいだから,別に金閣寺でもいいと思
   うけれども,昔,テストに金閣寺って書いてバツをもらった生徒もいるんだ。
佳代:それは厳しいですねぇ。
藤原:たぶん授業で言って,出したんだと思うけれどもね。まあ,それはいいとして,
   今日は足利義満を勉強するのかな。
三重:ハイ,そのつもりです。
藤原:佳代ちゃん,足利将軍って何人いたんだっけ?
佳代:ハイ,15人です。
藤原:そうだね。その中で最も出るのがこの義満君なんだ。
三重:義満君(*^_^*),先生,友達ですか。
藤原:まあいいじゃないか。友達のようにして気軽に覚えるんだよ。そのほうが頭に
   入るから。
三重:それじゃあ,義満君は何をしたのですか?
藤原:まずは,前回勉強したとおり,南北朝の合一を成し遂げたころの将軍だ。
三重:あっ,覚えています。いざ,国をまとめようでしたね。
藤原:そう,1392年だね。この年は,お隣の朝鮮で李氏朝鮮が成立した年と同じだか
   らいっしょに覚えておくといいよ。
佳代:あっ,そうでしたね。いっしょに覚えられると本当に得ですね(^_^)v
藤原:それから,さっき話題に上っていた金閣だね。これは北山に建てられたので,
義満のころの文化を北山文化と呼んでいる。
佳代:後で,義政の東山文化も出てきますね。
藤原:うん,でも,文化は次の機会に勉強しよう。今日は,もう一つ大切なことを勉
   強する。
三重:何ですか?
藤原:義満が行った貿易だ。
佳代:分かった日明貿易ですね。
藤原:そう,日明貿易は,本当に大切だ。記述式問題などでもよく出るからね。
三重:えっ,説明させるんですか。
藤原:うん,でも,あわてることはないよ。簡単に説明できればいいんだ。
佳代:確か,勘合を使うんでしたよね。
藤原:そうなんだ。
三重:えっ,勘合って何でしたっけ。
佳代:明の政府が発行した合札のことよ。二つに割って明に行ったときに合わせるの。
三重:どうしてですか?
藤原:うん,倭寇って覚えているかな。
三重:いいえ。
藤原:倭寇というのは,簡単に言うと海賊のことだ。そこで,倭寇と区別するために,
勘合という合札を使ったんだ。
三重:つまり,正式な船であることの証明ですね。
藤原:そういうことだ。だから,別名勘合貿易とも呼ばれているんだ。
佳代:それを説明すればいいんですね。
藤原:そうだね。一番よく出るのが,日明貿易ではなぜ勘合を使ったのかという問題。
   それは,倭寇と区別するためという説明ができればいい。ただ,もう一つ,義
   満はなぜ勘合貿易を行ったのかという問題もある。
佳代:なぜですか?
藤原:うん,これも簡単に答えればいい。幕府の財政を安定させるため。この程度で
   十分だろう。
三重:な〜んだ,そのぐらいなら私でもできます。
藤原:そうだね。どちらにしても,足利義満関係の問題は多いからしっかり勉強して
   おこうね。
佳代:分かりました。

□□
□□ 今回の復習
□□

● 足利義満(3代将軍)の業績

1. 南北朝の合一(1392年)

2. 北山文化を創出。

3. 日明貿易(勘合貿易)を行う。

貿易を行った理由・・・幕府財政を安定させるため。

勘合を用いた理由・・・倭寇と区別するため。

主な輸出品・・・刀剣,銅,蒔絵など

主な輸入品・・・銅銭,生糸,絹織物など

※ 義満の時代は,室町時代の最盛期で将軍の権威が最も大きかった時代です。
義満は,明の皇帝から日本国王の称号を受けています。


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 17   
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■■ 今回は,応仁の乱を勉強します。
■■

三重:人よ,むなしい応仁の乱。
佳代:1467年ね。
三重:そうよ,佳代,だいぶ覚えてきたでしょ(^o^)
藤原:そうだね,応仁の乱は本当にむなしいね。
三重:あっ,先生。いいところに来ました。
藤原:今日は応仁の乱だね。
佳代:そうです。大切ですよね。
藤原:そう,本当に大切だ。特に中学生にとっては一番大切な乱かもしれないよ。
三重:どうしてですか。
藤原:うん,この乱によって日本が大きく変わるからだ。
佳代:戦国時代になるんですね。
藤原:そういうこと。それでは,応仁の乱について少し検証してみよう。まず,
   当時の将軍は誰だっけ?
佳代:足利義政です。
藤原:そうだね。銀閣を造ったことでも有名な義政だけれども,あまり政治に熱
   心ではなかった。
佳代:奥さんが強かったと聞いていますが。
藤原:おう,よく知っているね。日野富子という有名な奥さんだ。そして,しば
   らくこの富子の影響は相当大きかったと思われるんだ。
三重:昔から女子が強かったんですねぇ(^^)
藤原:そう,女はいつも強いよ(笑)その富子に子供がなかったんで義政は,弟
   の義視を将軍にしようとした。ところが,その後,富子に子供が生まれた
   んだ。
佳代:足利義尚ですね。
藤原:そうだ。それが紛糾の元になった。
三重:やな感じですね。
藤原:富子としては自分の子を将軍にしたいだろう。事実,義尚は有能だったか
   らね。そこで,幕府内で勢力を持っていた細川勝元と山名宗全が衝突する
   ことになったんだ。
佳代:確か,細川が東軍でしたね。
藤原:そう,山名が西軍。君達は,京都に修学旅行にいったんだろ。
三重:ハイ,楽しかったですY(^_^)Y
藤原:西陣ってなかった?
三重:ハイ,ありました。西陣織の。
藤原:そう,あれは,応仁の乱のときに西軍の陣を張った場所を言うんだ。
佳代:えっ,そうなんですか。
藤原:うん,そんなところにも歴史があるんだよね。まあ,ほかにも,斯波,畠
   山などの内部対立もあって,多く大名が東西に分かれ11年も戦乱が続いた
   のだ。
佳代:本当にむなしいですねぇ。
藤原:そして,京都は焼け野原になる。しかし,大切なのはその後だ。
三重:といいますと?
藤原:京都がそんな状態だから,公家や僧侶はどうしたのかな?
三重:逃げたのですか?
藤原:正解。京を離れ地方に逃げたのだ。するとどうなるだろう?
佳代:京都の文化が地方に広まったということですか。
藤原:OK,大正解。公家や僧侶は,地方の守護大名たちを頼っていったんだ。
   彼らは,力はないけれども文化の中心にいたし,学問もよくできた。
三重:分かりました。応仁の乱が起きたことで,そんなこともあったわけですね。
藤原:そう,この辺は,記述式の問題でもよく出るからしっかり覚えてね。そし
   て,下の者が実力で上の者を倒す下剋上の傾向が出てきたのもこのころか
   らだ。
佳代:いよいよ戦国時代に突入ですね。
藤原:そういうこと。応仁の乱は,乱自体よりも,その後の社会の変化が大切だ。
   その辺をしっかりね。
佳代:ハイ,分かりました。ありがとうございました。

□□
□□ 今回の復習
□□

● 応仁の乱(1467年)将軍足利義政の時,京都を中心に11年間続く。

  東軍−細川勝元,西軍−山名宗全(持豊)

● 結 果

  ・京都を逃れた公家や僧侶が地方の守護大名を頼る。
             ↓
      伝統的な文化や学問が地方に広がる。

  ・幕府の有名無実化→支配するのは京都の周辺だけ。

  ・下剋上の風潮−身分の下の者が実力で上の者を倒す→戦国時代へ。

 ※ 要するに応仁の乱を境にして,これまでの秩序が崩れ,日本が生まれ
  変わるきっかけになった大切な乱ということです。


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 18
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■■ 今回は,室町時代の文化を勉強します。
■■

三重:北東に義満義政金と銀。
佳代:三重,何ぶつぶつ言っているの?
三重:あっ,佳代。ちょっと俳句を作っていたのよ。
佳代:えっ,今の俳句なの(^_^)/~
三重:笑わないでよ。必死なのよ,私だって。
佳代:北山文化は,足利義満で金閣寺。
三重:そう,東山文化は,足利義政で銀閣寺よ。
藤原:おう,今日は,室町時代の文化かい。
三重:あっ,先生。三重は覚えました。
藤原:北山文化と東山文化だね。うん,いいよ,金閣と銀閣ぐらい覚えて
   おけばね。
三重:そう言えば,金閣寺とか銀閣寺とか言ってはいけないんでしたね。
藤原:まあね。でも,そんなに神経質にならなくともいい。鹿苑寺金閣に
   慈照寺銀閣だけれども。それよりも様式に気をつけておこう。
佳代:様式ですか。
藤原:そう,金閣には,寝殿造が残っている。
三重:あっ,それって前に平等院鳳凰堂のところで勉強しましたね。
藤原:そう,あれだ。貴族が好んで作ったのが寝殿造だったね。それに対
   して,銀閣では,書院造が採用されている。
三重:書院造ってどういうのをいうのですか。
藤原:そうだね。三重ちゃんの家みたいなもんだよ。
三重:えっ,私の家?
佳代:さすが先生,いとこだけあって三重の家には何回も行っていますね。
藤原:そうだね。最近はあまり行っていないけれども,1年に1回は行く
   からね。
三重:いえ,今年は来ていません。
藤原:確か,三重の家には床の間があったよね。障子もあるし,畳も。こ
   のような現在の和風様式の基礎になったのが書院造りだ。
佳代:私の家にも床の間があります。
藤原:おう,佳代ちゃんの家にもね。ちょっと昔の家にはみんなあったん
   だ。でも,最近は少なくなってきている。まあ,どちらにしても,
   金閣と銀閣の様式について覚えておく必要がある。
三重:ハイ,分かりました。
藤原:それから,覚えておいてもらいたい学校がある。
佳代:あっ,分かりました。足利学校ですね。
藤原:そう,足利氏の本拠地であった下野国,つまり,今の栃木県だね。
   ここにキリスト教の宣教師に「坂東の大学」言われた学校があった。
   今も一部,跡が残っているよ。それから文学だ。
三重:太平記ですね。
藤原:おう,よく知っているね。前に,三重が休んだとき聖子ちゃんに話
   した覚えはあるけれども。
三重:きちんと聖子から聞きました。後醍醐天皇の倒幕計画から南北朝の
   争乱を書いているんですよね。
藤原:おう,すばらしい!三重がそこまで成長しているとは(^^)/。それか
   ら一寸法師などの短いお話を何ていうんだっけ。
佳代:御伽草子です。
藤原:そのとおり。これも,室町時代だということをしっかり覚えておこう。
三重:ほかに覚えることはありますか?
藤原:うん,忘れてはならないのが能楽だ。
佳代:能楽って,あの能面をつけて踊るやつですか?
藤原:そう,もともとは社寺の祭りのときに演じられていた猿楽に,農村で
   田植えの時に行われた田楽を取り入れてできたものだ。
佳代:確か,観阿弥・世阿弥が完成したんですよね。
藤原:そういうこと。世阿弥は,足利義満のころ幕府によって保護された。
   その後も,幕府の保護で発展することになる。後は,能楽の合間に演
   じられた狂言も覚えておこう。
三重:あっ,狂言って,小学生のとき国語で習いました。
藤原:うん,そうだね。軽妙な皮肉をこめたものが多く愛好者も多かったみ
   たいだ。後は,茶の湯かな。室町時代は茶を飲むことが流行し,上級
   武士や大商人などで茶の湯が行われるようになった。これが,安土桃
   山時代に茶道として完成されることになる。
三重:ほかにはありますか?
藤原:後一つ言えば,水墨画だね。
佳代:雪舟ですね。
藤原:そう,雪舟だ。カラーもいいけれども,水墨画もなかなか味わいがあっ
   ていいよね。
佳代:本当ですね。先生,今日はありがとうございました。

□□
□□ 今回の復習
□□

● 北山文化−足利義満のころ,金閣中心に栄える。

● 東山文化−足利義政のころ,銀閣中心に栄える。

● 足利学校−坂東の大学と呼ばれる。現在の栃木県足利市。

● 能楽−猿楽に田楽が取り入れられる。観阿弥・世阿弥父子が完成。

● 狂言−能楽の合間に演じられた芸能。

● 茶の湯−上流武士や大商人などで行われる。村田珠光が有名。

● 水墨画−雪舟が明で学び大成。


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 19
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■■ 今回は,ヨーロッパ世界の形成について勉強します。
■■

三重:佳代,世界史ってあんまり出ないよね。
佳代:そうね,でも,重要なところはやっぱり出るよ。
三重:どこが重要なのかなぁ。
佳代:う〜ん,よく分からないけれども,たぶん,十字軍の遠征の後あた
   りからじゃないかな。
藤原:そうだね。十字軍の前は,いくつかの簡単なことを覚えておけばい
   いよ。
三重:あっ,先生,いい時に来ました。
藤原:今日は,世界史をやるの?
三重:ハイ,簡単に勉強したいんです。
藤原:OK,それじゃあ,超簡単に勉強しよう(^o^)
三重:はぁ〜い。
藤原:まずは,ゲルマン民族の大移動だ。
佳代:ずいぶん,古くなりますねぇ(^^)
藤原:そうだね。375年だから,日本では大和時代だ。
三重:どうして,ゲルマン民族は移動したのですか?
藤原:そうだね,もともとゲルマン民族はローマ帝国の北東に住んでいた
   んだが,中央アジアから来たフン族に圧迫されたんだ。
三重:フ,フン族ですか(^O^)!
藤原:そうなんだ。その結果,ローマ帝国内に浸入しはじめたというわけ
   だ。
佳代:そのころのローマ帝国はどんな状態だったんですか?
藤原:うん,ちょうど,大移動の始まったころ,395年に東西に分裂してい
   たんだ。そして,この大移動に巻き込まれて,西ローマ帝国は滅ん
   だ。
三重:東ローマ帝国はどうしたのですか?
藤原:こちらは,1453年,この前勉強した応仁の乱の少し前まで続いた。
三重:粘り強いですねぇ(^_^)
藤原:そんな中,476年にフランク王国がおこり,8世紀後半には,チャー
   ルズ大帝のときに西ヨーロッパのほとんどを占める大帝国になった
   んだ。
佳代:フランク王国って今のフランスですか。
藤原:そうだね。実は,この帝国,870年に3つに分裂するんだ。これが,
   現在の,ドイツ,フランス,イタリアのおこりと言われている。
三重:へぇ〜,870年に離れたんですか?
佳代:あっ,三重,それいけるよ!
三重:えっ,何?
佳代:はなれだから,870年。
三重:あっ,そうか,自分で言っていて気づかなかったよ(*^_^*)
藤原:そう,そして,ゲルマン人の一派で北ヨーロッパにいたノルマン人
   がイギリスに上陸する。そんな感じで,現在のヨーロッパの元がで
   きていった。
佳代:この辺は,あまり詳しく勉強したことがありません。
藤原:うん,中学生はね。でも,高校生になったら,嫌になるほどやるぞ。
三重:また,嫌になるほどですか。
藤原:そう,とりあえず,この程度を覚えておけばいいけれども,もっと
   詳しく勉強したい人は,佳代ちゃんが作ったWeb歴史ガイドに行けば
   いくらでもあるから暇を見ていってみてね。
佳代:ハイ,分かりました。あれ,これって変?
三重:変だよ,佳代。自分で作ったんでしょ。
佳代:そうだったね。でも,まだまだ見るところはたくさんあるから,今
   日,早速行ってみます。
三重:私も行こうっと。

□□
□□ 今回の復習
□□

● ゲルマン民族の大移動(375年)みんなGO!で覚えたよ(by 佳代)

● ローマ帝国の分裂(395年)

  西ローマ帝国−ゲルマン民族の移動に巻き込まれ,476年に滅亡。
  東ローマ帝国−1457年まで続く。

● フランク王国の成立(486年)−8世紀,チャールズ大帝のとき全盛。

● フランク王国の分裂(870年)

  3つに分かれる,現在のドイツ,フランス,イタリアの元。

● ノルマン人の活躍−11世紀にイギリスに侵入。


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 20
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■■
■■ 今回は,イスラム世界と十字軍を勉強します。
■■

三重:佳代,十字軍の遠征ってキリスト教とイスラム教の戦いなのね。
佳代:まあ,そんなところね。
三重:悪いのはイスラム教徒なの?
佳代:う〜ん,どうかなぁ〜。そんな難しいこと聞かないでよ。
藤原:どっちがいいとか悪いとかの問題じゃないよ。
三重:あっ,先生,いつもいいところに来ますねぇ(^^;
藤原:今日は,十字軍の勉強なの?
佳代:ハイ,でも,その前に少しイスラム教の勉強も。。。
藤原:そうか,分かった。がんばろうね。
三重:それじゃあ,イスラム教について報告します。まず,はじめた人は,
   マホメットで,聖地は,メッカ。教えが書いてある経典は,コーラン
   です。
藤原:ほう,感心だね。三重もがんばっているね。
三重:ハイ,地理でもやりましたし。
藤原:そうだったね。ところで,イスラム教が成立したのはいつごろだろう。
三重:えっ,えっ,えっ,そういうのは苦手です。佳代,代わりに答えて。
佳代:しょうがないわねぇ。610年。日本でいうと聖徳太子の時代です。
藤原:うん,さすがは佳代ちゃんだ。よく覚えているね。
三重:ずるいよぉ〜,年表に載っていなかったよ。
佳代:ごめんね,世界史は思いきり省いちゃった。今度載せるから。
藤原:まあ,それはいいとして,マホメットの死後,後継者達が領土を広げ,
   アジア,アフリカ,ヨーロッパにかけて大帝国を作ることになる。
三重:えっ,ヨーロッパにも領土があったのですか。
藤原:うん,今のスペインのあたりだ。アルハンブラ宮殿という有名な宮殿
   もあるよ。
三重:あっ,聞いたことがあります。ギターの名曲にもなっていますよね。
藤原:そう,日本人は,イスラム教に,あまりなじみがないのだけれども,
   元を正せばイスラムからというものはたくさんある。
佳代:例えばどんなものですか?
藤原:うん,我々が使っている数字とか。
佳代:あっ,アラビア数字ですね。
藤原:そう,イスラムは,数学とか医学とか化学などの自然科学が発達して
   いた。だから,数字とか,アルがつくやつ。
三重:アル?
藤原:そう,アルカリとか,アルコールとか。
佳代:そういうのもイスラム世界で作られたものなのですか。
藤原:そういうこと。ところで,イスラム教の神様は何ていうんだっけ?
佳代:アラーです。
藤原:そう,これは,神をあらわすイラーフにアルをつけてアラーフ,つま
   りアラーになった。英語で言うと,アラーは,The God だよ。
佳代:つまり,アルとは,the のことなんですね。
藤原:そういうこと。
三重:そういえば,さっき出てきたアルハンブラも,アルがつきます。
藤原:おう,よく気づいたね。アルハンブラは,赤いものを意味するアル・
   ハムラーがなまってできたといわれている。どちらにしても,アルが
   ついたらイスラムに関係があるかもしれないよ。
三重:さて,先生,そろそろ,十字軍に行きましょう。
藤原:そうだね。まず,十字軍の遠征がはじまるきっかけになったのは,セ
   ルジューク=トルコという国が,キリスト教の聖地エルサレムを占領
   したことだ。
三重:セルジューク=トルコはイスラム教の国ですね。
藤原:もちろんだ。そして,ローマ教皇は,聖地を奪い返すために遠征軍を
   送ることになったんだ。
佳代:このころの,ヨーロッパ社会はキリスト教の力が強かったんですよね。
藤原:そう,めちゃ,強かった(^o^)。国王を凌ぐ権威があった。
佳代:すると,教皇の命令は絶対ですね。
藤原:もちろんだ。そして,第1回の遠征が,1096年に始まった。
三重:十字組むですね。
佳代:あっ,三重だって知っているじゃない。
三重:これだけはね(^_^)vvv
藤原:そう,十字組む,つまり1096年だけれども,そのころの日本は,白河
   上皇が院政をはじめていたころだね。
佳代:そうです。1086年です。
藤原:そんな感じで,日本とヨーロッパを比較して覚えておいてね。日本で
   は平安時代,そのころ,十字軍の遠征が始まったと。
三重:ハイ,覚えやすいです。
藤原:それから,約200年間,主なもので7回行われたが,結局は失敗に終わ
   った。その結果,ローマ教皇の権威がおとろえ,ヨーロッパに新しい
   動きが始まるんだ。
佳代:すると,ヨーロッパ社会にとって,この十字軍の遠征は大きな転機と
   なったわけですね。
藤原:そういうこと。その辺は,次回勉強しよう。
三重:そうですね。だいぶ疲れてきました。
佳代:今日はありがとうございました。次が楽しみです。

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□□ 今回の復習
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● イスラム教の成立(610年)アラビア半島

  開祖:マホメット 聖地:メッカ 経典:コーラン

  アラーを唯一の神とする一神教

● イスラム帝国(首都:バグダッド)8世紀に最大領土。

● イスラム文化

  自然科学(数学・天文学・化学・医学)が発達。

  文学は,アラビアンナイトが有名。

● 十字軍の遠征(1096年〜1270年)

  セルジューク=トルコのエルサレム占領をきっかけにはじまる。

  結果:失敗→教皇の権威が落ち,ヨーロッパに新しい動きが起こる。


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