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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 66  
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■■ 今回は「土地制度と税制−3」を勉強します!
■■

三重:佳代,班田収授法って,やーね。
佳代:どうして?
三重:だって6歳になったら田んぼを与えられるんでしょ。
佳代:そうよ,男子だけでなく女子にも・・・。
三重:それって,6歳になったら働けってことでしょ。
佳代:そうだね。やだね。
三重:昔の人はたいへんだったのねぇ〜。
藤原:ホントだね。
三重:あっ,先生,こんばんは。
藤原:今日は,班田収授法かな?
三重:ハイ,それに,租庸調が,今一よく分からないんです。
藤原:分かった。その辺に絞って勉強しよう。
三重:ハイ,お願いします。
藤原:まず,さっきも話題になっていたように,班田収授法では,6歳に
   なると田んぼが与えられる。
佳代:ハイ,その田んぼを口分田といいます。そして,死んだら返さなけ
   ればなりません。
藤原:そのとおり。だから与えられたとは言っても,自分のものになるわ
   けではなく,単に使っていいよということだ。つまり,公地公民の
   原則によって,個人の土地はないけど,国が使用を許可してくれる
   ということだね。
三重:分かりました。ところで先生,どのぐらいの大きさの土地を貸して
   もらえたのですか?
藤原:うん,6歳以上の良民男子が2段。これが基準になる。
三重:えー,2段と言われても・・・。どのぐらいか見当がつきません。
藤原:そうだね。だいたい,縦と横が48メートルの土地と思えばいい。
三重:48メートルですか・・・?結構広いんですね。
藤原:うん,広いのか狭いのかは考え方次第だからよく分からないけど,
   とにかく,そのぐらいの土地をあたえられた。そして,女子は,そ
   の3分の2,奴婢などは,3分の1が与えられたんだ。
三重:何か,面倒ですねぇ。
藤原:そうだね。だいたい,国がやることは面倒なことが多いものだ。ま
   あ,とにかく,簡単に覚えておこう。次に税金の方だけど・・・。
三重:あっ,租庸調ですね。
藤原:そう,この時代の税金は,租庸調だ。まず,それぞれ何で納めるん
   だっけ?
佳代:ハ〜イ,任せてください。租は稲,庸は布,調はその地方の特産物
   で納めま〜す。
藤原:うん,それでいい。細かいことは別にして,まずその区別ができる
   ようにしておこう。
三重:えーっと,租が稲で,庸が布,調が特産物ですね。
藤原:そのとおり。そのうち,租が地方に納める,まあ地方税ってこと。
   これは土地に税金がかかっていると考えればいい。それに対して,
   庸や調は,中央に納める税金だ。
佳代:つまり,庸と調が国税で,租が地方税ということですね。
藤原:そういうこと。そして,庸と調は,土地にかかる税ではなく主に,
   成年男子にかかる税,つまり人間にかかる税だったんだ。
三重:分かりました。それから,先生,雑徭っていうのもありましたね。
藤原:うん,これは労役だね。国司の命令によって国内の土木工事や雑用
   などをさせられた。どちらにしても,大きな負担だったようだ。
三重:本当にたいへんな時代だったようですね。農民が逃げ出したりした
   のも分かるような気がします。
藤原:そうだね。いくら上の者の命令でも,限度を超えると誰も守ろうと
   しなくなる。やりすぎは,いつの時代も破滅を招いている。支配と
   いうのはコントロールだから,時代に合わなくなったら制度を変え
   るしかないんだ。
佳代:分かりました。先生,今日はありがとうございました。


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■■ 今回は「土地制度と税制−4」を勉強します!
■■

三重:佳代,里長って恐いのねぇ・・・。
佳代:ああ,山上憶良の「貧窮問答歌」の話ね。
三重:そう,食べるものもなくボロボロの衣服しか身に着けてないのに,ム
   チを持った里長が税を出せとわめくなんて・・・。ひどすぎるよ。
佳代:里長だけでなく,税を取る役人って,みんなそうみたいよ。テレビで
   見たことがあるわ。
三重:このころの農民が逃げ出したりするのが多かったのも分かるよね。
藤原:そうだよね。
三重:あっ,先生,こんばんは。
藤原:奈良時代の話だね。苦しい農民の生活の。
三重:ハイ,かわいそうでかわいそうで・・・。
藤原:ホントだね。前回勉強したように,班田収授法のもとでの税は農民を
   苦しめた。それだけでなく,人口も増え,耕地が不足してきたんだ。
三重:なるほど,それは困りますねぇ。口分田を与えることが出来ません。
藤原:そうなんだ。そこで,土地の政策も改革に迫られることになったんだ。
佳代:は〜は〜ん,そこで出てくるのが,三世一身の法ですね。
藤原:そのとおり。三重ちゃん,この法律が出る前の土地制度の原則は何だ
   っけ?
三重:ハイ,公地公民です。
藤原:そうだったね。つまり,個人の土地はありませんよ。すべて国家のも
   ので,それを口分田として貸しますよというような制度だったね。と
   ころが,この三世一身の法は,新たに開墾した場合は三代まで,もと
   からある溝や池などを利用して開拓した場合は本人一代に限り私有を
   認めるという法律なんだ。
三重:つまり,公地公民の原則が崩れたということですね。
藤原:そういうこと。しかし,それだけでは不十分だったので,その後,三
   代とかじゃなくて,永久に認めようという法律が出来た。
佳代:は〜い,墾田永年私財法です。
藤原:正解だ。この法律により,公地公民は崩れた。土地制度が大きく変わ
   ったということだ。
三重:思い出しました。そう言えば,前も勉強したような記憶があります。
藤原:うん,そして,発生してきたのが荘園だ。荘園は,ものすごく複雑な
   ので,まずは私有地だと覚えておこう。
佳代:墾田永年私財法によって生まれた私有地ですね。
藤原:まあ,とりあえず,そう言ってもいいだろう。ただ,荘園は,だんだ
   ん形が変わっていく。
三重:どんな風に変わっていくんですか?
藤原:うん,複雑なので一言ではいえないけど,最初は,開墾した荘園で,
   初期荘園とか,墾田地系荘園と呼ばれる。しかし・・・。
三重:しかし,何ですか?
藤原:うん,この荘園は,税を取られるんだ。そこで,だんだんおとろえて
   いった。それに代わって出てきた荘園が,寄進地系と呼ばれる荘園だ。
三重:何ですか?それ?
藤原:簡単に言うと,開墾した人が自分のものにしないで,免税の特権を持
   っている寺社や貴族などに寄進してしまうんだ。
三重:えっ,あげちゃうんですか?
藤原:そう,簡単に言うと,税を払わなくてもいいという特権を持っている
   人にあげちゃうんだ。しかし,実際は,自分が荘官になって実際に,
   その土地を支配するという形になるんだ。
三重:???今一よく分かりません。
藤原:例えば,三重ちゃんが開墾したとしよう。その土地は三重ちゃんのも
   のだよね。でも税を取られる。税は高い,払いたくない。そこで,免
   税の特権を持っている藤原さんにあげちゃうんだ。
三重:すると,藤原さんのものになってしまいますよね。
藤原:そうなんだけど,それは形の上だけのことで,実際,藤原さんは,名
   前を貸すだけなんだ。
三重:なるほど,何となく分かってきました。
藤原:そして,税を払わない代わりに,藤原さんに少し手数料を払って実際
   は自分のものにする。そんな感じの荘園が寄進地系荘園なんだ。
佳代:うまく考えたものですね,藤原さん(笑)
藤原:だから,この経済力を背景に藤原氏の実質的な天下が続くことになっ
   たというわけだ。
佳代:それにしても,公地公民を考えると大きな変化ですね。
藤原:本当だ。これが,応仁の乱あたりまでは続くことになる。最終的に,
   消滅するのは,秀吉の太閤検地だけどね。
佳代:分かりました。先生,今日はありがとうございました。


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■■ 今回は「土地制度と税制−5」を勉強します!
■■

三重:ねえ,佳代。どうして藤原氏は没落しちゃたのかな?
佳代:そうねぇ,やっぱり後三条天皇が出現したからじゃないの?
三重:後三条天皇って荘園整理令を出した天皇ね。
佳代:そうよ。そして,藤原氏と縁の薄い天皇。だから,それまでやりた
   い放題だった藤原氏を締めつけてたのよ。
三重:ふ〜ん,なるほどねぇ。それで,権力の中心が院のほうに移ってい
   くことになったのね。
藤原:おう,今日は,難しいことを勉強しているねぇ〜。
三重:あっ,先生,こんばんは。
藤原:まだ,土地制度の勉強を続けるんだろ?
三重:ええ,でも,そろそろ終りにしたいです・・・(>o<)。
藤原:まあまあ,そんなに嫌がらないで・・・。とりあえず,荘園が完全
   になくなるところまではやろうよ。
三重:ハ,ハイ・・・,お願いします。
藤原:実を言うと,土地に関しては,まだまだたくさん勉強しなければな
   らないことがあるんだけど,分かりやすいように,荘園を中心に考
   えてみよう。
佳代:荘園整理令って,確か2回ありましたよね。
藤原:そうだね。最初のが,延喜の荘園整理令,これは平安時代の初期。
   あまり効果がなかったと言われる整理令だね。それに対して,今,
   話題になっていた後三条天皇が出した整理令が,延久の荘園整理令
   で,中学生の場合は,こちらを覚えておけばいいよ。
三重:その延久の荘園整理令で藤原氏が没落したんですね。
藤原:まあ,そういうことだ。それまで藤原氏に抑えられていた,中・小
   の貴族が院に集まり,摂関政治の時代が終り,権力が院に移ってい
   くことになる。
三重:院政のはじまりですね。
藤原:そう,三重ちゃん,院政をはじめた天皇は誰だっけ?
三重:ハイ,白河上皇です。
藤原:うん,正解だ。そして,荘園も,院に集中していくことになる。
佳代:すると,院の経済力が強くなりますね。
藤原:そういうこと。その後,武士の時代になり,封建制度が成立しても
   荘園はなくなるわけではない。
佳代:鎌倉時代の地頭は,荘園や公領ごとに置かれましたよね。
藤原:そうだね。でも,基本的には年貢を徴収する権利はあっても,年貢
   自体は領主に納める必要があった。しかし・・・。
三重:しかし何ですか?
藤原:やはり,トラブルが続出することになる。当然,地頭は自分が一番
   えらいと思っているしね。
佳代:つまり,地頭の荘園侵略が始まったということですね。
藤原:そういうこと。そこで,領主と地頭が妥協案として地頭請や下地中
   分などの形が出てくるようになる。
三重:何ですか,それ?
藤原:うん,まず地頭請だけど,これは,荘園領主が地頭に一定額の年貢
   を納めさせる代わりに荘園の管理を地頭に一任する制度だ。
佳代:なるほど,すると,一定額さえ払えば残りは自分のものになるわけ
   ですね。
藤原:そういうこと。それから,下地中分とは,荘園を分けてしまう。
三重:分ける?
藤原:うん,一つの荘園を二つに分けて,一つは地頭のもの一つは領主の
   ものにしてお互い干渉しないという制度。
三重:なるほど,争うんじゃなくて半分こっこにしたんですね。
藤原:そういうこと。鎌倉時代には,こんな感じで地頭が荘園を侵略して
   いくことになったんだ。
佳代:分かりました。先生,今日はありがとうございました。


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■■ 今回は「土地制度と税制−まとめ」を勉強します!
■■

三重:ねえ,佳代,そろそろまとめようよ。
佳代:そうだね。そろそろ飽きてきたし・・・。
藤原:やっぱり飽きてきたかい?
三重:あっ,先生,こんばんは。
藤原:それじゃあ,今日は,太閤検地によって荘園が消滅するところを勉
   強しよう。そして,これまでのところをまとめよう。
三重:ハイ,お願いします。
藤原:前回は,武士たちが荘園を侵略した話をしたよね。
佳代:ハイ,地頭が,領主たちと土地を半分っこしたりしたやつですね。
藤原:うん,それが,室町時代になると,今度は守護の力が強くなり,実
   質的に守護が土地を支配するようになる。そして,応仁の乱以降は,
   実力で勝ち取った戦国大名たちが実質の支配者になるんだ。
三重:でも,荘園は一応あるわけですね。
藤原:まあね。でも,豊臣秀吉の太閤検地で完全に消滅した。検地は,そ
   れまでも行われていたけれども,秀吉は,徹底して行ったんだ。
佳代:どのぐらい徹底したのですか?
藤原:うん,まず,測定の単位を統一した。しかも,律令制では,1段が
   360歩だったのに300歩にした。
三重:何故,単位自体を変えたのですか?
藤原:その辺は,悪知恵の一つじゃないかな?単位が変わったから計りな
   おしするという理由ができるだろ。だから,それまで隠していた田
   んぼもたくさん見つかることになるんだ。
佳代:なるほど,単位を変更して計りなおしすることによって,調べなお
   したということですね。
藤原:そういうこと。それを全国的規模でやった。そして,大名知行制が
   成立することによって,荘園は完全に消滅したんだ。
三重:なるほど,奈良時代に成立していろいろ形を変えて存在してきた荘
   園も太閤検地で完全に姿を消したということですね。
藤原:そういうこと。まあ,そのぐらいでいいだろう。後は,このシリー
   ズで勉強したことをまとめておいてね。
佳代:分かりました。みなさんも,まとめて勉強しておいてくださいね。

□□
□□ 土地制度のまとめ
□□

● 大和時代:天皇(大王)や豪族がバラバラに土地を私有

 ・朝廷・・・[私有地] 屯倉(みやけ)  [耕作民] 田部(たべ)

 ・豪族・・・[私有地] 田荘(たどころ) [耕作民] 部曲(かきべ) 

● 大化の改新:中央集権を目指し「公地公民制」が取り入れられる

 ・646年 大化の改新の詔で示される。

 ・土地の私有を認めない。

  屯倉(みやけ:天皇の私有地),田荘(たどころ:豪族の私有地)の廃止。

 ・土地は原則として国家のものになる。

● 墾田永年私財法:開墾した土地を私有できる

 ・公地公民の崩壊

 ・荘園の発生

  [8世紀〜9世紀] 墾田地系荘園

  [10世紀〜11世紀] 寄進地系荘園

 ・武士の荘園侵略

  [鎌倉時代] 地頭の荘園侵略(地頭請,下地中分)

  [室町時代初期] 守護の権限拡大(守護請,半済令)
  
  [戦国時代] 大名領国制

● 太閤検地:荘園の完全消滅

 ・大名知行制の成立

 ・石高制の確立(すべて米の量であらわす)


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 70  
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■■ 今回は「壬申の乱」を勉強します!
■■

三重:ねぇ,佳代,これからどんな勉強をするの?
佳代:そうねぇ,戦乱を取り上げようかと思うの。
三重:戦乱?
佳代:そうよ。応仁の乱とか,いろいろあるでしょ。しばらくは乱シリーズ
   いくつもり。
藤原:乱シリーズか〜。
三重:あっ,先生,こんばんは。
藤原:それは面白そうだね。乱をよく勉強することによって,その周辺を覚
   える。これもいい勉強法だね。
佳代:ハイ,そして,後でホームページに「乱」年表も作りたいと思います。
藤原:それはいいことだ。がんばっていこうね。
佳代:ハイ,とりあえず,古いのからはじめたいと思います。
藤原:すると壬申の乱あたり?
佳代:そうです。壬申の乱からお願いします。
藤原:分かったよ。それじゃあ勉強しよう。
三重:壬申の乱って,確か,天智天皇の後継者争いでしたね。
藤原:おう,よく覚えてたね!
三重:まかせてください,無難に勝った大海人皇子って覚えてますから。
佳代:そう言えば,前に勉強したときも言ってたわね?
三重:あれっ,そうだっけ?でも,これは忘れてません,672年で〜す。
藤原:そうだね。無難だから 672年でいいけど,実際は,無難なんていえな
   い天下分け目の戦いだったんだ。
佳代:天下分け目の関ヶ原ですか・・・(笑)
藤原:おう,よく知っているね。壬申の乱の戦場は関ヶ原なんだよ。
三重:えっ,本当ですか!関ヶ原って家康と三成の戦いじゃないんですか!
藤原:うん,1600年に起こった関ヶ原の戦いは超有名だね。でも,古代日本
   の天下を決めた壬申の乱も関ヶ原なんだ。
佳代:そうだったんですか!わたし冗談で言ったのに!すると,家康の関ヶ
   原の戦いの千年近く前に,もう一つの関ヶ原があったんですね!
藤原:そういうこと。そして,この辺の歴史は闇に包まれている。実際,ど
   うだったのかはよく分からない。でも,君たちは,とりあえず,一般
   的な知識を覚えていけばいいだろう。
佳代:そんなに難しいのですか?
藤原:そうだね。史料も少ないし,この戦いが書かれている日本書紀は,勝
   者の天武天皇に有利に書かれている。まあ,当然のことだけどね。
佳代:なるほど,その辺は,わたしたちはまだ早いですね。
藤原:うん,まずは,定説を勉強して,変だなと思ったら後でじっくり研究
   していけばいい。
三重:そうですね。
藤原:それじゃあ,乱について簡単にまとめるよ。さっき,三重ちゃんが言
   ったように,この乱は,天智天皇の後継者争いだったね。誰と誰が争
   ったの?
佳代:ハイ,大海人皇子と大友皇子です。
藤原:正解だね。そして,天智天皇の子供はどっちだろう?
三重:大友皇子です。
藤原:よろしい。よく勉強しているね。天智天皇は,最初,弟の大海人皇子
   を後継者に決めていた。しかし,だんだん,子供の大友皇子に後を継
   がせたくなった・・・。
三重:ははあ〜ん,やはり,自分の子供はかわいいんですね。
藤原:うん,そうだよね。だから,壬申の乱は,天智天皇のルール違反から
   起こったともいえる。
佳代:なるほど,天智天皇が,子供かわいさに本来決まっていたことを覆し
   たと言うことですね。
藤原:まあ,そんなところだと思っていい。先生は,納得していないけどね。
三重:そう言えば,国語の先生が,天智天皇と大海人皇子は三角関係だって
   言っていましたよ。
藤原:ああ,額田王の話かい。
佳代:わたしも聞きました。何か,絶世の美女だった額田王は最初大海人皇
   子の奥さんだったのに,天智天皇が取り上げたって。
藤原:そうなんだ。額田王は,最初大海人皇子の妻で,子供まで設けている。
   しかし,後に天智天皇の妃になったことは確かだ。
三重:すると,まさか,壬申の乱は,三角関係のもつれとか!
藤原:それはないだろう。当時は,そんなことは不思議でも何でもない。実
   際,天智天皇の娘4人が大海人皇子,つまり天武天皇だよね,に嫁い
   でいる。その話は面白いけど,乱とは直接関係ないと思うよ。
佳代:でも,いい感じはしませんね。
藤原:うん,感情的にはね。この戦いは,いろいろ研究していくと面白い話
   がたくさん出てくる。ま,これは,いつか機会があったらするよ。
佳代:分かりました。そして,結果は,天智天皇の弟の大海人皇子が勝利し
   て天武天皇になったんですね。
藤原:そういうこと。この乱の結果,天皇の権威が高まった。武力で勝ち取
   ったわけだからね。
佳代:すると,壬申の乱の歴史的な意義は,天皇の権威が高まったと言うこ
   とですか?
藤原:そのとおり。古代日本の命運を決めた,本当に重要な戦いだったんだ
   よ。
佳代:分かりました。先生,今日はありがとうございました。

□□
□□ 乱の概要
□□

● 壬申の乱(672年) 主戦場:関ヶ原

・天智天皇の後継者争い

・大海人皇子(弟)と大友皇子(子)が争う。

・大海人皇子の勝利→天武天皇となり,天皇の権威が高まる。


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